平成29年鳴門市議会第3回定例会

◆ 目 次

 

(1)はじめに

(2)本市を取り巻く社会経済情勢について

(3)防災・減災対策の推進について

(4)総合戦略推進事業について

(5)姉妹都市及び親善都市との交流について

(6)観光振興事業について

(7)子育て支援の充実について

(8)地域支援事業について

(9)ボートレース事業について

(10)今後の市政運営に際して

 

 

(1)はじめに

 本日、第3回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。
 今期定例会におきましては、補正予算案を始め、各種議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ちまして、まずは、諸般の報告と現在本市が当面している諸課題についての所信を申し上げ、議員の皆様を始め、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

 まず、先月8月25日から稼働いたしました「鳴門市学校給食センター」についてであります。
 「鳴門市学校給食センター」は、自校調理場の老朽化、衛生管理基準の改正等に伴う施設改善の必要性に鑑み、学校給食の提供方式を自校調理方式から全てセンター調理方式へ移行するという構想のもと、地域の皆様をはじめ関係者の皆様のご理解、ご協力を頂きまして、竣工・稼働することができました。
 施設の特徴といたしましては、床面に水を落とさない「ドライシステム」の採用や食品の下処理を行う汚染作業区域と調理を行う清潔作業区域を分離するなど、HACCPの概念に基づく衛生管理のための設計を採用しております。
 また、米飯の提供も可能となった他、アレルギー対応専用の特別調理室や食育推進のための調理実習室等を整備いたしました。
 さらに、屋外避難スペースや災害備蓄倉庫、災害時の炊き出し対応等といった防災機能も有しておりますことから、市民の皆様に親しまれる施設になることを期待しております。
 これからも「子どもたちに安全、安心でおいしい給食を提供する」という基本を大切に、万全の体制で運営してまいります。

 

 次に、去る8月21日、本市で初めての試みとなりました「鳴門市数学オリンピック」の開催についてであります。
 「数学オリンピック」とは、各々が持つ発想力や思考力を生かし、計算問題や応用問題に取り組み、解答の正確さや早さを競うイベントであります。
 成績を評価する機会を設け、数学に対する興味や意欲を伸ばし、学力向上を図ることを主な目的とし、市内中学校に在籍する1年生及び2年生を対象に開催いたしましたところ、延べ45名の生徒に参加頂きました。
 今後におきましても、数学だけではなく、様々な取り組みを総合的・計画的に進めることで、本市の児童・生徒の学力向上に努めてまいりたいと考えております。

 

 次に、去る8月24日、鳴門ウチノ海総合公園で開催されました「平成29年度夏期巡回ラジオ体操・みんなの体操会」についてであります。
 株式会社かんぽ生命保険、NHK及びNPO法人全国ラジオ体操連盟が共同で主催する同イベントに、本市が市制施行70周年記念事業として参画いたしましたところ、当日は晴天に恵まれ、1,222名という数多くの皆様とともに汗を流すことができました。
 私自身も日頃の運動の大切さを改めて感じることができ、今後も幅広い年代の皆様にスポーツ参加の機会を創出してまいりたいと考えております。

 

 次に、去る8月8日から15日間、熱戦が繰り広げられました第99回全国高等学校野球選手権大会についてであります。
 徳島県立鳴門渦潮高等学校が、9年ぶり7度目の「夏の甲子園」の出場を果たされました。
 同校は新校名で、初めてとなる甲子園の舞台で、新潟県代表の日本文理高等学校と熱戦を繰り広げましたが、惜しくも初戦敗退となりました。
 監督や選手、関係者の皆様のたゆまぬ努力に改めて敬意を表しますとともに、今後ますますのご活躍をご期待申し上げます。

 

