平成29年鳴門市議会第1回定例会

■目 次 

(1) はじめに  

(2) 「うきうき 活力と魅力あふれる まちづくり」 

(3) 「ずっと笑顔で 生きがい感じる まちづくり」 

(4) 「しっかり安心・快適 住み良い まちづくり」 

(5) 「おおきく躍動 みんなで創る まちづくり」 

(1)はじめに 

 本日、第1回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。
 今期定例会におきましては、平成29年度鳴門市一般会計予算案を始め、各種議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ちまして、まずは、諸般の報告と現在本市が当面している諸課題についての所信を申し上げ、議員の皆様を始め、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

 まず、職員の不祥事について、ご報告申し上げます。
 すでに、報道等で大きく取り上げられましたが、去る12月に本市の職員が、公金を着服していたことが発覚いたしました。また、先月、本市の臨時職員が児童買春・児童ポルノ禁止法違反等により逮捕される事態となりました。両名とも市の懲戒処分の基準に則り、懲戒免職処分といたしました。いずれの事件も法令を順守すべき立場にある公務員として、あってはならない不祥事を引き起こしたことについて、深くお詫びを申し上げます。

 今回の事件を受け、全ての職員に対し、訓示を行うとともに再発防止の研修会を企画・実施し、綱紀粛正を図ったところであります。こうした事件が再び起こることのないよう、より一層気を引き締め、市民の皆様の信頼回復に努めてまいりたいと考えております。

 

 次に、先月1月4日から6日にかけて行われた第63回徳島駅伝において、鳴門市チームは昨年の雪辱を晴らし、2年ぶり通算34度目の栄冠を獲得するとともに、3日間のレースを全て制する悲願の完全優勝を成し遂げました。また、初めて設けられた小学生特別区間におきましても、本市児童たちも、力強い走りを見せてくれました。選手の皆様の健闘をたたえ、心よりお祝いを申し上げますとともに、関係者の皆様や、沿道で応援頂いた多くの市民の皆様に改めて感謝申し上げます。

 

 次に、市制施行70周年記念事業についてであります。
 今年は、市制施行70周年の節目の年にあたりますことから、記念式典を始め、各種の記念事業を実施してまいりたいと考えております。新しい取り組みとしましては、「NHKのど自慢」の実施や本市の魅力あふれる海をテーマとした婚活イベントである「海活」等、70周年を印象づける事業や、内容を工夫、拡充して行う各事業を予定しているところであります。各事業を掲載したリーフレットを作成し、幼稚園・小中学校等の関係機関への配布も行います。本市と市民の皆様、関係者の皆様にとって、記憶に残るような1年に、さらに本市の未来のまちづくりに向けた記念すべき1年としたいと考えております。

 

 それでは、本市を取り巻く社会経済情勢についてであります。
 最近の社会経済情勢について概観いたしますと、内閣府の1月の月例経済報告の基調判断では、12月同様、「景気は、一部に改善の遅れもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。」とのことであります。先月1月25日の経済財政諮問会議が発表した中長期の試算では、2020年度の黒字化を目指す基礎的財政収支(プライマリーバランス)が、昨年7月の試算から2.8兆円赤字が膨らみ、8.3兆円の赤字見込みを示しております。景気の先行きについても、アメリカをはじめとする国際情勢の先行きが不透明である中、市場への影響などが注目されているところであります。
 本市といたしましては、今後、国や県の動向を含め、市民生活や地域経済への影響を注視しながら、市の施策に反映していく等、適切に対応していく必要があると考えております。さらなる市政発展を目指し、「鳴門市に生まれて良かった、住んで良かった、訪れて良かったと実感できる」、未来志向のまちづくりを着実に推進するため、本市のまちづくりの方向性を示す「第六次鳴門市総合計画後期基本計画」を策定いたします。
 この後期基本計画につきましては、現在、パブリックコメント手続を経て、総合計画審議会の答申を頂いたところであり、本年度中の計画策定を予定しております。計画期間は、平成29年度から平成33年度までの5か年であり、来年度がスタートの年にあたることから、計画に掲げた目標達成に向けて創意工夫を凝らし、鋭意取り組んでまいります。第六次鳴門市総合計画に掲げる将来都市像である「結びあう絆が創る 笑顔と魅力うずまく鳴門」を実現するため、地方創生など未来のまちづくりに資する各施策の具体化を図り、市民の皆様とともに歩んでまいりたいと考えております。

