令和6年鳴門市議会第2回定例会
◆ 目 次
(16)「大阪・関西万博等を見据えた賑わい創出事業」について
(1)はじめに
本日、第2回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。
今期定例会におきましては、令和6年度一般会計補正予算案など、各種議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ちまして、まずは、諸般の報告と当面の諸課題についての所信を申し上げ、議員の皆様をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
(2)「市役所新庁舎の開庁」について
はじめに、「市役所新庁舎の開庁」についてであります。
「市民の安全安心をまもり 絆をはぐくむ「鳴門らしい庁舎」」を基本理念に、平成29年度より建設を進めておりました市役所新庁舎は、無事に工事を終了し、ゴールデンウィーク明けの5月7日より業務を開始いたしました。
議員の皆様をはじめ、市民の皆様、設計・施工に携わっていただきました関係者の皆様に深く感謝を申し上げます。
新庁舎では、「免震構造」を採用し、南海トラフ巨大地震といった大地震の揺れから来庁者を守るとともに、庁舎地盤の底上げや防潮壁などを整備し、最大クラスの津波にも対応しましたことに加え、2階の2つの会議室とエレベーターホールの最大約441㎡のスペースは、平常時には式典会場などとして、災害時には非常用電源を確保した一時避難場所として利用できるなど、「フェーズフリー」の観点に基づいた防災拠点機能を備えております。
また、市民サービスの向上においては、教育委員会など最大7か所に分散しておりました行政機能を新庁舎に集約するとともに、市民の皆様の利用頻度が高い窓口を1階に集め、窓口カウンターを一列に配置することにより、視認性などを高めましたほか、「多言語通訳システム」や「キャッシュレス決済」、「行かない窓口」、「書かない窓口」など、窓口のデジタル化を推進し、来庁者の利便性向上を図っております。
また、日常的に利用するメインエントランス付近には、南北の外付け階段を設置し、災害時には外から直接庁舎に避難することが可能であることや、環境面では、省エネ性能「ゼブレディ」を取得するなど、高い環境性能も兼ね備え、未来を見据えた防災拠点にふさわしい庁舎となっております。
業務開始に先立ちまして、去る4月20日には、大勢のご来賓の皆様にご臨席を賜り、「新庁舎開庁記念式典」を挙行するとともに、市民の皆様へのお披露目の機会として、「開庁記念イベント」を開催いたしましたところ、約5,000人の皆様にご来場いただき、多くのお祝いのお言葉を頂戴いたしました。
イベント会場では、「第九」の合唱などのステージイベントや、市役所マルシェの開催により盛り上がりを見せましたほか、庁舎の内覧会では、全フロアへの多機能トイレの整備やバリアフリー対応設備の配置、開放的な空間の実現などにより、誰もが利用しやすい庁舎であることを市民の皆様に体感していただけたものと考えております。
この新庁舎が市民の皆様に永く愛され、本市のシンボルとして「あらたな なると」を創り出す存在となるよう、引き続き全職員が一丸となり、効率的で質の高い行政運営に努めるとともに、市民の安全安心を守るフェーズフリーなまちづくりを、ソフト面とハード面の両面から進めてまいります。
(3)「鳴門市新庁舎開庁記念展示」について
次に、「建築家・内藤廣 鳴門市新庁舎開庁記念展示」についてであります。
新庁舎の開庁を記念し、新庁舎の建設や、本市のまちづくりに関連する模型や映像展示に加えて、設計を担っていただいた建築家の内藤廣氏が、これまでに手がけられた代表的な建物などを紹介する展示を、6月29日まで市役所本庁舎2階にて行っております。
6月8日には、内藤氏による「鳴門市新庁舎について」をテーマとする記念講演会を開催する予定としておりますので、多くの方にご参加をいただきたいと考えております。
また、約60年にわたり親しまれました旧庁舎は、解体することとなりますが、その感謝を込めたお別れイベントである「じゃあ、ね祭り」を、6月15日・16日の両日に旧庁舎及びその周辺で開催いたしますので、こちらにもぜひご参加をお願いいたします。
(4)「自転車フレンドリーなまちづくり」について
次に、「自転車フレンドリーなまちづくり」についてであります。
令和5年4月から、自転車に乗る際はヘルメットの着用が努力義務化されておりますが、本県の着用率は27.2%にとどまっており、特に高校生の着用率は低い傾向にあります。
