平成31年鳴門市議会第1回定例会

◆ 目 次

(1)はじめに

(2)「四国のゲートウェイ化」構想の推進について

(3)「ASAトライアングルを結ぶサイクリングツーリズム推進事業」について

(4)イメージアップ事業について

(5)アジア初演「なると第九」ブランド化プロジェクト事業について

(6)「板東俘虜収容所関係資料」ユネスコ「世界の記憶」登録推進事業について

(7)スポーツ推進事業について

(8)国際交流事業について

(9)国内交流事業について

(10)子育て環境の充実について

(11)就学前教育・保育のあり方について

(12)放課後児童健全育成事業について

(13)子どもの居場所づくり推進事業について

(14)「KOBA式体幹バランストレーニング普及推進事業」について

(15)生活支援体制整備事業について

(16)教育行政について

(17)防災対策事業について

(18)公共施設等の管理について

(19)新庁舎建設事業について

(20)道路照明LED化更新事業について

(21)水道事業について

(22)ボートレース事業について

 

 

(1)はじめに

 本日、第1回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。

 今期定例会におきましては、平成31年度鳴門市一般会計予算案を始め、各種議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ちまして、まずは、諸般の報告と現在本市が当面している諸課題についての所信を申し上げ、議員の皆様を始め、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

 まず、最初に、第65回記念徳島駅伝の結果についてであります。

 去る1月4日から6日にかけて行われた第65回記念徳島駅伝において、鳴門市チームが3年連続通算36度目の総合優勝を果たしました。

 終始安定した走りで2位の徳島市と8分差を付け、全45区間のうち14区間で区間賞を獲得するとともに8年ぶりに女子総合優勝を果たすなど、レース運びも「常勝鳴門」を印象付ける素晴らしい内容であったと感じております。

 選手の皆様の日頃の努力と健闘を称え、心よりお祝いを申し上げますとともに、関係者の皆様、沿道で応援頂いた多くの市民の皆様に改めて感謝申し上げます。

 

 次に、「駅前足湯ふろいで~」についてであります。

 「駅前足湯ふろいで~」は、昨年7月1日にオープンして以来、去る2月2日に利用者が1万人を突破いたしました。

 これまで、市民の皆様や本市を訪れた観光客の皆様に日々ご利用頂いたことを嬉しく感じております。

 今後もより一層、利用者の皆様にご満足頂けるよう、来年度につきましては、四国内の源泉を足湯で体験できる限定イベントを開催するなど、工夫を凝らした施設運営に努めてまいります。

 

 次に、「証明書コンビニ交付サービス」についてであります。

 去る2月1日より、市民の皆様の利便性の向上のため、マイナンバーカードを利用して全国のコンビニエンスストアにあるマルチコピー機を自ら操作して住民票の写し等を取得できる「証明書コンビニ交付サービス」を開始しております。 

 このサービスには、マイナンバーカードが必要となりますが、市民課で発行している証明書の多くは、コンビニで受け取ることができます。

 また、サービスの普及を図るために手数料を市民課の窓口交付より100円安く設定しました。

 さらに、コンビニに設置されているものと同様のマルチコピー機を市民課内に設置し、サービスの利用率アップや窓口混雑の解消を目指すとともに、今後もマイナンバーカードの普及に向けた周知に取り組んでまいりたいと考えております。 

 

 次に、本市を取り巻く社会経済情勢についてであります。

 最近の社会経済情勢について概観いたしますと、1月の月例経済報告の基調判断では、「景気は、緩やかに回復している。」とのことであります。

 また、去る2月14日に発表された10月から12月期のGDP1次速報値では、前期比年率換算で1.4%増となり、2四半期ぶりにプラス成長となりました。

 世界の景気の先行きにつきましては、緩やかな回復が期待されているところでありますが、通商問題の動向が世界経済に与える影響や中国経済の先行きなど海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。

 こうした中、政府では、少子高齢化という最大の壁に立ち向かうため、「人づくり革命」と「生産性革命」の2本柱の政策を掲げ、希望出生率1.8、介護離職ゼロ、全世代型社会保障制度の実現に向けた取り組みを進めることとしております。

 また、10月に予定されております消費税率の引き上げに伴う経済対策として、一部の世帯を対象とするプレミアム付商品券の発行や幼児教育・保育の無償化が予定されており、今後、市民の皆様の生活にどのように影響を与えていくのか注視する必要があります。