 次に、コウノトリブランド認証制度の運用開始についてであります。
 本市では、本年3月、「エコファーマー」等、一定の要件を満たした方の農産物やその加工食品等を認証する「コウノトリブランド認証制度」を創設し、運用に向けた準備を進めてまいりました。
 先月、特許庁からロゴマークについて登録査定を得て、ブランド名称である「コウノトリおもてなし」とともに制度の運用開始に至ったものであります。
 そして去る9月1日、JA徳島北から京浜市場に向け、記念すべき「コウノトリおもてなしれんこん」の初出荷が行われました。
 今後も、全国有数の規模を誇る「れんこん」に代表される環境や生き物に優しい水田農業を有する地域の特性を活かし、コウノトリと人との共生共存に向けての取り組みを推進するとともに、農産物の一層のブランド化を図り、地域経済の活性化に繋げてまいりたいと考えております。

 

 次に、去る9月7日に鳴門市文化会館で開催された第九ソリストグランドチャンピオン大会についてであります。
 来年6月2日及び3日に開催する「第九」アジア初演100周年記念演奏会のソリストを選考するため、グランドチャンピオン大会を盛大に開催いたしました。
 過去9回のオーディションを勝ち抜き、演奏会に出演頂いた歴代ソリストの中から、19名の方々にご応募頂き、公開オーディション形式で各パートの優勝者4名を選考したところであります。
 アジア初演「なると第九」ブランド化プロジェクト事業の集大成となる100周年記念演奏会に向け、弾みがつく事業を実施できたと考えております。
 今後も記念演奏会を始めとする100周年記念事業が皆様の記憶に残る大成功となりますよう、関係機関等と連携・協議を行いながら、着実に準備を進めてまいります。

 

 次に、浄水場の共同化の取り組みについてであります。
 安全・安心な水道水を安定的に供給できるよう、県内初の取り組みとなる本市と北島町、2つの事業体による浄水場の共同化を進めております。
 今年5月に締結いたしました「鳴門市・北島町の浄水場共同化に関する覚書」に基づき、先月8月4日に「第1回 鳴門市・北島町浄水場共同化協議会」を開催したところであります。
 今後も検討・協議を重ね、浄水場の建設及び維持管理に必要な基本的事項のとりまとめを進めてまいります。

 

(2)本市を取り巻く社会経済情勢について

 それでは、本市を取り巻く社会経済情勢についてであります。
 最近の社会経済情勢について概観いたしますと、内閣府の8月の月例経済報告の基調判断では、7月同様、「景気は、緩やかな回復基調が続いている。」とのことであります。
 また、去る9月8日に発表された4月から6月期のGDP2次速報値では、前期比年率換算で2.5%増となり、プラス成長の期間は11年ぶりとなる6四半期連続となりました。
 その一方で景気の先行きにつきましては、近隣諸国やアメリカ等の国際情勢が市場にどのような影響を及ぼすか、不透明な状況であるとされております。
 このような状況の中、本市といたしましては今後も国等の動向に注視し、有利な補助金等を積極的に活用するなど、効率的かつ効果的な事業展開を図るため、引き続き適切な行財政運営に努めてまいります。

(3)防災・減災対策の推進について

 次に、防災・減災対策の推進についてであります。
 まず、「鳴門市総合防災訓練」についてであります。
 本市では毎年、防災意識の高揚と防災知識の普及・啓発を目的として、「防災の日」である9月1日に、総合防災訓練を実施しております。
 今年は、同日に「徳島県総合防災訓練」の主会場が鳴門ウチノ海総合公園とされたことに伴い、本市と県、その他14市町村による連携訓練となりました。
 今回は、「南海トラフ巨大地震」が発生したという想定でありますが、去る7月25日に県が公表した「中央構造線・活断層地震」の被害様相も取り入れ、より実践的な訓練となりました。
 今回の訓練では、関係機関のご協力のもと、全国初となる本市と「FMびざん」による2局同時の「臨時災害放送局の開設・運営訓練」を始め、「赤外線カメラ搭載ドローンによる被災状況の把握及び情報収集」や「北朝鮮のミサイル発射を想定した落下物対応訓練」など、先進的な訓練を展開したところであります。

