平成28年鳴門市議会第3回定例会

■目 次 

(1) はじめに

(2) 本市を取り巻く社会経済情勢について

(3) 防災・減災対策の推進について

(4) ふるさと納税制度の拡充について

(5) 子育て支援の充実について

(6) 「いきいきサロン100創出事業」および「介護ロボット導入支援事業」について

(7) 風力発電に係るゾーニング手法検討モデル事業について

(8) 特定外来生物への対応について

(9) 水道事業について

(10) ボートレース事業について

(11) 今後の市政運営について

 

(1)はじめに 

 本日、第3回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。
 今期定例会におきましては、補正予算案を始め、各種議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ちまして、まずは、諸般の報告と現在本市が当面している諸課題についての所信を申し上げ、議員の皆様を始め、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。


 まず、職員の不祥事について、ご報告申し上げます。
 すでに、報道等で大きく取り上げられましたが、先月8月27日に鳴門市第一中学校勤務の助教諭が、強制わいせつ容疑で逮捕されるという事態となりました。
 教育公務員として、誠実に公務にあたるべき立場にあるものが、このような不祥事を引き起こすという、あってはならないことが生じたことについて、深くお詫びを申し上げます。すべての学校・園に対し、再発防止に向けた研修会を実施するよう指導するとともに、第一中学校の生徒や保護者の皆様に説明会を開くなど、対応を図ったところであります。
 こうした事件が再び起こることのないよう、一層の綱紀粛正を図り、市民の皆様の信頼回復に努めてまいりたいと考えております。
 

 次に、私を含む県内の複数の首長が、公用車を使用しているにも関わらず、役員等を務める団体から交通費を受け取っていた問題についてであります。
 この件につきましては、まず8月19日に、他の自治体の事例が新聞等で報道されました。当該交通費は、公用車を使用した場合、本来お受け取りすべきではない費用であったことから、直ちに自ら調査を行い、その結果、平成22年5月から平成28年7月までの間において、役員等を務めていた6団体より計39回、金額にして82,682円を受け取っていたことが確認できたことから、8月24日、各団体に全額を返納したものであります。
 私の認識不足のために、市民及び関係者の皆様にご迷惑をおかけいたしましたことを、心からお詫び申し上げます。

 
 次に、去る8月5日から21日まで開催されました第31回オリンピック・リオデジャネイロ大会におきましては、28競技、306の種目で白熱した戦いが繰り広げられました。
 このうち、陸上女子マラソンに出場した大塚製薬陸上競技部所属の伊藤舞選手は、残念ながら46位という成績ではありましたが、酷暑の中、見事完走されました。同じく大塚製薬陸上競技部所属で、陸上男子400mに出場した金丸祐三選手は、準決勝に進めませんでしたが、世界の檜舞台で堂々とした走りでありました。両選手とも日々努力を重ねられ、最後まで諦めず一生懸命に走る姿に大きな夢と感動を与えていただきました。心から感謝を申し上げ、今後、ますますのご活躍を期待する次第であります。

 
 次に、去る8月20日、21日に東京・明治神宮で開催されました弓道のJOCジュニアオリンピックカップ第13回全国中学生大会についてであります。
 この度、徳島県勢といたしましては、弓道男子個人の部で第二中学校の田渕凌朱さんが全国3位に入賞するという快挙を成し遂げられました。日々の厳しい修練が今回、素晴らしい結果に結びつきましたことは一生の思い出になったものと思われます。
 田渕さんの今回の素晴らしい成績に誇りを感じますとともに、今後ますますのご活躍を期待しております。

 
 次に、去る8月7日から15日間、熱戦が繰り広げられました第98回全国高等学校野球選手権大会についてであります。
 県立鳴門高等学校硬式野球部が、県下初となる5年連続、11度目の出場を果たされました。準々決勝において惜しくも高知県代表の明徳義塾高等学校に敗れましたが、選手権大会といたしましては3年ぶりとなるベスト8進出を果たしました。私も2回戦の奈良県代表智辯学園高等学校との試合時には、甲子園のスタンドで応援いたしましたが、最後まで諦めない粘り強い野球で見事逆転勝利し、大変感動いたしました。
 全力を尽くされました監督・選手の皆様のたゆまぬご努力に惜しみない拍手を送りますとともに、来年、再び甲子園の舞台でさらなる飛躍を遂げられますことを心よりご期待申し上げる次第であります。

