1 浄水場の歴史


創設当時の北島水源地のようす

 鳴門市は四国の東部、徳島県の東北部に位置し、北と東が海に面しています。
 水道のない時代には、人々は主に井戸で汲んだ水で生活をしていましたが、水質はあまりよいとは言えず、海の近くでは井戸に塩気が混じるなど、飲み水にあまり適さない水を使って生活していた人も多かったそうです。

 昭和7年5月に、当時はまだ鳴門市はありませんでしたが、前身の町のひとつである撫養町で水道が使えるようになりました。水源地は、豊富な水量と良い水質を兼ね備えた旧吉野川の左岸、今切川との分流点の上流1kmの地としました。この北島水源地は、時代を経て現在の鳴門市浄水場が建設されている場所と同じ場所です。


現在の鳴門市浄水場

 昭和22年には、撫養町が近隣の町との合併により鳴門市となりました。
 以降も隣町との合併や都市化の進行により水の需要も増え、これにあわせて水道施設の拡張が進んでいきました。北島水源地においても設備の更新が重ねられ、手動で行われていた施設の操作も次第に機械化・自動化が進んでいきました。
 昭和45年度から52年度の間に行われた第9期拡張事業のときに、現在の管理本館やろ過池、沈殿池などができ、ほぼ現在の浄水場のもととなる形が出来上がりました。

 その後も、時代に合わせて施設の更新を図りながら、今に至っています。

水道ができる前は、遠くの井戸まで水をくみに出かけたり、塩気を含んだままお米を炊くのに使用せざるを得なかったりと、苦労していた地域も多かったようで、水道水が使えるようになった時には、きれいな水に手を合わせて拝んだ人もいたといいます。

今では、蛇口をひねるだけできれいな水が出てくるね。
この水道水が、どうやってきれいになって、お家や工場まで届けられるのか、次のページから見ていきましょう。

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