平成30年鳴門市議会第1回定例会

◆ 目 次

(1)はじめに

(2)「うきうき 活力と魅力あふれる まちづくり」について

(3)「ずっと笑顔で 生きがい感じる まちづくり」について

(4)「しっかり安心・快適 住み良い まちづくり」について

(5)「おおきく躍動 みんなで創る まちづくり」について

(6)今後の市政運営について

 

(1)はじめに

 本日、第1回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。
 今期定例会におきましては、平成30年度鳴門市一般会計予算案を始め、各種議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ちまして、まずは、諸般の報告と現在本市が当面している諸課題についての所信を申し上げ、議員の皆様を始め、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 まず、最初に明るいニュースであります。
 先月1月4日から6日にかけて行われました第64回徳島駅伝において、鳴門市チームが2年連続、通算35度目の総合優勝を果たしました。
 最終日のスタート時点で2位の徳島市と16秒差という厳しい展開でありましたが、粘り強い走りで、見事優勝を成し遂げました。
 選手の皆様の日頃の努力と健闘を称え、心よりお祝いを申し上げますとともに、関係者の皆様、沿道で応援頂いた多くの皆様に改めて感謝申し上げます。

 次に、市の鳥「コウノトリ」の近況についてであります。
 この度、国の特別天然記念物コウノトリにつきましては、先月1月1日に本市の鳥に指定したところであります。
 そして今月2月8日、コウノトリ定着推進連絡協議会が大麻町で10月末から巣作りしていたペア一組について、6日までに今年初めて産卵が推定されることを発表いたしました。本市での産卵につきましては3年連続となります。
 一方で、昨年巣立ちました3羽のヒナのうち、メスの「あさ」の死亡という非常に残念な出来事がございました。
 残る2羽の兄弟の成長と、昨年に引き続き、ヒナのふ化・巣立ちが成功するよう祈念いたしますとともに、本市が繁殖地としてさらに定着することを期待しております。
 今後も、コウノトリ定着を活かした各種施策の展開により、全国に本市のブランドが認知され、大きく羽ばたいていくことができますよう、農業振興や地域活性化に繋げてまいりたいと考えております。

 次に、文化財の指定についてであります。
 市内12地区で現在まで継承されている獅子舞につきまして、鳴門市文化財保護審議会において、専門家による審議を頂いておりましたが、貴重な伝統的獅子舞文化圏として一体的に評価することが適当であるとの結論が得られました。
 この審議会からの建議を受け、昨日13日に開催された定例教育委員会において、市指定無形民俗文化財「鳴門市の獅子舞」として指定することが決定されました。
 市内で存続する獅子舞は、地域のつながりや愛着を象徴する伝統文化として大変貴重であり、この指定を契機に、地域の文化が末永く継承されることを期待するところであります。

 次に、「ふるさと名物応援宣言」についてであります。
 先月1月22日、特産品である鳴門わかめの加工品を対象とした商品開発を促進するため、「ふるさと名物応援宣言」を行ったところであります。
 この宣言により、事業者に対する国の補助金の優先採択や中小企業庁のポータルサイトでの情報発信などのメリットを受けられますことから、今後も、関係機関等と連携し、新たな加工品の開発等、一層のブランド化を図ってまいります。

 次に、本市を取り巻く社会経済情勢についてであります。
 最近の社会経済情勢について概観いたしますと、1月の月例経済報告の基調判断では、「景気は、緩やかに回復している。」とのことであります。
 世界の景気の先行きにつきましても、緩やかな回復が期待されているところでありますが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。
 こうした中、政府が昨年12月に閣議決定しました新しい経済政策パッケージでは、少子高齢化という最大の壁に立ち向かうため、「人づくり革命」と「生産性革命」を2本柱とし、「人づくり革命」では教育の無償化等に、2兆円規模を投じる予定となっております。
 本市といたしましては、こうした動向を見極めながら、可能な限り国等の補助金を活用するとともに創意工夫を凝らしつつ、地方創生など未来のまちづくりに資する各施策の具体化を図り、目標達成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 このような方針のもと、市民の皆様とともに本市の取り組み事項を着実に進め、10年後、20年後の子どもたちの笑顔のための重要施策を述べてまいりたいと存じます。

 

