令和元年鳴門市議会第4回定例会

◆ 目 次

(1)はじめに

(2)ランニングイベントについて

(3)徳島ヴォルティスについて

(4)本市を取り巻く社会経済情勢とその対応について

(5)「四国のゲートウェイ化」構想の推進について

(6)交流拠点施設「道の駅なると(仮称)」について

(7)鳴門市・会津若松市親善交流都市提携20周年記念シンポジウムについて

(8)バングラデシュ人民共和国・ナラヤンガンジ市との交流について

(9)「いきいき百歳大交流大会」について

(10)「ハンセン病回復者一泊里帰り交流会」について

(11)食品ロス削減への取り組みについて

(12)ボートレース事業について

 

 

(1)はじめに

 本日、第4回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。
 今期定例会におきましては、補正予算案をはじめ、各種議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ちまして、まずは、諸般の報告と現在本市が当面している諸課題についての所信を申し上げ、議員の皆様をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 まず、台風などの災害への対応に向けた取り組みについてであります。
 先月10月12日から13日にかけて関東地方を縦断した台風第19号では、大雨特別警報が過去最多となる13都県に発令されるなど、豪雨被害が広範囲におよび、多くの住居等建物の浸水・倒壊や数多くの河川堤防の決壊、土砂災害が相次ぎ、農産物にも甚大な被害を及ぼしました。
 また、死者・行方不明者が90人を超えるとともに、今なお多くの方が避難所での生活を余儀なくされているところであります。
 ここに、お亡くなりになられました方々とそのご遺族に対し、心より哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。
 本市では、徳島県等の関係機関と連携し、職員を被災地である栃木県佐野市へ派遣するとともに、市役所本庁舎やボートレース鳴門本場に募金箱を設置し、義援金を募らせていただいており、今後におきましても、被災地の復旧・復興に向け、できる限りの支援をさせていただきたいと考えております。
 そして、今回の豪雨災害においては、多くの地域において実際の浸水域が各自治体の作成しているハザードマップの洪水浸水想定区域と一致するなど、ハザードマップの重要性が改めてクローズアップされました。
 本市においても、鳴門市に影響を与えることが予想される「吉野川」「旧吉野川」「新池川」の浸水想定区域図をもとに、それぞれの河川ごとにハザードマップを作成し、市公式ウェブサイトにおいて公開するとともに、全戸配布もさせていただいております。
 お住まいの地域や避難経路の危険性について再度ご確認いただくなど、ご家庭における防災教育、防災対策の情報源としてご活用いただけますようお願いいたします。

 災害は、いつ何時発生するか分かりません。本市でもこれまで災害時に備えて避難所の整備や食料品の備蓄、地域での防災訓練など、市民の皆様とともに防災・減災のための施策を進めてまいりました。
 しかしながら、防災・減災対策にゴールはなく、限られた予算の範囲内で防災・減災に特化した施策を推進することには限界があります。
 こうしたことから、本市では、日常から無意識のうちに災害時に備える状態を目指す「フェーズフリー」という考え方に着目し、市が進める各種施策にこの考え方を取り入れます。
 防災・減災を特別なものと考えず、日常生活から自然と災害に備えることができるまちづくりを目指すことにより、市民の皆様の生命・財産を守る取り組みのさらなる推進に努めてまいります。

 

(2)ランニングイベントについて

 次に、先月10月27日に開催いたしました「第3回なると島田島ハーフマラソン produced by  間寛平」についてであります。
 当日は晴天に恵まれ、大会プロデューサーである間寛平さんに加え、月亭八光さんや福本愛菜さん、お笑いコンビの「ギャロップ」や「女と男」などの吉本芸人の皆さんに応援に駆けつけていただくとともに、鳴門高校、鳴門渦潮高校の両校の生徒による応援、おもてなしなどにより、会場は大いに盛り上がりました。
 特に、地元高校生が実行委員会を立ち上げ、盛り上げるマラソン大会は全国的にも珍しく、テレビ番組で特集されるなど大いに注目を集めるとともに、ランナーからも大変ご好評をいただきました。
 また、高校生にとりましては、実践的な社会経験を得るための良い機会となり、地域・社会貢献の意識醸成にもつながりました。
 このように新たな取り組みにもチャレンジしながら、今年も1,268名ものランナーに「美しい風景」、「ハードなコース」、「笑い」を体感していただくとともに、鳴門スカイラインをはじめとする島田島の風光明媚な景観や魅力を県内外に存分に発信することができたものと考えております。