 次に、市制施行70周年記念事業として、12月16日に鳴門市文化会館で防災啓発に関する講演会を開催いたします。
 講師には、岩手県釜石市の防災教育で率先避難行動を啓発・指導し、東日本大震災時に同市内の小中学生約3,000人を無事避難させる「釜石の奇跡」を実現に導いた、東京大学大学院特任教授の片田敏孝氏をお招きすることとしております。
 こうした市と関係機関、市民の皆様と一体となった訓練や、防災啓発等の様々な取り組みにより、なお一層災害に負けないまちづくりに努めてまいります。

 次に、被災者支援及び復興対策への取り組みについてであります。
 県の補助金を活用し、来年3月に、大麻中学校で避難所運営訓練を実施いたします。
 避難所運営ゲーム(通称“HUG”)を自主防災会、学校等と連携して実動訓練形式で行い、地域防災力及び避難所での運営力の向上を図るとともに、避難所運営に必要な資機材等も充実したいと考えております。
 また、食物アレルギーを持つ市民の皆様のニーズを踏まえ、アレルギー対応食を各避難所へ整備いたします。

 

 次に、市役所本庁舎等の整備についてであります。
 現在、築54年目を迎え、施設・設備ともに老朽化が進み、十分な耐震性能を有していない市役所本庁舎のあり方等について、政策監をトップとする「鳴門市庁舎のあり方 検討会議」を中心に検討作業を進めているところであります。
 今後も、市役所庁舎における安全・安心の早期確保に向け、十分な議論に努めてまいりたいと考えております。

 

 次に、震災後におけるハード面の復旧対策についてでありますが、大規模地震等が発生した場合、現在の施設・設備等ではシステム等の復旧・運用再開に時間を要することが想定されます。
 このため、新たに予備サーバを耐震性のある場所に構築することで、速やかにシステム等を復旧し、迅速な被災者支援や市民サービスの継続が図られるよう努めてまいります。
 これからも市民の皆様が安全で安心に暮らせるまちを目指し、ハード・ソフトの両面から防災・減災対策に力を注いでまいります。
 
 次に、危機事態対応についてであります。
 先月8月29日に、北朝鮮による弾道ミサイルが発射され、北海道上空を通過し、約2,700キロ飛行した後、襟裳岬の東約1,180キロの太平洋上に落下いたしました。
 ミサイル発射の事前通告が無いまま日本上空を通過するミサイルを発射したのは、平成10年の「テポドン1号」以来とのことであり、また、北朝鮮が現在計画しているグアムへのミサイル発射が実行された場合、高知県上空が通過ルートとなるなど、本市にとっても深刻な危機事態であると認識いたしております。
 本市では、ミサイルの落下物等、万が一に備え、Jアラートによる防災行政無線や緊急速報メールで発射情報を配信するとともに、ミサイルが落下する可能性がある場合にとるべき行動等について、広報なるとや市公式ウェブサイトに掲載し、市民の皆様への周知に努めているところであります。
 また、このような危機事態に対し、去る7月20日に、政策監をトップとした「第1回鳴門市危機管理会議」を開催し、「鳴門市危機管理指針」の見直しなど本市の対応方針を決めたところであります。
 多種多様な危機事態に対しては、「市民の生命と財産等を守る」という強い使命感のもと、情報の共有化や迅速かつ総合的な危機管理体制の強化を図ってまいります。

 

(4)総合戦略推進事業について

 次に、総合戦略推進事業についてであります。
 まず、「ASAトライアングルを結ぶサイクリングツーリズム推進事業」につきましては、地域の活性化と市民の健康づくりを目的とする事業であり、本市と南あわじ市、東かがわ市の3市で取り組んでいる広域連携事業であります。
 現在、本市を訪れたサイクリストにサービスを提供する「サイクルスポット」や自転車の陸路輸送等の諸準備を進めております。
 今後も、3市を繋ぐサイクリングコースを紹介した「サイクリングマップ」の製作やボートレース事業と連携した「サイクルステーション」の設置など、さらなるサイクリング参加者の受け入れに必要な環境整備を行ってまいります。
 また、市民の健康づくり事業につきましては、市制施行70周年記念事業のランニングイベントとして、12月3日に「なると島田島ハーフマラソンwith 新喜劇」を開催することといたしました。
市内外から多くの方にご参加頂き、スポーツに親しむきっかけとするとともに、吉本興業と連携することで、鳴門スカイラインをはじめとする島田島の風光明媚な景観や魅力を発信したいと考えております。

