平成29年鳴門市議会第4回定例会

◆ 目 次

(1)はじめに

(2)メモリアルイヤーにおける施策推進について

(3)中小企業振興施策について

(4)コウノトリブランド推進事業について

(5)土地改良事業の見直しについて

(6)「四国のゲートウェイ化」構想の推進等について

(7)イメージアップ事業について

(8)支えあう地域づくりの取り組みについて

(9)2025年問題への対応について

(10)子育て支援施策について

(11)就学前教育の充実について

(12)放課後児童クラブの拡充について

(13)学力向上施策について

(14)健康づくり事業について

(15)ランニングイベントについて

(16)防災・減災対策の推進について

(17)企業局での取り組みについて

(18)水道事業について

(19)本市の行財政改革と重要施策の推進について

(20)ボートレース事業における経営戦略等の推進について

(21)今後の市政運営について

 

(1)はじめに

 本日、第4回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。

 この度の市長選挙における無投票での当選の重みをしっかりと受け止め、今後4年間の市政運営に全力を傾注し、鳴門市の輝かしい未来を築いてまいりたいと考えておりますので、引き続き、よろしくお願い申し上げます。

 さて、今期定例会におきましては、補正予算案を始め、各種議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ちまして、まずは、諸般の報告と現在本市が当面している諸課題についての所信を申し上げ、議員の皆様を始め、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

 まず、本市を取り巻く社会経済情勢についてであります。

 最近の社会経済情勢について概観いたしますと、11月の月例経済報告の基調判断では、10月同様、「景気は、緩やかな回復基調が続いている。」とのことであります。

 景気の先行きについては、雇用・所得環境の改善が続く一方、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動に留意する必要があるとされております。

 今月1日、第4次安倍内閣が発足し、「生産性革命」と「人づくり革命」を両輪とした政策を発表いたしました。

 今後、新たな政策パッケージに連動した予算編成が見込まれる中、本市といたしましても国や県の動向を含め、市民生活や地域経済への影響等を踏まえつつ、適切に市の施策に反映していく必要があると考えております。

 

 それでは、諸般の報告と市民の皆様にお約束した、今後取り組むべき諸課題や重点施策等につきまして、私の所信を申し上げたいと存じます。

(2)メモリアルイヤーにおける施策推進について

 第一点は、「うきうき 活力と魅力あふれる まちづくり」についてであります。

 まず、メモリアルイヤーにおける施策推進についてであります。

 今年は、市制施行70周年や板東俘虜収容所開所100周年といった記念すべき年であり、イベントや講演会の開催など様々な取り組みを行ってまいりました。

 来年はいよいよ、第九アジア初演100周年を迎えることから、演奏会など様々な記念事業に万全の体制で取り組んでまいりたいと考えております。

 また、2020年に開催されます「東京オリンピック・パラリンピック」なども見据えた事業展開を図ることで、それぞれのメモリアルイヤーの好機を逃さず、各種施策を推進し、鳴門を元気にしてまいりたいと考えております。

(3)中小企業振興施策について

 次に、中小企業振興施策についてであります。

 本市では、平成28年9月に施行いたしました「鳴門市中小企業振興基本条例」の理念のもと、中小企業の振興を地域経済活性化の柱として取り組んでいるところであります。

 施策につきましては、創業や新商品開発等を支援する「鳴門市がんばる中小企業応援パッケージ事業」の他、「鳴門市企業立地奨励条例」を改正し、小規模企業者の皆様にも活用して頂けますよう奨励指定の条件を緩和するなど、企業訪問により把握した課題やニーズを基にした様々な施策を実施しているところであります。

 補助事業をはじめとする各種施策は、企業の皆様に積極的に活用して頂いていることから、今後につきましても、企業や経営者の生の声を参考に、施策の充実を図ってまいります。

 また、直接的な企業支援の他、新しいビジネスの芽を発見し、それを育成する取り組みとして、「なるとビジネスプランコンテスト」を平成27年度から実施しております。

 今年度は過去最多の20件のご提案を頂き、去る10月28日、最終選考会において、各分野における様々な視点から、選出された7件の提案の公開プレゼンテーションを行いました。