 

 それでは、これから本市が実施してまいります重点施策について申し述べたいと存じます。

 

(2)「うきうき 活力と魅力あふれる まちづくり」

 第一点は、「うきうき 活力と魅力あふれる まちづくり」についてであります。


 まず、地域経済活性化についてであります。
 今期定例会において既存の「企業立地奨励条例」の全部を改正する条例案を上程しております。これまでは、比較的規模の大きい企業の誘致を対象としておりましたが、この度の改正では、奨励措置を講ずべき事業所の要件を大幅に緩和し、市外事業者のみならず、市内の中小企業が事業所を新設したり、増設、移転又は建て替える場合にも、固定資産税の課税を免除する制度を設けたいと考えております。さらに、これらの企業が、市民を雇用した場合に、一定の補助金を交付する「地元雇用奨励金制度」を設けたいと考えております。これらの制度により、企業立地を一層奨励するとともに、市内企業が前向きな経営に取り組める地域経済環境を目指してまいります。

 

 次に、六次産業化・農商工連携の推進についてであります。
 京阪神における市場での調査等を行うトップセールスを実施し、農水産物の更なるブランド化を図ります。また、近年の消費の変化や流通形態の多様化等に対応し、魅力のある新商品づくりや販路開拓を進めるため、生産、加工、販売に要する経費を助成し、農水産物の付加価値の向上及び生産者の所得向上を目指します。さらに、高品質な作物の生産に重要となる手入れ砂の購入やれんこん腐敗病対策として土壌改良資機材の導入等を促進するため、新たに「ブランド産地振興補助金」を創設いたします。これらの支援策により、ブランド力の向上・保持に努めるとともに、地域経済活性化に結び付くよう取り組みを進めてまいります。

 

 次に、観光・交流のまちづくりについてであります。
 来年度も地方創生推進交付金等の国庫補助金を最大限に活用し、様々な取り組みを行ってまいりたいと考えております。

 まず、「ASAトライアングルを結ぶサイクリングツーリズム推進事業」につきましては、「ASAトライアングル交流圏推進協議会」の構成自治体である本市と南あわじ市、東かがわ市の3市を結び、観光振興及び健康づくりを目的とした広域連携事業を展開いたします。来年度は、トラックによる自転車の陸路輸送や多言語案内板等の配備等、サイクリング参加者の受け入れに必要な体制を整備するとともに、市民の皆様の健康づくりに資する事業を実施してまいります。

 

 次に、「四国のゲートウェイ推進事業」につきましては、本市が名実ともに四国の玄関口として、四国全体の情報発信を担うワンストップ機能を有する交流拠点の整備や交流人口の増加に向けた取り組みを行うものであります。具体的には、幹線沿いに道の駅や産直市・観光案内等の滞留施設を官民連携により配置するとともに、四国の食や祭り等、四国内外から集客できるイベントの開催に向け、必要なアプローチや支援等を行ってまいりたいと考えております。

 

 次に、現在、工事に着手しております「鳴門駅周辺整備事業」につきましては、今年度中に駅東側から西側に抜ける通路を整備する予定であります。来年度は、周辺整備にも着手し、老朽化した駅舎南側の歩道橋の撤去や駐輪場の設置など、駅前ロータリーや西側歩道等についても一体的に整備いたします。「優しいが うずまくまち 鳴門」を周辺整備のコンセプトとしており、待合所等をはじめ、駅周辺における利便性の向上や優しい印象を受ける景観となるよう、より魅力的な地域の拠点としてリニューアルしてまいります。

 

