鳴門市職員に対する職務に関する働きかけについての取扱いについて
1 趣 旨
職員がその職務に関し、外部の者から働きかけを受けた場合における組織的な対応についての手続き定め、情報を共有することにより、不当な働きかけを抑止するとともに、行政運営の公正確保と透明性の向上を図る。
2 概 要
(1)職員が、職務上、外部の者(個人・団体を問わない)から口頭又は電話により公正な職務の遂行を損なうおそれのある不当な要求や要望等の働きかけ(以下「働きかけ」という。)を受けた場合に、当該職員は報告書を作成し、上司又は所属長(以下「上司等」という。)に報告する。
当該報告書は公文書として情報公開の対象とする。
(2)上記(1)に該当しない苦情、要望についても、各課において報告書を作成する等、この要綱の例により適切に対応することに努めるものとする。
3 主な内容
(1)職員は外部の者から次のいずれかに該当すると認められる働きかけを受けた場合は、職務に関する働きかけについての報告書(別記様式以下「報告書」という。)を作成し、上司等に報告する。
1) 本市が行う許可若しくは認可、市が当事者となる契約又は職員の採用、任用、人事異動等に関し、特定の者に対して有利な取扱い又は不利益な取扱いを求める場合
○公の施設の使用制限に該当するにもかかわらず、許可をするよう求める場合
○市が発注する工事の入札において、特定の業者を指名するよう求める場合
○職員の人事異動に関し、特定の職員の希望を受け入れるよう求める場合
2) 職務の遂行に関し、特定の者に義務のないことを行わせ、又は特定の者の権利の行使を妨げる場合
○市の委託業者に委託業務以外の業務を行わせるよう強要する場合
○特定の者が受けようとする補助金等の各種申請の妨げとなる行為を求める場合
3) 執行すべき職務を執行しないよう、又は所定の期限までに執行しないよう求める場合
○定められた期限までに行わなければならない許認可等を遅らせるよう求める場合
○受理すべき文書等を受理しないように求める場合
4) 職務上知り得た情報を漏洩させようとする場合
○地方公務員法第34条に規定している秘密を守る義務に違反する行為を行わせる場合
5) 公務員としての職務に関する倫理に反する行為を求める場合
○地方公務員法第33条により禁止されている信用失墜行為となる行為を強要する場合
6) 法令により与えられた権限の行使にあたり公正中立な執行を妨げる場合
※ 上記の1)~5)に該当しないもので、中立な行政執行を妨げる場合
(2)働きかけに対する対応は、原則として複数の職員で行うことを基本とし、相手方に働きかけの内容を録音する旨を伝え、これを録音する。
(3)応対者は、作成した報告書の記載内容について、働きかけを行った相手方に署名による確認を求めるよう努めるものとする。
(4)上司等は、報告書に対応方針を記載後、上司に報告し、その決裁を受ける。また、働きかけの内容が、他の課等が所管する事務に当たる場合、又は複数の課等に関連する場合については、所管する課長に合議し、対応を協議するものとする。
(5)上司等が重要又は異例なものと判断するものについては、任命権者に報告する。
(6)対応方針において、相手方に回答が必要な場合については、次による。
ア 検討後回答する場合(原則)
即答は避け、内部で十分検討し、その結果について決裁を受けた後に回答する。
イ 即時回答する場合
働きかけが簡易なもの、緊急を要するような内容のものについては、必要に応じて上司等の了解を得た上、その場において口頭により回答することができるものとする。
この場合でも、報告書は作成する。
(7)職員は、回答を行った場合については、報告書に対応結果を付して、上司等を経て上司に報告し、その決裁を受ける。上司等が重要又は異例なものと判断し任命権者に報告したものについては、報告書も任命権者に報告する。
(8)職員は、対応が全て終了した場合には報告書の写しを総務課長に送付するものとする。
(9)文書の保管、保存、開示
ア 報告書は鳴門市文書編さん保存規程に基づき所管課において保存、保管する。
イ 報告書は、情報公開条例で定める公文書として開示請求の対象とする。
開示・非開示の判断に当たっては、公文書の開示基準を適用。また、「内容」欄に個人が識別される通常他人に知られたくないと認められる情報等がある場合は、その部分は非開示とする。
4 この要綱の適用を受ける職員の範囲
(1)地方公務員法第3条第2項に規定する一般職に属する常勤の職員(特別職、嘱託職員、臨時職員等は除く。)
5 働きかけの対象とならないもの
(1)議会等不特定の者が傍聴できる公開の場におけるもの
(2)議事録が作成される会議の場におけるもの
(3)陳情、要望書、申請書等の書面によるもの
(4)関係者との協議、調整、対応等が事務処理要領など他の制度により公文書で記録されているもの
(5)単なる照会又は資料請求
(6)日常的に受ける軽易なもの
6 その他
この要綱の対象とならない、通常の職務において発生する苦情、要望等(公式又は公開の場でなされたもの及び単なる照会は除く。)についても、報告書を作成し、所属長に報告するとともに、対応結果を残すなど、この要綱の例により、各課で適切に処理することに努めるもとする。なお、作成した報告書は、情報公開の対象とする。
各課等で独自の様式を用いて実施している場合は、この様式によらなくてもよい。