平成28年鳴門市議会第4回定例会
(1) はじめに
(3) 地震・津波対策の推進について
(5) 子育て支援事業の拡充について
(6) 連絡所の見直しについて
(7) 健康福祉交流センターについて
(8) 健康づくりの推進について
(1)はじめに
本日、第4回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。
今期定例会におきましては、補正予算案を始め、各種議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ちまして、まずは、諸般の報告と現在本市が当面している諸課題についての所信を申し上げ、議員の皆様を始め、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
まず、去る10月に来鳴されました第21回リューネブルク市親善使節団との交流についてであります。
姉妹都市であるドイツ・リューネブルク市のメドケ市長を団長とする52名の使節団をお迎えし、市内各所において市民の皆様と友好交流を深めていただきました。ドイツ村公園でのお出迎えとお接待にはじまり、「ボートレース鳴門」や「トリーデなると」の見学、「鳴門市展」や「ホームビジット」での交流など、多様なプログラムを通して、新たな絆も結ばれたところであります。
また、12名の青少年の皆様には、市内の中学校・高校における授業体験と各家庭でのホームステイのほか、新たに小学校での交流事業にも参加いただきました。平成25年から開始いたしました青少年の相互派遣は、次世代を担う子どもたちの異文化理解を深め、国際的な感覚を養うことに繋がっていると考えております。
このような本市とドイツとの交流は、板東俘虜収容所におけるドイツ兵捕虜と住民との心温まる交流を礎としたものであり、その史実とともに未来に引き継いでいくべき貴重な財産であります。今後もリューネブルク市との姉妹都市交流を通して、次世代に繋がる友好の輪を広げてまいりたいと考えております。
次に、中国湖南省張家界市との交流についてであります。
友好都市であります張家界市との交流につきましては、去る11月4日から7日にかけて私と東市議会議長、鳴門日中友好協会の会員の皆様と、親善訪問を行いました。私自身は5年ぶりの訪問となりましたが、年間5,000万人以上が訪れる観光都市として、目覚しい発展を遂げられており、拡張された空港をはじめ、ホテルや観光施設の建設ラッシュに沸く町並みに驚愕いたしました。関係者の方々と直接お会いして、文化・観光・経済など幅広い分野で様々な意見交換を行ったところであり、これからも、お互いの総合的な発展を目指して交流・連携を進めてまいりたいと考えております。
次に、ボートレース鳴門におけるイベント等についてであります。
来月12月3日、県内外からの誘客を目的といたしまして、鳴門ボートレース場で「ウォータースクリーンイリュージョン」を開催いたします。競走水面に扇形の巨大スクリーンを作り出し、噴水と光、音楽を組み合わせることで幻想的な世界観を演出するものであります。1回10分間のショーで当日午後5時30分より5回の開催を予定しております。
また、当日は鳴門商工会議所青年部が主催する「鳴門クリスマスマーケット2016」も同時開催となります。さらに、新春の第43回松竹杯競走の本場開催時には、本市出身のプロ野球選手、東北楽天ゴールデンイーグルスの藤田一也選手のトークショーも予定しているところであります。
ボートレース鳴門では、これからも数多くのイベントを展開してまいりますので、皆様のご来場をお待ちしております。
次に、民間資金等を活用した「まちづくりエリア」の整備についてであります。
まちづくりエリアの整備につきましては、ボートレース本場敷地の一部を活用し、幅広い年代の方々が利用でき、健康増進に繋がる「温浴施設」の誘致事業を進めてまいりました。現在、ノヴィル株式会社が建設準備を進めており、来年11月下旬の開業を予定しているところであります。この度、この建設に係る資金の一部について、瀬戸内地域7県の地方銀行等が出資した「せとうち観光活性化ファンド」から拠出されることになりました。
同観光ファンドの支援による民間への資金調達は、徳島県内では初の試みとなります。この「温浴施設」は、飲食施設や釣堀など「複合レジャー施設」として整備される予定でありますことから、ボートレース鳴門とともに幅広い年代の皆様のご利用を期待しております。
次に、「なるとビジネスプランコンテスト2016」についてであります。
地域経済活性化に繋がる新ビジネスのアイデアを競うコンテストとして、去る10月29日、最終選考会を開催いたしました。最終選考に残った7つのプランのうち、グランプリは、冷凍わかめの販売を提案された「うずしお食品」が受賞されました。コンテストでは、そのほか、各分野における様々な視点から、素晴らしい提案が寄せられました。