 
 次に、第25回全国消防操法大会への本市消防団高島分団の出場であります。
 去る7月24日、県内の消防団が放水作業等の技術を競い合う、県消防操法大会小型ポンプ車部門において高島分団が見事優勝いたしました。これは本市初の快挙であり、来る10月14日に長野県で開催される全国消防操法大会へ出場いたします。
 高島分団の各選手の皆様におかれましては、日頃の訓練の成果を十分に発揮して、素晴らしい結果となりますよう期待しております。

 
 次に、「鳴門市納涼花火大会」と「鳴門市阿波おどり」についてであります。
 両イベントとも期間中、晴天に恵まれ、県内外から多数の方にお越しいただきました。先月8月7日の「花火大会」は約9万7千人、「阿波おどり」は8月9日から11日までの3日間累計で約6万5千人の皆様に、鳴門の夏を満喫していただきました。
 特に「花火大会」では、「メッセージ花火」を皮切りに、様々な仕掛け花火などを用意し工夫を凝らした演出で、大変ご好評をいただいたところであります。また毎年、「花火大会」の翌日の早朝から行っております清掃活動では、多くの市民ボランティアの皆様にご参加いただいております。心より感謝を申し上げますとともに、今後のご協力をよろしくお願い申し上げます。
 次に、「阿波おどり」では、「鳴門市阿波おどりPR大使」であり、鳴門市文化会館の名誉館長である石田靖さんや「鳴門観光大使」の板東英二さんなど、多彩なゲストにお越しいただき、演舞場を盛り上げていただきました。さらに最終日には、鳴門市を舞台としたオリジナルの吉本新喜劇が公演され、私も市民参加の皆様とともに出演し、鳴門ブランドをPRしたところであります。
 今年も、にぎわいと熱気、魅力にあふれる5日間のイベントが実施できたものと感じております。これらのイベントの実施にご尽力をいただきました鳴門商工会議所、鳴門市うずしお観光協会を始め、ご協力を賜りました関係者の皆様に、改めて厚くお礼を申し上げます。

 
 次に、ふるさとテレビ11周年記念七夕シンポジウムについてであります。
 去る9月2日、衆議院憲政記念館講堂で開催されました「ふるさとテレビ11周年記念七夕シンポジウム」にパネリストとして参加してまいりました。安倍昭恵内閣総理大臣夫人が基調講演された後、「海峡・UZU(渦)サミット」のテーマで、日本の3つの海峡である「鳴門海峡」、「関門海峡」、「津軽海峡」に関わる、私を含めた4人の市長が出演いたしました。
 私からは今回、3つの世界遺産へのチャレンジを含め、鳴門の魅力を十分にPRしてまいりました。具体的には、「鳴門海峡の渦潮の世界遺産登録」、「四国八十八か所霊場における世界文化遺産登録」、「板東俘虜収容所関係資料におけるユネスコ『世界の記憶』登録」への取り組みであります。この3つのチャレンジを通じて鳴門ブランドの向上を図り、交流人口の増加等に繋げてまいりたいと考えております。当日のシンポジウムの様子につきましては後日、インターネット配信される予定であります。
 今後もこのような機会を捉え、本市の積極的なPRに努めてまいります。