(2)「うきうき 活力と魅力あふれる まちづくり」について

 第一点は、「うきうき 活力と魅力あふれる まちづくり」についてであります。
 まず、アジア初演「なると第九」ブランド化プロジェクト事業についてであります。
 1918年6月1日にベートーヴェン「第九」交響曲がアジアで初めて演奏されてから、いよいよ、100年目を迎えることとなりました。
 本市では、平成25年にアジア初演「なると第九」ブランド化プロジェクトを立ち上げ、産官学民一体となって様々な事業を展開してまいりましたが、祝祭となる年を迎え、その集大成として「第九」アジア初演100周年記念事業を開催いたします。
 その開幕イベントとして、5月27日に鳴門市文化会館ホールで、子どもと大人のベートーヴェン「第九」交響曲第4楽章演奏会と、映画「バルトの楽園」上映会を開催いたします。
 管弦楽は、徳島交響楽団ジュニアオーケストラ、合唱は、認定NPO法人鳴門「第九」を歌う会のほか、鳴門市内の小学校4校の現在5年生の子どもたち約200名が参加いたします。
 「なると第九」を未来に繋いでいく子どもたちの成長に資する演奏会となるよう取り組んでまいります。

 次に、「第九」が初演された日に合わせ、6月1日に様々な事業を行います。
 まず、これまでの100年を振り返るとともに、これからの100年を繋ぐための節目の式典として、ドイツ兵捕虜の子孫の方々をご招待するとともに、関係者の皆様にお集まり頂き、「第九」アジア初演100周年記念式典を盛大に執り行います。
 また、鳴門市ドイツ館前広場においては、松江豊壽銅像建立除幕式を執り行う他、100年前の「第九」初演の演奏会の開始時間や出演人数に合わせて、「よみがえる「第九」演奏会」を開催いたします。
 そして、6月2日及び3日には鳴門市文化会館において、第37回「第九」交響曲演奏会公演を2日間開催いたします。
 両日とも指揮には、姉妹都市であるドイツ・リューネブルク市立劇場の音楽監督、トーマス・ドーシュ氏を迎え、合唱団にはドイツ・アメリカ・中国からも参加して頂く予定となっており、100周年に相応しい演奏会を是非皆様にお楽しみ頂ければと思います。
 その他、次世代育成事業やロゴマーク等を用いた「なると第九」の啓発など、1年を通じた100周年記念の関連事業を展開し、新たな100年に向けた取り組みに繋げてまいりたいと考えております。

 次に「板東俘虜収容所関係資料」のユネスコ「世界の記憶」登録推進事業についてであります。
 板東俘虜収容所関係資料は、戦時下でありながら、敵国同士が互いを尊重しあい、理解し合うことができたという史実を示すものであり、未だ戦争の絶えない世界の課題に対し希望を与えるものの一つとして、世界に発信することに重要な意義があると考えております。
 そのため徳島県、ドイツのニーダーザクセン州及びリューネブルク市と共同でのユネスコ「世界の記憶」登録に向け、課題となる資料保存の精度を高める等の検討を行ってまいります。
 また、機運醸成を図るための講演会や県外での周知啓発パネル展を開催する他、本市が目指す「3つの世界遺産登録」等の取り組みを世界へ情報発信するなど、国内外でのPRにも努めてまいります。

 次に、総合戦略推進事業についてであります。
 まず、「ASAトライアングルを結ぶサイクリングツーリズム推進事業」についてであります。
 「ASAトライアングル交流圏推進協議会」の構成自治体である本市と南あわじ市、東かがわ市の3市で、地域の活性化と市民の健康づくりを目的とした広域連携事業を展開しております。
 来月3月18日に開催される本市と南あわじ市、報知新聞の3者共催によるサイクリングイベント、「鳴門・南あわじ渦潮ファンライド」の準備を現在進めているところであります。
 抜群のロケーションを誇る2コースを設定し、本市と南あわじ市を跨ぐコースでは全長約120キロメートル、鳴門のみのコースでも65キロメートルあり、どちらも本市の魅力を十分に堪能できるコース内容となっております。
 また、本市と南あわじ市の共同で制作中のサイクリングPR用の短編映画「あの空のむこうに」につきましては、来月16日から18日にかけて行われる「徳島国際映画祭」で上映されることとなっており、今後、その他の映画祭にも出品する予定であります。
 これに先立ち、ダイジェスト版の動画とテレビ用CMを、キャンペーンサイトで配信しており、ユーチューブの動画はすでに再生回数が19万回を超え、テレビCMも合計12本放送し、サイクリングコースとファンライドイベントの周知を図っているところであります。
 サイクリストの受け入れに関する取り組みにつきましては、民間事業者のご協力を頂き、市内に21か所のサイクルスポットを設置したほか、来年度、新たな取り組みといたしまして、大麻山に展望台や休憩所の機能を持つサイクルポートを設置いたします。
 このサイクルポートは、平常時は展望台兼休憩所として活用頂ける他、災害時は避難所用の施設の一部に組み替えができる仕様にしたいと考えております。
 これは、「平常時」や「災害時」といった、いずれの状況でも適切な生活の質を確保する「フェーズフリー」の考え方に根差した取り組みとなります。
 その他、サイクルショップ向けのサイクルツアーの補助制度の創設やボートレース事業と連携した「サイクルステーション」の設置等を行う予定としております。
 また、先日の報道において、淡路から陸路輸送しております大鳴門橋の下部に、サイクリングロードを設置する検討を、来年度、徳島県と兵庫県が行うこととなりました。
 本市の事業におきましても大きな後押しになると考えており、できる限りの協力を行ってまいりたいと考えております。
 今後も3市を繋ぐASAサイクリングコースが市内外の皆様に愛されますよう、必要な施策を展開してまいります。