 また、11月10日には、「第5回鳴門リレーマラソン in 鳴門教育大学」を開催いたしました。
 当日は、過去最多となる81チーム、855名の皆様に参加いただき、最終周には、チーム全員で手をつなぎゴールするチームもあるなど、大いに盛り上がりを見せたところであります。

 さらに、12月22日には、「第30回大麻町ジングルベルマラソン大会」が開催される予定であります。
 それぞれ特色を持ったランニングイベントとして、関係機関等と連携し、交流人口の増加や地域活性化に繋げてまいります。

 

(3)徳島ヴォルティスについて

 次に、徳島ヴォルティスについてであります。
 今季のJ2リーグ戦の全試合日程が終了した結果、4位となり、J1参入プレーオフへの進出が決定いたしました。
 そして、12月1日にはいよいよ、ホームである鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムにてプレーオフ1回戦のヴァンフォーレ甲府戦が行われます。
 ホームタウンである本市においても、横断幕を市役所本庁舎に掲げるとともに、現在、試合の前日、当日のみ実施している「トリーデなると」のブルーライトアップをプレーオフ期間中は毎日実施するなど、全市を挙げて応援したいと考えております。
 これから一戦必勝の非常に厳しい戦いが始まります。ぜひ多くの方にスタジアムにお越しいただき、6年ぶりのJ1昇格に挑む徳島ヴォルティスに熱い声援を送っていただきたいと思います。

 

(4)本市を取り巻く社会経済情勢とその対応について

 

 次に、本市を取り巻く社会経済情勢とその対応についてであります。
 最近の社会経済情勢について概観いたしますと、内閣府の11月の月例経済報告の基調判断では、10月同様、「景気は、輸出を中心に弱さが続いているものの、緩やかに回復している。」とのことであります。
 しかしながら、景気の先行きについては、通商問題を巡る緊張、中国経済の先行き等の海外経済の動向や消費税率引上げ後の消費者マインドの動向に留意する必要があるとされております。
 また、台風第19号など相次ぐ自然災害による被災者の生活の再建と復旧・復興の取り組みを加速しつつ、東京オリンピック・パラリンピック後も民需主導の持続的な経済成長を実現するため、新たな経済対策の策定が政府において進められております。
 こうした状況を踏まえ、令和2年度の予算編成についても紆余曲折が予想されますことから、今後も国等の動向に注視するとともに、適切な財源確保に留意するなど、遺漏のない対応に努めてまいりたいと考えております。

 

(5)「四国のゲートウェイ化」構想の推進について

 

 次に、「四国のゲートウェイ化」構想の推進についてであります。
 先月10月19日、20日にウチノ海総合公園からボートレース鳴門に会場を移し、四国各地の肉グルメを堪能いただける「四国の肉グルメフェス」を開催いたしました。
 また、19日には「子どものまちフェスティバル」や鳴門板野青年会議所主催の「ULTIMATE FESTA 2019 in NARUTO」、20日には「鳴門のまつり」を同時開催いたしましたところ、秋晴れの中、市内外から多くの方にお越しいただき、周辺は大きな賑わいを見せました。
 そして、今年も12月1日から来年1月7日まで、市役所前広場におきまして「なると光のアート・イルミ2019 in 四国ゲートフェスタ鳴門」を実施いたします。
 「ナルト・シュトラーセ~鳴門海峡~」をモチーフに、市役所前広場がイルミネーションで煌めく空間に大変身します。
 12月22日には、市民会館も会場に加え「鳴門クリスマスマーケット2019 in 四国ゲートフェスタ鳴門」を開催することとしており、ダンス・音楽ステージやファイヤーパフォーマンスショーのほか、雑貨・飲食ブース、来場者に楽しんでいただける体験型イベントなど、ご家族で楽しめるイベントが盛り沢山となっておりますので、多くの皆様にお越しいただければと思います。