事業者の皆様の日々の努力や熱意に感服いたしますとともに、ますますのご活躍を期待しております。
次に、ふるさと納税制度を活用した「ガバメントクラウドファンディング事業」についてであります。
この事業は、事業採択された団体の事業に係る資金をインターネット上で寄附金として調達する取り組みであります。今回、初めて採択した事業は、松江豊寿銅像建立実行委員会の「松江豊寿顕彰碑建立事業」となりました。この事業は、2018年のアジア初演「なると第九」100周年に向けて、板東俘虜収容所の所長であった松江豊寿氏の功績を称える顕彰碑を設置するものです。松江豊寿氏の残した功績は、今も続く日独交流の礎となっており、当時、戦争下の敵対する関係であっても、互いの尊重と理解を通じた交流が可能であることを象徴するものです。未だ紛争の絶えない現代において希望を与えるものとして、後世に継承してゆくべきものと考えております。
また、来年は板東俘虜収容所開設から100年目に当たる年であり、そういった年に事業化し、全国発信できることは大変大きな意義を持つこととなります。
このように公益性、共感性、社会貢献性の高い事業に対し、これからも積極的に支援してまいりたいと考えております。
次に、イメージアップ事業についてであります。
本市の魅力を効果的に発信し、イメージアップを図るため、様々な事業やイベントを予定しております。
まず、写真投稿アプリのインスタグラムを活用した写真動画コンテスト、「ナルスタグラム」を明日12月1日より開催いたします。応募作品は、市プロモーションサイト等で鳴門のPRに活用したいと考えておりますので、多くの市民の皆様にご応募いただきたいと思っております。
次に、来月12月9日から14日まで、キョーエイ鳴門駅前店4階ギャラリーで鳴門市PRカレンダー2017「ナルトメイド」写真展を開催いたします。本市の地場産品や地場産業の仕事に関する「風景」と「ひと」に焦点を当てたカレンダーの写真などをパネル展示いたします。
12月11日には、カレンダーの写真を撮影した「鳴門うずしおPR応援鯛」の写真家、高橋和幸さんを招いてトークショーも予定しております。詳細は広報なると12月号をご覧いただき、是非ご参加くださいますよう、よろしくお願いいたします。
さらに、故郷への愛着を育むため、若者に鳴門の良さを知ってもらうためのイメージアップ冊子である「鳴門やけん」の第3号を発行いたしました。今回のテーマは「れんこん」で、これまでの2冊を超え、最多人数となる113人が冊子に登場いたします。市内小学校の5・6年生に配布するほか、市内外の施設で配布いたしますので、是非一度ご覧頂ければと思います。
これからも、イベント開催や様々な媒体を活用し、鳴門の「誇り」ある仕事や地場産品の紹介など、本市の魅力を多様な角度からアピールしてまいりたいと考えております。
(2) 本市を取り巻く社会経済情勢について
それでは、本市を取り巻く社会経済情勢とその対応についてであります。
最近の社会経済情勢について概観いたしますと、11月の月例経済報告の基調判断では、10月同様、「景気は、このところ弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」とのことであります。内閣府が発表した2016年7から9月期の国内総生産(GDP)の速報値は、実質GDPが前期比年率0.5%増、年率換算は2.2%増で3四半期連続のプラス成長で輸出が堅調である一方で、個人消費や企業の設備投資は依然低調であるとの見方を示しております。
また、景気の先行きについては、海外経済で弱さがみられており、中国を始めとするアジア新興国や資源国等の景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクがあります。こうした中、去る11月9日にはアメリカ合衆国大統領選挙において、共和党のドナルド・トランプ氏が次期大統領に決定いたしました。同盟国である我が国との協調関係や市場への影響などが注目されております。一方、国内においてはTPP協定関連法案が衆議院本会議で可決されるなど、国際情勢の先行きが不透明である中、今後、市民生活や地域経済にどのような影響を及ぼしていくのか注視していく必要があります。
本市としましては、こうした状況や時代の変化を踏まえ、未来のまちづくりを見据えた取り組みをしっかりと進めていく時期であると考えております。現在、未来のまちづくりの方向性を示す計画として、「第六次鳴門市総合計画後期基本計画」と「鳴門市公共施設等総合管理計画」を策定中であります。「第六次鳴門市総合計画後期基本計画」は、未来のまちづくりのビジョンを示す最上位の計画であり、「鳴門市公共施設等総合管理計画」については、公共施設等の今後のあり方等を示す行動計画となります。