 次に、イメージアップ推進事業についてであります。
 来年度におきましても、様々な取り組みを行い、本市のイメージアップを図ってまいりたいと考えております。
 まず、今年度も開催中ですが、引き続きインスタグラムを活用した写真動画投稿コンテストである「ナルスタグラム」を開催いたします。投稿は「写真」と「動画」の部門で募集しており、応募作品は、市プロモーションサイト等で鳴門のPRに活用したいと考えております。ぜひ多くの市民の皆様にご応募頂きたいと考えております。
 次に、鳴門市PRカレンダー「ナルトメイド」につきまして、第3弾となる2018年版を作製いたします。地場産品や地場産業の仕事に焦点を当てた写真の掲載等、本市の魅力を再発見できるカレンダーとなります。
 さらに、現在、本市のイメージアップ冊子である「鳴門やけん」の第4号を次のテーマ「なるとわかめ」で作製中であります。来年度も引き続き鳴門の誇る地場産品を紹介してまいりますので、多くの市民の皆様にぜひ登場して頂ければと考えております。
 また、今年度から鳴門で開催するイベントの広報費用を助成する「“鳴門へおいでよ”イベント広報活動支援補助金」制度を開始しております。市内で開催されるイベントに、市内外から多くの人を呼び込み、鳴門の良さや魅力を知ってもらう機会を創出することを目的としたものであります。今後も、様々な媒体や方法により、ふるさとへの愛着を育む取り組みや鳴門の持つ魅力をアピールし、イメージアップを図ってまいります。

 

 これらの「なると未来づくり総合戦略」に基づく地方創生に資する取り組みを行い、鳴門に「住み続けたい」、「住んでみたい」と思ってもらえるような活気に満ち溢れるまちづくりを実現してまいりたいと考えております。

 

 次に、移住交流支援事業についてであります。
 本市の定住人口増加に向けた新たな取り組みとして、今年度中に空き家バンクを開設し、情報提供を開始いたします。また、移住者が居住する住宅のリフォーム費用等を補助する「空き家リフォーム支援事業補助金」を創設いたします。さらに、定住等を目的として住居又は仕事を探す活動等を行う方に対し、宿泊費の一部を助成する制度を設けるなど、一人でも多くの方が本市を訪れ、「住んでみたい」と思って頂けるような機会の提供に努めてまいりたいと考えております。

 

 次に、板東俘虜収容所開所100周年の取り組みについてであります。
 今年は、板東俘虜収容所が開所して100周年の節目の年となりますことから、様々な記念事業を実施したいと考えております。
 まず、収容所の開所日である4月9日はドイツ館を無料開館するとともに、バルトの庭の開園も行って頂くなど民間のご協力を得ながら、ドイツ館周辺にて開所100周年イベントを実施いたします。また、関連イベントとして、来年度に3回の開催を予定しておりますドイツ兵捕虜のゆかりの地を巡るウォーキングイベントの第1回目を4月中に開催するほか、「板東俘虜収容所開所100周年講演会」を開催してまいります。


 次に、「板東俘虜収容所関係資料」のユネスコ「世界の記憶」登録推進事業についてであります。
 来年2018年には、徳島県、ニーダーザクセン州、リューネブルク市と本市による共同での登録申請ができるよう、現在、申請書作成及び保存活用に向けた作業を進めており、再来年2019年での登録を目指しているところであります。これらの登録に向けた様々な取り組みを通じて、国内及び訪日外国人の誘客等に繋がるよう、事業を展開してまいりたいと考えております。

 

 次に、アジア初演「なると第九」ブランド化プロジェクト事業についてであります。
 来年、いよいよ「第九」アジア初演100周年の節目を迎えるにあたり、平成29年度はプレイベントとして各種事業を展開してまいりたいと考えております。
 まず、新たに「なると第九」の記録ビデオを作成し、「第九」の起源や演奏会の歴史、関連団体の活動等を動画に記録し、周知・啓発に活用してまいります。そのほか、啓発として、徳島県文化の森総合公園や阿波おどり会館において移動パネル展を開催する予定であります。
 さらに、「花いっぱいまちづくり事業」として「第九」PRシール等をプランターに貼り、市内の沿道等に設置することで100周年への機運を高めてまいります。
 次に、ここ数年行っております、幼小中における「なると第九」歴史学習と「第九」の合唱指導に加え、新たに、2006年に各映画館で上映された「バルトの楽園」を小中学校で巡回上映いたします。
 これらの取り組みを通して、「なると第九」の一層のブランド化を推進するとともに次世代育成に向けた取り組みを加速し、機運を醸成してまいります。