 

(6)交流拠点施設「道の駅なると(仮称)」について

 

 次に、「四国のゲートウェイ化構想」の中核プロジェクトとして、大津町備前島において整備を進めております交流拠点施設「道の駅なると(仮称)」についてであります。
 これまで、昨年12月に基本計画を策定以降、基本設計業務の発注や指定管理候補者の選定を行うとともに、アクセス性向上や施設の拡張性の確保等の観点から、事業計画地の拡張について関係機関等と協議を進めてまいりました。
 この度、現行の事業計画地に隣接する用地を新たに事業計画地に含めることについて関係機関等との協議が整いましたことから、用地取得等に必要となる予算案を今期定例会に提出しております。
 令和3年度末の開駅を目指し、引き続き、国や関係団体等と密接に連携しながら、鋭意、検討・準備を進めてまいります。

 

(7)鳴門市・会津若松市親善交流都市提携20周年記念シンポジウムについて

 

 次に、鳴門市・会津若松市親善交流都市提携20周年記念シンポジウムについてであります。
 11月9日、本市と会津若松市との親善交流都市提携20周年を記念して、鳴門教育大学の講堂において板東俘虜収容所の所長であった松江豊壽氏の功績について改めて顕彰し、後世に引き継いでいくためのシンポジウム「松江豊壽が遺したもの」を開催いたしました。
 当日は、映画「バルトの楽園」のダイジェスト版の上映や、同映画にて松江所長を演じた俳優の松平健さんによるトークショー、会津若松市の齋藤副市長、松江所長のご子孫の方などを交えたパネルディスカッションを開催し、松江所長の功績などについて意見交換を行いました。
 また、齋藤副市長からは、松江所長の生誕150年となる2022年に、本市と会津若松市の中高生により第九を合唱する構想についてご提案いただくとともに、今後の両市の交流の在り方について議論を深めさせていただきました。
 今後におきましても、会津若松市との連携を密にしながら、板東俘虜収容所で生まれた友愛の史実や両市の絆を次世代にしっかりと継承するための取り組みを進めてまいります。

 

(8)バングラデシュ人民共和国・ナラヤンガンジ市との交流について

 

 次に、バングラデシュ人民共和国・ナラヤンガンジ市との交流についてであります。
 ナラヤンガンジ市は、バングラデシュの首都ダッカの南東に位置し、人口は約200万人、面積は約72平方キロメートルの、繊維工業が盛んな、歴史ある交通の要衝の市です。
 ナラヤンガンジ市には、平成21年に、本市に本社を置く企業が進出したことを契機に、経済界を中心に交流が進められてまいりました。
 これまで、バングラデシュからは「国際舞踊団」が2回にわたり来鳴し、阿波おどりなどに参加し、市民との交流を図られております。
 また、ナラヤンガンジ市のアイビー市長や駐日バングラデシュ大使などの方々にも、鳴門市を訪問いただき、商工会議所や市議会関係者とともに会談し、友好都市のお話もお伺いしました。
 鳴門市側からは、商工会議所会頭を団長とする「地域・経済・文化交流ミッション」が訪問し、友好都市に向けた話し合いも持たれたと伺っております。
 昨年には、鳴門市とナラヤンガンジ市の友好都市提携を目指す民間団体として、本市の経済界を中心に、市議会議員等も参加した「徳島・日本バングラデシュ友好協会」が設立され、本市において、民俗や文化などを紹介する「バングラデシュ展」を開催されております。
 本市では、これまで、こうした経緯や経済界を中心とした強い要望もあり、ナラヤンガンジ市と相互発展が可能な交流について模索してまいりました。
 バングラデシュでは、総人口に占める働く人の割合が上昇し、経済成長が促進される人口ボーナス等により、高い経済成長が続いており、ナラヤンガンジ市との交流は、経済面では相互発展が見込まれるとともに、市民の国際理解が深まることにより、国際社会に通用する人材育成等にも資することが期待されます。
 こうしたことから、今後、ナラヤンガンジ市と相互発展が可能な交流方法等を協議し、友好都市提携に向けた意向書の締結を進めたいと考えております。