 
 次に、アジア初演「なると第九」ブランド化プロジェクト推進事業及び「板東俘虜収容所関係資料」ユネスコ「世界の記憶」登録推進事業についてであります。
 まず、「第九」アジア初演100周年に向けた取り組みといたしまして、徳島新聞社、福島民報社、徳島県及び会津若松市と連携し、一昨日の9月13日に東京で「第九」関連PRイベントを開催いたしました。今回実施したイベントは「フラッシュモブ」と呼ばれる、街中で突然パフォーマンスを開始し、周囲の関心を引くPRイベントであります。本市からは、認定NPO法人鳴門「第九」を歌う会の会員等が参加し、「第九」の演奏及び合唱のパフォーマンスを行いました。この様子は、SNSを通じてインターネット配信し、世界中に効果的な情報発信ができるものと考えております。
 また、この度、認定NPO法人の「鳴門「第九」を歌う会」におかれましては、長年の活動が評価され、来る9月30日に「サントリー地域文化賞」を受賞される運びとなりました。大変おめでとうございます。本市初の受賞となりますことから、市といたしましても2年後の「第九」アジア初演100周年記念事業に弾みがつくものと考えており、今後も連携を密にして素晴らしい事業を展開してまいりたいと考えております。
 次に、「板東俘虜収容所関係資料」のユネスコ「世界の記憶」登録に向けた取り組みにつきましては、徳島県教育委員会と共同主催で、特別巡回展示を昨日9月14日から10月16日までの間、開催いたしております。
 明治大学の駿河台キャンパスを皮切りに、東京丸の内のJPタワーではうずしお観光協会等と連携し、観光PRも兼ねた展示会を開催し、最後の巡回先である鳴門市ドイツ館では来月10月15日と16日に無料展示いたします。
 さらには、「徳島大学けやきホール」において「板東俘虜収容所関係資料」のユネスコ「世界の記憶」登録推進シンポジウムやドイツ兵捕虜のゆかりの地を巡るウォーキングイベントを開催いたします。関連イベントとして、鳴門市ドイツ館及び鳴門市賀川豊彦記念館の両館で「友愛の記憶展」と題した展示会も開催され、特に10月15日と16日は、「県民デー」として観覧料が全て無料となっております。各イベントの詳細につきましては、広報なると10月号に掲載いたしますのでご覧の上、ぜひお越しください。
 今後もこうした様々な取り組みを進め、「世界の記憶」に残るわがまち「鳴門」を目指してまいりたいと考えております。

 

(2)本市を取り巻く社会経済情勢について

 次に、本市を取り巻く社会経済情勢についてであります。
 最近の社会経済情勢について概観いたしますと、8月の月例経済報告の基調判断では、7月同様、「景気は、このところ弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」とのことであります。景気の先行きについては、海外経済で弱さがみられており、中国を始めとするアジア新興国や資源国等の景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクがあります。
 こうした中、先月8月27日に開幕した第6回アフリカ開発会議において、安倍晋三首相は3年間で官民総額3兆円規模の投資を行い、約1千万人の人材育成を行う考えを表明いたしました。また、国内においては先月8月22日、2016年度第2次補正予算案の概要が示され、一般会計の規模は4兆1,143億円との方針が発表されました。このような海外情勢やデフレ脱却に向けた「一億総活躍社会の実現」など実現加速の取り組みが今後、市民生活や地域経済にどのような影響を及ぼしていくのか、先行き不透明な情勢であります。
 本市としましては、国等の動向を注視し、補正予算で有利な補助金等を積極的に活用しつつ、様々な状況にも柔軟に対応できるよう、引き続き適切な行財政運営に努めてまいりたいと考えております。

 

(3)防災・減災対策の推進について

 次に、防災・減災対策の推進についてであります。
 まず、「鳴門市総合防災訓練」についてであります。
 本市では毎年、「防災の日」である9月1日に、防災意識の高揚と防災知識の普及・啓発のため、市内各地区を巡回し、総合防災訓練を行っております。今年は瀬戸地区で、株式会社大塚製薬工場のご厚意により、鳴門複合産業団地を会場に、「南海トラフ巨大地震」を想定した訓練を行いました。特に今回は、「平成28年熊本地震」の事例を分析し、防災関係機関等のご協力を得て、新たな訓練項目を設けました。「災害救助犬を活用した救急救助訓練」、「ドクターヘリによる要救助者の搬送」、「避難所開設・運営訓練」など、より実践的な想定のもとに、訓練を実施したところであります。
 今後も市と関係機関、市民の皆様と一体となって訓練を実施し、災害時に万全の対応が取れるよう努めてまいります。
 次に、指定避難所における非構造部材の調査についてであります。
 「平成28年熊本地震」におきましては、避難所となる体育館や公民館等の天井や照明器具等の非構造部材が落下し、発災後速やかに避難所を開設することができなかった事例が見受けられました。そのため、県の補助事業を活用し、本市の指定避難所のうち、非構造部材の点検・落下対策を進めている学校施設等を除いた公民館や集会所等を対象に非構造部材の安全性を調査いたします。また、調査の結果、改修が必要と判断された市有施設等については、本年度、策定予定の「公共施設等総合管理計画」の方針も鑑み、計画的に対応してまいりたいと考えております。
 これからも市民の皆様が安全で安心に暮らせるまちを目指して、防災・減災対策に取り組んでまいります。