 今年のグランプリは、「遊泳げ、粋美一(およげ、すいみー)~鳴門の地力再発見~」を提案した任意団体「粋美一(すいみい)」が受賞されました。

 同コンテストがきっかけとなり、事業化を実現したケースもあり、事業者の皆様におかれましては、日々の努力や熱意に感服いたしますとともに、ますますのご活躍を期待しております。

 今後も「働けるまち・鳴門」の実現に資する様々な取り組みを展開してまいりたいと考えております。

(4)コウノトリブランド推進事業について

 次に、コウノトリブランド推進事業についてであります。

 本年3月に兵庫県豊岡市周辺以外では全国で初めての野外繁殖に成功した国の特別天然記念物「コウノトリ」を、市の鳥として指定することについて、「パブリックコメント手続」等を経まして、平成30年1月1日に、本市の鳥として指定することといたしました。

 現在、本市で生まれた3羽とその親鳥に加え、豊岡市等からも飛来しており、今年は市内で最大11羽のコウノトリが確認されております。

 この度の指定を契機として、コウノトリが選んだまち鳴門の注目度を活かした各種施策を展開し、本市の豊かな自然環境のPRやイメージアップに努めたいと考えております。

 また、現在運用中のコウノトリブランド認証制度とあわせ、農産物・加工品等のブランド化とともに六次産業化・農商工連携を一層促進してまいります。

(5)土地改良事業の見直しについて

次に、土地改良事業の見直しについてであります。

 近年、農業の生産現場においては、農業用資材や機械設備等のコスト高により、農家や産地を取り巻く状況は厳しくなっております。

 こうした中、市内の農業用排水機場は、農地に対する排水機能だけではなく、市街地や周辺道路からの雨水排水等の役割も担うなど、重要かつ多面的な役割を果たしておりますが、その多くは老朽化が進んでいる状況であります。

 このため、農地の機能保全に欠かすことのできない排水機場を整備し、本市農業の将来にわたる持続的発展を図るとともに、全国に誇る、なると金時、レンコンなどの農産物の更なるブランド化を促進したいと考えております。

 具体的には、鳴門市土地改良事業の経費の賦課徴収に関する条例の改正や国・県の補助制度の積極的活用により、農業用の排水機場の整備に必要となる農家等の賦課金を現行から引き下げることで負担軽減を図り、排水機場の維持整備を促進してまいります。

(6)「四国のゲートウェイ化」構想の推進等について

 次に、「四国のゲートウェイ化」構想の推進等についてであります。

 去る11月6日、大津町での拠点施設整備基本計画策定に向けた第1回検討委員会を開催し、年度内の計画策定に向けた取り組みを進めているところであります。

 また、光のゲートの新たな取り組みとして、「NARUTO ART GATE ILLUMINATION 2017」を撫養川親水公園で開催いたします。

 来月12月16日から24日まで、9日間限定の光と音楽のライトアップイベントとして、「歩ける鳴門海峡」をコンセプトとした神秘的なイルミネーションとなっております。

 また、継続実施しております「ドイツ館イルミネーション」も、来月12月1日から来年1月8日まで、イルミネーションを増設するなど、拡充した内容で開催いたしますので両イベントとも多くの皆様にお楽しみ頂ければと思います。

 なお、「鳴門駅周辺整備事業」につきましては、現在、老朽化した駅舎南側の歩道橋の撤去に着手しているところであり、今後、駐輪場の設置や歩道の改良を行ってまいります。

 さらに、来年夏頃までには駅前ロータリー等を一体的に整備し、交通の利便性向上とイメージアップを図る予定としております。

 今後も各所で構想に基づく取り組みを計画的に進め、道の駅や産直市、観光案内等の拠点整備やイベントを行い、鳴門を名実ともに四国の玄関口としてまいりたいと考えております。

(7)イメージアップ事業について

 次に、イメージアップ事業についてであります。

 市民の皆様や市外在住の皆様の鳴門愛を育むため、「渦の国 鳴門 魅力あふれる鳴門の街」をテーマに、シティプロモーションを展開しているところであります。

 魅力を伝える媒体として、今年もインスタグラムを活用した写真動画投稿コンテストである「ナルスタグラム」を開催しております。

 さらに、新たな取り組みといたしまして、本市の豊かな自然や観光資源等をPRする動画とテレビCMを制作しているところであります。

 来月12月と来年3月頃に関西圏のテレビ局と四国放送で放送する予定であります。併せて「ユーチューブ」動画によるPRも実施して効果的にアピールしてまいります。

 この他、「3つの世界遺産登録」にチャレンジし、文化・観光資源のブランド化を図るなど、今後も、故郷への愛着を育む取り組みや鳴門の持つ魅力を存分にアピールすることでイメージアップを図ってまいります。

