渦の国 鳴門
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国指定重要文化財(彫刻) もくぞうあみだにょらいざぞう 木造阿弥陀如来坐像

所在地 大麻町板東字桧字ダンノ上一二 極楽寺
時代 鎌倉時代
指定年月日 1911(明治44)年8月9日

四国霊場第二番札所の極楽寺の本尊である。
像高八四・0cm、寄木造で、当初は漆箔仕上げであったと考えられる。
腹前で定印を結び、結跏趺坐している。
眠るがごとき穏やかな面貌、低平な両脚部、柔らかな浅い衣文表現など、当地における定朝様の一例といえよう。
一一世紀の前半に都で活躍した仏師・定朝の存在は、以後の造仏界に大きな影響を与えた。特に定朝が晩年に作りあげた円満な阿弥陀如来の形姿は、当時の貴族たちから絶賛され、皆こぞってその姿の阿弥陀如来像を求めた。この定朝晩年の阿弥陀如来像のスタイル=定朝様が日本列島の隅々にまで波及し、定朝没後一〇〇年以上もの間、定朝様が造立され続けたのである。
本像は、側面にまわると、胸、腹部に意外な量感が示されており、定朝様から一歩踏み出した感もある。一二世紀後半ごろの作例であろう。

参考文献

『徳島の文化財』 徳島県教育委員会 徳島新聞社 平成一九年三月三一日発行 P110

位置図

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