平成26年鳴門市議会第1回定例会

■目 次 

(1) はじめに  

(2) うきうき 活力と魅力あふれるまちづくり 

(3) ずっと笑顔で 生きがい感じるまちづくり 

(4) しっかり安心・快適 住み良いまちづくり 

(5) おおきく躍動 みんなで創るまちづくり 

(1)はじめに

 本日、第1回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席をいただき、誠にありがとうございます。

 まず初めにご報告申し上げなければならないこととして、先月、市内のわかめ加工業者が鳴門わかめの産地偽装を行った疑いで家宅捜索されるという、本市にとって誠に残念な報道がございました。

 現在、徳島県警が捜査中であり、詳細については不明なところもございますが、鳴門わかめの収穫が最盛期を迎えている折、このような事件が報道されたことは、これまで地道に「鳴門わかめ」のブランド化に向けて努力を重ねてこられた本市のわかめ生産者や加工業者のみならず、市内 の土産物店や観光施設への影響も懸念されるところであり、大変遺憾なことと考えております。

 本市においては、報道直後にこの問題に対する相談窓口を設置するなど、早急な対応に努めてまいりましたが、今後も、徳島県や商工会議所などの関係機関、さらにわかめ加工業者等と、さらなる情報共有と連携強化を図るとともに、本市独自の取り組みといたしまして、科学的手法による産地判別分析調査や、わかめ試食イベントによるPRの強化などを実施し、「鳴門わかめ」というブランドに対する消費者の信頼を回復できるよう、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 さて、本市においては、昨年よりスポーツに関して明るい話題が続いております。

 今年1月4日より3日間、県内の新春を飾る第60回徳島駅伝におきまして、鳴門チームが3年連続、通算32回目の総合優勝を達成いたしました。

 全区間を通して常に上位を走り続ける抜群の安定感で、堂々とした戦いぶりを披露してくれました。

 選手の皆様の健闘をたたえ、心よりお祝いを申し上げますとともに、関係者の皆様、並びに沿道で応援いただいた、議員各位を始め、多くの市民の皆様にあらためて感謝申し上げます。

 さて、市民の皆様のみならず徳島県民にとって大変喜ばしい出来事として、いよいよ徳島ヴォルティスが、四国初のJ1チームとして大舞台に立ちます。

 創立10周年の節目の年に、ついに日本サッカーの最高峰のリーグに挑むことになった徳島ヴォルティスを、草創期より応援し続けてこられた多くのファンの皆様に、あらためてお喜び申し上げるとともに、3月1日より開幕するJ1リーグ戦において選手達が十分にその実力を発揮し、今シーズンも素晴らしい結果をもたらしてくれますことを期待しております。

 このようにスポーツを通してにぎわいづくりに繋がる機運を、未来への発展につなげていくことができるよう、本市といたしましても、今後有効な施策をタイムリーに打ち出し、地域活性化を図ってまいります。

 次に、国の動きに目を向けますと、昨年は、安倍内閣による積極的な経済対策により、我が国経済の長期にわたるデフレと景気低迷からの脱却への道筋が少しずつ見え始めた一年となりました。

 しかしながら、地方においては雇用や消費の面から見ても依然として景気回復の実感を得るまでには至っておらず、今後の地域経済の先行きへの不安を完全には払拭できない状況が続いております。

 さらに今年は、4月からの消費税増税に伴う消費低迷や景気減速の可能性が懸念されるところであります。

 このような情勢を踏まえ、すでに新聞等で報道されましたとおり、徳島県と市町村、そして商工団体が連携して来年度に「プレミアム付き地域商品券」発行事業を実施することとしておりますが、このような事例に代表されますように、地域を取り巻く環境の変化が近年ますます激しくなる中、市民の暮らしを守るべき地方自治体の的確な対応が、これまで以上に強く求められているものと感じております。

 本市といたしましては、これからも真摯に、そしてきめ細かく市民の皆様の声に耳を傾けながら、様々な地域課題への取り組みを迅速かつ柔軟に進めてまいりたいと考えております。

 さて、今期定例会には、平成26年度鳴門市一般会計予算案を始め、各種の議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ち、諸般の報告と今後の市政への取り組みについての所信を申し上げ、議員各位を始め、市民皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 このたびの定例会で提出いたします平成26年度当初予算案は、私が昨年11月17日の鳴門市長選挙を経て、市長として二期目を迎えて初めて提出する通年予算となります。