 次に、ランニングイベントについてであります。 
 去る12月3日、市制施行70周年記念事業のランニングイベントとして、「なると島田島ハーフマラソン with 新喜劇」を開催いたしました。
 当日は快晴に恵まれた絶好のマラソン日和となり、延べ1,344人の方が島田島を満喫しながら走り抜けられました。
 また、吉本興業との連携イベントとして、メインサポーターの間寛平さん他、多数のお笑い芸人が応援に駆け付けて頂けるなど、賑わいのある一日となりました。
 来年度は、今回の実施内容を踏まえ、開催時期やコース内容等を精査した上で、さらに充実した大会となるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 その他、本市の各種マラソンを始め、豊かな自然・素晴らしい景観を生かしたスポーツ大会を開催するなど、様々な事業を展開し、スポーツに親しむきっかけづくりとすることで、市民の健康づくりと地域活性化を推進してまいります。

 次に、「四国のゲートウェイ化」構想の推進等についてであります。
 本市が名実ともに四国の玄関口として、四国全体の情報発信を担うワンストップ機能を有する交流拠点の整備や交流人口の増加に向けた取り組みを行ってまいります。
 交流拠点施設につきましては、大津町での拠点施設整備に向け、今年度内に基本計画策定の方針について意見の取りまとめを行うこととしており、来年度は基本計画及び基本設計を策定いたします。
 また、関連イベントにつきましては、今年度実施いたしました食や祭りのイベント「四国のグルメ・祭りフェスティバル」や光のイベント、「NARUTO ART GATE ILLUMINATION」や「ドイツ館イルミネーション」を来年度も引き続き開催いたします。

 次に、情報発信や広報につきましては、四国の案内ガイドやウェブサイト、SNS動画を制作するとともに定期的なCM放送等を行い、市内観光資源や地場産品の魅力を広くPRすることで集客力を高めてまいりたいと考えております。
 多くのお客様にお越し頂き、お楽しみ頂けますようハード整備やイベントを開催することで、魅力的な四国の玄関口となれるよう取り組みを進めてまいります。

 次に、「鳴門駅周辺整備事業」につきましては、現在、駅前ロータリーの改修工事を行っており、5月中にリニューアルできるよう取り組んでおります。
 駐輪場やバリアフリー化など一体的な整備により、鳴門駅周辺整備事業のコンセプトである「優しいが うずまくまち 鳴門市」として、利用者の皆様に親しまれる拠点づくりを目指してまいります。

 次に、イメージアップ事業についてであります。
 市民の皆様や市外在住の皆様の鳴門への愛着を育むため、来年度におきましても、様々な取り組みを行い、本市のイメージアップを図りたいと考えております。
 本市の地場産品や地場産業の仕事に焦点を当てたイメージアップ冊子である「鳴門やけん」やPRカレンダー「ナルトメイド」を引き続き作成する他、インスタグラムを利用したSNSによる広報「ナルスタグラム」のコンテストなどにより、故郷への愛着を育むとともに鳴門の持つ魅力をアピールいたします。
 また、鳴門で開催するイベントの広報費用を助成する「“鳴門へおいでよ”イベント広報活動支援補助金」を交付し、市内外から多くの人にお越し頂き、鳴門の良さや魅力を知ってもらう機会を支援いたします。
 今回、総合戦略等の各施策をさらに加速させるとともに、防災や健康づくりなどの分野で新たなコンセプトを取り入れるため、「まちづくりアドバイザー」を2名委嘱いたします。専門的見地からアドバイスを頂くとともに、PRも担って頂く予定といたしております。
 今後も、様々な媒体の活用や企画により、故郷への愛着を育む取り組みや鳴門の持つ魅力をアピールし、イメージアップを図りたいと考えております。
 こうした「なると未来づくり総合戦略」に基づく取り組みを計画的に進め、効果的な政策・時機を捉えた施策展開を図ることで鳴門の持つポテンシャルを最大限発揮させ、新たな成長・活性化に繋げてまいります。

