平成26年鳴門市議会第3回定例会

■目 次 

(1) はじめに  

(2) 観光施策について 

(3) 姉妹都市交流について 

(4) 教育行政について 

(5) 再生可能エネルギーの導入について 

(6) 競艇事業について 

(7) 「ハンセン病回復者一泊里帰り・交流会」について 

(1)はじめに

 本日、第3回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席をいただき、誠にありがとうございます。

 今期定例会におきましては、補正予算案を始めとする各種議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ちまして、まずは、諸般の報告と現在本市が当面している諸課題についての所信を申し上げ、議員各位を始め、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 先月、日本に相次いで接近した台風11号・12号の暴風雨により、県内外において甚大な被害が発生いたしました。

 また、広島市北部においては、大雨を原因とする土砂災害により多くの人命が失われ、今なお多数の方が、避難所での生活を余儀なくされているところであります。

 ここにお亡くなりになられました方々とそのご遺族に対し、心より哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様方に、心よりお見舞いを申し上げます。

 台風11号に関しましては、本市におきましても、平成16年以来となる避難勧告を市内全域に発令する事態となり、52世帯81人の市民の方々が避難所に避難されたほか、収穫期を迎えた農作物への被害も発生し、今期定例会において提案いたしております補正予算案におきましても、被害を受けた林道や公共施設を速やかに復旧するために必要な予算を計上したところであります。

 本市ではかねてより、「南海トラフ巨大地震」を想定した防災対策に努めてまいりましたが、このたびの災害対応を通じ、地震のみならず、風水害を含め、あらゆる災害への備えに万全を尽くさなければならないとの思いをあらためて強くしたところでございます。

 そこで、「防災の日」である今月1日には、鳴門市総合運動場を主会場に、市と関係機関及び撫養町斎田地区の皆様を始めとする多くの市民の皆様が一体となって、総合防災訓練を実施したところであります。

 昨年はあいにくの天候のため、実施を見送りましたが、今年は鳴門警察署、鳴門病院、陸上自衛隊を始め、多くの関係機関の皆様のご協力をいただきながら実施することができました。

 今回の訓練には、平成25年に災害時相互応援協定を締結した鳥取県境港市の職員の皆様にも初めてご参加いただき、災害が発生した際の相互応援の円滑な実施について確認し合うことができました。

 さらに、災害時等における市民への情報伝達手段の一つとして、平成23年度に着手いたしました「デジタル防災行政無線」につきましても、今年度中に整備が完了できるよう、現在計画的に工事を進めているところであります。

 今後も、このようにソフト・ハード両面にわたる様々な施策をスピード感を持って実施することにより、さらなる危機管理・防災対策の推進に努めてまいりたいと考えております。

 このたびの台風は、本市の夏の恒例イベントである「鳴門市阿波おどり」にも大きな影響を及ぼしました。台風の接近により、初日の8月9日はやむを得ず中止することとなり、10日に文化会館で開幕を迎え、演舞場での踊りの披露は残念ながら11日のみとなりました。それでも、10日・11日の2日間で県内外から約3万1千5百人の方々にお越しいただいたことは大変ありがたく、また、あいにくの天候に見舞われながらも、円滑なイベント運営にご尽力くださいました、鳴門商工会議所、鳴門市うずしお観光協会を始めとする多くの関係者の方々に、厚くお礼申し上げます。

 なお、もう一つの夏のイベントである「鳴門市納涼花火大会」につきましては、幸い台風接近前に開催することができたことから、会場に来られた約8万5千人の方々に、夜空を彩る大輪の花火を楽しんでいただくことができました。会場周辺の清掃等にご協力いただきました市民ボランティアの皆様を始め、関係者の方々に対しまして、重ねて厚くお礼申し上げます。

 次に、第96回全国高等学校野球選手権大会に、3年連続9度目の出場を果たされました県立鳴門高等学校野球部は、今大会は残念ながらその実力を十分に発揮することができず、初戦での敗退となりましたが、高校球児らしく、最後まであきらめずに全力でプレーするその姿は、応援する私たち市民に爽やかな印象を残してくれました。