 本市といたしましては、こうした動向を見極めながら、可能な限り国等の補助金を活用し、地方創生など未来のまちづくりに資する各施策の具体化を図り、目標達成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

 

 

(2)「四国のゲートウェイ化」構想の推進について

 

 それでは、本市の取り組み事項を着実に進めていくための重要施策について申し上げます。 

 第一点は、「うきうき 活力と魅力あふれる まちづくり」についてであります。

 まず、「四国のゲートウェイ化」構想の推進についてであります。

 本市が名実ともに四国の玄関口となるべく、大津町備前島において計画しております交流拠点施設につきましては、昨年12月に基本計画の策定を終え、引き続き、道の駅としての登録を目指し、関係機関等との調整を進めております。

 3月16日と23日には、「道の駅から始まるまちづくり」をテーマに、市民や市内事業者を対象としたセミナーを開催する他、施設の経営・運営、開業を想定したソフト戦略など、各種の調査・検討も進めております。

 来年度は、設計業務を本格化させる他、事業認定手続き、用地取得などを行ってまいります。

 また、今年度実施いたしました食や光をテーマとした関連イベントにつきましては、地域経済への波及効果の確保や地域の皆様との連携などに配慮しながら、新たな要素も取り入れつつ実施してまいります。

 

 

(3)「ASAトライアングルを結ぶサイクリングツーリズム推進事業」について

 

 次に、「ASAトライアングルを結ぶサイクリングツーリズム推進事業」についてであります。

 本市では、「ASAトライアングル交流圏推進協議会」の構成自治体である本市と南あわじ市、東かがわ市の3市で、地域の活性化と市民の健康づくりを目的とした広域連携事業を展開しております。

 3月24日には、本市と南あわじ市、報知新聞社の3者共催によるサイクリングイベント「鳴門・南あわじ渦潮グルメライド」を開催いたします。

 既に昨年度を超える参加申し込みを頂いており、春の鳴門の抜群のロケーションとグルメを多くの方にご堪能頂きたいと考えております。

 また、本市と南あわじ市の共同で制作したサイクリングPR用の短編映画「あの空の向こうに~夏雲~」につきましては、3月8日から10日にかけて行われる「徳島国際映画祭」でも上映されることとなっており、今後、その他の映画祭にも出品する予定であります。

 これから春の行楽シーズンを迎え、各地のサイクリングイベントも本格化していきます。

 今後とも、サイクリストのニーズ把握に努めながら、サイクリングツーリズムに係る各種施策の周知と改善を図ることにより、なお一層効果的な事業推進に努めてまいります。

 

 

(4)イメージアップ事業について

 

 次に、イメージアップ事業についてであります。

 昨年の12月6日からユーチューブで公開しておりますPR動画「Beyond Naruto」は、本編動画3作、CM用動画1作、メイキング動画1作の計5作構成で、現在の合計再生回数は既に9,000回を超えております。

 この他、鳴門駅前観光案内所や渦の道、徳島駅のデジタルサイネージでの放映、関西テレビ・四国放送でのスポットCM放送など、様々な媒体を活用し、本市のPRに努めているところであります。

 また、本市の地場産品や地場産業の仕事に焦点を当てたイメージアップ冊子である「鳴門やけん」やPRカレンダー「ナルトメイド」を作成する他、インスタグラムを活用した写真動画コンテスト「ナルスタグラム」なども引き続き実施し、故郷への愛着を育むとともに鳴門の持つ魅力をアピールいたします。

 今後も、「なると未来づくり総合戦略」に基づく様々な取り組みを進め、効果的な事業展開を図ることで、鳴門の持つポテンシャルを最大限発揮させ、新たな成長・活性化に繋げてまいります。

 

 

(5)アジア初演「なると第九」ブランド化プロジェクト事業について

 

 次に、アジア初演「なると第九」ブランド化プロジェクト事業についてであります。

 本市では、平成25年にアジア初演「なると第九」ブランド化プロジェクトを立ち上げ、産官学民一体となって様々な事業を展開してまいりましたが、昨年、1918年6月1日にベートーヴェン「第九」交響曲がアジアで初めて演奏されてから100年目を迎え、その集大成として「第九」アジア初演100周年記念事業を数々開催いたしました。