 

 次に、「四国のゲートウェイ化推進事業」につきましては、本市が名実ともに四国の玄関口として、四国全体の情報発信を担うワンストップ機能を有する交流拠点整備や交流人口の増加に向けた取り組みを行うものであります。
 交流拠点施設につきましては、その実現に向けた「大津町交流拠点施設(道の駅)検討委員会」を今後開催する予定としており、様々なご意見やご要望を賜りながら、着実かつ迅速に検討を進めてまいりたいと考えております。
 また、来月10月14・15日には、鳴門ウチノ海総合公園におきまして、「四国のグルメ・祭りフェスティバル」を開催いたします。両日にわたる「四国のグルメ」は、四国の肉をテーマとした30店舗以上が出店し、14日の「四国の祭り」は四国四県から10種類以上の祭りが集合いたします。
 15日には「四国のグルメ」と「鳴門のまつり」、「子どものまちフェスティバル」を同時開催いたします。四国のゲートウェイとして、四国と本市の魅力に触れる機会とするとともに、多くのお客様にお楽しみいただけるイベントとしてまいりたいと考えております。

(5)姉妹都市及び親善都市との交流について

 次に、姉妹都市及び親善都市との交流についてであります。
 「第九」のアジア初演100周年を来年に控え、松江豊寿所長の出身地であることをご縁として交流を続けております会津若松市につきまして、今年は活発な相互訪問が行われております。
 まず、去る8月7日でありますが、会津若松市内の中学生33人で構成する「会津ジュニア大使」の皆さんが鳴門市役所を表敬訪問され、事前に調査研究をされた「会津と鳴門市のつながり」や「会津若松市の魅力」等についてのプレゼンテーションが行われました。
 また、8月8日には、第一中学校において、中学生同士による交流も行われるなど、両市の交流をさらに深めて頂きました。

 次に、今月22日から、私が会津若松市を訪問させて頂き、室井会津若松市長とともに、第九プレ100周年をテーマとしたシンポジウムにパネリストとして出演させて頂く予定であります。
 このシンポジウムは、徳島新聞社と連携事業を展開しております福島民報社の主催によるものであり、約25名の鳴門市民の皆様も参加される予定でありますが、鳴門の第九だけでなく、両市の交流について広くPRできる絶好の機会と考えております。
 さらに、10月6日には、会津若松市市民親善交流事業として室井市長をはじめ約120名の皆様が来鳴される予定であり、この機会に会津若松市の皆様に鳴門市の魅力等を知って頂きたいと考えております。
 今後も引き続き両市の交流がより良好なものになるように親交を深めてまいります。

 

 次に、リューネブルク市との交流についてであります。
 去る8月24日に、鳴門市姉妹都市親善青少年使節団が無事に帰国してまいりました。
 青少年使節団は、市内に在住の中高生12名により構成されており、8月17日から8日間の行程でリューネブルク市などを訪問いたしました。
 先日、行われました解団式では、直接、団員たちのお話を聞きましたが、リューネブルク市に滞在中は、ホームステイを行い、受け入れ先のご家族と親交を深め、平日には地元の学校で授業を受けることで様々な学習と体験を積み上げたようであります。
 今回の体験を経て、今後、語学や国際交流の学習をさらに深めたいという意見や日独交流に関わっていきたいという声も聞かれ、リューネブルク市との姉妹都市交流の裾野を広げることに繋がったものと確信しております。

 次に、中国湖南省張家界市との交流についてであります。
 張家界市とは、平成23年に友好交流都市に関する意向書を締結して以来、相互訪問を行うなどの交流を続けてまいりました。
 来年度は張家界市が市制施行30周年を迎える節目の年であり、本年度も張家界市の議会に相当する人民代表大会から本市を訪問したいとの意向も頂いておりますことから、今後、さらなる交流を深めていきたいと考えております。