 次に観光振興事業についてであります。
 人口減少・少子高齢化に直面する我が国において、観光振興は交流人口を増加させ、地域経済を活性化させる起爆剤として期待されております。
 国においては、訪日外国人旅行者数を2020年に4,000万人、2030年に6,000万人にすることを目標に掲げる中、2017年の訪日外国人旅行者数は前年比19.3%増の2,869万人に達し、過去最多を記録いたしました。
 本市を訪れる外国人旅行者数も年々増加傾向にあり、観光を軸とした地域経済の活性化に向け、大きなチャンスを迎えております。
 この好機を逃さず、国内外から多くの観光客誘致を実現するため、来年度、本市や徳島市をはじめ徳島東部に位置する15市町村及び県内の民間事業者が連携し、徳島東部地域に「DMO」を設立する予定としております。
 「DMO」とは、官民一体となった広域での観光戦略を策定・推進する観光地域づくりの舵取り役を担う法人であり、本市もこれに参画し、観光客誘致や地域経済の活性化に繋げてまいりたいと考えております。
 また、本市の魅力あるコンテンツを外国人に分かりやすく情報発信し認知度を高めるとともに、更なる外国人旅行者の誘客を図るため、英語・中国語の簡体字・繁体字・韓国語・ドイツ語の5言語に対応した観光情報サイトを構築することにより、受入体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
 また、夏の鳴門市納涼花火大会・阿波おどりでは、ベートーヴェン「第九」アジア初演100周年を記念し、花火大会において例年5千発の打上発数を1万発に拡大するなど事業の充実を図り、鳴門の夏を大いに盛り上げたいと考えております。
 そして、本市のご当地グルメ「鳴ちゅるうどん」については、これまでも各種イベントへの出展やキャンペーンなどを通じて積極的にPRしてまいりましたが、新たにパンフレットを作成し県内外にPRするとともに、「鳴門うどん研究会」との連携を密にし、キッチンカーの出動回数を増やすなどの取り組みにより更なるPR強化を図りたいと考えております。

 次に、国際交流事業についてであります。
 姉妹都市であるドイツ・リューネブルク市との交流につきましては、9月末から10月にかけて「第22回親善使節団」をお迎えする予定であります。
 今回も青少年使節団の訪問が予定されておりますとともに、6月の「第九」アジア初演100周年記念事業にも同市関係者やドイツ兵捕虜の子孫の方などにお越し頂く予定であり、これまで以上に両市の関係を深め、後世まで引き継がれる強い絆を築いてまいります。

 次に国内交流についてであります。
 本市が「第九」アジア初演100周年という記念の年を迎える一方で、親善都市である会津若松市が戊辰戦争から150年という節目の年を迎えることから、これまで以上に相互訪問を行う機会が増えてまいります。
 また、会津出身である松江豊壽所長の功績を称え、板東俘虜収容所の貴重な資料をユネスコ「世界の記憶」へ登録するためにも、啓発事業などを共に協力して進めていく予定であり、これらの活動を通して、これまで以上に強い両市の絆を築き、友好を深めてまいります。

 次に、児童及び生徒の勤労観等の醸成についてであります。
 まず、ICT活用教育推進事業についてであります。
 次世代を担う児童や生徒が将来、社会人や職業人として自立できるよう、中小企業団体や教育機関等と連携し、インターンシップ事業など、様々な取り組みを進めております。
 来年度は、新たにIT人材を育成する試みとして、教育的な観点から、市内小学生と保護者を対象に専用アプリを用いたプログラミング体験講座を実施いたします。

