平成24年鳴門市議会第1回定例会

■目 次 

(1) はじめに  

(2) うきうき 活力と魅力あふれるまちづくり 

(3) ずっと笑顔で 生きがい感じるまちづくり 

(4) しっかり安心・快適 住み良いまちづくり 

(5) おおきく躍動 みんなで創るまちづくり 

(1)はじめに

 本日、第一回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様方には公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席をいただき、誠にありがとうございます。

 初めに、新春を飾る第58回徳島駅伝におきまして、鳴門市チームが2年ぶり通算30回目となる優勝を果たすことができました。今回は、初日からトップに立ち、終始安定した戦いぶりでありました。選手の皆様方がチームの仲間を信頼して与えられた役割を果たし、自分の持てる力を精一杯発揮した結果の、感動的な優勝でありました。

 選手の皆様方の健闘をたたえ、お祝いを申し上げるとともに、ご尽力いただいた関係者の方々並びに、お寒い中沿道で応援いただいた市民の皆様に感謝申し上げます。

 さて、今期定例会には、平成24年度鳴門市一般会計予算案を始め、各種の議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ち、諸般の報告と当面する市政の課題についての所信を申し上げ、議員各位を始め市民皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 私は、市長就任以来、多くの市民の皆様から託された希望や期待にお応えすべく、子どもたちの未来のために、市民の皆様とともに笑顔と賑わいあふれるまちづくりを実現したい、清新で公正な市政を実現したいとの強い思いを持って、市政運営に全力で取り組んでまいりました。

 市政運営にあたっては、正確な情報を市民の皆様にお示しするとともに、皆様の思いを広くお聞きし、互いに情報を共有して知恵を出し合い、新たな取り組みを進めていくよう心がけてまいりました。

 これまでに「まちづくり出前市長室」や「産業版出前市長室」、「鳴門元気upトーク」を計37回開催するなど、時間の許す限り、各界各層の方々とお会いし、ご意見やご要望をお伺いしてまいったところです。

 こうした貴重なご意見を施策に反映させながら、自治基本条例の制定、危機管理対策や子育て支援施策、がん検診や介護予防事業などの医療・福祉施策、観光・国際交流の推進や、更なる行財政改革に向けたスーパー改革プランの実施など、各重点施策を推進してまいりました。

 種をまいたばかりのものもあれば、少しずつ結果が表れ始めたものもありますが、これら、マニフェスト事業を始めとする重点施策については、一定の成果を挙げることができたと認識いたしております。

 本年度は、こうした取り組みの上に立って、本市の自然、歴史、文化、産業、観光など、多様な地域資源を活かしたまちづくりを、市民の皆様とともに進めていくため、今後10年間の新たなまちづくりの指針となる「第六次鳴門市総合計画」の策定を幅広く市民皆様のご意見をお伺いしながら進めてまいりました。

 人口減少や少子高齢化の進行、東日本大震災を契機とする防災・減災対策の必要性の高まりや社会保障と税の一体改革の推進など、本市を取り巻く社会経済情勢は大きく変化しております。

 こうした中、今後のまちづくりを進めるには、自治基本条例の理念のもと、市民の皆様や地域、事業者、行政が、信頼関係の強い絆で結ばれ、ともに考え、行動していくことが大切であることから、先にお示しした計画素案では、目指すべき将来都市像を「結びあう絆が創る 笑顔と魅力うずまく鳴門」としたところでございます。

 計画では、将来都市像の実現に向け、まちづくりの骨格となる各分野ごとに、「うきうき 活力と魅力あふれるまちづくり」、「ずっと笑顔で 生きがい感じるまちづくり」、「しっかり安心・快適 住み良いまちづくり」、「おおきく躍動 みんなで創るまちづくり」の4つの基本目標を掲げ、今後、取り組むべき施策や事業の方向性を示しております。

 また、人口減少が進展し、その増加を見込むことが難しい中で、本市が未来に向けて発展していくためには、交流人口の拡大を図り、「だれもが 好きになる 鳴門」を目指して、魅力あるまちづくりを進めていくことが重要であると考えております。

 こうしたことから、「鳴門の未来を創る3つの成長戦略」として「魅力づくり」「まちづくり」「人づくり」の視点から、特に重点的、戦略的に取り組むべき施策を設定し、5年後の主な数値目標も盛り込んでおります。