 その機運を持続させつつ、さらなる「なると第九」ブランド化の向上を目指して事業を展開してまいります。

 まず、板東俘虜収容所の所長であった、松江豊壽氏の顕彰シンポジウムについてであります。

 改めて松江豊壽氏の功績を深く掘り下げ、そこから何を学ぶべきか考え顕彰してまいります。

 また、「第九」演奏会関連事業といたしましては、6月の第一日曜日に実施されている「第九」演奏会の他、その翌日には、「第九」の研究者を講師として招聘し、講演会を行います。

 さらには、国史跡板東俘虜収容所跡の保存活用計画の策定に取り組みますとともに、ドイツ館など「なると第九」にまつわる関連地とあわせ平和学習や体験学習などに結び付けるなど魅力の増進を図り、修学旅行の誘致に向けた周知啓発を行ってまいります。

 2020年は、東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、ベートーヴェンの生誕250周年という年でもあります。

 この祝祭の年の機運に乗り、これまで本市が紡いできた100年の歴史とともに、長きに渡り成長を遂げてきた「なると第九」を未来に飛躍させるため、特に次世代育成に力を注ぎ、事業を展開してまいりたいと考えております。

 

 

(6)「板東俘虜収容所関係資料」ユネスコ「世界の記憶」登録推進事業について

 

 次に、「板東俘虜収容所関係資料」ユネスコ「世界の記憶」登録推進事業についてであります。

 去る1月12日から20日まで、県教育委員会と共催で、「板東俘虜収容所の世界展 100年前の収容所に花開いたドイツ文化と日独交流の歴史」と題した企画展を、初めて東京都内で開催いたしました。

 渋谷区「東急文化村」内のギャラリーにおいて、47点の原資料と解説パネルで、「第九」アジア初演の地である「板東俘虜収容所」でのドイツ兵捕虜の活動の一端と、ユネスコ「世界の記憶」登録推進事業のPRを行いました。

 期間中に2,400名もの来場があり、多くの方から、このような捕虜収容所が日本の鳴門に存在したことに感動し、ぜひともユネスコ「世界の記憶」への登録を目指してほしいとの温かいご支援の声を頂くことができました。

 さらに第二弾として、3月26日から31日まで、「京都文化博物館 別館ホール」において企画展の開催を予定しております。

 ユネスコ「世界の記憶」登録推進事業でありますが、現在、ユネスコにおいて登録に関する手続きの見直しが進められており、今年度の申請受付は行われませんでした。

 本市といたしましては、今後のユネスコの動向を注視しながら、共同で申請書を提出する県及びドイツ・ニーダザクセン州並びにリューネブルク市と連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。

 さて、平成31年は、現在まで続く本市とリューネブルク市の交流の礎となった「ドイツ兵の慰霊碑」及び「ドイツ橋」が建設されてから100周年となる記念すべき年であります。

 本市といたしましては、この建設100周年を祝し、「ドイツ兵の慰霊碑」の完成式典が執り行われた8月31日とその前後に、慰霊碑のある板東俘虜収容所跡とドイツ館において魅力あるイベントを開催するなど、ユネスコ「世界の記憶」登録推進の機運醸成を一層図ってまいりたいと考えております。

 

 

(7)スポーツ推進事業について

 

 次に、スポーツ推進事業についてであります。

 まず、ランニングイベント「なると島田島ハーフマラソンwith吉本新喜劇」につきましては、さらに特色を持ったランニングイベントとなりますよう今後検討を重ね、吉本興業をはじめとする関係機関等と連携し、本市の魅力を発信できる新たな大会として、交流人口の増加を図ってまいりたいと考えております。

 

 次に、インバウンド合宿誘致事業についてであります。

 本市においては、スポーツを産業として捉え、スポーツ大会・合宿の誘致により、スポーツの振興と交流人口の拡大による地域・経済の活性化を図っているところであります。

 今年度の取り組みといたしましては、去る1月10日、スポーツビジネス会社「I-ANS」と連携協定を締結し、合宿誘致第1号として、現在、韓国のフィムン高校野球チームが来鳴中であります。

 2月28日までの滞在期間中、宿泊等による経済効果のみならず、市内の児童・生徒や地域の方々との国際交流なども実施しているところであります。

 来年度におきましても、本市の豊富な観光資源を活かし、中国・韓国など東アジア圏の野球が盛んな国をターゲットに、コンベンション助成制度を見直すとともに、阿波おどり、うずしお鍋等、鳴門ならではの「おもてなし」をセールスポイントとしてインバウンド合宿の誘致を進めてまいります。 