 次に、バングラデシュ人民共和国との交流についてであります。
 本市におきましては、市内企業が進出しているご縁もあり、これまで経済界を中心に交流が図られてまいりました。
 この度、「鳴門市阿波おどり」にあわせ、駐日大使をはじめ政府関係者が来鳴し、表敬訪問を頂いたところであります。
 また、去る8月11日には、うずしおふれあい公園のインターナショナルフェスティバルや阿波おどりの演舞場で、「バングラデシュ国際舞踊団」の方々による踊りが披露されるなど、市民の皆様との交流が行われました。
 こうした市民・民間レベルの交流が行われることは、本市にとって意義深いものと考えております。

(6)観光振興事業について

 次に、観光振興事業についてであります。
 まず、先月8月7日に予定しておりました「鳴門市納涼花火大会」につきましては、台風5号の接近による影響で残念ながら中止となりました。
 開催の日程上、別の日に順延することができず、7千発の花火を心待ちにして頂いておりました皆様の期待に応えることができなかったことをお詫び申し上げます。
 一方、8月9日から11日までの「鳴門市阿波おどり」は好天に恵まれ、3日間累計で約6万7千人の皆様に、熱気あふれる鳴門の夜を満喫して頂きました。
 今年は市制施行70周年記念事業として、10年ぶりに国内親善都市の群馬県桐生市から「桐生八木節踊り」を招聘するなど、演舞場で華麗な踊りが披露されました。
 また、「鳴門市阿波おどりPR大使」の石田靖さんや「鳴門観光大使」の板東英二さんなど、多彩なゲストが登場し、演舞場を盛り上げて頂きました。
 最終日には、吉本興業とのタイアップイベントとして「こどもフェス お笑い秘密基地in鳴門」を開催し、人気お笑いコンビのCOWCOW等が出演するなど、四国初のイベントで親子連れの皆様にお楽しみ頂いたところです。
 イベントの実施に際し、ご協力を賜りました鳴門商工会議所、鳴門市うずしお観光協会を始め、関係者の皆様に改めて厚くお礼を申し上げます。

 

 次に、観光キャッチコピー「プロモーション7」の選定についてであります。
 市制施行70周年記念事業として、去る5月1日から6月30日まで本市の魅力を7文字で表すキャッチコピーを募集したところ、総数1,126点ものご応募を頂きました。厳正なる審査の結果、最優秀賞に「歓喜の歌渦巻く鳴門」をキャッチコピーに選定いたしました。今後、様々な媒体で本市の観光資源をPRしてまいります。

 

 次に、徳島ヴォルティス支援事業についてであります。
徳島ヴォルティスの現況といたしましては、開幕以降、好調を維持しており、全42節中32節を終えた時点で、J1自動昇格枠内のJ2第2位「アビスパ福岡」と勝ち点6点差の7位となっております。
 ホームタウンである本市といたしましても、J1再昇格への機運を高める様々な取り組みを行ってまいりたいと考えております。
 まず、徳島ヴォルティス応援フレーズの選定についてであります。
 去る5月1日から6月23日まで本市のオリジナル応援フレーズを市民の皆様から募集したところ、総数124点のご応募を頂きました。厳正なる審査の結果、最優秀賞に「渦巻く感動!勝利の歓喜が鳴門に響く!」を応援フレーズに選定いたしました。
 今後は応援ポスター等の媒体に活用してまいりたいと考えております。
 また、有名クラブの所在する自治体の事例を参考に、PR効果のある徳島ヴォルティスの応援タペストリーを文化会館の東側に架かるうずしお橋に設置するなど、一連の支援策に関し、今期定例会で補正予算案を提出しているところであります。
 今後も引き続き、徳島ヴォルティスと連携して本市の魅力を全国に発信し、スポーツを通じた、にぎわいづくりを実現してまいりたいと考えております。