そのような中、本年4月、高校生が乗る自転車と乗用車の交通事故が市内で発生しましたことを受け、本市と「自転車フレンドリーなまちづくりに関する連携協定」を締結しておりますメリダジャパン株式会社より、去る5月9日に、自転車用ヘルメット20個を寄附いただきました。
市内の2つの高校における交通安全運動などの取り組みにこのヘルメットを活用いただき、ヘルメットの着用率を向上させ、交通安全の推進につなげてまいります。
(5)「事業者との連携協定締結」について
(ⅰ)「プロトスター株式会社との連携協定」について
次に、「事業者との連携協定締結」についてであります。
まず、「プロトスター株式会社との連携協定」についてでありますが、本市では、令和5年度から移住起業アカデミー「NARUTO BOOT CAMP」をスタートするなど、市外から新たなビジネスを呼び込み、地域活性化につなげる取り組みを進めております。
今年度からは、革新的なビジネスモデルで短期間に急成長し、社会に新たな価値を創造するスタートアップ企業の創出に取り組むこととしており、去る5月1日には、スタートアップや起業家支援サービスを幅広く展開するプロトスター株式会社と連携協定を締結いたしました。
今後は、同社と連携することにより、地元企業等とのオープンイノベーション促進やスタートアップ創出に向けた育成プログラム構築など、四国で随一の「スタートアップが集まるまち・生まれるまち」を目指し、取り組んでまいります。
(ⅱ)「株式会社エスプールグローカルとの包括連携協定」について
次に、「株式会社エスプールグローカルとの包括連携協定」についてであります。
本市では、子育て世代の女性など、事務系人材の雇用創出が図られるコールセンターの立地に向け、これまで誘致活動を行ってまいりました。
一方で、将来にわたり安定的で持続可能な行政サービスを提供するためには、BPRやDX推進による業務の改善・効率化が急務となっております。
そのような中、デジタル技術を活用した行政サービスの向上など、自治体連携BPOセンターとして、全国20か所でコールセンターを展開しております株式会社エスプールグローカルと、5月21日に包括連携協定を締結いたしました。
今後におきましては、同社のコア業務である行政事務のデジタル化やBPOの推進、デジタル技術を活用した市民サービス向上はもとより、共助交通など地域内交通課題や地元雇用創出による移住定住促進など、地域活性化に向けて連携して取り組んでまいります。
(6)「令和6年能登半島地震」の被災地支援について
次に、「令和6年能登半島地震」の被災地支援として、1月下旬から順次職員を派遣しておりましたが、5月末をもって派遣終了となりました。
本市からは延べ14名の職員を被災地に派遣し、現地での避難所運営支援や罹災証明発行業務などに携わりましたが、こうした派遣職員の被災地での経験を全職員で共有し、本市の防災訓練等の取り組みに活かしながら、喫緊の課題である地震・津波への対策の強化に取り組んでまいります。
また、一般社団法人日本石材産業協会及び同協会徳島県支部と「災害発生時における応急対策業務に関する協定」を、去る5月31日に締結し、本市が被災した場合などに、石材構造物等による被害拡大防止のため、応急対策業務にご協力をいただけることとなっております。
(7)「なると第九」について
次に、「なると第九」についてであります。
去る5月19日に、昨年度に引き続き鳴門教育大学のご協力のもと、同校の体育館に特設ステージを設置し、「第40回ベートーヴェン「第九」交響曲演奏会」を開催いたしました。
本年で40回目という記念演奏会でありますとともに、「第九」がウィーンで初めて演奏されてから200年という、メモリアルイヤーにふさわしい、素晴らしい演奏会となりました。
全国からはもとより、海外からもご参加いただき、約240名の合唱団員とソリストによる世界平和を願う迫力ある歌声が約850名の観客を魅了し、会場全体が一つとなり、大きな感動に包まれました。
また、翌日の5月20日には、指揮者を務めていただいた鳴門教育大学大学院の山田啓明教授を講師として、「第九」特別講演会を開催いたしました。
「私にとってのベートーヴェンの『第九』」と題して、「第九」との出会いや思い出、指揮者から見た魅力や表現方法などについて、音楽を交えて分かりやすくご講演をいただきました。
第九演奏会の開催に当たり、ご協力いただきました関係者の皆様に、改めてお礼申し上げます。
さらに、去る6月2日には、鳴門市ドイツ館開館30周年を記念してドイツ館前広場のベートーヴェン像を背景に、手軽に写真や動画が撮影できるよう、鳴門、鳴門西の両ライオンズクラブより撮影台を寄付いただきましたので、多くの方に積極的に活用をいただけますと幸いであります。
(8)「観光振興を通じた地域活性化」について