 

(4)ふるさと納税制度の拡充について

 次に、ふるさと納税制度の拡充についてであります。
 ふるさと納税制度により本市を応援していただける寄附者の気持ちに応えるため、徳島ヴォルティス関連グッズや新たな地場産品、リゾートホテルの宿泊などの記念品を追加するとともに、10万円から100万円以上の高額寄附に対応するコースを新設するなど、記念品を従来の37品目から101品目に充実しました。これにより、本市の地場産品の魅力をPRするとともに本市を訪れるきっかけにもしてまいりたいと考えております。
 また、県下で初めて、ふるさと納税制度を活用した「ガバメントクラウドファンディング」を導入いたします。これは、本市がプロジェクトオーナーとなり、公益性・社会貢献性の高い事業等を行う団体の事業資金の一部を、事業に賛同する個人の方々から寄附金として募り、その実現を支援するものであります。
 これからも、こうした制度を活用するなど、「ふるさと鳴門」のため、様々な手法を用いて、本市のまちづくりの活性化に資する事業を展開してまいりたいと考えております。

 

(5)子育て支援の充実について

 次に、子育て支援の充実についてであります。
 まず、ひとり親家庭等医療費助成事業についてであります。母子家庭、父子家庭をはじめとしたひとり親家庭等が、安心して子育てをしながら生活することができる環境を整備するため、県の制度改正に伴い、来月10月1日より、ひとり親家庭等の児童を対象に助成制度を拡充する条例案を、今期定例会に上程しているところであります。中学生から18歳までの児童について、これまでの入院費用に加え通院費用も助成対象となり、自己負担額は1か月1医療機関につき千円が上限となります。保護者については、これまでどおり入院費用のみが助成対象となります。
 市といたしましては制度の周知・啓発に努め、ひとり親家庭等の方が抱えている経済的な不安を少しでも軽減できるよう支援を行ってまいりたいと考えております。
 次に、保育所業務効率化推進事業についてであります。
 私立保育所において、書類作成業務の効率化に繋がるICT化を推進するための保育システムの導入や保育所内の事故防止や事故後の検証のためのカメラ等を設置する費用を補助いたします。4公立保育所についてもカメラ等を設置することにより安全の確保に努めてまいります。
 こうした取り組みにより、保育環境の整備を図ってまいります。
 次に、桑島児童クラブの改築工事についてであります。
 桑島児童館は、昭和30年に建設された旧桑島幼稚園の園舎を昭和54年に増改築し、現在、桑島児童クラブとして活用しております。しかしながら、近年、施設の老朽化や耐震性の観点から、安全な運営を継続して実施するため、この度、改築工事を実施することといたしました。工事につきましては、普段のクラブ運営に支障をきたさないように実施したいと考えております。
 今後におきましても、ソフト・ハード両面から子育て支援に関する様々な事業を展開し、安全で安心な子育て環境の整備等に取り組んでまいりたいと考えております。

 