(7)子育て支援の充実について

 次に、子育て支援の充実についてであります。
 まず、健康福祉交流センターのフルオープンについてであります。
 今月9月17日に「健康で安心して暮らせるために~健康づくりと地域医療を考える~」をテーマにフルオープンセレモニーを行います。
 セレモニー当日は、兵庫県丹波新聞 足立智和記者による基調講演やパネルディスカッションの他、マタニティー教室やニュースポーツ体験コーナー等といったイベントを各フロアで開催しておりますので、是非お越しくださいますようお願いいたします。
 また、フルオープンに際し、施設の愛称を募集しておりましたところ、総数14点のご応募を頂きました。厳正なる審査の結果、最優秀賞に「鳴門ふれあい健康館」の愛称を選定いたしました。
 また、貸館業務についても10月1日から拡大する予定であり、「鳴門ふれあい健康館」が今後、幅広い世代の皆様にご活用頂ければと考えております。

 次に、不妊治療費助成事業についてであります。
 不妊治療の経済的な負担を軽減し、安心して妊娠・出産を迎えられるよう、この度、医療保険が適用されない特定不妊治療に要する費用の一部を助成したいと考えております。
 この制度は、県の不妊治療費助成制度に上乗せして、市が単独で助成する予定としております。
 本市といたしましては、現在の妊娠中からの子育て支援に加え、妊娠に向けた支援を開始することにより、母子保健事業及び子育て支援が、切れ目なく一層充実できるものと考えております。

 次に、県内市町村初となる、子どもの貧困対策を推進するための「子どもの生活実態把握等調査」についてであります。
 本市では、昨年度から「貧困の連鎖」防止対策として、生活困窮世帯等の中学生を対象として学習支援事業を実施しているところであります。
 しかしながら、より一層、子どもの貧困対策等の施策を推進していくためには、子どもたちの生活実態を幅広く把握する必要があると考え、小・中学生とその保護者を対象にアンケート調査を実施することといたしました。
 調査結果や分析結果を基礎資料として、今後の本市の子どもの貧困対策が、より効果的な支援となるよう総合的に進めていくこととしております。
 今後も、こうした子育て支援に関する様々な事業を展開し、子育てへの不安や負担を軽減する取り組みを推進してまいりたいと考えております。

(8)地域支援事業について

 次に、地域支援事業についてであります。
 まず、「第1回いきいき百歳大交流大会」の開催についてであります。
 来月10月25日、市内各所の「いきいきサロン」の参加者等を対象に、鳴門・大塚スポーツパークアミノバリューホールにおいて「第1回いきいき百歳大交流大会」を開催いたします。
 「いきいきサロン」につきましては、高齢者が健康づくりや交流を深めながら気軽に楽しく過ごせる住民主体の通いの場を、市内全域、100か所の開設を目標に、昨年度から支援を実施しております。
 現在、42か所の「いきいきサロン」が開設されておりますが、交流大会を通して「いきいき百歳体操」の意義や他のサロンでの取り組みを知り、活動の活性化に繋げればと考えております。

 

 次に、介護予防や健康づくりに関する知識や技術を養い、サロンの運営をサポートする人材を育成することを目的に9月25日から2日間にわたり「いき百サポートリーダー養成講座」を開講いたします。
 いきいき百歳体操のコツやサポートリーダーの役割、口腔ケアや認知症対策の重要性、救急時の対応などについて、実技を交えながら学んで頂くもので、歯科医師会、理学療法士会、作業療法士会との連携により新たに実施するものです。
 また、サロン支援や地域での介護予防活動の拡充に伴い、リハビリテーション専門職の職域の需要が高まっていることから、理学療法士と作業療法士を増員し、支援体制を充実いたします。
 今後も、サロン活動の更なる展開と各種専門職との連携強化を図ることにより、効果的な介護予防活動の推進に努め、高齢者が生きがいを持ち安心して暮らせる地域づくりを推進してまいります。

 