 日々の努力を重ねてこられた監督・選手の皆様に惜しみない拍手を送りますとともに、来年も再び甲子園の舞台に立たれますことを心よりご期待申し上げる次第であります。

 また、先月、四国4県を舞台に開催されました全国中学校体育大会では、女子バレーボールにおいて鳴門市第一中学校が全国3位となる活躍を見せてくれました。

 選手・保護者の皆様、そして指導に当たられた先生方を始めとする多くの関係者の方々の、これまでのたゆまぬご努力に敬意を表し、あらためてその功績を讃えたいと存じます。

 さて、最近の国の動向についてでございますが、まず申し上げるべきこととして、今月3日に発足いたしました第2次安倍改造内閣において、本県選出の衆院議員である山口俊一氏が沖縄・北方兼科学技術担当大臣として初入閣されました。

 地方の実情に大変精通されている山口衆院議員が、国政の場においてその手腕を発揮されることは、本市にとっても大変心強いことであり、今後大いにご活躍されることをご期待申し上げる次第であります。

 続いて、現下の社会情勢に目を向けますと、第2次安倍内閣の進める経済財政政策により、日本経済は長年にわたるデフレから脱却し、景気が上向きつつあるとの報道がある一方で、今月8日に内閣府が発表した今年4~6月期の国内総生産(GDP)2次速報値が、物価変動の影響を除いた実質で前期比年率7・1%減と大きく落ち込むなど、消費増税前の駆け込み需要の反動による景気減速の可能性について懸念されているところでございます。

 このような中、安倍首相は先月、「地方創生」を「アベノミクス第2弾の大きな柱」と位置付け、地域経済活性化への取り組みを今後強化する旨を表明いたしましたが、都市部に比べて地方では未だ景気回復の実感に乏しく、地方経済を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。

 今年4月から実施された消費税増税による家計への負担を、日々の暮らしの中で感じておられる市民の皆様も多いと思われますが、今年中にも、来年10月からの消費税10%へのさらなる引き上げについての政府判断が予定されているとのことから、今後の地域経済の先行きについては、引き続き予断を許さない状況が続くものと考えております。

 現在、本市では、消費税率の8%への引き上げに伴う負担軽減策として、政府が臨時的に実施することとなりました「臨時福祉給付金」及び「子育て世帯臨時特例給付金」の2つの給付金について、申請を受け付けております。

 給付対象となる方に漏れなく申請いただくため、政府と共同で、周知・広報に努めているところでございますが、8月末現在の申請率は、「子育て世帯臨時特例給付金」については約78%、「臨時福祉給付金」については約30%にとどまっております。

 こうしたことから、できる限り多くの対象者の方々に申請していただくため、「臨時福祉給付金」の支給対象となりうる方に、制度周知のチラシと、給付金の受け取りには申請が必要である旨を記載した案内文を、今月末頃、個別に郵送させていただくこととし、また、これとあわせて、両給付金の申請受付期限を当初の10月31日から12月26日まで、2か月間延長して対応することといたしました。

 まだこれらの給付金を申請されていない方につきましては、くれぐれも給付金の申請をお忘れにならないよう、また、給付金についてご不明な点や疑問点がございましたら、市にお問い合わせいただきますよう、この場をお借りして、あらためて呼びかけたいと存じます。

 また、このような厳しい経済状況下においても、自らの強みを生かし、ブランド力の向上によって事業の発展を図るため、日々、多くの事業者が経済活動に取り組んでおられるところでございますが、中でも、最近の新聞報道等で大きく取り上げられたのが、来年4月1日に予定されているJA大津とJA松茂の合併でございます。

 大津町は、本市を代表する数多くの農産物の主産地の一つでございますが、両JAが合併することにより、レンコンやサツマイモの販売額は、全国の農業協同組合の中でも有数の規模になるとのことでございます。

 これらの農産物の高いブランド力に加えて、合併によるスケールメリットを生かすことで、新生「大津・松茂農業協同組合」の今後ますますの発展が期待できるものと考えております。