 こうした「なると未来づくり総合戦略」に基づく地方創生に資する取り組みをはじめ、効果的な政策・時機を捉えた施策展開を図ることで鳴門の持つポテンシャルを最大限発揮させ、新たな成長・活性化に繋げてまいります。

(8)支えあう地域づくりの取り組みについて

 第二点は、「ずっと笑顔で 生きがい感じる まちづくり」についてであります。

 まず、支えあう地域づくりの取り組みについてであります。

 現在、市では、高齢者や障害者、子どもなど全ての人々が、みんなで考え、「安心してしあわせに暮らすことができる地域共生社会の実現」を目指し、広く市民の皆様に参画頂きながら、「地域福祉計画」の策定を進めております。

 併行して、市社会福祉協議会においても、より実践的な「地域福祉活動計画」の策定作業が進んでおり、両計画は、本市の地域福祉の基本的な方向性を明示する一体的な計画として、今年度末を目途に策定を終える予定としております。

 平成30年度からの5か年を計画期間とする両計画の推進を通じ、地域住民と市、社会福祉協議会が互いに協働する、新たな支え合いの仕組みづくりを推進してまいります。

(9)2025年問題への対応について

 次に、2025年問題への対応についてであります。

 現在、我が国は、4人に1人以上が65歳以上の高齢者となる「超高齢社会」を迎えており、今後、団塊の世代が75歳を迎え、生活面で様々な支援を必要とする高齢者が増加する一方で、公的な生活支援サービスを支える介護職員は不足する傾向にあることから、ご家族による介護や生活援助等の支援の重要性がさらに増してまいります。

 こうした現状に対し、本市においては、地域住民や高齢者同士の助け合い、有償ボランティアといった多様な主体による、生活支援サポートの創造が必要との認識のもと、昨年から「公益財団法人さわやか福祉財団」との連携による啓発フォーラムや活動に向けた勉強会を進めてまいりました。

 多くの市民の皆様から、取り組みへの参加表明や取り組み内容のご提案も数多く頂戴しており、市民の皆様の熱意や活動に向けた手応えも感じているところであります。

 こうしたことから、高齢者を始め、誰もが気軽に集える居場所があり、様々な住民主体の介護予防が行われ、住民同士の日常的な交流を通じて、見守り、掃除や買い物のサポートといった様々な助け合いが行われるような地域像を目指した取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 その実現に向け、これらの活動の拠点となる「暮らしのサポートセンター」設置に向けた検討・準備を進めてまいります。

 また、高齢者が健康づくりや交流を深めながら気軽に楽しく過ごせる住民主体の通いの場として、開設・運営支援を進めております「いきいきサロン」につきましては、引き続き、市内全域100か所の開設を目標に支援の充実を図ります。

 併せて「いきいき100歳体操」の普及啓発など、健康寿命の延伸に向けた取り組みも推進するなど、「地域包括ケアシステム」構築に向けた県内トップランナーとして、総合的な取り組みを行ってまいります。

(10)子育て支援施策について

 次に、子育て支援施策についてであります。

 まず、子どもの貧困対策についてであります。

 今年度、子どもの貧困対策にかかる施策の方向性を検討し、実施する「子どもの生活実態把握等調査」につきましては、来年3月には調査結果がまとまる予定であります。

 この結果を踏まえ、子どもの貧困に関する現状を把握した上で、実態に則した施策を検討する中で、「子ども食堂」の設置等、新たな施策の推進に努めてまいります。

 

 次に、子育ての負担軽減策についてであります。

 これまで、「鳴門市版ネウボラ」を設置し、産前・産後のサポート体制の充実を図るとともに、「保育料の第3子無料化にかかる要件の緩和」などを行ってまいりました。今後におきましても、さらに、経済的負担軽減策の検討、実施を図ってまいりたいと考えているところであります。

(11)就学前教育の充実について

 次に、就学前教育の充実についてであります。

 子どもの成長にとって最も重要な時期であるとされている小学校入学前のいわゆる就学前教育の充実について、公立幼稚園や公立保育所のあり方などの検討を進めるとともに、これまで実施してきた小中学校のエアコン整備に引き続き、未整備となっている幼稚園の保育室やリズム室にエアコンを整備することで、子どもたちが健やかに学び、活動できる環境を整えてまいりたいと考えております。