 

(9)「いきいき百歳大交流大会」について

 

 次に、「いきいき百歳大交流大会」についてであります。
 先月10月31日、鳴門・大塚スポーツパークアミノバリューホールにおいて、「第3回いきいき百歳大交流大会」を開催いたしました。
 当日は、市内57か所のいきいきサロンから約500名の皆様にご参加いただき、普段何気なく行っている「噛む」「飲み込む」「話す」などの動きに必要な口腔の機能を保つことに効果がある「健口体操」についての講演やサロンの活動報告などが行われ、参加されました皆様の交流を深めることができたものと考えております。
 今後とも、高齢者の皆様が住み慣れた地域で支え合いながら、健康で安全・安心な暮らしを送ることができる社会の実現に向け、地域での活動支援等の取り組みを進めてまいります。

 

(10)「ハンセン病回復者一泊里帰り交流会」について

 

 次に、11月7日に開催いたしました「ハンセン病回復者一泊里帰り交流会」についてであります。
 今回、香川県及び岡山県のハンセン病療養所で生活されている県内出身のハンセン病回復者である男女5名の方々を本市にお招きし、意見交換会や交流会を行いました。
 本市では、人権意識の高揚を図り、すべての人がお互いの人権を尊重することのできる社会の実現を目指して、毎年度人権セミナーや人権文化祭を開催するなど、これまでも様々な事業に取り組んできたところではありますが、今回お招きした方々より貴重なお話をお伺いし、改めてその思いをしっかりと受け止め、人権が尊重されるまちづくりに努めなければならないとの思いを強くしたところであります。
 この度の里帰り事業には、鳴門市婦人連合会をはじめとする市民団体の皆様にも多数ご参加いただきました。ご参加、ご協力いただきました関係者の方々に対しましてお礼申し上げます。

 

(11)食品ロス削減への取り組みについて

 

 次に、食品ロス削減への取り組みについてであります。
 先月10月1日に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行され、今年から10月は「食品ロス削減月間」、同月30日は「食品ロス削減の日」として定められました。
 本市においても、10月20日にボートレース鳴門で開催いたしました「鳴門のまつり」の会場において余っている食品を持ち寄り、フードバンクを通じて、それらを必要としている福祉施設や福祉団体に寄贈する活動である「フードドライブ」を実施いたしましたところ、来場者の方から多くの食品を提供いただきました。
 食品ロス削減は、持続可能な開発目標SDGsにも具体的な目標として記載されており、誰もが意識しなければならない社会問題でありますことから、食品ロス削減に資する取り組みを今後も継続的に実施してまいりたいと考えておりますので、市民の皆様の積極的なご協力をお願いいたします。

 

(12)ボートレース事業について

 

 最後に、ボートレース事業についてであります。
 昨年11月17日にグランドオープンいたしましたスポーツパーク「UZU PARK」につきましては、西日本最大級のスケートパーク場などが話題となり、県外からも多くの皆様にお越しいただいており、市の新たな交流拠点として大きな賑わいを見せております。
 12月1日には、「UZU PARK」のグランドオープン1周年を記念し、「2019 TOKUSHIMA 3×3 UZUPA CUP」を開催いたします。
 当日は、中学生を対象とした3×3トーナメントに加え、プロバスケットボール選手からの指導を直接受けることができるクリニックや徳島インディゴソックスの選手との1on1チャレンジ、エキシビションマッチなどを予定しており、一日中お楽しみいただける内容となっております。
 今後におきましても、皆様に親しまれるランドマークとなりますよう、様々なイベントの企画などを行い、地域に貢献できるボートレース鳴門となるよう取り組んでまいりたいと考えております。