 

 次に、国際・国内交流事業についてであります。
 姉妹都市交流につきましては、第22回鳴門市姉妹都市親善使節団派遣事業として、5月にリューネブルク市へ使節団を派遣いたします。8月には中高生による青少年交流も予定しており、現地でのホームステイや学校訪問といった異文化体験を通じて、国際感覚が醸成されることを願っております。
 次に、親善都市交流につきましては、会津若松市から会津ジュニア大使を歓迎し、市内中学生との交流を行うほか、会津若松市長を始めとする市民親善訪問団とも交流する予定であります。
 また、桐生市との親善交流におきましては、市制施行70周年記念事業として、阿波おどりの時期と併せて「桐生八木節おどり」を招聘する予定であります。
 さらに、同じ市制施行70周年記念事業といたしまして、今年8月に中国北京市で開催される卓球大会、「日中友好交流卓球交歓会」に張家界市と本市の中学生がチームを組んで参加し、日中国交正常化45周年を機に、さらなる友好の輪を広げることとしております。国内外において交流事業を展開することで、年齢や立場等を超えた友情の芽が育ち、特に若い世代におきましては将来、相互交流の担い手となることを期待しております。

 

(3)「ずっと笑顔で 生きがい感じる まちづくり」

 第二点は、「ずっと笑顔で 生きがい感じる まちづくり」についてであります。


 まず、健康福祉施策の推進についてであります。
 市民の皆様が、生涯にわたって、健康で、住み慣れた地域で安心して暮らすことができるまちづくりの実現を目指して、平成26年度から、地域の医療を地域で守るための条例の制定作業を進めてまいりました。去る2月2日、学識経験者、地域医療関係者、公募市民等で構成する条例策定審議会から、「鳴門市健康づくりの推進と地域の医療を守り育む条例」として、答申を頂きましたことから、今期定例会に条例案を上程しております。条例制定後の取り組みにつきましては、施行日である11月1日に向けて、広報等での説明や講演会等を開催するなど、条例の趣旨、内容等の周知・啓発に努め、条例に基づく取り組みを市民の皆様とともに進めてまいります。

 

 次に、「健康福祉交流センター」につきましては、旧老人福祉センター・勤労青少年ホームの耐震化を機に、現在の健康政策課・健康づくり室をはじめ、「子育て世代包括支援センター(鳴門市版ネウボラ)」や「鳴門ファミリーサポートセンター」を移転・集約して、「健康」・「福祉」・「交流」の機能を持つ施設として、4月1日に一部オープンいたします。なお、高齢者の皆様を中心にご利用いただける交流スペースなどを整備するため、改造工事を行うとともに、愛称募集を実施し、今年9月の完全オープンを目指してまいります。子どもから高齢者まで、幅広い年代の皆様に親しまれる施設を目指して、社会福祉協議会等の関係機関と連携してまいりたいと考えております。

 

 次に、保健福祉分野の諸計画の策定についてであります。
 まず、地域福祉計画及び地域福祉活動計画でありますが、本市においては、地域にある資源を活かし、「新たな公共」を創造することにより、市民の皆様が社会の一員として活躍できる共生社会の実現を目指しております。そのため、市が策定する地域福祉の課題と方策を定める「地域福祉計画」と社会福祉協議会が策定する、実践的な「地域福祉活動計画」を一体的な連携計画とするため、両者で協働しながら作業を進めているところであります。計画の策定にあたっては、徳島大学と共同研究を行うとともに、公募市民、学生、社協の職員及び市の職員で構成する「地域福祉計画等策定市民会議」を設置し、地域座談会を開催して頂くなど、地域住民の意見を踏まえつつ、地域の現状や課題を整理して頂く予定としております。また、計画の実効性を高めていくためにも、地域福祉の大きな担い手である社会福祉協議会の運営体制の強化に向けた支援策を講じてまいりたいと考えております。