(12)放課後児童クラブの拡充について

 次に、放課後児童クラブの拡充についてであります。

 放課後児童クラブの整備につきましては、老朽化が進んでいることや耐震性が十分ではないことから、国庫補助金等を活用し、2施設の改築等を進めております。

 「桑島児童クラブ」につきましては12月に、「林崎児童クラブ」につきましては、来年の2月に竣工いたします。この整備により耐震性を確保しつつ施設規模が拡大され、受け入れ定員も増やすことが可能となります。

 今後におきましても、保護者のニーズが増加している高学年児童の受入れも可能となるような施設整備等を順次実施してまいります。

(13)学力向上施策について

 次に、学力向上施策についてであります。

 外国語教育の推進につきましては、県下トップレベルの英語教育を目指し、全ての小学校の外国語教育において平成32年度実施の小学校新学習指導要領に向けての移行期間よりさらに先行して段階的な授業時数の拡充を実施しているところであります。

 また、今年度は新たな取り組みといたしまして「数学オリンピック」の開催など、子どもたちの学力向上に資する取り組みにも着手しております。

 学習環境の充実につきましては、現在、多機能な電子黒板やデジタル教科書を小学校高学年及び中学校全学年に導入しており、子どもたちの学習意欲や理解力の向上を図るため、活用を推進してまいります。

 また、鳴門町地区をモデル地区とした鳴門教育大学との連携強化による学園都市化構想の推進など、教育・保育の充実・向上を図り、心豊かな人づくりや魅力的なまちづくりに繋げてまいりたいと考えております。

 さらに、本市中学生の高等学校進学につきましては、公立高等学校入学者選抜試験における地域間の公平性を高め、進学に際しての選択の幅を広げるため、募集人員や「学区制の見直し」を含む入学者選抜制度のあり方について、引き続き県教育委員会に要望してまいります。

 「教育は人づくり、人づくりはまちづくりの原点である」との認識に立ち、子どもたちの未来のため、計画的かつ総合的に様々な学力向上施策に取り組んでまいりたいと考えております。

(14)健康づくり事業について

 次に、健康づくり事業についてであります。

 まず、「ASAトライアングルを結ぶサイクリングツーリズム推進事業」についてであります。

 「ASAトライアングル交流圏推進協議会」の構成自治体である本市と南あわじ市、東かがわ市の3市で、地域の活性化と市民の健康づくりを目的とした広域連携事業を展開しております。

 去る10月1日から、鳴門海峡をトラックで自転車の陸路輸送を開始するなど、サイクリストの受け入れに必要な取り組みを実施しているところです。

 また、本市と南あわじ市、報知新聞の3者共催によるサイクリングイベント、「鳴門・南あわじ渦潮ファンライド」を来年3月18日に開催する運びとなりました。

 鳴門海峡周辺を舞台とした抜群のロケーションを誇る2コースを跨ぎ、自然の魅力を十分に活かしたコース設定となっております。

 今後も、3市を繋ぐサイクリングコースを紹介した「サイクリングマップ」の製作やボートレース事業と連携した「サイクルステーション」の設置など、さらなるサイクリング参加者の受け入れに必要な環境整備を行ってまいります。

(15)ランニングイベントについて

 次に、ランニングイベントについてであります。

 来月12月3日、市制施行70周年記念事業のランニングイベントとして、「なると島田島ハーフマラソンwith 新喜劇」を開催いたします。

 吉本興業と連携することで、鳴門スカイラインをはじめとする島田島の風光明媚な景観や魅力を発信するとともに、市内外から多くの方にご参加頂き、スポーツに親しむきっかけづくりとするなど、健康づくり事業として成功させたいと考えております。

 その他、「鳴門リレーマラソンin鳴門教育大学」、「大麻町ジングルベルマラソン大会」、「鳴門クロスカントリー大会」等、豊かな自然・素晴らしい景観を生かしたスポーツ大会の開催により、健康づくりと地域活性化を推進いたします。