 次に、地元企業への理解を深めるための機会創出として、市内中高校生のインターンシップ事業に焦点を当てた冊子を作成・配布することで地元企業の周知・啓発を図ります。
 また、小学生を対象とした事業では、起業体験等の取り組みをまとめた冊子を作成・配布し、「お金」や「仕事」を考えるきっかけづくりを行います。
 今後も「働けるまち・鳴門」の実現に向け、関係機関と連携事業を展開することにより、勤労観や職業観の醸成に努め、次世代を担う人材育成や将来的なUターン就職に繋がるよう取り組んでまいります。

 次に、公設地方卸売市場の民営化に向けた取り組みについてであります。
 公設地方卸売市場につきましては、昨年5月、香川県の企業から民営化であれば水産部の卸売業務に参入したいとの要望を頂きました。
 その後、市場内部の関係者との協議を踏まえ、9月12日には公設地方卸売市場の重要事項を審議する「鳴門市公設地方卸売市場運営審議会」に民営化について諮問をいたしました。
 審議会からは、今後「民営化に円滑に移行できるよう市場関係者と十分協議を進め、早期の実現を求める」との答申を頂いたところであります。
 本市といたしましては、審議会の答申を尊重し、市場の活性化が期待できる民営化の早期実現に努め、引き続き、県や市場関係者等とともに市場の活性化に向けた協議を進めてまいりたいと考えております。

 

(3)「ずっと笑顔で 生きがい感じる まちづくり」について

 第二点は、「ずっと笑顔で 生きがい感じる まちづくり」についてであります。
 まず、「地域福祉計画」及び「地域福祉活動計画」の策定についてであります。
 本市が策定する「地域福祉計画」は、「みんなが考え、安心してしあわせに暮らすことができる地域共生社会の実現」を目指し、幅広く市民の皆様に策定過程にご参加頂き、平成27年度より継続的に策定作業を進めてまいりました。
 現在、計画素案のパブリックコメント手続を経て、最終素案を作成中であり、来月3月15日の地域福祉計画審議会でご審議を賜り、答申を頂く予定であります。
 また、市社会福祉協議会においても、実践的な行動目標等を示した「地域福祉活動計画」の策定作業を今年度末に終える予定としております。
 両計画の策定により、平成30年度からの5か年を計画期間とする地域住民と市、社会福祉協議会が互いに協働する、新たな支え合いの仕組みづくりを推進してまいります。

 次に、出産及び子育て環境の充実についてであります。
 まず、新生児聴覚検査助成事業についてであります。
 生まれつき耳の聞こえにくい新生児は、1,000人に1人程度の割合と言われております。
 耳が聞こえにくいことが早期に発見できた場合は、適切な療育を行うことで、言語能力やコミュニケーション能力等、発達への影響を少なくすることが可能となります。
 そのため、県内の動向を踏まえ、来年度、新生児聴覚検査に要する費用の助成を新たに実施してまいりたいと考えております。

 次に、「第2次子ども・子育て支援事業計画」の策定についてであります。
 平成26年度に策定いたしました「鳴門市子ども・子育て支援事業計画」の計画期間が平成31年度までとなっております。
 本市の子育て支援の方向性を示す計画として、法令に基づき、計画期間を平成32年度から5年間とする「第2次子ども・子育て支援事業計画」を策定してまいります。
 来年度の取り組みにつきましては、子育て世帯を対象としたアンケート調査を実施し、市民ニーズや課題の把握、有識者等による意見等の整理など、策定の準備に着手したいと考えております。

 次に、老朽化が進む公立保育所につきましては、そのあり方を検討するため、来年度、「鳴門市公立保育所再編計画策定審議会」を設置いたします。
 将来に向けた市全体の就学前の保育・教育を視野に入れ、今後の公立保育所のあり方や施設整備に関する具体的な計画等を策定し、来年度中に市民の皆様にお示ししたいと考えております。

 次に、保育所、認定こども園等が行う、創意工夫のある独自の取組みを支援する補助金として、平成27年度に制度化いたしました「いきいき保育環境なるっと補助金」についてであります。
 来年度はこれまでの補助内容を踏まえつつ、新たにふるさと納税を財源とした単年度事業のメニューを追加したいと考えております。
 具体的には、AEDや侵入者対策用備品の購入、社会保険労務士等による書類作成支援等を予定しており、ニーズを踏まえた支援を行うことで、保育環境の充実に努めてまいります。
 今後におきましても、出産や子育て支援に係る様々な施策を展開することで、子育て世帯が安心して子どもを育てることができる「自然とふれあい笑顔がうずまく 子育てを始めるまち なると」の実現を目指してまいります。