 

 次に、「鳴門市障害者計画及び鳴門市障害福祉計画」についてであります。
 両計画は平成29年度末に計画期間が終了することから、平成30年度から平成32年度を計画期間とする次期計画に向け、アンケート調査を実施するほか、障がい者支援従事者や関係団体へのヒアリングなど、現状と課題を十分に踏まえながら、平成29年度末の策定を目指して取り組んでおります。さらには、昨年6月の「障害者総合支援法」及び「児童福祉法」の改正を受け、障がい児の通所支援等に関する整備等について定める「障害児福祉計画」も併せて策定する予定であります。

 

 次に、「第7期高齢者福祉計画及び介護保険事業計画」についてでありますが、少子高齢化が進展し、団塊の世代が75歳を迎える「2025年問題」への対応が全国的な課題となっております。両計画においては、こうした背景を踏まえ、介護予防事業の方針や認知症・生活支援対策、医療介護分野の連携推進のあり方、介護保険サービスの3か年の供給量など、多岐にわたる内容を計画に盛り込み、高齢者が支え合いながら生きがいを持って暮らせる地域包括ケアシステムの構築に繋がる実効性ある計画として、平成29年度末の策定を目指して、取り組んでいるところであります。また、子どもから高齢者まで「全ての地域住民」を視野に入れた地域包括ケアの推進も求められているところであり、「2025年問題」を見据えた本市における課題抽出や対応策について、検討を始めてまいります。各施策の推進につきましては、市民の皆様を始め、様々な関係機関の皆様と対話し、連携等を行いつつ、計画的に事業展開を図り、「ひとにやさしく健康で安らげるまち なると」の実現に向け、取り組んでまいります。

 

 次に、妊娠・出産及び子育て環境の充実についてであります。
 まず、妊産婦健診事業の拡充についてであります。リスクが高いといわれる双子などの多胎妊娠をされた方が、安心して出産を迎えられるよう、現在、公費で負担している14回の妊婦健康診査のうち4回分の超音波検査に加え、さらに2回の超音波検査を追加し、その費用を助成いたします。また、産後健康診査につきましても、産婦を対象に平成28年度から県下で唯一、産後2週間目の健診費用の助成を行っているところでありますが、来年度は、さらに産後1か月健診にかかる費用の助成も行います。これらの助成により、今後も妊産婦の皆様が安心して、本市で妊娠・出産を迎えることができる体制づくりを目指してまいりたいと考えております。

 

 次に、子どもはぐくみ医療費助成事業の拡充についてであります。
 現在、小学校修了までの子どもの医療費の保険診療分に係る自己負担額の一部について助成しているところでありますが、来年度、本市では、さらに中学校修了まで医療費を助成してまいります。
助成対象児童の年齢拡充により、さらなる子育て世帯の経済的負担軽減と心身の健やかな成長を推進いたします。

 

 次に、放課後児童クラブの整備についてであります。
 林崎児童クラブにつきましては、老朽化が進んでいることや耐震性が十分ではないことから、国庫補助金等を活用し、改築を予定しております。現在、整備を進めております桑島児童クラブにつきましても、今年12月に竣工する予定であります。この度の整備に伴い、保護者のニーズが増加している高学年児童の受入れ体制も併せて整え、より多くの子どもたちの安全・安心な放課後の居場所を確保してまいりたいと考えております。

 

 次に、放課後児童クラブ利用料軽減事業についてであります。
 県の補助金を活用し、市内13か所で実施しております放課後児童クラブの利用料を軽減いたします。対象世帯は、生活保護受給世帯や多子世帯等、一定の要件を満たす世帯の予定としております。今後も、子育て世帯の経済的負担の軽減や、保護者の方の仕事と子育ての両立、子どもたちの健全育成に向けた環境整備に努めてまいります。

 