(2)観光施策について

 次に、観光施策についてであります。

 今期のJ1リーグにおいて、厳しい戦いが続いている徳島ヴォルティスでございますが、鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムでホームゲームが行われる際には、臨場感あふれるプロスポーツのプレーを間近で観戦しようと、1万人を超える観客が会場に詰め掛ける日もあり、大いにまちに賑わいをもたらしてくれております。

 本市では、これを鳴門のPRを行う大きなチャンスと捉え、試合会場をはじめとして、県内外におけるキャンペーンを積極的に行っているところでございます。

 特に、鳴門の豊かな「食」をアピールし、その魅力を体感して頂くことを目的として、調理機能を備えた多機能車輌「行きたくなるとGO!!」を活用しPR強化を図っております。

 今後もスポーツを通じて交流人口の増加を図り、本市の魅力をアピールする絶好の機会とするため、引き続き市民と一丸となって徳島ヴォルティスに声援を送り続けたいと考えております。

 その一環として、来月26日のホームゲーム「名古屋グランパス戦」において「鳴門市民デー」を開催いたします。

 7月には、この試合を見据え、名古屋でのアウェーゲーム会場において観光キャンペーンを実施したところであり、多くのアウェーサポーターにもお越しいただけることを期待しております。

 鳴門市民の皆様にも、ぜひ会場へお越しいただき、熱い声援を送っていただきたいと思います。

 続いて、本市では、鳴門海峡の渦潮の世界遺産化を目指して、昨年9月に南あわじ市と交流推進会を開催するなど、様々な取り組みを進めてまいりました。

 7月29日には、市内の企業や団体による「鳴門海峡の渦潮を世界遺産にする会」が発足したところであり、今後、渦潮の知名度アップのための観光キャンペーンを市内外で行うなど、官民が一体となって連携しながら渦潮の世界遺産化に向けての機運を盛り上げてまいりたいと考えております。

 さらに、7月6日から8日までの3日間、「四国地方銀行台湾インバウンド商談会」に出席するため、鳴門商工会議所会頭及び鳴門市うずしお観光協会事務局長とともに台湾を訪問いたしました。

 現地の旅行会社に本市の観光地としての魅力をお伝えしたほか、台湾における認知度向上につなげることができるよう、商談会、意見交換会そして台湾訪日マーケットセミナー等でおおいに鳴門をPRしてきたところでございます。

(3)姉妹都市交流について

 次に、姉妹都市交流についてであります。

 今年は、鳴門市とリューネブルク市との姉妹都市盟約締結40周年という記念すべき年にあたることから、歴史ある両市の交流を未来に継承するため、様々な記念事業を実施しております。

 来月中旬には、過去最大規模となる総勢61名のリューネブルク市親善使節団の皆様をお迎えいたしますが、今回はリューネブルク市から12名の青少年の皆さんも参加される予定であり、約2週間にわたって市内にホームステイしながら学校生活を体験されるなど、若い世代の交流を推進したいと考えております。

 また、親善使節団の滞在期間中には、両市による姉妹都市盟約締結40周年記念確認書の署名や、大阪・神戸ドイツ総領事であるインゴ・カールステン氏と前在ドイツ日本大使である神余隆博 関西学院大学副学長を講師に迎えた講演会などを行い、今後の両市の友好をより一層深め、姉妹都市交流のさらなる発展につなげることができるよう、努めてまいりたいと考えております。

(4)教育行政について

 次に、教育行政についてであります。

 本市における最重要課題の一つとして、これまで重点的に取り組んでまいりました小中学校の耐震化工事につきましては、現在改築工事を行っている第一中学校を除く全ての校舎の耐震化が完了いたしました。

 体育館につきましても、現在改築のための実施設計を行っている鳴門東小学校を除き、今月中にすべての耐震化工事が完了する予定であり、今年度末時点で小中学校の耐震化率は95.2%に達する見込みであります。

 学校生活を送る子どもたちに安全・安心な教育環境を提供できるよう、引き続き、校舎や体育館の非構造部材につきましても耐震化を進めるとともに、幼稚園園舎の耐震化にも順次取り組んでまいります。

 また、学習環境の改善による学力の向上を実現するため整備することとしておりました、中学校普通教室への空調設備につきましては、6月中に設置を完了し、7月から各学校で稼働しております。