 そこで、このたびの予算案は、「スーパー改革プラン」に掲げる財政健全化目標に留意しつつ、二期目にあたっての抱負として、市民の皆様にお約束いたしました取り組み事項を着実に進めていくための施策を盛り込んだ内容となっております。

 これまで私が一期目において、様々な施策を通して、日々その実現に努めてまいりました「子どもたちの未来のため」のまちづくりを、このたびの予算案を通して、さらに力強く、着実に推し進めてまいります。

 それでは、これから本市が実施してまいりたいと考えております重点施策について、順次、その内容を申し述べます。

(2)うきうき 活力と魅力あふれるまちづくり

 第一点は、「うきうき 活力と魅力あふれる まちづくり」についてであります。

 まず、産業振興及び観光施策についてでありますが、市内中小企業を支援する施策として、昨年ご好評いただきましたクリスマスマーケットや100円商店街、ジュニアエコノミーカレッジなどの中心市街地活性化事業のほか、地元中小企業が活躍できる環境を行政・経済団体・経営者など様々な機関や人が連携して創出する政策である「エコノミックガーデニング」の推進に引き続き取り組むとともに、「中小企業振興条例」の制定に向けた基本調査にも着手します。

 そして同時に、企業が有する市内の遊休資産や企業用地に適した土地の基礎調査などを行い、企業誘致に対する取り組みを並行して進めてまいります。

 また、平成26年4月より始まる本四道路の「全国共通料金制度」導入は、本市を広くPRする好機でありますことから、関西圏をターゲットに昨年より実施しております「橋を渡れば感動の国」事業として「高速バス」に鳴門観光をラッピングする「走る広告塔事業」や「旅番組」などへの売り込みを行う「ロケ誘致事業」などの施策を行い、本市の認知度向上に努めてまいります。

 「阿波踊り開催事業」につきましては、今年度に引き続きアニメとのタイアップに取り組むほか、来年度は新しい趣向として、県外で活動されている阿波踊り連を招聘することによって、広く県内外の観光客に阿波踊りの魅力を伝え、さらなる誘客を促進してまいりたいと考えております。

 さらに、冒頭でも述べましたとおり、このたびの徳島ヴォルティスのJ1昇格は、本市の魅力を全国にPRできるとともに、地域活性化に大きく寄与するものと考えております。試合を観戦するために県内外から、これまで以上に多くのサポーターが本市を訪れることが期待されることから、徳島県や商工会議所、観光協会などと連携しながら、観光振興や地域経済の活性化につながる施策をタイムリーに実施するため、今年度の3月補正予算及び来年度の当初予算において必要経費を計上し、切れ目のない施策の実施を図ってまいります。

 次に、農業・漁業の振興についてであります。

 生産者の所得向上を目指し、本市において生産される農水産物の新たな付加価値の創出や更なるブランド化を図る取り組みである「農漁業六次産業化推進事業」の一環として、去る1月19日、私自身が先頭に立ち、京都市にトップセールスを行ってきたところでありますが、本市の農水産物やその加工品の魅力を正しくお伝えすることができれば、より多くの方々にその価値を実感してもらい、ファンになっていただけるとの認識を強くいたしました。

 そこで、来年度も引き続き、経済関係団体等との連携によるトップセールスを積極的に実施するなど、本市の一次産業の発展に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 次に、「第25回全国みどりの愛護のつどい」についてであります。

 今年5月24日、鳴門・大塚スポーツパークを会場として「第25回全国みどりの愛護のつどい」を開催し、地域の緑化・緑地保全等に功労のあった団体の表彰、記念植樹等が執り行われることとなりました。

 本市では、これを都市緑化意識の高揚を図り、緑豊かな潤いのある住みよい環境づくりを推進する機会とするため、今後、共催となる国土交通省や徳島県など関係機関と連携し、開催準備を進めてまいりますので、市民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

 次に、国際交流の推進についてであります。

 来年度は、姉妹都市であるドイツ・リューネブルク市より「第20回親善使節団」をお迎えいたしますが、両市の絆を次世代に継承するとともに、国際的な視野を備えた人材を育成するため、昨年夏に本市が実施いたしました「青少年派遣」を、このたびはお迎えする立場で行い、若い世代の交流にも力を注いでまいりたいと考えております。