今期定例会において議員の皆様に素案をお示しし、本年度中の計画策定を目指して取り組んでまいります。
(3)地震・津波対策について
次に、地震・津波対策についてであります。
去る11月22日、福島県沖を震源とするマグニチュード7.4、震度5弱の地震が発生し、仙台市仙台港では東日本大震災以降、最大となる1.4メートルの津波が押し寄せました。先般の熊本地震に加え、鳥取地震、また海外におきましても大地震により家屋被害等が発生しております。被災された皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。
本市におきましても「天災は忘れた頃にやってくる」、常日頃の備えの重要性を改めて感じているところであります。
最近の本市の対応といたしましては、里浦町南部地区で整備を進めておりました津波避難複合施設「里浦南防災センター」が完成し、去る11月20日に完成式を執り行ったところであります。この施設の完成により、津波避難困難地域に指定されております里浦町里浦・粟津地域の避難場所として、約500名が収容可能であるほか、集会所と消防分団詰所の機能を併せ持つ複合施設として地域の防災拠点になるものと考えております。
なお、この里浦地区から徳長地区につきましては、現在、国土交通省が旧吉野川の堤防の液状化対策工事を実施しているところであります。今後も地域住民の皆様の安全・安心のため、国等と連携し、防災力の向上に努めてまいります。
さらに、今年4月に発生した熊本地震の際には、避難者に円滑に物資が行き渡らなかったことを教訓として、ソフト面の対応といたしまして災害協定を順次締結しております。
去る11月9日には、食品スーパーの「ハローズ」と、被災者に命の綱である水や食料などを供給できるよう、災害時支援協定を締結いたしました。
また、去る11月24日にも「赤帽 徳島県軽自動車運送協同組合」と災害時における物資等の輸送に関する協定を結んでおります。この2社との協定は、県内市町村では初の取り組みとなりました。
このように、あらゆる事態を想定した事前の準備を行うことにより、市民の皆様の安全・安心を確保してまいります。
(4)「なると第九」魅力発信事業について
次に、「なると第九」魅力発信事業についてであります。
来る2018年6月1日に「第九」アジア初演100周年記念を迎えるにあたり、「なると第九」が、市の新たな観光資源として都市部並びに県内全ての皆様に広く認知されるよう、着地型・発地型旅行商品の企画・販売・プロモーションを実施するものであります。また、明日12月1日、観光拠点になっているドイツ館及び道の駅「第九の里」の周辺に、イルミネーションを設置することとしており、今年も光の魅力による誘客を図ります。
「なると第九」及び「板東俘虜収容所」に関する史実を持つ「大麻地区」を中心とした企画を展開することにより、継続的な観光客の周遊促進及び地域経済の活性化につなげてまいりたいと考えております。
(5)子育て支援事業の拡充について
次に、子育て支援事業の拡充についてであります。
子育て支援につきましては、本市の重要施策の一つでありますことから、今後におきましても、子どもたちが安全・安心な環境のもとで、教育・保育が受けられるよう様々な施策を推進してまいりたいと考えております。
まず、妊産婦健診事業の拡充についてであります。
本市では、妊娠全期間を通じて14回分の妊婦健康診査費用の助成に加えて、今年度から、県下で唯一、産後2週間目健診に費用助成を行い、産後うつ病等の早期発見、早期対応に努めております。また今後、産後に係る費用負担の軽減について拡充を検討してまいります。
妊産婦の皆様が安心して妊娠・出産を迎えることができる体制を築いてまいりたいと考えております。
次に、子どもはぐくみ医療助成事業の拡充についてであります。
現在、小学校修了までの子どもの医療費の保険診療分に係る自己負担額について助成しているところでありますが、来年度、さらに中学校修了まで医療費を助成できるよう拡充を検討してまいります。この事業を含め、財源が必要とされる子育て支援の事業については先日、県へ要望したところであります。幼児・児童・生徒の保護者である、各子育て世帯の皆様方への経済的負担の軽減に繋がる支援事業としたいと考えております。
次に、子育て関連施設における環境整備についてであります。
まず、保育所等の防犯対策について、今期定例会で補正予算案を計上し、国の補助金を活用した環境整備を図ります。具体的には、各私立保育所及び認定こども園におきまして、フェンスをはじめとした外構等の設置・修繕や非常通報装置・防犯カメラの設置等の防犯対策の強化が図られますよう支援を実施します。
次に、放課後児童クラブの環境整備につきましても国の補助金を活用し、放課後児童支援員等の円滑な業務遂行を図るため、パソコン及びその周辺機器やソフトウェア等の整備を充実いたします。