 次に、教育行政についてであります。
 まず、学校・幼稚園施設の整備についてであります。
 老朽化した施設の耐震化等、安全な施設整備を図るため、来年度も引き続き、国の補助金を活用しつつ、計画的な施設整備を行ってまいります。
 学校施設の整備につきましては、第一中学校の改築を進めるとともに、校舎等の非構造部材の耐震化を順次実施する予定としております。
 幼稚園施設の整備は、今年度実施しております成稔幼稚園のリズム室等の改築、堀江北幼稚園の耐震化を引き続き行う予定であります。
 また現在、エアコンが未整備の幼稚園につきまして、空調設備の設置に係る設計費用を今期定例会の当初予算案として提出しております。
 今後も子どもたちにとって、安全で安心な教育環境の整備・充実に努めてまいります。

 次に、社会教育施設の整備についてであります。
 耐震性が十分確保されていない公民館については、順次耐震化を図っているところであり、一方、耐震性が確保されている公民館では、利用者の快適性を高めるためにトイレ等の改修や、老朽化対策として屋上防水工事等、長寿命化を図るためのリニューアル修繕を実施しております。
 来年度は、大津中央公民館の耐震化を実施するなど、地域の皆様のニーズを踏まえつつ、生涯学習活動の拠点として活用しやすい公民館の環境整備に努めてまいりたいと考えております。
 また、市立図書館につきましても老朽化が著しいことから、耐震化及び施設改修を実施したいと考えております。
 7月頃の着工を目指しており、工事期間中は、市民の皆様の読書活動への影響を最小限とするため、仮設図書館を開設する予定としております。
 また、地域を巡回しております移動図書館車も来年5月に予定するリニューアルオープンに併せて更新を行い、特に子どもや高齢者の読書環境の充実を図りたいと考えております。

 次に、学力向上施策についてであります。
 今年度、子どもたちの学力向上に資する取り組みといたしましては、鳴門教育大学と連携して「数学オリンピック」を開催したところであります。
 来年度は、新たに理科を加えた「理数オリンピック」として開催してまいりたいと考えております。

 次に、学習環境の充実につきましては、現在、電子黒板やデジタル教科書を中学校全学年と小学校5・6年生の各学級に配備しているところでありますが、小学校3・4年生の各学級にも配備することといたしました。
 各学級で一層の活用を図り、「わかる授業」を通じて子どもたちの学習意欲や理解力の向上に努めてまいります。
 さらに現在、電子黒板が未整備である特別支援学級につきましては、児童・生徒一人ひとりに対応した個別の指導計画に基づき授業を実施できるよう、個別学習が可能なタブレット端末を配備することといたしました。
 これにより、児童・生徒の状態や学習の進度に応じた適切な指導や支援を行ってまいります。
 また、円滑な学級運営に関する支援といたしまして、現在、小学校3年生と中学校1年生を対象に実施しておりますQUアンケートを小学校3年生から6年生、中学校は全学年に拡充いたします。
 全ての子どもたちが安心して学習に専念できる環境づくりを進めます。
 これからも「教育は人づくり、人づくりはまちづくりの原点である」との認識に立ち、子どもたちの未来のため、計画的かつ総合的に様々な施策に取り組んでまいりたいと考えております。

 

(4)「しっかり安心・快適 住み良い まちづくり」について

 第三点は、「しっかり安心・快適 住み良い まちづくり」についてであります。
 本市では、今後、30年以内に70~80%程度の確率で発生が予想されている南海トラフ巨大地震等への防災・減災対策が喫緊の課題となっております。
 市民の皆様が日々安心して暮らせるよう、ハード・ソフトの両面から様々な対策を講じてまいりたいと考えております。
 まず、協定書の締結等についてであります。
 先月1月10日に徳島弁護士会との災害時における相談業務の支援に関する協定書を締結するとともに、昨日13日には、中四国及び九州の自治体で初めて、ダスキンフランチャイズ加盟店のアールシー企画株式会社と物資の円滑供給を目的とした災害時等における協力に関する協定書を締結したところであります。
 また、妊産婦・乳児の救護所について、昨年5月に徳島県鳴門病院と開設場所の提供に関する協定を締結しており、今後、県の補助金を活用しつつ、円滑な運営を図るために、救護所に必要な資機材を整備する予定としております。