(16)防災・減災対策の推進について

 第三点は、「しっかり安心・快適 住み良い まちづくり」についてであります。

 まず、防災・減災対策の推進についてであります。

 今後、30年以内に70%程度の確率で発生が予想されている南海トラフ巨大地震への対策が急務となっておりますことから、来月、12月16日に市制施行70周年記念事業として、鳴門市文化会館で防災啓発に関する講演会を開催いたします。

 講師には、岩手県釜石市の防災教育で率先避難行動を啓発・指導し、東日本大震災時に同市内の小中学生約3,000人を無事避難させる「釜石の奇跡」を実現に導いた、東京大学大学院特任教授の片田敏孝氏をお招きすることとしております。

 大変著名な方によります、本市が目指す「津波即避難率100%」を目指した取り組みに資する講演内容であり、滅多に無い機会かと思いますので、ぜひご来場くださいますようお願い申し上げます。

 また今後、ソフト面での防災・減災対策は、普段、日常的に使っているモノやサービスを災害時にも活用する、「平常時」や「災害時」といった、いずれの状況でも適切な生活の質を確保する考え方や取り組みについても研究してまいりたいと考えております。

 

 次に、ハード面におきましては、10年後、20年後の鳴門市が目指すべき将来都市像をしっかりと見据え、「公共施設等総合管理計画」により、施設総量の最適化を図るとともに、安全・安心な公共施設の整備に努めてまいります。

 特に十分な耐震性能を有していない市役所本庁舎につきましては、現在、庁内に「庁舎のあり方検討会議」を設置し、分散する庁舎施設の集約やコンパクトシティの実現、PFI・PPPの導入、有利な財源の活用など、様々な観点から議論を深め、建替えに向けた検討を進めているところであります。

 今期定例会におきまして、庁舎整備基金を活用し、新庁舎建設にあたっての基本的な考え方や新庁舎の建設位置、規模、現庁舎の利活用の是非などを整理する「新庁舎建設基本計画」策定に関する補正予算案を提出しており、これをもちまして、本格的に庁舎整備事業をスタートしてまいりたいと考えているところであります。

 その他、消防団詰所や幼稚園、小学校・中学校等の公共施設の耐震化や、消防車両の更新など、必要な整備を計画的に行い、「災害に負けないまちづくり」を目指してまいります。

(17)企業局での取り組みについて

 次に、企業局での取り組みについてであります。

 まず、ボートレース本場周辺敷地の一部を活用しました「まちづくりエリア」、「プレイパークエリア」の整備についてであります。

 「まちづくりエリア」につきましては、去る11月22日に、ノヴィル株式会社が温浴施設の「鳴門天然温泉あらたえの湯」をフルオープンされたところであります。

 飲食・物販やアミューズメントを備えた複合施設である他、一部の浴場からはボートレース競走水面を展望できるなど、ボートレースファンのみならず、幅広い年代の皆様のご利用を期待しております。

 また、「プレイパークエリア」については、東京オリンピック競技種目であるテニスコート、バスケットコート、スケートボードエリア等を、市民の皆様が集まる新しいスポーツコミュニティスペースとして整備を進めているところであり、サイクルステーションの整備事業費につき今期定例会で補正予算案を提出しております。

 今後も「なるちゃんホール」や「ROKU」などの既存施設を含め、積極的に地域開放を行い、より多くの方に活用して頂けますよう、本市の新しいランドマークとして賑わいのあるエリア整備に努めてまいります。

(18)水道事業について

 次に、水道事業についてであります。

 本市と北島町の2事業体による水道事業の広域化の取り組みにつきましては、「鳴門市・北島町浄水場共同化協議会」において、先進地視察など浄水場の共同化に向けた調査・検討を進めているところであります。

 現在、共同浄水場の建設及び維持管理、費用負担割合等の基本的事項の決定に向け、「共同浄水場整備基本計画」の策定に取り組んでおります。

 これからも将来にわたって安全な水を安定して供給するため、「鳴門市水道事業ビジョン」に基づき、経営基盤の強化、経営効率化の推進、利用者に対するサービス水準の向上等の観点から各種施策を推進してまいります。

(19)本市の行財政改革と重要施策の推進について

 第四点は、「おおきく躍動 みんなで創る まちづくり」についてであります。

まず、本市の行財政改革と重要施策の推進についてであります。

 「鳴門市スーパー改革プラン2020」に基づき、7つの基本目標に掲げる各取り組み項目をしっかりと進捗管理し、目標達成に向けたアプローチを行ってまいります。

 特に、ふるさと納税を活用し、地場産品のPRを行うとともに、より一層の歳入確保を図るとともに、子育て施策・福祉施策といった重要施策を積極的に展開してまいりたいと考えております。