 また、今年は両市の姉妹都市盟約締結40周年の節目にあたりますことから、両市の交流をさらに深めるための記念行事等を計画しております。

 次に、第九ブランド化推進プロジェクトについてであります。

 本市において「第九」がアジアで初めて演奏されてから100周年を平成30年に迎えるにあたり、本市では、なるとの第九をさらに市内外に発信し、地域の活性化につなげていくため、アジア初演「なると第九」ブランド化推進に向けたプロジェクトを進めているところでございますが、来年度中には本プロジェクトの基本計画・実施計画を策定してまいります。また、官民一体となってブランド化を推進するため、「なると第九ブランド化推進基金」を新たに設置し、寄附金等を原資とした積み立てを開始したいと考えております。

(3)ずっと笑顔で 生きがい感じるまちづくり

 第二点は、「ずっと笑顔で 生きがい感じる まちづくり」についてであります。

 まず、市民の健康を守る保健事業と地域医療の充実についてであります。

 先日、厚生労働省の専門家会議において、水ぼうそうの小児用ワクチンと、高齢者を対象とした成人用肺炎球菌ワクチンが新たに定期予防接種の対象となることが決定されました。今年の秋頃からの実施が予定されていることから、本市といたしましても市民への十分な周知に努めてまいります。

 また、「地域の医療を地域で守るための条例」制定に向けて、来年度は市民ワークショップや条例策定審議会を開催いたします。

 次に、高齢者及び障がい者施策についてであります。

 来年度は、平成27年度から29年度までの3年間を計画期間として、本市の高齢者施策のあり方を定める「第6期高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」及び「鳴門市障害者計画」の実現を図るために必要となるサービス事業量や確保方策を定める「第4期障がい福祉計画」の策定年度にあたります。

 これらの計画の策定において、有識者や多くの市民の方々からご意見をいただきながら、近年急速に変化している高齢者や障がい者の方々を取り巻く社会環境や課題を的確に捉え、高齢者福祉及び障がい者福祉の充実につなげてまいりたいと考えております。

 次に子育て支援施策についてであります。

 本市では、来年度より保育所保育料の体系を見直します。このたびの見直しでは、本市において多くの方々が属している、いわゆる中間層の保育料の階層区分をさらに細分化し、所得に応じたきめ細やかな保育料の額を設定することとしております。

 その結果、保育所に入所している児童の約30%について、現在よりも保育料が減額されることになり、多くの子育て世帯において経済的負担の軽減が図られるものと考えております。

 また、就学前の子育て支援を目的として、本市がこれまで先進的に取り組んでまいりました保育所・幼稚園での「子どもの発達支援事業」につきましては、来年度より私立幼稚園の園児と在宅児まで対象を拡大し、事業のさらなる充実を図ります。

 さらに、乳幼児と保護者が相互に交流し、子育てに関する情報交換や相談等を行う場として、現在、キョーエイ鳴門駅前店にて実施している地域子育て支援拠点事業を、来年度より「板東南ふれあいセンター」においても週2日、「出張ひろば」として実施いたします。

 そして、市内の私立保育所が、本市で初めてとなる幼稚園機能と保育園機能の両方を備えた「認定こども園」に、平成27年度までに移行する予定としているにあたり、施設整備に係る整備補助金を交付します。

 なお、平成27年度に「子ども・子育て関連3法」に基づく新たな支援制度が本格施行されることを受け、本市における幼児教育や保育・子育て支援の方針を定めた「子ども・子育て支援事業計画」を来年度中に策定します。

 次に、教育行政についてであります。

 まず、教育内容の充実につきましては、県内ナンバーワンの英語教育を実現するため、来年度には外国語指導助手を1名増員するほか、今年度から実施しております中学校における「英語能力判定テスト」や「英検受検奨励補助金」、そして小学校における「外国語活動支援員」の配置や島田小学校を活用した「イングリッシュキャンプ」などの施策についても引き続き実施してまいります。

 さらに、来年度は、視覚的な効果によって子どもたちの学習意欲を高め、効果的な学習を可能とする電子黒板を各小・中学校に配備し、学力向上につなげたいと考えております。

 次に、教育環境の整備につきましては、学習環境を改善して学力向上を図るため、中学校への空調設備の整備のほか、老朽化したトイレの改修や洋式化を進めてまいります。さらに、小中学校における非構造部材の耐震化についても並行して行ってまいります。

 さらに、第一中学校の校舎改築事業や鳴門東小学校の体育館改築事業、さらに新学校給食センターの建設事業や幼稚園園舎耐震化事業などの施設整備につきましても、それぞれの事業計画に従って着実に進めてまいります。