 なお、計画につきましては、去る16日に第六回総合計画審議会において最終成案をご審議いただいており、明日、答申をいただく予定でございます。

 総合計画の推進により、「鳴門市に生まれて良かった、住んで良かった、訪れて良かった」と実感できるまちづくりを、市民の皆様とともに目指してまいりたいと考えておりますので、議員各位をはじめ、市民の皆様のご支援とご協力を賜りたいと存じます。

 次に、今期定例会においてご審議を賜ります、平成24年度予算案に係る重点施策と当面する市政の課題などについて、順次申し述べます。

(2)うきうき 活力と魅力あふれるまちづくり

 第一点は、「うきうき 活力と魅力あふれるまちづくり」についてであります。

 地域経済の活性化においては、地元経済を支える中小企業の成長が欠かせない要素であり、企業が成長しやすい環境づくりを行っていく必要があります。

 このため、新たに「エコノミックガーデニング」の手法を用いた「地域経済活性化推進事業」に取り組みます。 

 これは、意欲のある中小企業が大きく成長するよう、企業間・人的ネットワークの構築やソーシャルメディアの積極的活用への支援といった環境づくりを行うもので、来年度は、企業ニーズの調査や地域内の人材の連携づくり、勉強会などを実施いたします。

 次に、雇用の確保に向けては、求職者や新卒者を対象とした「鳴門市合同就職面接会」を開催し、市内企業への就業機会の拡大と地元企業の人材確保の取り組みを支援いたします。

 本事業は、鳴門市地域雇用創造協議会において、主に失業者を対象に実施しておりました「鳴門市就職面接会」の成果を受け、新卒者を主な対象に加え、市の事業として新たに取り組むものです。

 また、平成21年度より実施しております「緊急雇用対策事業」についても、引き続き実施いたします。

 防災対策を始め、観光や商工業振興の分野など、全19事業、30人の雇用を予定しており、新たな雇用創出とともに、地域活性化や行政課題の推進につながるよう、事業費の有効活用を図ってまいりたいと考えております。

 次に、農業・漁業の振興についてであります。

 生鮮食料品である、農水産物の価格は、消費動向や経済情勢の影響を受けやすく、全国的にも様々な方法で流通や販売形態を工夫する動きが広がっております。

 こうしたことから、新たに「農漁業六次産業化推進事業」を実施し、生産者の経営安定と地場産品のブランド化を推進いたします。

 具体的には、京阪神の中核市場への私自身による「トップセールス」や、新商品の紹介や販売を行う「実証フェア」、支援制度や新商品の開発等について生産者に情報を提供する相談会を実施し、農漁業の高度化に一体的に取り組みます。

 さらに、国の「新規就農総合支援事業」を積極的に活用し、独立する自営就農者に対し、経営が不安定な就農直後に給付金を交付することにより、地域農業の将来を支える担い手の育成を図ってまいります。

 次に、プロスポーツとの連携によるにぎわいづくりについてであります。

サッカーJリーグ徳島ヴォルティスは、昨シーズンJ2リーグ4位と、惜しくもわずかの差でJ1リーグへの昇格を逃しました。しかし、ホームゲームの年間平均入場者数は、過去最高の5,207人を記録し、多くの市民の皆様がスタジアムまで足を運ばれ、また多数の県外サポーターの方にもお越しいただきました。

 こうした盛り上がりを、今シーズンにつなげるため、来る3月4日に北九州市で開催される今シーズンの開幕戦において、市民有志の皆様や徳島ヴォルティスとの協働によるパブリックビューイングを、市民会館で開催することといたしました。

 今後も、こうした連携を図りながら、ラッピングバスの導入や婚活イベントなどを実施して応援の気運を盛り上げ、スポーツを通じた新たな交流とにぎわいを創出してまいります。

 次に、国際交流の推進についてでありますが、本市は、昨年10月に、中国 湖南省張家界市と友好都市提携を締結いたしました。

 1月23日には、本県と中国 湖南省長沙市を結ぶ定期航空チャーター便が初就航し、多くの方が、観光やショッピングを楽しまれました。今後、観光面など多方面で交流の拡大による地域活性化が期待されております。

 本市におきましても、友好交流の推進に向け、世界的な観光都市である張家界市の魅力を広く市民の皆様に知っていただくため、「交流の集いイベント」を開催いたします。

 また、日中国交正常化40周年を記念し、7月1日に、NPO法人 鳴門「第九」を歌う会との共催による「青島交響楽団コンサート in 鳴門」を文化会館で開催いたします。コンサートでは、地元合唱団との共演や中国楽器の演奏なども企画されており、中国文化を多くの市民の皆様に触れていただけるものと考えております。