 この空調設備の整備と併せて、夏季休業日の短縮を試行的に実施することとし、市内中学校では、昨年より1週間早い8月25日から授業を再開いたしました。

 各校においては、夏休み前や夏休み中の学習の振り返りや、総合的な学習、職場体験やテストの実施など、それぞれの実情に応じた様々な取り組みを実施したところであります。

 また、本年6月より、第一中学校の改築工事に着手し、現在、第1期工事のうち解体工事を実施しているところでありますが、その後に予定している建築工事のために必要な契約議案を今期定例会に提出いたしております。

 今後、平成31年度まで6年をかけて全ての校舎の改築を進めていく予定であり、工事期間中は、周辺にお住まいの方や在校生など、関係者の皆様には何かとご不便をおかけしますが、ご理解とご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。

(5)再生可能エネルギーの導入について

 次に、再生可能エネルギーの導入についてであります。

 本市は6月17日、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン、一般社団法人徳島地域エネルギー、NPO法人環境首都とくしま創造センターと再生可能エネルギー導入促進に関する協定を締結いたしました。

 この協定は、本市における自然環境や社会環境を維持し、地域経済の活性化に貢献するとともに、地域にも受け入れられる再生可能エネルギーの導入促進を図ることを目的としたものでございます。

 今後、2年間程度で、再生可能エネルギー導入に係る本市の基本的な方針のほか、市域において導入に適している区域を示した地図の作成等に取り組んでまいります。 

 本市では、環境・エネルギー対策の一環として、こうした再生可能エネルギーの導入促進による環境負荷の抑制や省資源化につながる「創エネ」の推進に向けた取り組みを、今後も着実に実施してまいりたいと考えております。 

(6)競艇事業について

 次に、競艇事業についてであります。

 競艇事業につきましては、本場施設の解体工事等により、外向発売所「エディウィン鳴門」のみでの営業となっております。エディウィン鳴門での舟券販売状況については、リニューアルオープン直後と比べると若干の減少が見られますが、現在も想定を上回る売り上げを確保しております。

 また、鳴門競走場の代替開催につきましては、今年度は宮島競走場で5節30日、丸亀競走場で1節6日の計6節36日開催されることとなっておりますが、このうち、宮島競走場で2節12日がすでに行われ、関係各団体のご協力もあり、予想を超える売上金額を上げることができました。

 今後も、関係各団体のご協力をいただきながら収益確保に取り組んでまいりたいと考えております。

 また、新スタンド建設事業につきましては、現在は実施設計の段階に入っており、本年末を目途に実施設計を完成し、来年2月の着工に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

 なお、新スタンド建設の前段で実施しておかなければならない現競艇場の建物解体並びに撫養港海岸保全施設整備事業に伴う地盤改良工事につきましては、当初工程のとおり来年1月末に完了の予定となっており、国土交通省が実施する地盤改良工事が終わり次第、新スタンド建設工事に現地着手できるスケジュールとなっております。

 今後におきましても、本市の発展に貢献できる競艇事業となるよう努めてまいりますので、議員各位並びに市民の皆様のご理解を賜りますようお願い申し上げます。

(7)「ハンセン病回復者一泊里帰り・交流会」について

 最後に、今月8日に開催いたしました「ハンセン病回復者一泊里帰り・交流会」についてであります。

 今回、高松市のハンセン病療養所「大島青松園」で生活されている県内出身のハンセン病回復者である男女4名の方々を本市にお招きし、意見交換会や交流会を行いました。

 本市では、人権意識の高揚を図り、全ての人がお互いの人権を尊重することのできる社会の実現を目指して、毎年度、「人権セミナー」や「人権文化祭」を実施するなど、これまでも様々な事業に取り組んできたところでありますが、今回お招きした方々より貴重なお話をお伺いし、あらためてその思いをしっかりと受け止め、人権が大切にされるまちづくりに努めなければならないとの思いを強くしたところであります。

 このたびの「里帰り事業」には、鳴門市婦人連合会を始めとする市民団体の皆様のほか、議員の皆様にも多数ご参加いただきました。

 ご参加・ご協力いただいた関係者の方々に対しまして、お礼申し上げます。