 次に、教育行政についてであります。
 まず、新学校給食センターの稼働に向けた取り組みについてであります。
 新学校給食センターの建設工事につきましては、今年8月下旬の稼働に向け、工事を進めているところであり、本体工事につきましては6月末に竣工する予定であります。また、関連工事として夏季休業期間中に各学校の給食調理室を配膳室に改修する受配校の整備を行います。運営面におきましては、「鳴門市学校給食運営計画」に基づき、稼働に必要な施設の試験運転や研修等を夏季休業期間中に実施いたします。なお、これまで学校単位の私会計で管理しておりました「学校給食費」を市の一般会計予算で管理する、いわゆる「公会計」による処理に向けて段階的に移行することで、会計処理の透明化と学校における事務負担の軽減を図ってまいります。一連の手続きに必要な関連議案については今期定例会に上程しております。稼働に向けては、子どもたちに将来にわたって安全・安心な学校給食を提供できるよう、給食関係者や関係機関等と協議を積み重ね、万全の体制を構築してまいります。

 

 次に、子どもたちの学力向上に関する取り組みについてであります。
 まず、「電子黒板の整備」につきましては、現在、小学校5、6年生と中学校1、2年生の普通教室に配備しておりますが、新たに中学校3年生の普通教室にも配備することといたしました。多機能な電子黒板やデジタル教科書を導入し、これらを効果的に活用することで、子どもたちの学習意欲と理解度を高め、学力の向上に繋げてまいりたいと考えております。

 

 次に、「外国語教育の推進」につきましては、現在、第二中学校区において外国語教育の研究開発学校指定を受け、特に小学校においては授業時数を拡充し、学力向上等に成果を上げているところであります。平成32年度から始まる小学校新学習指導要領の円滑な実施に向け、本市においては、ALTを1名増員し、小学校の外国語教育において国が示す移行期間より先んじて、来年度から段階的に授業時数を拡充いたします。研究開発学校での成果の活用、先行実施による効果や継続的な英語検定の受験奨励等の取り組みは、必ずや、子どもたちの学力向上に結び付くものと考えております。

 また、小学校へのエアコンの導入につきましては、今年12月を目途に小学校の全ての普通教室等に整備いたします。これにより、平成30年度には、試行的に夏季休業日の短縮を行う予定としており、小学校外国語教育を始めとする教育環境の充実を図ってまいります。

 

 「教育は人づくり、人づくりはまちづくりの原点である」との認識に立ち、子どもたちの未来のため、計画的かつ総合的に学力向上施策に取り組んでまいります。

 

(4)「しっかり安全・快適 住み良い まちづくり」

 第三点は、「しっかり安心・快適 住み良い まちづくり」についてであります。
 まず、災害対策についてであります。
 今後、30年以内に70%程度の確率で発生が予想されております南海トラフ巨大地震への対策が急務となっております。本市では、市制施行70周年記念事業として、「これから30年、市制施行100周年に向かって今すべきこと」をテーマに、防災啓発に関する講演会を開催いたします。講師には、岩手県釜石市の防災教育において率先避難行動を啓発・指導し、東日本大震災時に釜石市内の小中学生約3,000人を無事に避難させ、「釜石の奇跡」を実現に導いた群馬大学大学院教授の片田敏孝氏をお招きする予定としております。この講演により市民の皆様の防災意識の高揚、地域防災力の向上及び地域コミュニティの更なる活性化を図ります。

 

 次に、木造住宅耐震化促進事業についてであります。
 本市ではこれまで、1,800を超える戸数の耐震診断を実施してまいりましたが、このうち実際に耐震化工事に至った戸数は約1割となっております。耐震改修をより促進させるため、「木造住宅耐震改修支援事業」として、上限60万円としていた補助額を、さらに20万円上乗せし、上限を80万円に拡充することにいたしました。また、新たな取り組みとして耐震診断を受けた方に、補強プランや概算工事費を提案する「木造住宅耐震補強計画支援事業」を創設いたします。市民の皆様の負担を軽減する取り組みを実施し、木造住宅のさらなる耐震化を図ってまいりたいと考えております。

 