(3)ずっと笑顔で 生きがい感じるまちづくり

 第二点は、「ずっと笑顔で 生きがい感じるまちづくり」についてであります。

 まず、男女共同参画社会の実現についてであります。

 本市では、平成13年にパートナーシッププランを策定するとともに、平成22年には、DV被害者支援のため女性支援センターを設置するなど、女性と男性が互いに人権を尊重し、その個性と能力を発揮できる社会づくりに向け、取り組んでまいりました。

 去る2月4日には、ドイツ館において、内閣府との共催による男女共同参画宣言都市記念式典を開催し、本市は県下初の「男女共同参画宣言都市」となったところでございます。

 来年度は、市民の皆様方の参画をいただきながら、男女共同参画推進条例の制定に向けた取り組みを進めることとしており、条例制定への気運を高めるため「男女参画社会づくり in NARUTO」を開催いたします。

 次に、地域医療の充実についてであります。

 健康保険鳴門病院については、県が国に対し、同病院を譲り受けることを申し入れる旨の意思表明を行ったところであり、去る2月8日には、「新たな鳴門病院のあり方検討委員会」の初会合が開かれるなど、現在、譲渡後の運営体制などについての検討が行われているところであります。

 今後も鳴門病院が、地域医療を支える公的病院の役割を着実に果たしていけるよう、引き続き、県、鳴門病院、市医師会等関係者の皆様と、さらに連携を密にしてまいりますとともに、「市民によって守り育てる病院」として、市民の意識をより高めていくため、鳴門病院との連携による健康づくりのための実践講座や介護予防等の啓発講座を継続して実施いたします。

 次に、発達障がい児の早期支援を目的とした巡回相談についてであります。

 子どもの発達支援については、将来にわたって集団生活を円滑に進めていくことができるよう、幼少期からの早期の発見や対応が重要であります。

 本市では、就学前の5歳児を対象とした医師や臨床心理士等の専門家による保護者相談や、保育所や幼稚園の集団場面での対応指導など、他市に先駆けて取り組んでまいりました。

 来年度は、5歳児を対象とした相談事業について、今年度の3園から7幼稚園の児童に拡大するとともに、保護者の悩みや不安を解消するため、相談後のフォロー事業を新たに実施するなど、支援の更なる充実を図ってまいります。

 次に、介護保険制度の円滑な推進につきましては、これまで、高齢者の方に介護を必要としない健康な状態で長く暮らしていただくことを目標に、運動教室の開催や、ボランティアポイント事業の実施等、介護予防事業を積極的に進めてまいりました。

 また、県下に先駆けてケアプランのチェックや介護相談員の派遣事業を実施するなど、給付の適正化にも取り組み、要介護認定率が県平均よりも低く推移するといった成果も表れてきております。

 こうしたことから、来年度から3ヶ年の介護保険料の基準額について、これまでと同額の4,800円に据え置くとともに、新たな所得段階を追加することにより、低所得者層の負担軽減を図ることといたしました。

 今後も引き続き、介護予防事業を推進するとともに、地域における見守り活動への支援なども進め、高齢者の皆様に住み慣れた地域で安心して生活していただけるよう取り組んでまいります。

 次に、子育て支援の充実についてであります。

 少子化や核家族化が進む中、子育てに関する保護者の不安や負担は増大し、子どもが多様な大人や子どもと関わる機会も減っているとの指摘がなされております。

 こうしたことから、鳴門駅西のキョーエイ鳴門店の空きスペースを活用し、子育て中の親子が気軽に集まり交流を図り、不安や悩みを相談できる、常設型の子育て支援拠点施設を新たに開設いたします。

 多数の人が集まる中心市街地への立地により、利用者の利便性が高まり、新たな交流が生まれることも期待されますことから、地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。

 次に、市指定ごみ袋無償交付制度の充実についてであります。

 現在、本市では、市民税非課税世帯のうち一人暮らしの70歳以上の高齢者などを対象に、市指定ごみ袋の無償交付を行っております。

 これに加え、新生児のいる世帯では、減量困難な紙おむつなどを日常的に必要とすることから、新たに本年4月1日以降に生まれた新生児1人につき100枚の市指定ごみ袋を無償交付し、子育て家庭への支援の充実を図ります。

 次に、学校施設の耐震化につきましては、子どもたちの安全確保はもとより、地域住民の避難場所の耐震化を進める観点から、計画を前倒しして整備を進めてまいりました。

 来年度におきましても、撫養小学校、桑島小学校、黒崎小学校校舎の耐震補強工事を実施するとともに、第一中学校校舎改築のための設計業務、鳴門中学校体育館の改築工事及び生徒数増に伴う校舎増築のための設計業務を実施することとしております。