 また、組織・機構改革につきましては、情報発信力の向上が重要課題となっておりますことから、市の行事をはじめとした市政情報や地域のイベント情報を集約し、効果的・戦略的に情報発信ができる新たな組織を立ち上げたいと考えております。

 今後も全部門の全体最適を考慮しつつ、経営体としての本市の総合力を高めることで「自立的で持続可能な行財政システムの確立」を目指してまいります。

(20)ボートレース事業における経営戦略等の推進について

次に、ボートレース事業における経営戦略等の推進についてであります。

 昨年度、初のSG競走を開催し、収益状況でV字回復を果たしたボートレース鳴門につきましては、新たに策定した経営計画「ボートレース鳴門 経営戦略アクションプラン2016」の着実な推進を図っているところであります。

 来年10月からの「モーニングレース」の開催による電話投票売上の向上など、さらなる収益向上に努めてまいります。

 また、ボートレースのイメージアップ・イメージチェンジを図るイベントについても充実させてまいりたいと考えております。

 特に昨年に開催し、好評でありました競走水面を活用した水と光のイルミネーションショー、「ウオータースクリーンイリュージョン」を進化させた「ウオーターファンタジー2017」を来月12月2日及び3日に開催いたします。

 また、初日の12月2日は昨年と同様、鳴門商工会議所青年部が主催する「鳴門クリスマスマーケット2017」も開催しておりますので、日中もお楽しみ頂けるものと考えております。

 さらに来年、1月14日にはボートレース鳴門初の猫型イベントとなる「ねこねこフェスティバル2018 in BOAT RACE 鳴門」を開催いたします。

 猫との触れ合いコーナーや飲み物や食べ物、雑貨等を販売する「ねこマルシェ」の開催等、猫好きの方もそうでない方も楽しめる内容となっておりますので是非ご来場ください。

 ボートレース鳴門では、安定した経営の確立に向けた改革に取り組むとともに、多くの皆様に親しまれ、ご利用頂けますよう、各イベントの充実や新しい試みにチャレンジし、市のランドマークとして市勢発展に貢献してまいりたいと考えております。

(21)今後の市政運営について

 最後に、今後の市政運営についてであります。

 この度、3期目に際しまして、市民の皆様から様々なご意見、ご期待を頂いたと実感しており、市政を預かる者といたしまして、責任の重さに改めて身の引き締まる思いであります。

 今、国が掲げる地方創生という旗印のもと、地方行政は大きな変革期を迎えております。

 これまでの行政は、どちらかというと守りに重きを置いたものでありました。私は、3期目のスタートを迎え、これまで以上に攻めの姿勢を明確に打ち出してまいりたいと考えております。

 本市におきましても、財政健全化に留意しながら、国の「地方創生」政策による地域間競争の激化や少子高齢化に伴う「2025年問題」への対応、危機管理対策などの喫緊の課題に早急に取り組む必要があります。

 このため、「なると未来づくり総合戦略」や「第六次鳴門市総合計画後期基本計画」、「公共施設等総合管理計画」等の各施策の推進に前例や横並びにとらわれず、積極的にチャレンジするとともに、まずは来年、節目を迎える「第九」アジア初演100周年記念事業を成功させるよう、全力を尽くしてまいります。

 また、「3つの世界遺産登録」へのチャレンジや「四国ゲートウェイ化構想」の具体化など、今後数年間で交流人口及び定住人口の増加に資する各施策を積極的に展開してまいります。

 市政運営に際しましては、市民協働の考え方を定めた「鳴門市自治基本条例」の理念のもと、「市民が主役のまちづくり」を進め、10年後、20年後の子どもたちの笑顔を皆様とともに、創っていきたいと考えております。

 私は、鳴門市を牽引するリーダーとして、また、市民の最大の理解者、サポーターとして、これからも市民の皆様とともに歩み、様々な課題に果敢に挑戦し、「鳴門市に生まれて良かった、住んで良かった、訪れて良かった」と実感できるまちづくりの実現に邁進してまいりますので、議員の皆様を始め、市民の皆様のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。