 

 次に、マルチスポーツ・障がい者スポーツ推進事業についてであります。

 本市では、平成27年2月に策定した「鳴門市スポーツ推進計画」に基づき、総合型地域スポーツクラブ等と連携し、生涯スポーツを推進しているところであります。

 来年度から新たに取り組む本事業は、スポーツをする機会を十分に提供できていない就学前の子どもたちや障がい者が対象であり、県内の市町村では初の取り組みとなります。

 まず、幼児期におけるマルチスポーツの推進といたしまして、様々なスポーツ・運動に取り組む機会を創出し、子どもたちの可能性を広げる取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 また、車いすバスケットボールなど障がい者スポーツを普及・促進し、障がい者と健常者が一緒に活動できる地域社会を目指してまいります。

 

 次に、卓球のTリーグ誘致事業についてであります。

 卓球は、子どもから高齢者までどこでも誰でも気軽に取り組むことができる生涯スポーツであり、高齢者の健康寿命の延伸にも効果があるとされております。

 オリンピックでの活躍や人気選手の登場など、スポーツとして人気が高まっていることを受け、昨年10月に発足した「Tリーグ」を本市に誘致し、スポーツ振興・地域活性化はもとより、卓球による健康づくりを進めたいと考えております。

 来年度の取り組みといたしましては、Tリーグ日本生命レッドエルフの女子選手・監督にお越し頂き、4月と10月に卓球教室を開催することにより、市民の皆様に選手に対し親しみを持ってもらい、ファンを拡大するなど、Tリーグの誘致に繋げてまいります。

 今後におきましても、市民の皆様やスポーツで鳴門を訪れた方に、本市の魅力を満喫して頂くとともに、スポーツを通じて地域活性化と健康づくりに向けた取り組みを進めてまいります。

 

 

(8)国際交流事業について

 

 次に、国際交流事業についてであります。

 姉妹都市であるドイツ・リューネブルク市につきましては、8月22日より「第23回親善使節団」を派遣する予定であります。

 昨年は、両市の姉妹都市交流の親交に多大なる貢献を続けてこられたウルリヒ・メドケ市長に、第1号となる特別名誉市民の称号をお贈りしたところであり、今後もお互いの訪問を通じて、より緊密な関係を築きたいと考えております。

 また、第4回目となる「青少年使節団」の派遣により、次世代における姉妹都市交流の担い手育成を図ります。

 さらに、ドイツ・アメリカ・日本からも参加者を募る合同「第九」演奏会の開催に合わせ、中国の青島市を訪問する予定であります。

 

 

(9)国内交流事業について

 

 次に、国内交流事業についてであります。

 昨年の「第九」アジア初演100周年と戊辰戦争から150周年といった記念の年を契機として、親善都市である会津若松市との相互訪問を行っているところであります。

 今年は、両市の親善都市締結20周年と、会津若松市市制施行120年を迎えますことから、関係者とともに訪問を行うことにより、さらに両市の交流を深めてまいります。

 

 

(10)子育て環境の充実について

 

 第二点は、「ずっと笑顔で 生きがい感じる まちづくり」についてであります。

 まず、子育て環境の充実についてであります。

 今年度、「第2次子ども・子育て支援事業計画」の策定に向け、市内の小学3年生までの子どもがいるご家庭にアンケート調査を実施し、現在集計中であります。

 平成31年度は、この調査結果をもとに本市の各種子ども・子育て支援に関するニーズの把握をし、有識者や関係団体の代表者、子育て当事者などで構成する児童福祉審議会の委員の皆様方にもご意見を伺ったうえで、平成32年度からの5年間を計画期間とする「第2次子ども・子育て支援事業計画」を策定いたします。

 本計画を策定し、子ども・子育て支援を着実に推進することにより、子育て環境の計画的な充実を図ってまいります。

 

 

(11)就学前教育・保育のあり方について

 

 次に、就学前教育・保育のあり方についてであります。

 現在、「公立保育所再編計画策定審議会」において、委員の皆様方に「公立保育所再編計画」について審議を頂いており、計画策定に向け作業を進めております。

 今年度、公立保育所の今後のあり方については、一定の方向性が示されることとなっております。

 平成31年度からは新たに「就学前教育・保育のあり方に関する審議会」を立ち上げ、保育所、幼稚園、認定こども園といった施設形態に関わらず、就学前教育・保育施設から小学校への円滑な接続を実現するための検討に加え、就学前教育・保育の質の向上に向けた審議を行い、本市の実情に則した就学前教育・保育のあり方について検討してまいります。