(9)ボートレース事業について

 次に、ボートレース事業についてであります。
 去る6月20日から25日までの6日間、「SG第27回グランドチャンピオン決定戦競走」を開催いたしましたが、期間中県内外から多くのお客様にお越し頂き、ボートレースを楽しんで頂きました。
 舟券売上の結果といたしましては、当初目標の90億円を超える約92億円を売り上げ、節間でのボートレース鳴門の歴代最高額を記録いたしました。
 SG第27回グランドチャンピオンの経済波及効果を試算しましたところ、総合効果として約22億円となり、そのうち、県内経済への波及効果は、約14億円余りとなっており、経済効果も昨年のSGオーシャンカップに引き続き、大きなものとなっております。
 昨年度の決算状況につきましては、リニューアル効果やSG開催等で、純利益が16億3,413万2,658円となり、平成3年以来となる10億円超えの好業績となっております。
 さらに、来年10月からは「モーニングレース」への参画が決定いたしました。
 今後、安定的な経営を続けるため、各種施策の実施や広告等を行い、電話投票等の売上向上に繋がりますよう努めてまいりたいと考えております。

 次に、ボートレース本場周辺敷地の一部を活用した「まちづくりエリア」、「プレイパークエリア」の整備についてであります。
 「まちづくりエリア」については、現在、飲食施設やみやげ販売など「複合レジャー施設」としての機能を併せ持つ「温浴施設」をノヴィル株式会社が建設中であり、11月下旬頃の開業を目指しているとのことであります。
 また、「プレイパークエリア」については、市民の皆様が集まる新しいスポーツコミュニティスペースとして、多目的芝生広場、バスケットコート、スケートボード場、テニスコート、サイクルステーションを整備してまいります。
 両エリアとも健康増進に繋がり、また、お楽しみ頂ける新たなスポットとして、ボートレース鳴門とともに幅広い年代の皆様のご利用を期待しております。
 今後も様々なイベントの企画、取り組みを実施し、一層の売上向上を目指すとともに、市民の皆様に親しまれる鳴門のランドマークとなりますよう、ボートレース事業を展開してまいりたいと考えております。

(10)今後の市政運営に際して

 最後に、今後の市政運営に際して、私の心情を述べたいと思います。
 市民の皆様に託されました市長としての任期があと2か月余りとなりました。
 「市民の皆様が主役のまちづくり」を目指した「鳴門市自治基本条例」の理念のもと、市民の皆様とともに充実した時を過ごし、全力で市政運営に取り組んだ3年10か月であったと感じております。
 しかしながら、本市を取り巻く現状は、国の「地方創生」政策による地域間競争の激化や、少子高齢化の進行の影響など、様々な行政課題が多様化・高度化・複雑化する中、危機管理対策といった喫緊の課題への対応など、舵取りの難しい局面が続いております。
 このような状況に鑑み、「なると未来づくり総合戦略」や今年度スタートいたしました「第六次鳴門市総合計画後期基本計画」に基づく各施策の推進に努めているところであります。
 来年は、いよいよ「第九」アジア初演100周年の節目を迎えます。
 アジア初演「なると第九」ブランド化プロジェクト事業を始め、「3つの世界遺産登録」へのチャレンジや「四国ゲートウェイ化構想」の具体化など、今後数年間で総合戦略に位置づけた各施策を積極的に展開し、交流人口及び定住人口の増加に繋げてまいりたいと考えております。
 市民の皆様とともに歩む数年間が、本市の未来を左右するものと言っても過言ではなく、我々「チーム鳴門」が「地方創生」という大渦の中で、生き残り、未来を切り拓くことのできる唯一つの道であると確信しております。
 今後においても様々な課題に挑戦し、「鳴門市に生まれて良かった、住んで良かった、訪れて良かった」と実感できるまちづくりの実現に全力を尽くしてまいりたい、今はその一心でございます。
 任期満了の日まで限られた時間ではありますが、最後まで全力で駆け抜けてまいりたいと考えておりますので、議員の皆様を始め、市民の皆様のご理解、ご協力を賜りますようお願いいたします。