次に、「観光振興を通じた地域活性化」についてであります。
本市ではこれまで、閉校学校施設利活用事業を進めてまいりましたが、去る6月1日に、旧瀬戸幼稚園・小学校が「トナル瀬戸」として、旧島田幼稚園・小学校が「トナル島田」としてグランドオープンを迎えました。
両施設は、徳島新聞社・エアトラベル徳島グループにより運営され、「トナル瀬戸」では、本市初となる常設の阿波踊り体験施設や、ウチノ海での釣り体験ができるほか、「トナル島田」では、オートキャンプ場が整備され、いずれも瀬戸町の文化や豊かな自然を存分に満喫できるものとなっております。
多様化する観光ニーズに対応した新たな観光スポットとして、地域活性化の起爆剤になるものと大いに期待いたしますとともに、本市といたしましても、関係団体の皆様と連携し、観光振興と地域の活性化を推進してまいりたいと考えております。
(9)「鳴門市観光振興計画」について
次に、「鳴門市観光振興計画」についてであります。
本市の観光行政を取り巻く状況は、大阪・関西万博の開催や大鳴門橋自転車道の開通、大阪IRの開業などを契機に、大きな転換期を迎えております。
こうした中、これまでの課題やコロナ禍以降の多様化する観光ニーズ等の環境の変化を踏まえるとともに、第4期の「徳島県観光振興基本計画」と歩調を合わせながら、的確かつ迅速に観光施策を推進するため、「第2期鳴門市観光振興計画」を策定いたします。
今後は、市の現状や課題について関係者との意見交換等を行い、策定に向けて官民一体となって進めてまいります。
(10)「鳴門市阿波おどり」について
次に、本市の一大イベントであります「鳴門市阿波おどり」について、去る4月26日の「鳴門阿波おどり実行委員会」において、開催概要が決定されました。
県下でトップを切って開催いたします「鳴門市阿波おどり」は、鳴門公園千畳敷での初踊りを皮切りに、8月9日から11日までの3日間、JR鳴門駅西側周辺特設演舞場で実施いたします。
また、今年の「鳴門市阿波おどり公式ポスター」をはじめ、有料演舞場入場特典の「うちわ」や、にわか連参加特典の「手ぬぐい」は、「ししゃもねこ」の作者であり、本市在住の人気キャラクターデザイナーである川久保貴美子さんのオリジナルデザインとなっています。
各日、数に限りがございますので、ぜひともこの機会に有料演舞場でのご観覧や、にわか連へご参加いただき、「ししゃもねこ」とともに鳴門の阿波踊りをお楽しみください。
阿波おどりを通じまして、県内外からの誘客につなげるとともに、皆様に安全安心に楽しんでいただけるイベントとなるよう、引き続き関係者の皆様と準備を進めてまいります。
(11)「NARUTOスポーツデー」について
次に、「NARUTOスポーツデー」についてであります。
令和5年度に終了した住民参加型イベント「チャレンジデー」にかわる本市独自の事業として、去る5月29日に、鳴門・大塚スポーツパークほか市内各所にて、「NARUTOスポーツデー」を初開催いたしました。
当日は、「気軽にスポーツをしよう!」をテーマに、お子様からご高齢の方まで、幅広い世代の方にお楽しみいただける体験メニューを用意しましたほか、今後の運動のきっかけづくりとなるよう、自身の体力年齢を測る「全国カラダ年齢測定会」を開催し、多くの皆様にご参加いただきました。
NARUTOスポーツデーを通して、今後も市民の皆様の運動習慣の継続による心身のリフレッシュや、健康増進につながるような機会を創出してまいりたいと考えております。
この度の開催に当たり、ご尽力いただきました協力団体や関係者の皆様に、改めてお礼申し上げます。
(12)「第33回オリンピック競技大会」について
次に、7月26日からフランス・パリで開催されます第33回オリンピック競技大会に、本市にゆかりのある大塚製薬陸上競技部の古賀友太選手が、陸上競技男子20km競歩に日本代表として出場されることとなりました。
現在は、オリンピック出場をお祝いする横断幕を消防庁舎に設置し、応援する機運の醸成を図っております。
古賀選手のオリンピックでのご活躍を祈念いたしますとともに、市民の皆様も一丸となって応援をいただけますよう、よろしくお願いいたします。
(13)「本市を取り巻く社会経済情勢への対応」について
次に、「本市を取り巻く社会経済情勢への対応」についてであります。
まず、去る4月24日には、民間組織である「人口戦略会議」により「消滅可能性自治体」が公表され、県内の15市町村とともに、本市も新たに該当するとされました。
これは、昨年12月に、国立社会保障・人口問題研究所の地域別将来推計人口を基に、2050年までの30年間において、20代から30代の女性が推計人口の半数以下になると「消滅可能性自治体」に該当するものとされております。