 

 次に、保育所、認定こども園等に対し、創意工夫のある独自の取り組みを支援する「いきいき保育環境なるっと補助金」について、ふるさと納税を活用し、拡充してまいります。

 具体的には、保育中の重大事故は睡眠中に起こりやすいことを踏まえ、保育施設が当該事故を防止するための備品等の購入について、費用の一部を助成するものであります。

 また、「0歳児の一時預かりを実施する施設への補助金の加算」や「保育士等がスキルアップを図るための研修会参加費用の助成」、「アレルギー食対応のための調理員加配に助成」などの支援を継続して取り組むことにより、引き続き本市の保育環境の充実を図りたいと考えております。

 

 

(12)放課後児童健全育成事業について

 

 次に、放課後児童健全育成事業についてであります。

 現在、小学校内で放課後児童クラブを実施している木津児童クラブ、撫養児童クラブの2クラブについて、利用希望者の増加に対応するため、利用教室を1教室ずつ増設いたします。

 このことにより、放課後の児童の居場所の確保に努め、保護者の方々の就労と子育ての両立を支援していくとともに、安心して児童を預けることのできる環境整備を進めてまいります。

 

 

(13)子どもの居場所づくり推進事業について

 

 次に、子どもの居場所づくり推進事業についてであります。

 昨年、本市が、県内市町村で初めて実施した子育て家庭の生活実態等を把握するアンケート調査の結果に基づき、子育て支援策に取り組むこととしております。

 その支援策の1つとして、子どもの居場所づくり推進事業を実施いたします。

 本事業は、放課後等に無料又は安価で栄養バランスの取れた食事の提供や学習の支援を実施し、安心して過ごせる場所の提供を行う「子どもの居場所づくり」を推進する団体に対し、「子どもの居場所づくり補助金」を交付するものであります。

 こうした、「子ども食堂」など子どもの居場所づくりに対する経費への補助金の創設は、県内市町村で初の取り組みであります。

 今後におきましても、子どもや子育て支援に係る様々な施策を展開することで、子育て世帯が安心して子どもを育てることができる「自然とふれあい笑顔がうずまく 子育てを始めるまち なると」の実現を目指してまいります。

 

 

(14)「KOBA式体幹バランストレーニング普及推進事業」について

 

 次に、「KOBA式体幹バランストレーニング普及推進事業」についてであります。

 本市では、平成29年度より、スポーツを通じた基礎体力の向上や健康意識の醸成を図ることを目的に、「体幹バランストレーニング」の第一人者で、多くの著名スポーツ選手のトレーナーを務められている木場克己氏による体幹トレーニングの普及に取り組んでおります。

 これまで、小中学校の児童・生徒を中心に、一般成人、高齢者などを対象とした教室を開講し、継続して体幹トレーニングに取り組んで頂くことを通じて、有意な体力向上効果を確認しているところであります。

 今後は、競技力向上に向けた鳴門市版体幹トレーニングの監修や就学前児童を対象とした体幹トレーニングメニューの作成・普及に取り組むこととしており、体幹トレーニングの普及を通じ、市民の健康づくりとスポーツ技能の向上を図ってまいります。

 

 

(15)生活支援体制整備事業について

 

 次に、生活支援体制整備事業についてであります。

 少子高齢化が進む中、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らすことができる体制づくりを進めていくために、本市においては、公益財団法人さわやか福祉財団のご支援のもと、生活支援コーディネーターの選出、地域での勉強会の開催、推進母体である協議体の設置など、様々な取り組みを進めてまいりました。  

 その結果、住民主体で「居場所づくり」、「介護予防」、「生活支援」の3つの機能を持つ拠点が整備され、昨年10月には、大津町木津野に第1号となる暮らしのサポートセンター「みんなの家Asa居」が、11月19日には大麻町板東に「縁どころ」、11月23日には本町商店街の一角に「むや」が開設されました。

 今後は、この活動が地域に根付き、持続可能なものとなるように、地域のニーズ把握や担い手の育成、関係者のネットワークづくりなど、引き続き支援をしてまいりたいと考えております。