 次に、「スポーツ推進計画」についてであります。

 近年の徳島ヴォルティスや徳島インディゴソックスの活躍は、私たち市民に対して、プロスポーツをファンとして「見て」、そして「支える」機会を通して、スポーツをより身近な存在にしてくれたものと考えております。

 また、これまで毎年実施してまいりました「チャレンジデー」における取り組みは、市民の皆様がスポーツや健康づくりに親しむきっかけ作りにつながっていると考えております。

 そこで、本市では、だれもがそれぞれの目的に応じて、スポーツに親しむことができる「生涯スポーツ社会」の実現を目指すために、「鳴門市スポーツ推進計画」を、「スポーツ推進審議会」における議論を踏まえて来年度中に策定し、スポーツを通じた健康づくりや地域づくりに取り組んでまいります。

(4)しっかり安心・快適 住み良いまちづくり

 第三点は、「しっかり安心・快適 住み良い まちづくり」についてであります。

 まず、危機管理・防災対策の推進についてであります。

 本市にとって、「南海トラフ巨大地震」を始めとする自然災害への防災対策は、今後も変わることのない最重要課題の一つであり、来年度においてもソフト・ハード両面にわたって必要と考えられる施策を着実に実施してまいります。

 まず、これまで実施してまいりました木造住宅の耐震化や家具の転倒防止に対する支援を、来年度も引き続き実施するほか、今年度策定した「鳴門市学校・幼稚園防災推進計画」に基づき、教育現場における防災教育や防災対策の強化にも努めてまいります。

 そして、今年度作成予定の津波ハザードマップに引き続き、来年度は洪水及び土砂災害のハザードマップをそれぞれ作成し、地域の実情に応じた様々な自然災害に備えていただくための情報提供に努めます。

 さらに、津波避難困難地域となる可能性の高い地域への対策として、里浦町南部における津波避難施設の整備に向けて、基本・実施設計に着手するほか、旧鳥居記念博物館を始め、老人福祉センター、勤労青少年ホーム、大麻分署や各地区の分団詰所などの公共施設の耐震化についても順次進めてまいります。

 また、現在、四国横断自動車道の整備が進んでおります大津町段関・大幸地区において、高速道路の盛土のり面を利用した津波避難施設を来年度中に設置できるよう、関係機関と協議しながら、整備を進めてまいります。

 そして、災害時等における市民への情報伝達手段の一つとして、現在本体工事を実施しております「デジタル防災行政無線施設」につきましても、来年度における完成を目指して整備を進めてまいります。

 次に、都市環境の整備についてであります。

 本市では来年度より、災害等により倒壊し道路を閉塞するおそれのある老朽化して危険な空き家の除却に対する補助事業のほか、住み慣れた住まいでこれからも安心して暮らしたいという市民ニーズにこたえるため、住環境の向上を目的とした様々な住宅リフォーム工事を幅広く対象とする補助事業についても新たに実施いたします。

 また、老朽化が進む橋梁やポンプ場等の長寿命化工事を、それぞれの中・長期的な全体計画に基づきながら順次進めてまいります。

 そして、良好な水辺空間や生態系保全を実現するため、水環境の改善に向けた取り組みといたしまして、これまでに引き続き、「公共下水道」の整備と「合併処理浄化槽」への転換促進施策について、それぞれの適正な整備手法を検証しながら、着実な事業推進に努めてまいります。

 次に、環境・エネルギー対策についてであります。

 昨年11月、地球に優しい環境都市の実現と地域経済の振興を目指し、鳴門商工会議所及び大麻町商工会により設立された特定目的会社「株式会社鳴門太陽光発電所」による、本市所有の遊休地を活用した再生可能エネルギー創出への取り組みにつきましては、来年度内の売電開始を目指して、現在、準備が進められているとのことでございます。

 本市におきましても、来年度は徳島県の基金を活用して、第一小学校と第二中学校に太陽光発電装置を新たに設置するなど、地域における「省エネと創エネ」の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

 次に、水道事業についてであります。

 今後、将来にわたり、安全で安心な水の供給を安定的に維持していくためには、積極的に施設改善を進めていく一方で、その財源の確保のために、より一層の経営改革を推進していく必要があると考えております。

 特に、浄水場や配水池などの基幹施設の耐震化については早急に取り組む必要があり、これまで「浄水場施設耐震化更新基本計画」を策定するとともに、「浄水場更新事業推進検討会」を開催し、有識者の方などのご意見をいただいているところでございます。

 また、平草配水池につきましては、老朽化が著しく、必要な貯水量を確保できていないことから、新たに配水池を築造することとし、平成26年度の築造工事の着手に向けて、造成工事と詳細設計を行っているところでございます。