今回の公表データは一つの参考にしつつも、一喜一憂せず、まずは「人口減少対策・子育て支援」として、「出会い」に重点をおいた結婚支援、「雇用の場」の維持や創出、さらには本市総合戦略の改訂にも取り組み、対応を行ってまいります。
加えて、「子どもたちの確かな学力の向上」などの各施策を着実に実施し、長年の課題となっております「高校の学区制見直し」の実現については、昨日第1回目の会議が開催されました、県の有識者会議における議論の方向性を注視しつつ、引き続き各所に強く働きかけを行ってまいります。
(14)「物価高への対応」について
次に、「物価高への対応」についてであります。
昨年11月に政府は、デフレ完全脱却のための総合経済対策における物価高への対応として、給付金・定額減税の一体措置を実施すると表明いたしました。
給付金につきましては、令和5年度より住民税の「非課税世帯」や「均等割りのみ課税世帯」への給付を行っておりますが、令和6年度に新たに住民税の非課税世帯等になったことで給付対象となった方へ、同様の給付を実施いたします。
また、令和6年度には、納税義務者ご本人と扶養者等を対象とした所得税及び市・県民税の定額減税が実施され、減税しきれないと見込まれる方に対して調整給付金を給付することとしており、政府は、できるだけ早期に給付を開始するよう自治体に求めております。
こうしたことから、いち早い給付につなげられるよう、5月専決補正予算にて措置を行い、現在は給付対象者の抽出作業を進めているところであり、円滑な事業の進捗を図るとともに、丁寧な説明を行ってまいります。
なお、対象の方には、7月下旬を目途に市からご案内し、早期の給付を行ってまいります。
(15)「バーチャル鳴門市役所構築事業」について
次に、「バーチャル鳴門市役所構築事業」についてであります。
本事業は、国の「デジタル田園都市国家構想交付金」を活用し、主に若年層が参加するインターネットの仮想空間「メタバース」上に、「バーチャル市役所」を構築する事業であります。
具体的には、去る5月7日に業務を開始した新庁舎を訪れることのできない市外や県外の方々などに、遠くにいながらも本市の観光・物産などの市の魅力に触れる機会を創出するとともに、オンラインで行える手続きや相談の案内など、行政サービスについても紹介するものであります。
さらに、こうした空間を活用し、若年層を中心とした方々に市政についての意見交換やアイデア創出に参画いただくなど、本市の行政に関わる人口を増やすとともに、そこで出された意見やアイデア等を様々な分野で活用を図り、まちづくりの推進や市政の課題解決にもつなげてまいります。
(16)「大阪・関西万博等を見据えた賑わい創出事業」について
次に、「大阪・関西万博等を見据えた賑わい創出事業」についてであります。
これまで本市では、関西圏に隣接しているという本市の立地を最大限に活かすため、イメージ戦略や情報発信、各種イベントの実施などを通じ、四国の玄関口としての認知度向上を図る「四国のゲートウェイ推進プロジェクト」を実施してまいりました。
開催目前であります「大阪・関西万博」を見据え、当該プロジェクトに位置付けた着地型イベントの実施などを一層推進するため、「四国のゲートウェイ推進プロジェクト支援補助金」の拡充などに向けた検討を進めております。
また、大阪・関西万博以降も、「ワールドマスターズゲームズ2027関西」や、2027年度完成予定の「大鳴門橋自転車道」、「大阪IR」など、新たな人の流れが生まれる絶好の機会が訪れることになります。
こうした機会を見据え、本市の魅力発信や自転車による観光振興を図るため、この度、「サイクルアンバサダー制度」を創設いたします。
現在、様々なメディアでご活躍をしており、日ごろから自転車の魅力を発信しております、サッカー元日本代表の前園真聖氏をアンバサダーに委嘱したいと考えており、自転車観光情報の発信や11月3日の「なると サイクリングの日」への招聘などを通じて、サイクルツーリズムの推進や本市のブランド力向上を図ってまいります。
(17)「新型コロナウイルスワクチンの予防接種」について
次に、特例臨時接種で実施されております「新型コロナウイルスワクチンの予防接種」については、令和6年度から定期接種となります。
接種に当たり、これまでは国がワクチンを確保し、配送指示をするなど特別な供給体制のもとで実施されておりましたため、本年度は定期接種への移行期として、国による一定の助成がされることになっております。
なお、接種に当たりましては、4,000円の自己負担が必要となってまいります。
秋からの定期接種の開始に向けて、円滑な接種につながるよう鳴門市医師会の皆様にご協力を賜りながら、事業を進めてまいります。