(6)「いきいきサロン100創出事業」および「介護ロボット導入支援事業」について

 次に、「いきいきサロン100創出事業」及び「介護ロボット導入支援事業」についてであります。
 まず、「いきいきサロン100創出事業」につきましては、高齢者が健康づくりや交流を深めながら気軽に楽しく過ごせる住民主体の通いの場を、市内全域、100か所の開設を目標に、今年度から支援を実施しております。
 集会所や公民館といった身近な場所におきまして、現在、当初の想定を上回る27か所の「いきいきサロン」が開設されております。約500名の方々が、徳島県理学療法士会が開発した安全で効果の高い「いきいき百歳体操」など、様々な活動に取り組まれております。開設が早期に進んだ背景には、各サロンの世話人の方のご尽力、体操指導を行う理学療法士や作業療法士の先生方の熱意はもとより、行政は周知・啓発や専門職の派遣といった側面の支援に留め、サロン開設の判断やその運営を地域の皆様に委ねた点も功を奏したものと考えております。
 しかしながら、活動の更なる充実と定着に向けては、各サロンの状況により必要とされる支援も異なりますことから、市といたしましては、きめ細やかな支援を実施してまいりたいと考えております。具体的には、各サロンの求めに応じ、栄養士や歯科衛生士、薬剤師など様々な専門職の方々を「いきいき先生」として派遣するほか、参加者の方々の運動機能を分析・評価して理学療法士や作業療法士が個別指導を行うことなどを予定しております。
 今後も、サロンの更なる魅力づくりと効果的な介護予防の推進に努めてまいります。
 次に、「介護ロボット等導入支援事業」についてであります。
 介護ロボット等は、介護従事者が行う移動支援や見守り等といった業務の一部を支援する補助装置であり、介護従事者が継続して就労するために必要な介護環境の整備に即効性を持つ新技術として期待されております。国では、介護事業所が介護ロボット等を導入する場合、所要経費の一部を助成する支援策を創設したところであります。本市におきましても介護従事者の身体的負担の軽減や業務の効率化など、介護現場での有効性に期待し、このモデル事業を実施するものであります。
 今後も、こうした様々な取り組みを展開し、介護サービスの充実強化や介護予防の推進等に努めるとともに、高齢者が生きがいを持ち安心して暮らせる地域づくりを推進してまいりたいと考えております。

 

(7)風力発電に係るゾーニング手法検討モデル事業について

 次に、風力発電に係るゾーニング手法検討モデル事業についてであります。
 本市は再生可能エネルギーの導入促進を図るため、平成26年6月から一般社団法人徳島地域エネルギーや公益財団法人世界自然保護基金等と風力発電事業の可能性について検討してまいりました。風力発電の適地抽出につきましては、これまで主に、陸上において行ってまいりましたが、この度、環境省の委託事業として、洋上においても一般社団法人徳島地域エネルギーや自然電力株式会社と共同で実施することといたしました。本事業は、平成28年度と29年度の2か年で実施する事業で、紀伊水道における洋上風力発電の可能性について検討するものであります。
 今後も地球温暖化対策の一環として、本市の自然環境や社会環境と調和した再生可能エネルギーの導入に取り組んでまいりたいと考えております。

 

(8)特定外来生物への対応について 

 次に、特定外来生物への対応についてであります。
 去る6月に鳴門市大麻町及び藍住町勝瑞において特定外来生物の「アルゼンチンアリ」が確認されました。「アルゼンチンアリ」に毒性はありませんが、攻撃性が高く、在来アリを駆逐するなど、生態系に悪影響を及ぼすことが確認されております。現在、徳島県及び藍住町等の関係団体からなる「鳴門・藍住アルゼンチンアリ対策協議会」で生息範囲を確認し、去る7月下旬に一斉駆除を実施したところであります。

 また、主に大津町で繁殖区域が広がっている水生植物の「ナガエツルノゲイトウ」については、放置すると水路を塞ぐことから、出水期に浸水被害をもたらす恐れがあります。これら特定外来生物は繁殖力が強く、他の生態系にも深刻な影響を与える恐れがあり、一旦繁殖いたしますと完全に駆除することは難しいといわれております。
 本市といたしましては、徳島県等の関係機関や地元の皆様と連携し、継続的な駆除作業を行うことにより、生態系の維持に努めてまいりたいと考えております。

 

