アドバイス菜々『鳴門わかめ』
材料選びや下ごしらえなど、ちょっとしたこころがけと工夫で見違えるほど仕上がりは変わるもの。 |
もどし加減が一番重要
まず、糸わかめなどの乾燥品は、水でもどすと約10倍のボリュームに。あらかじめ分量に注意して、下ごしらえにかかります。どの料理をつくる場合も、鳴門わかめはもどし加減が重要なカギ。水に浸しすぎると特有のコシがなくなってしまいますから慎重に。しっかりジャスト・タイミングをはかりましょう。
汁物に用いる場合には、半分くらいのもどし方で。料理ができ上がる頃には程よく水分を吸収し、醍醐味が味わえます。
もどしたわかめは、水気をしっかり切る。
下ごしらえでのポイントをもうひとつ。わかめ料理をもっともおいしくいただくコツは、水切りにあり。もどしたわかめはまず、水分をしっかり取ることが鉄則です。これを怠ると、ベトベトしたり、水っぽくなったり。わかめはおろか、全体の仕上がり具合にまで影響してしまいます。ですから、水洗いしたわかめはザルにとり、しっかり水切り。油で炒める場合などは、ふきんやキッチンペーパーにはさみ、軽くおさえると効果的。風味が封じ込められ、口あたりもやさしくなります。
わかめは熱を通しすぎない
鳴門わかめは、熱にとてもデリケート。煮炊きする場合は特に、鮮やかな緑と歯ざわりを損なわないよう、手早く調理しましょう。より鮮度を保つために、最終ステップでわかめを入れ、サッと一煮立ち。ここで火を止め、たっぷり味を含ませると出来上がり。さあ器に盛って、できるだけ早めにいただきましょう。ちなみに、汁物などを時間を置いてふたたび食するような時は、もうひと工夫。下ごしらえしたわかめを適量、その直前に加えてもよいでしょう。
茎部分もしっかりいただく
忘れがちの茎も、あなどることなかれ。実においしい部分ですので、ぜひご賞味ください。一度の調理では出る量も知れていますが、冷凍などでこまめに保存。ある程度の分量になったらいただきましょう。使い方はふた通り。まずは、キャラ煮などの煮物料理に。かたい茎も弱火でじっくり煮ると、寒天質でやわらかく。しっとりとした味わいが口に広がります。また、生のまま食するのも美味。細切りにしてサッと水にさらし、氷水にとると下ごしらえ完了。サラダなどでシャキシャキ感をお楽しみください。