 経営面におきましては、職員の削減や浄水場運転管理業務の見直しなどを行い経費の節減を図りながら、委託事業者と連携し、料金の収納率の向上に努めております。

 今後も引き続き施設改善と経営改革を積極的に推進してまいりますので、議員各位、市民の皆様のご理解を賜りますようお願いを申し上げます。

(5)おおきく躍動 みんなで創るまちづくり

 第四点は、「おおきく躍動 みんなで創る まちづくり」についてであります。

 まず、市民参画・市民協働の推進についてであります。

 本市では今年度、市民の皆様の主体的なまちづくり活動を支援するため、「鳴門市自治基本条例」の理念に基づき、公募提案型の「WeLoveなるとまちづくり活動応援補助金」制度を創設いたしました。

 初年度となった今回は、『Narutoジョイフル子ども音楽祭』をはじめ、市民団体による8つの事業を採択いたしましたが、いずれも、地域課題の解決に向けた市民団体の強い想いを反映した、市民ならではの柔軟な発想と機動力が活かされた事業でございます。

 来年度も、市民の皆様自らによる、地域課題の解決に向けた「まちづくり活動」を支援していくため、当補助金を始め、「鳴門市自治基本条例」に掲げた「市民が主役のまちづくり」を実現するための取り組みを進めてまいります。

 次に、競艇事業についてでございます。

 競艇事業につきましては、平成22年9月に策定した「ボートレース鳴門経営改革アクションプラン」に基づき、外向(そとむけ)発売場「エディウィン鳴門」の開設を始めとする収益確保策とともに、経常経費削減への取り組みを、これまで継続して実施してきたところであります。

 その結果、「アクションプラン」の目標でありました累積赤字の解消を、平成24年度決算において1年前倒しで実現し、今年度におきましても黒字を達成する見込みであります。

 しかしながら、来年度から2年間の休催期間中においては、現施設の解体に伴う資産減耗の影響などにより赤字となることが想定されるため、今後においても収益確保に向けた取り組みを継続して進めていく必要があると考えております。

 そこで、平成26年度においては、関係団体との協議の結果、ボートレース宮島においてGⅠ周年競走を含め5節30日間、ボートレース丸亀においてGⅠ四国地区戦1節6日間のレースを実施することとし、各競走場へのバスツアーや、地元選手にご協力いただきながら「エディウィン鳴門」におけるイベント開催なども行いたいと考えております。

 また、全国のお客様に「ボートレース鳴門」のファンになっていただけるよう、レースを受託いただいた施行者とともに、電話投票の売上向上や全国の競走場等での場外発売拡大の各施策に取り組んでまいります。

 なお、ボートレース鳴門本場の施設改善につきましては、先日の全員協議会及び臨時議会等で基本計画及び基本設計の概要についてご報告させていただきましたが、現在、債務負担をお認めいただいた設計施工一括発注の準備を行っているところであります。

 本市においては実績の少ない手法ではございますが、関係機関等のご協力をいただきながら、できるだけ速やかな事業推進を図ってまいります。

 今後におきましても、こうした取り組みを通じまして、本市の発展に貢献できる競艇事業となるよう努めてまいりますので、議員各位、及び市民の皆様のご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 なお、現在、ボートレース鳴門において、本場休催前の最終レースとなる「60年間ありがとう競走」を開催しております。

 これまで本場に足を運んでいただいた競艇ファンの皆様への感謝を込めて、全期間を通して入場無料としたほか、様々なプレゼントやイベントをご用意しておりますので、ぜひ多くのお客様にお越しいただければと考えております。

 次に、財政健全化についてであります。

 本市では、平成22年度に策定した行財政計画である 「スーパー改革プラン」において掲げた「実質収支黒字の維持」「次世代負担の軽減」「基金残高の確保」の3つの目標を、持続可能で自立した健全な財政運営を構築するための指針と位置付け、事務事業の見直しや効率化に取り組んでまいりました。

 その結果、これらの取り組みは本市の財政健全化に一定の成果を挙げてきましたが、今後の中長期的な財政運営を考えた場合、決して楽観できる段階には至っておりません。

 本市が、真に自立的で持続可能な行財政システムを確立するためには、今後さらなる行財政改革の推進が不可欠であり、来年度に改定する次期計画においては、財政健全化に向けて本市が取り組むべき内容と、その先に目指すべき方向性を具体的に指し示したいと考えております。