 今後も国の補助制度を積極的に活用し、子どもたちにとってより良い教育環境の整備に最大限努めてまいりたいと考えております。

 次に、学校給食についてであります。

 本市では、幼稚園や小・中学校の完全学校給食を実施し、園児、児童生徒の健康増進や体力の向上を図ってきたところであります。

 将来にわたって、より安全で安定した学校給食を提供していくため、市内全体の学校給食をセンター調理方式で実施することといたしております。

 来年度は、新しい給食センターの事前調査業務や基本設計業務を実施し、学校給食のセンター化に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。

 次に、幼稚園の年長組における少人数学級の導入についてであります。

 本市の公立幼稚園におきましては、県下に先駆けて、平成19年度に年少組において30人学級を導入いたしました。

 その結果、「先生が園児一人ひとりにかかわる時間や密度が濃くなった」あるいは「子どもたちにゆとりが見られ、落ち着いて活動できるようになった」などの教育効果が表れており、保護者の方からも年長組での少人数学級の実施を望む声が多く寄せられております。

 こうしたことから、来年度より、県下初となる年長組での30人学級を導入し、よりきめ細やかな幼稚園教育の実現を図ることといたしております。

 次に、外国語教育推進事業についてでございます。

 本市では、これまで、小・中・高等学校に外国人の指導助手を派遣し、英語や外国語活動の授業を充実させるとともに、鳴門教育大学の小学校英語教育センターとも連携を図りながら、実践研究を進めてまいりました。

 こうした取り組みが先進的であるとの評価をいただき、去る2月10日と11日の2日間、全国から約700人の教職員の方々をお迎えして、第8回全国小学校英語活動実践研究大会鳴門市大会を開催したところであります。

 本市では「英語で話しかけられた時に、英語で受け答えする」、また「小学校での英語の授業が役に立った」と答える生徒の割合が、全国平均に比べて高いなど、取り組みの成果が表れております。

 こうしたことも踏まえ、来年度は、外国語指導助手を4名から5名に増員し、豊かな国際感覚とコミュニケーション能力を身につけた「世界へはばたく子ども」の育成をさらに推進してまいります。

 次に、平成19年度に引き続き二度目の開催となる「第27回 国民文化祭とくしま・2012」については、プロの演奏家による「とくしま国民文化祭記念オーケストラ」と市内の中学生や合唱団など多数の市民が共演する「クラシックコンサートin鳴門市」を11月7日に開催いたします。

 6月に開催される第九交響曲演奏会に加え、これらのコンサートを通じ、質の高い音楽文化に市民が触れることができる鑑賞機会を提供し、地域の音楽文化の振興と活性化を図ってまいります。

(4)しっかり安心・快適 住み良いまちづくり

 第三点は、「しっかり安心・快適 住み良いまちづくり」についてであります。

 初めに、地震や津波・台風等の災害に備えるための「防災対策事業」についてでありますが、昨年10月に策定しました「地震津波対策推進計画」に基づき、推進を図ってまいります。

 主なものを申し上げますと、まず、緊急情報を即時に皆様にお知らせするための防災行政無線の整備についてであります。来年度は実施設計を実施することとしており、平成25年度の整備実施に向け取り組んでまいります。

 また、付近に高台やビルなどの緊急一時避難場所がない、里浦町粟津・恵美寿地区からの避難に対応するため、里浦小学校屋上にフェンスを整備いたします。

 次に、自主防災組織については、今年度、新たに板東地区と大幸地区で5団体が結成され、組織率は81.5%となりました。今後も、組織率100%を目標に、結成の促進を図るとともに、避難路・避難場所整備に係る事業への助成などを行い、活動を支援してまいります。

 他にも、避難路、避難場所や津波避難ビル候補の見直し調査、避難場所表示看板の整備などを実施することとしており、市民の皆様とともに「人命を守ることを最優先にした 震災に負けないまちづくり」を推進してまいります。

 次に、デジタル消防救急無線の整備についてであります。

 これまで県内自治体では、平成28年5月末で期限を迎える、消防無線のデジタル化への切替を効率的に進めるため、県や県内の消防本部などで徳島県消防無線連絡協議会を組織し、協議等を行ってまいりました。

 来年度は、県が消防救急無線の共通波・活動波の実施設計を一括して行う予定としており、これに伴う本市の負担分を支出することといたしております。

 また、東日本大震災において、課題が明らかとなった非常時における消防団と消防本部との連絡体制を確かなものとするため、災害時にも安定して受信できる「デジタルMCA無線機」を各消防分団に、新たに配備いたします。