 また、支え合い・助け合い活動の更なる展開を考える機会として、2月24日にうずしお会館において、さわやか福祉財団の堀田力会長をお迎えし、「第2回いきいき支え合い地域づくりフォーラム」を開催いたします。

 多くの方々にご参加頂き、これからの地域づくりについて議論を深めていきたいと考えております。

 今後も市民の皆様による活動の広がり、新たな地域における暮らしのサポートセンターの開設など、支え合い・助け合い活動が全市的に広がっていくように、費用助成や地域での活動の支援等の取り組みを進めてまいります。

 

 

(16)教育行政について

 

 次に、教育行政についてであります。

 まず、学校施設の整備についてであります。

 来年度につきましても、引き続き、第一中学校の第3期校舎改築工事を進めてまいります。来年度の夏頃に新校舎が完成した後、職員室等の引越しを行い、第4期校舎解体工事に着手する予定としております。

 幼稚園におきましては、8園の保育室やリズム室等に速やかに空調設備の設置を進めていく他、5園の園舎非構造部材耐震化工事に着手する予定としております。

 また、学校施設の安全対策として、現地確認等を通じて危険箇所を把握し、対応が必要なブロック塀につきましては改修工事等に着手いたしております。

 さらに、老朽化により倒壊等の危険性があるブロック塀以外の構造物等につきましても、小中学校各2校において改修設計を実施し、子どもたちの更なる安全に努めてまいります。

 また、トイレ環境改善事業として、小中学校各1校の改修工事、小学校2校、中学校1校の改修設計を実施し、子どもたちの生活環境の変化に対応した洋式化や老朽化対策などに取り組みます。

 なお、今後におきましても、限られた予算の中で、適切な施設の維持管理を行っていく必要があるため、来年度は、国の方針に基づき、「学校施設長寿命化計画」を策定することとしております。

 学校施設の現状や今後の中長期的な見通しを踏まえつつ、より計画的な施設整備を行うことで、子どもたちにとって、安全・安心な教育環境の充実に引き続き努めてまいります。

 

 次に、社会教育施設の整備についてであります。

 まず、公民館の整備につきましては、それぞれの施設の状況に応じ、耐震化や老朽化対策等、長寿命化を図るためのリニューアル修繕を順次実施しております。

 来年度につきましては、耐震基準を満たしていない堀江公民館を平成33年度までに移転改築するため、設計に着手したいと考えております。

 これからも地域の皆様のニーズを踏まえつつ、生涯学習活動の拠点として活用しやすい公民館の環境整備に努めてまいります。

 

 次に、市立図書館につきましては、耐震改修工事完了後の5月にリニューアルオープンセレモニーを開催いたします。

 当日は、記念講演会の他、新しい移動図書館車のお披露目も行います。

 今後は、2階会議室や3階展示室の多目的利用など、より多くの市民の方々に気軽に利用して頂ける図書館となりますよう、周知及び利用促進に努めてまいりたいと考えております。

 

 次に、学力向上施策についてであります。

 外国語教育の推進につきましては、全ての小学校の外国語教育において平成32年度全面実施の小学校新学習指導要領に向けた取り組みとして、先行して段階的な授業時数の拡充を実施しているところであります。

 来年度は、外国語活動支援員を増員するなど、現場教員の支援体制を充実させることで、スムーズな移行に繋げてまいりたいと考えております。

 また、今年度、鳴門教育大学と連携して実施いたしました「理数オリンピック」につきましても、引き続き実施し、市内中学生の理数に対する興味や意欲を伸ばすことで学力向上を図ってまいります。

 これからも「教育は人づくり、人づくりはまちづくりの原点である」との認識に立ち、子どもたちの未来のため、計画的かつ総合的に様々な施策に取り組んでまいりたいと考えております。

 

 

(17)防災対策事業について

 

 第三点は、「しっかり安心・快適 住み良い まちづくり」についてであります。

 まず、防災対策事業についてであります。

 南海トラフ巨大地震や津波・台風などの災害に備えるため、防災訓練や出前講座等による防災知識の普及・啓発、防災意識の高揚に向けた取り組みを実施しております。

 訓練につきましては、毎年9月に実施しております「鳴門市総合防災訓練」や各自主防災組織を中心とした地域ごとの訓練の他、3月1日には、地域防災力及び避難所での運営力の向上を目的とした避難所運営訓練を、自主防災会や学校等と連携した実動訓練形式で、アミノバリューホールで実施する予定であります。