 次に、救急体制の強化についてであります。
 増加傾向にある救急出場件数に対し、安定的な救急業務を行うため、老朽化した高規格救急自動車や資機材の計画的な更新を実施いたします。
 また、救急業務の高度化等に伴い、若手救急隊員の教育や救急救命士の再教育などを行う「指導救命士」を1名増員することで、技術向上を図り、救命率の向上に努めてまいります。

 次に、木造住宅耐震化促進事業についてであります。
 補助制度の各種メニューを活用状況に応じて配分を見直すとともに、より必要性の高い制度については、件数や補助上限額を引き上げるなど、効果的な制度運用を図ります。
 公共施設の耐震化等につきましては、「鳴門市公共施設等総合管理計画」により、施設総量の最適化を図るとともに、安全・安心な公共施設の整備に努めてまいります。
 耐震基準を満たしていない消防団詰所や人権福祉センター等の公共施設においては、順次耐震化を進めるとともに、耐震基準を満たしている消防団詰所等は、長寿命化及び必要な修繕を年次計画的に進めたいと考えております。

 次に、新庁舎の建設についてであります。
 現在、本年秋を目途とした「新庁舎建設基本計画」の策定作業を進めているところであり、今後、有識者会議の設置や市民の皆様へアンケート調査も行う予定としております。
 その結果をもとに、現庁舎の現状と課題、新庁舎の基本的な考え方等を整理し、新庁舎の建設位置、規模、現庁舎の利活用の是非などの整備方針を取りまとめた基本計画を策定したいと考えております。
 今後も市民の皆様の生命と財産を守るため、様々な取り組みを着実に行い、「災害に負けないまちづくり」を実現してまいります。

 

(5)「おおきく躍動 みんなで創る まちづくり」について

 第四点は、「おおきく躍動 みんなで創る まちづくり」についてであります。
 まず、コンビニエンスストア証明書交付事業についてであります。
 「住民票の写し」や「戸籍証明書」等の証明書の交付につきましては、今年度から市内5か所の特定郵便局での交付を開始しているところであります。
 来年度は、さらに全国のコンビニエンスストアで証明書等を受け取ることができるサービスを開始したいと考えております。
 コンビニエンスストアでの交付の利点といたしましては、利用場所及び利用時間帯の拡大に加え、現在、窓口で交付している証明書の約8割が交付できる点にあります。
 市民の皆様にとって大きく利便性が向上する半面、交付を受けるためには事前にマイナンバーカードを作成し、所持しておく必要があります。
 マイナンバーカードとは、市民の皆様からの申請に基づき交付される身分証明書として利用できる顔写真付のカードであり、初回は無料となりますが交付手続きに3週間程度必要となります。
 コンビニエンスストアという選択肢が増えることで、市民の皆様の幅広いライフスタイルに対応でき、市民サービスの向上が見込めますことから、今後マイナンバーカードの普及に向けた周知に力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、事前登録型本人通知制度の導入についてであります。
 この制度は、住民票の写しや戸籍謄本などの証明書を本人の代理人や第三者に交付した場合、事前に登録されている方に交付の事実を郵送でお知らせする制度であり、不正請求の抑止及び不正取得による個人の権利の侵害を防止することを目的としております。
 本年秋頃の運用開始を目指し、専用のソフトウェアを導入することで、正確性の確保と効率化による速やかな事務執行に努めてまいります。

 次に、ソーシャルメディアの活用の取り組みについてであります。
 現在、本市では、ツイッター、ライン、ユーチューブ等、様々なソーシャルメディアを活用し、行政情報を発信しております。
 先月、新たに「WeLoveなると市民協働のまちづくり」フェイスブックを開始し、地域コミュニティ活動やNPO法人・ボランティア団体等に関する情報など、市内でのまちづくり活動を広く発信しているところであります。
 本市のソーシャルメディアは、「鳴門市ソーシャルメディア活用ガイドライン」に基づき、運用ポリシー等を定めており、適切な運用のもと、ソーシャルメディアの有用性を十分に生かした情報発信力の強化に努めているところであります。
 今後も、情報システムの構築やソーシャルメディアの活用など、市民サービスの向上に資するICTを活用した効果的・戦略的な行政運営を推進してまいります。