 これにより、災害時に特に重要とされる被災情報の迅速な収集分析や消防団員の安全確保につながるものと考えております。

 なお、整備を進めておりました消防庁舎につきましては、去る2月13日に消防本部の事務所機能を新庁舎に移転し、業務を開始いたしました。残る消防署等につきましても、3月中の完了に向けて順次、移転を予定しております。

 東日本大震災から一年を迎える3月11日には、新しい消防庁舎を使い、職員や消防団員を対象とした参集・通信訓練を行うこととしており、災害対策本部機能を備えた消防庁舎として、今後とも、有効に活用してまいりたいと考えております。

 次に、旧鳥居記念博物館については、同館が平成22年3月に閉館して以降、これまで施設の移管等について県と協議を重ね、本年4月に、県から譲渡を受ける予定としております。

 その後の利用につきましては、これまで地元の川東地区や、市民の皆様を対象とした意見交換会などでいただいたご意見を参考にするとともに、東日本大震災の経験を踏まえ、鳥居博士の顕彰や防災対策等を含めた利用計画案を取りまとめているところであります。

 今後、こうした点を踏まえ、耐震化対策を実施してまいりますので、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 次に、新しい公共交通体系の確立についてであります。

 平成24年度末をもって市営バス事業から撤退することを踏まえ、現在、将来的に持続可能な公共交通体系の構築に向けた取り組みを進めております。

 本年4月からは、市営バス路線である「市内循環線」を、地域バス路線として再編し運行することとしており、事務手続きを進めているところであります。

 事業清算にあたり必要となる資金については、第三セクター等改革推進債を活用することとしております。

 また、現在、市営バスで運行しております引田線、大麻線、北泊線の3路線につきましても「市民生活に必要な移動手段は基本的に確保する」との方針のもと、再編に取り組むこととしております。

 次に、下水道事業についてであります。

 下水道への接続促進については、これまでに市民の皆様からいただいたご意見や市議会におけるご議論等を踏まえ、「下水道普及促進対策助成金」のさらなる拡充を行うことといたしました。

 具体的には、現在の助成制度は継続したうえで、新たに複数の方がグループで接続される場合に助成金を最大20万円まで増額いたします。対象区域の多くの市民の皆様にご活用いただき、下水道の更なる普及促進につなげてまいりたいと考えております。

 また、引き下げ措置を実施しております、下水道使用料については、昨今の経済状況など様々な要因を考慮した結果、引き続き現行単価を継続することが適当であると判断いたしました。

 本市の美しい水環境の保全を実現するため、今後も引き続き、下水道事業の推進に努めてまいります。

(5)おおきく躍動 みんなで創るまちづくり

 第四点は、「おおきく躍動 みんなで創るまちづくり」についてであります。

 市政への市民参画と協働の推進については、昨年施行いたしました自治基本条例につきまして、その趣旨等を、一人でも多くの方にご理解をいただき、市政に関心を持ち、参画していただきたいと考えております。

 こうしたことから、広報なるとでの市民協働の具体的な紹介等、様々な機会をとらえ、条例の内容をご説明させていただいております。

 来年度は、さらに市民の意識醸成や啓発を図るため、協働のまちづくりをテーマとするまちづくり講演会を開催するとともに、市民による地域課題の解決や地域活性化の取り組みに対する支援の一層の充実を図ってまいります。

 なお、昨年、策定いたしました「市民との協働のまちづくり行政行動指針」について、現在、全職員を対象とした研修を実施しております。全ての職員が、市民の皆様との意思疎通を通じて信頼関係を構築し、積極的に地域の課題解決に取り組む責務を果たせるよう、引き続き努めてまいります。

 次に、競艇事業についてであります。

 経営改善を進めている競艇事業につきましては、「ボートレース鳴門経営改革アクションプラン」に基づき、関係者の方々のご協力をいただきながら、ボートレースのイメージアップや新規顧客の獲得、経営改善に向けた取り組みなどを進めてまいりました。

 また、昨年10月に開設いたしました外向発売所「エディウィン鳴門」についても、多くのお客様にご来場いただき、売上も順調に推移しているところであります。

 一方、本場の売上につきましては、減少していることから、その動向については注視していく必要があると考えております。

 今後におきましても、引き続きアクションプランの各取り組みを推進し、経営改善に努めてまいりますので、議員各位、市民の皆様のご理解を賜りますようお願いを申し上げます。