(9)水道事業について 

 次に、水道事業についてであります。
 本市の水道事業は、人口減少に伴う料金収入の減少、老朽化した施設の更新、多様化・高度化する利用者ニーズへの対応など、様々な課題を抱えております。

 そのような中、経営基盤の強化、経営効率化の推進、利用者に対するサービス水準の向上等の観点から、広域化による合理化は有効な施策の一つであると考えております。本市はこれまで、それぞれの浄水場が近いことから、北島町と水質検査業務において一部連携を図るなど、費用の削減に努めてまいりました。また、こうした広域化の一環として、北島町から浄水場の共同建設・維持管理等で連携を図る、いわゆる「共同化」についての申し入れがありました。本市といたしましても、建設コストや建設後の維持管理費の削減などに期待し、「共同化」の可能性を検討するため、この度、北島町と担当者レベルでの会を設けることとしたところであります。
 今後も、市民の皆様に安全な水道水を安定的に供給できるよう、本年3月に策定した「鳴門市水道事業ビジョン」に沿って、広域化の検討をはじめとする各種施策に引き続き取り組んでまいります。

 

(10)ボートレース事業について

 

 次に、ボートレース事業についてであります。
 去る7月13日から18日までの6日間、現在のグレード制が導入されて以来、本市で初めてとなる「SG第21回オーシャンカップ」を開催しました。県外からも多くのお客様にお越しいただき、ボートレースはいうまでもなく、鳴門を楽しんでいただけたと考えております。
 舟券売上の結果といたしましては約85億円であり、当初目標の90億円には及びませんでしたが、節間でのボートレース鳴門の歴代最高額を記録いたしました。また、SG第21回オーシャンカップの経済波及効果を試算いたしました。総合効果といたしましては、約22億円となり、そのうち、県内経済への波及効果は、約13億円余りであり、大きな経済効果を上げたと考えております。
 また、嬉しいことに、来年の6月20日から25日までの6日間、「SG第27回グランドチャンピオンシップ」をボートレース鳴門で開催することが決定しました。2年連続となるSGレースの開催決定により、ボートレース鳴門を県内外にPRする絶好の機会と捉え、さらなる売上向上に努めてまいりたいと考えております。
 また、市民の皆様に親しまれ、活気あるスポットを目指してまいりたいとの思いから、ボートレース場では、様々なイベントを開催しております。去る7月24日には「第1回ボートレース鳴門夏まつり」を開催するとともに、12年ぶりにダンボールレースを復活いたしました。先月8月7日には、四国最大級の大型エア遊具「なるちゃんワールド」が登場し、週末は子ども連れのお客様が数多くお越しいただいております。さらに、12月3日には、ボートレース場の競走水面にて、幻想的なイルミネーションを作り出す『水と光のイルミネーション「ウォーターマッピング」』を開催します。同日は、鳴門市商工会議所青年部が主催するクリスマスマーケットと同時開催となり、県内外からのボートレースファンや観光客にお越しいただけるイベントとなるよう、今後PRに努めてまいります。
 これからもボートレース鳴門がお客様や市民皆様に親しまれ、ご利用いただけますようイベントを企画し、本市の発展に貢献できるボートレース事業となるよう努めてまいります。

 

(11)今後の市政運営について

 最後に、今後の市政運営に際しての私の今の気持ちを述べたいと思います。
 市民の皆様に託されました市長としての任期があと1年2か月余りとなり、私自身あっという間の2年10か月であったと感じております。山積した諸課題の解決に際しては、「市民の皆様と市が対話し、ともに考え、情報を共有し、ともに行動する」という、「市民協働」の考え方を念頭においた市政を常に心掛けてまいりました。この鳴門に「生まれて良かった」、「住んで良かった」と思えるような魅力あるまちづくりを展開してまいりたいと考えております。そして、限られた時間ではありますが、私を始め、全職員が一丸となり、第六次鳴門市総合計画の将来都市像に結びつけるよう、残りの任期を全力で駆け抜けてまいりたいと考えておりますので、議員の皆様を始め、市民の皆様のご理解、ご協力を賜りますようお願いいたします。