 また、避難所等へ配備する災害用備蓄資機材の整備を行うとともに、自主防災組織の運営や資機材整備、避難路等整備について助成金の交付を行うなど、防災体制の整備に努めてまいります。

 

 次に、地域防災力の向上に資する取り組みについてであります。

 本市は、その地理的特性上、様々な災害に備える必要があり、「自助・共助・協働」の考え方のもと、総合的な地域防災力の向上が喫緊の課題となっております。

 そのため、地域防災力の中核的役割を担う消防団の施設整備等を年次計画的に充実してまいりたいと考えております。

 現在、消防団詰所につきましては、「消防団詰所耐震化計画」に基づき、耐震基準を満たしていない分団詰所の耐震化を進め、耐震診断等で耐震性があると認められた分団詰所につきましては、老朽化対策として必要な修繕を順次、実施しているところであります。

 

 次に、消防団装備整備事業につきましては、南海トラフ巨大地震等の各種災害の発生が想定される中、エンジンカッターやチェーンソーなどの救助用資機材等を配備するなど、装備品等の改善・充実に努めてまいります。

 

 次に、防災リーダー育成促進事業についてであります。

 現在、地域防災力の向上を目指し、自主防災組織の活動支援に努めているところでありますが、各地区で後継者不足などの課題が顕在化しており、今後、次の世代を見据えた啓発・育成についても着手してまいりたいと考えております。

 こうしたことから来年度、市内の中学生や高校生を対象に「NPO法人日本防災士機構」が認証する「防災士」の資格を取得する経費を補助する制度を設けたいと考えております。

 この事業は、次世代の若者が「防災士」として地域防災の担い手となるよう、県や自主防災組織等、関係機関との連携のもと、20年後の次世代の防災を担う地域リーダーを育成し、地域に貢献して頂くことを目的としております。

 また、その他の取り組みといたしまして、今年度から新たに「防災給食」を実施し、子どもの頃から防災意識を高めていくための取り組みを進めてまいります。

 阪神・淡路大震災の日であり「防災とボランティアの日」である、1月17日に、各小中学校・幼稚園において、鳴門市学校給食センターに災害時用に備蓄している、温めずに食べることができるレトルト食品「ヒートレスカレー」を給食献立の一部として提供いたしました。

 「非常食」を「生きた教材」として活用することで、「備蓄」の大切さを学び、「食べ物への感謝の心」、防災に対する理解を育むことができるものと考えております。

 その他、各小中学校・幼稚園における避難訓練などの防災教育の取り組みを含め、これからも様々な事業を実施することで次世代育成を進め、地域防災力の底上げを図ってまいります。

 

 

(18)公共施設等の管理について

 

 次に、公共施設等の管理についてであります。

 市有施設の維持管理、更新等につきましては、「公共施設等総合管理計画」に基づき、平成32年度までに各公共施設のマネジメント計画である「個別施設計画」を策定することとしております。

 今後も施設総量の最適化を図るとともに、安全・安心な公共施設の整備と管理に努めてまいります。

 

 次に、ブロック塀の安全対策についてであります。

 昨年6月に発生した大阪府北部を震源とする地震災害でブロック塀の安全対策が課題となりましたことから、全ての市有施設の点検を実施し、現在、緊急を要する箇所の対策は終了いたしました。

 今後も国の補助金等を活用し、老朽化した塀などの撤去やフェンスへの変更等を進めてまいります。

 また、民間が所有し、安全性が低いと思われるブロック塀につきましては、撤去等を促進するため、「ブロック塀等撤去改善支援事業」として費用等の一部を補助する制度を設けております。

 来年度は、この補助制度を一部見直し、「安全なフェンス等」を新設する場合の補助限度額の引き上げを行うなど、拡充することで市民の皆様の利用を一層促進し、市民の安全対策を充実していきたいと考えております。

 

 

(19)新庁舎建設事業について

 

 次に、新庁舎建設事業についてであります。

 かねてより策定作業を進めておりました「鳴門市新庁舎建設基本計画」につきましては、市民アンケートの実施や市民会議の開催、パブリックコメントの実施など、広く市民等の方々からご意見やご要望を頂き、各分野の専門家などで構成する「鳴門市新庁舎建設基本計画検討委員会」での議論を踏まえ、このたび基本計画を策定いたしました。