また、来年度に向けた取り組みについても検討してまいりたいと考えております。
現在、着手している桑島児童クラブに加え、新年度では老朽化の著しい林崎児童クラブの施設整備に着手したいと考えております。さらに、各児童クラブ利用料等につきましても、保護者負担を軽減するための支援措置を実施してまいりたいと考えております。
これからも保護者の皆様が施設に子どもを安心して預けられるよう、様々な観点から環境整備を進めてまいります。
次に、小学校における空調機器設備整備事業であります。
今期定例会で補正予算案を提出しておりますが、現在、中学校に整備しておりますエアコンを来年の12月を目途に、小学校の全ての普通教室等に整備してまいりたいと考えております。中学校と同じく導入後は、試行的に夏季休業日の短縮を行うなど授業時数を拡充することにより、小学校における外国語教育をはじめとした教育活動の充実を図り、子どもたちの学力向上に繋げてまいりたいと考えております。
また、将来にわたって、子どもたちに望ましい教育環境を提供するため、本市の学校再編計画である「第二期 鳴門の学校づくり計画」を現在、策定中であります。
教育をめぐる環境の変化に適切に対応し、未来を担う子どもたちにとって、より良い教育環境を整備し、質の高い教育を展開してまいりたいと考えております。
子育て支援事業の拡充については、より効果的に施策を展開するため、国等の補助金を有効活用できるよう関係機関に要望するとともに、子育て支援施策を総合的に一体化したパッケージとして、取り組んでまいります。
こうした取り組みを通して、「鳴門市子ども・子育て支援事業計画」に定める「自然とふれあい笑顔がうずまく」まちの実現に向け、「子育てを始めるまち」と市内外に認識されるよう、今後一層、子育て支援施策の充実を推進してまいりたいと考えております。
(6)連絡所の見直しについて
次に、連絡所の見直しについてであります。
連絡所につきましては、「鳴門市スーパー改革プラン2020」に基づき、連絡所の廃止を含めた抜本的な見直しについての検討を進めてまいりました。見直しに際しましては、連絡所のある地域の地区自治振興会の定例会などにお伺いし、連絡所業務の現状と連絡所業務を郵便局や公民館で実施することなどについて説明をさせていただきご意見をお伺いしました。この度、利用状況や地域の特性などを踏まえ、里浦・鳴門・瀬戸・北灘・堀江の5か所の連絡所において、現在実施しているほとんどの業務を各地区の郵便局や公民館で実施し、連絡所を廃止することといたしました。
今後も、市民の皆様のご意見を頂きながら、行政サービスの見直しを進め、効果的なサービスの提供に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(7)健康福祉交流センターについて
次に、「健康福祉交流センター」についてであります。
現在、耐震改修工事中の「老人福祉センター」と「勤労青少年ホーム」につきましては、より柔軟な利用につながるよう、施設の位置づけや利用形態について、検討を進めてまいりました。両施設にある集会スペース等を、現在の利用者の皆様をはじめ、これまで以上に多くの市民の皆様に多目的にご利用いただけるよう、「健康」・「福祉」・「交流」をキーワードに、「健康福祉交流センター」として、両施設に代わる施設を設置したいと考えており、今期定例会に関連議案を上程しております。
また、「健康福祉交流センター」としての再オープンに伴い、各種がん検診や乳幼児健診及び健康教室を行うなど、関連が深い健康政策課、健康づくり室の業務を新センターで行いたいと考えております。
併せて、「子育て世代包括支援センター(鳴門市版ネウボラ)」と、現在、旧撫養児童館を利用している「鳴門ファミリーサポートセンター」の移転も計画しており、新センターに、保健機能と子育て支援機能の一部を集約することで、社会福祉協議会等との連携を深め、市民の皆様の利便性の向上を図ってまいりたいと考えております。
(8)健康づくりの推進について
最後に、健康づくりの推進についてであります。
去る11月10日に、全国健康保険協会徳島支部との間に、「健康づくり推進のための包括的連携に関する協定書」及びこれに付随する「覚書」を締結いたしました。同支部とは、これまでも、市民の健康の保持増進に向けて、協力して啓発活動等を実施してきたところですが、市民の健康寿命の延伸を目指し、特定健康診査やがん検診の受診率向上及び健康意識の醸成を図るために、更なる連携協力を確認したところでございます。
協定締結により、全国健康保険協会が保有する医療費や健診結果のデータと本市の国保加入者のデータを合わせて、市民の約6割の疾病傾向や健康課題を把握することが可能となることから、これらを効果的に活用し、全国健康保険協会と連携して、市民の皆様への啓発や受診勧奨を行うなど、疾病予防、生活習慣病対策に取り組んでまいりたいと考えております。