 次に、水道事業における料金改定に向けた取り組みについてであります。
 水道事業につきましては、市民の皆様へ安全で安心な水道水を安定してお届けするため、日々、水道管や浄水場など、水道施設の整備を行っているところであります。
 現在、水道施設の多くが老朽化しており、修繕や更新には巨額の費用が必要になると試算しております。
 水道事業の経営は、地方公営企業法に基づき、税金ではなく、水道料金などの収入でまかなう「独立採算制」となっており、これまで平成27年度に策定した「鳴門市水道事業ビジョン」に基づき、経費節減や収益の向上に努めてまいりました。
 しかしながら、料金収入が年々減少している現状において、将来的に水道事業を維持するためには、水道料金の増額改定が避けられないものと考えており、水道料金のあり方については、学識経験者や公募市民などで構成する「水道事業審議会」で現在、審議して頂いております。
 今後におきましても、市民の皆様に水道事業の経営状況等をご理解頂くため、広報なると等で継続的な周知を行うとともに、各地区に出向いて説明会を開催し、ご意見等をお伺いしてまいりたいと考えております。
 これからも「水道事業ビジョン」に基づき、将来にわたって安全で安心な水道水を安定して供給できるよう、さらなる経営改善に努めてまいりますので、議員の皆様を始め、市民の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 次に、ボートレース事業についてであります。
 本年9月22日から、いよいよ「モーニングレース」の開催を始めます。
 また、来年度は、「四国地区選手権競走」、「ダイヤモンドカップ競走」、「大渦大賞開設65周年記念競走」の3つのG1レースを、下半期に予定しております。
 さらに、上半期は、薄暮レースを開催することにより、さらなる電話投票の売上向上を図り、安定的な経営を目指してまいります。
 また、ボートレース鳴門では、本場のリニューアルコンセプトである「市のランドマーク」として市民の皆様に親しまれるスポット化を目指し、様々な施設整備やイベントを実施してまいりました。
 この度、ボートレース振興会から、これらの取り組みが認められ、ボートレースパーク化のモデル事業として選ばれました。
 パーク化とは、ボートレース場から総合レジャー施設として、地域との共生が出来るレース場となることを目指した取り組みであります。
 その内容は、東京オリンピックから正式種目になりました「バスケットボールコート」や「スケートボード場」、さらに、「サイクルステーション」等の施設整備を行い、市民の皆様が集まる新しいスポーツコミュニティスペースとしての整備を進めてまいります。
 これからもボートレース鳴門が皆様に親しまれ、お楽しみ頂けますよう、様々な取り組みを通じてイメージアップを図るとともに、安定的な経営と公共の福祉の増進に努めることで、本市の発展に貢献できるよう努めてまいります。

 

(6)今後の市政運営について

 最後に、今後の市政運営についてであります。
 これまで申し上げた重要施策は、全て輝かしい鳴門市の実現に向けた始めの一歩だと考えております。
 私は鳴門市を牽引するリーダーとして、また、市民の最大の理解者、サポーターとして、これからも市民の皆様とともに歩み、様々な課題に果敢に挑戦してまいります。
 特に、重要課題であります少子高齢化対策につきましては、「なると未来づくり総合戦略」や「第六次鳴門市総合計画後期基本計画」等に基づく、交流人口や定住人口の増加に資する地域活性化施策の推進が不可欠であります。
 来年度はまず、「第九」アジア初演100周年記念事業の成功に全力を尽し、その成功をきっかけに本市の新しい1ページ、新たな100年の始まりとしたいと考えております。
 さらに、「3つの世界遺産登録」へのチャレンジや「四国ゲートウェイ化構想」の具体化、「ASAサイクリングツーリズム」の推進、「3大マラソン」の開催等、重要施策の推進に努めてまいります。
 そのためには、今の行政課題や市民ニーズに沿った効率的・効果的な組織体制に変え、施策の推進力をさらに高める必要性を感じております。
 来年度は、スポーツを通じた地域活性化と健康づくりを推進する「スポーツ課」の設置や市政及び地域のイベント情報等を集約し、効果的に情報発信を行う「情報戦略担当」の設置など、組織の見直しを行いたいと考えております。
 また、市民の皆様にとって、住み良いまちづくりの枠組みに変える取り組みについてもチャレンジしてまいります。
 特に、「学区制の見直し」につきましては、本市の地域特性や地域間の公平性の観点から、本市中学生の進学先の選択の幅を広げるため、募集人員を含めた入学者選抜制度のあり方について、引き続き県教育委員会に要望してまいります。
 本市の将来を見据え、今できることを着実に実行し、「鳴門市に生まれて良かった、住んで良かった、訪れて良かった」と実感できる未来志向のまちづくりの実現に邁進してまいりますので、議員の皆様を始め、市民の皆様のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。