 今後、この基本計画に基づき、様々な課題を解決しながら、新庁舎建設基本設計業務に着手し、平成32年度の工事着工、平成34年度の新庁舎開庁を目指して鋭意取り組んでまいります。

 

 

(20)道路照明LED化更新事業について

 

 次に、道路照明LED化更新事業についてであります。

 現在、市内に約5,000基設置している道路照明灯について、全てLED化するため、来年度、10年間のメンテナンス付提案型リース方式で整備を進めてまいります。

 計画的にLED照明灯にすることで、持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みや照明設備の省エネルギー化及び長寿命化を図るとともに、夜間における交通安全・防犯に効果を発揮し、市民の皆様の生活がより安全・安心なものとなるよう取り組んでまいります。

 今後も市民の皆様の生命と財産を守るため、様々な取り組みを着実に行い、「災害に負けない安全・安心なまちづくり」を実現してまいります。

 

 

(21)水道事業について

 

 次に、水道事業についてであります。

 鳴門市・北島町共同浄水場整備事業につきましては、去る2月15日に第4回「鳴門市・北島町浄水場共同化協議会」を開催し、新たな用地取得により工事費の圧縮と工期の短縮が図られることを確認した上で、概算工事費や工期、費用負担割合などを決定したところであります。

 今回の協議会での決定を受け、3月には基本計画を策定することとしております。

 また、水道を取り巻く諸課題に対応するため、本市と板野郡5町で構成する「旧吉野川流域市町の水道事業に関する勉強会」を設置し、去る2月15日に第1回目の勉強会を開催したところであります。

 今後、広域連携をはじめとする様々な課題について調査研究を進めてまいります。

 4月には、35年ぶりとなる水道料金改定を行うこととしておりますが、これらの取り組みや鳴門市水道事業ビジョンに掲げる各種の施策を推進し、今後も、安全で安心な水道水を安定して供給できるよう、さらなる経営改善に努めてまいりますので、議員の皆様を始め、市民の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

 

(22)ボートレース事業について

 

 第四点は、「おおきく躍動 みんなで創る まちづくり」についてであります。

 ボートレース事業についてであります。

 今年度からGⅠを除くレースにおいて実施してきました「薄暮レース」につきましては、一般戦の1日平均で約1億2,000万円、「モーニングレース」では約1億8,000万円を売り上げ、当初の目標を大きく上回り、今年度の売上は、SGレースを開催した昨年度の売上を既に超える状況となっております。

 来年度につきましても、引き続き「薄暮レース」、「モーニングレース」を実施するとともに、新電話投票キャンペーンやキャッシュレスカードの会員ランク制度の導入など、各種施策を展開することにより、本場開催売上の増加に努めてまいりたいと考えております。

 また、外向発売場「エディウィン鳴門」では、本年10月を目途に現在の8場併売から、最大で10場のレースを発売するためのシステム改修を行い、場外発売の多様化を図るとともに、平成31年度中の完成を目指し、東側駐車場に指定席棟を増築するため、現在、実施設計の策定に着手しているところであります。

 こうした利用者の皆様の利便性向上や環境整備により、場外発売売上の確保とさらなる収益向上に努めてまいります。

 さらに、昨年11月17日にグランドオープンしました複合型スポーツパーク「UZUPARK」につきましては、去る2月10日、オープンから3か月足らずで、利用者が1万人を突破いたしました。

 西日本最大級のスケートボード場のPR効果もあり、オフシーズンの冬場でありながら、県外からも多くの皆様にお越し頂いており、来年度は各種スポーツ大会を開催するなど、スポーツの交流拠点として、一層の利用促進を図ってまいりたいと考えております。

 

 また、来年3月には、人気レースであります「GⅡレディースオールスター」の開催が決定しており、多数の来場者が見込まれることから、これに対応するため「イベントホール」の建設を予定しているところであります。

 「イベントホール」は、大きなレース時にイベント等を開催する他、地域開放型施設として「UZUPARK」と合わせ、雨天でも家族や子どもが遊べる施設とするとともに、「ボートレース振興会」が推進しているボートレースパーク化に伴う「シネマ上映会」や「ボーネルンドの知育遊具イベント」、「ボルダリング体験」なども実施できるよう検討してまいります。

 今後もボートレース鳴門が、皆様に親しまれる鳴門のランドマークとなりますよう、様々なイベントの企画、施設開放などの取り組みを行い、地域に貢献してまいります。