 次に、公共施設等の整備につきましては、大規模災害発生に備え、消防団詰所や公民館、市立図書館等、耐震基準を満たしていない公共施設においても順次耐震化を進めてまいります。また、耐震基準を満たしている消防団詰所等は、長寿命化及び必要な修繕を年次計画的に進め、消防力の強化を図ってまいりたいと考えております。さらに、橋梁につきましても、広域避難路等に架かる主要な橋梁に耐震補強を施すとともに、「橋梁長寿命化修繕計画」等に基づき、老朽化した橋梁の予防保全のための修繕を行うなど、強靭化・延命化に取り組んでまいります。現在策定中の「公共施設等総合管理計画」を踏まえ、今後も市民の皆様の生命と財産を守るため、防災力向上の観点から様々な取り組みを展開し、「災害に負けないまちづくり」を推進してまいります。

 

 次に、消費者行政の推進についてであります。
 県が誘致を進めておりました消費者庁等の徳島移転につきましては、本年7月頃に、県庁内に「消費者行政新未来創造オフィス」の開設が決定いたしました。この「新未来創造オフィス」を拠点として、徳島から消費者教育等の新たな消費者施策を全国に向けて展開・発信することとされております。本市におきましても、こうした動きにしっかりと対応してまいりたいと考えております。
 まず、消費生活相談体制の整備等として、鳴門市消費生活センターの相談員を1名増員するとともに、積極的に研修に参加するなど、相談体制の充実を図ります。また、地域における消費者問題解決力の強化等につきましては、各世代で遭いやすいトラブルや課題も異なりますことから、子どもから高齢者まで、それぞれのライフステージに応じた消費者教育の充実を図ります。さらに、「食品ロス削減」に向けた啓発の実施や、関係機関との連携強化による高齢者等の見守りネットワークの構築を目指してまいります。今後も、ICT化や高齢化等、多様化・複雑化しつつある消費者問題に対し、関係機関と連携し、市民の皆様が安心して生活を送ることができる消費者行政を積極的に展開してまいります。

 

(5)「おおきく躍動 みんなで創る まちづくり」

 第四点は、「おおきく躍動 みんなで創る まちづくり」についてであります。


 まず、ボートレース事業についてであります。
 ボートレース鳴門では、来る6月20日から25日までの6日間、「SG第27回グランドチャンピオンシップ」を開催いたします。最高峰のSGレースの開催により、ボートレースファンを始め、県内外にボートレース鳴門のみならず本市をPRする絶好の機会と捉え、イベントを同時開催し、集客を図り、さらなる売上向上に繋げてまいりたいと考えております。同時に、エディウィン鳴門の8場併売に向けた準備を進めているところであり、お客様の利便性及び売上向上を図ってまいります。
 また、常々、市民の皆様に親しまれるスポットを目指してまいりたいとの思いから、ボートレース場では、様々な取り組みを実施しております。昨年12月に開催いたしました「ウォータースクリーンイルージョン」を始め、四国最大級のエア遊具「なるちゃんワールド」の運用や、小さいお子様のための自転車練習場の整備等を行っております。また、去る1月13日には、まちづくりエリアにおいて、温浴施設の起工式が行われ、今年の末にはオープンの予定であります。
 さらに、地域開放型施設の利用率も高く、オープン以来、延べ1万人以上の市民の皆様を始め多くの方にご利用を頂いております。
 ボートレース場一帯が、家族連れの皆様にお越し頂き、賑わいのあふれる市のランドマークになるよう努めてまいります。今年、市制施行70周年記念事業として行われるイベントの一部において、ボートレース鳴門も色々な形で賛助してまいりたいと考えております。これからもボートレース鳴門が皆様に親しまれ、ご利用頂けますよう、環境整備やイベントの企画、様々な取り組みを行い、本市の発展に貢献できるよう努めてまいります。

 

 最後になりましたが、今年、本市は「市制施行70周年」の節目の年となります。
 この記念の年に、是非「コウノトリ」の赤ちゃんが誕生し、新たな命が息吹きますことを強く願いますとともに、本市におきましても「なるとの未来づくり」に向けた取り組みをさらに具体化し、市民の皆様とともに、新たな一歩を踏み出す「記憶に残る1年」にしたいと考えております。
 我々もチャレンジ精神を持って果敢に取り組んでまいりたいと考えておりますので、市民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。