令和3年鳴門市議会第2回定例会
◆ 目 次
(4)「おうちで第九」及び「NARUTOオンラインギャラリー」について
(1)はじめに
本日、第2回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。
今期定例会におきましては、長引く新型コロナウイルス感染症の感染拡大により影響を受けている方々への支援として、本市における緊急支援策「第11弾」となる令和3年度一般会計補正予算案など、各種議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ちまして、まずは、諸般の報告と本市が当面している諸課題についての所信を申し上げ、議員の皆様をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
はじめに、新型コロナウイルス感染症の感染状況についてであります。
3月下旬以降、「従来株」より感染力が強いとされる「変異株」の影響により、東京都、大阪府などで感染が急拡大し、4月25日からは3回目の「緊急事態宣言」が発令されたところであり、現在のところ10都道府県にまで発令が及んでおります。
最初の発令から1か月を経過いたしましたが、これらの地域の感染状況を示す指標は、宣言を解除できる水準にまで減少していないことから、発令の期限が6月20日まで延長されたところであります。
都市部を中心とする感染拡大の動きは地方へも波及し、本県においても4月以降の1月半で、感染者数が1,000名を超えるなど急拡大をしたところであり、県とともに感染抑制に向けた取り組みを行ったところであります。
こうした結果、現在のところ新規感染者数が減少するなど一定の効果が現れておりますが、いつまた急速な増加に転じてもおかしくなく、予断を許さない状況にあると考えております。
新型コロナウイルス感染症の収束見通しについては依然として不明瞭であり、今後も国等から提供される情報の早期の周知に努めますとともに、県と連携して感染拡大防止等の対策を講じることといたしますが、市民の皆様には、今後も警戒を緩めることなく引き続き「マスク着用」など基本的な感染防止対策の徹底をお願いするとともに、県境をまたぐ不要不急の往来を控えていただくなど、より一層のご理解とご協力をお願いいたします。
(2)新型コロナウイルスワクチン接種について
次に、新型コロナウイルスワクチン接種の状況についてであります。
新型コロナウイルスワクチンの接種は、ワクチン接種により多くの方が免疫を獲得することで、感染拡大を抑える効果など現在の状況を打開する切り札として期待されております。
本市においては、国の示す接種順位や提供されるワクチン量に応じ、まず3月中旬から医療従事者へ、続いて高齢者施設に入所されている高齢者の方への接種を進めてまいりました。
5月中旬に入り、国からのワクチンの供給が本格化し、必要量が確保できたことから、75歳以上の後期高齢者約9,400名を対象として「接種券」を送付して5月12日から受付を開始いたしました。
時間帯によって、コールセンターへの電話が繋がりにくいなど、大変ご不便をおかけいたしましたが、専門業者への委託運営によるコールセンターに加えて、混雑解消に向けて市直営のコールセンターを設置し、ご希望をお伺いした上で、丁寧にご案内をするなどの対応に努めたところであります。
予約については、対象者のうち約8割の方々にご予約をいただいている状況であり、5月17日より、市内37か所の指定医療機関、医師会の先生方等にご協力をいただく中で接種を開始し、接種状況につきましては、現在までに、約7,400名の方が1回目の接種を完了し、本日から3週間以内に2回目の接種を順次受けられる予定となっております。
医師会の先生方をはじめ、接種に多大なご協力をいただいております「37の医療機関」の方々へ感謝を申し上げますとともに、引き続きご協力を賜りますようお願い申し上げます。
次に、今後の接種の予定についてでありますが、65歳から74歳までの前期高齢者約9,800名の必要量のワクチンが確保できる見通しがついたことから、対象の皆様に、「接種券」が6月9日に届くように送付し、6月9日からコールセンターにて予約を受付けいたします。
予約開始時は申し込みが集中することも考えられますが、対象者お一人につき2回分のワクチン量並びに各医療機関での予約枠は確保できておりますので、つながりにくい場合は、時間を置いてお電話いただくなど、皆様には落ち着いた行動をお願いいたします。
後期高齢者の方で、まだ予約がお済みでない方も前期高齢者の方と同様に予約をしていただけます。
また、お住まいの近くに医療機関がない方、休日などに接種を希望する方などを対象にしました「集団接種」を実施いたします。
1回目の接種が6月19日から6月27日まで、2回目の接種が7月10日から7月18日までの期間のうち、それぞれ土曜日、日曜日に実施し、会場についてはボートレース鳴門敷地内の「ウズパーク」や「大麻中学校」を予定しておりますので、ご希望の方は、コールセンターでのご予約をお願いいたします。
また、高齢者の次の接種順位のうち、国が示す基礎疾患を有する方への接種に向けた準備を開始いたします。
市役所本庁受付や健康増進課などに備え付け、市公式ウェブサイトからもダウンロード可能な所定の申請書により、基礎疾患の内容などを個々に申請していただき、7月以降に接種券をお手元にお届けする予定としておりますので、こちらにつきましても、市コールセンターでのご予約をお願いいたします。
本市では、安心、迅速、円滑に接種を進めるという方針で広報、接種券のご案内、接種方法などの制度設計を進めております。
市民の皆様の賛同を得ながらではありますが、「施設を守る」、「子どもの命あるいは学びの場を守る」といった観点並びに重症化リスクやクラスター発生リスクへの配慮から、障がい者施設入所者、在宅系の介護サービス事業者の従事者、又は保育士の方や教員の方などに関して、市独自の視点による接種順位についての検討を進めております。
接種方法、ご案内のタイミング等に関する課題など、事前の調整等を行い、方針等もお示しさせていただきながら、7月中にはこれら優先接種を含めた一般段階の皆様への接種を段階的に開始したいと考えております。
引き続き「安心、迅速、円滑なワクチン接種」を目指してまいりますので、市民の皆様のご理解とご協力をいただきますようお願いいたします。
(3)スポーツを通じた地域振興について
次に、スポーツを通じた地域振興についてであります。
まず、「徳島ヴォルティス」についてであります。
7年ぶりのJ1昇格を果たしました徳島ヴォルティスは、新型コロナウイルス感染症に伴う海外からの渡航禁止措置を受けて、監督不在という状態で2月27日のアウェイでの開幕戦を迎えました。
開幕戦は惜しくも勝利とはなりませんでしたが、J1リーグにおいても、昨年のJ2リーグ優勝の勢いそのままに、善戦が続き、ついに3月21日の横浜FC戦にて、待望のJ1リーグホーム初勝利を果たし、以降3連勝を飾るなど、明るいニュースを提供いただいたところであります。
そして、3月25日には岩尾 憲主将とともに、「J1ホーム初勝利」の路面シールを設置するなど、ヴォルティスロードの完成を祝う記念セレモニーを開催いたしました。
その後において、ダニエル・ポヤトス新監督もチームに合流し、現在のリーグ戦成績は、5勝4分9敗で、順位は13位となっており、まずはJ1上位を目指して、さらなる奮闘を期待するところであります。
本市においても、5月19日には「ヴォルティスロード」上の大道銀天街にて商店街の皆様や市民団体「和緒一なると」の皆様とともに、「ようこそ Jリーグのあるまち 鳴門」とデザインされた「応援タペストリー」を設置するなど、ヴォルティスロードの整備を順次進めております。
今後も応援機運の醸成とサポーターの皆様の受け入れ環境の整備を軸に、「ホームスタジアムのあるまち」としての本市の魅力発信に努め、市民の皆様とともに地域活性化とにぎわい創出につなげてまいります。
次に、「NARUTOスポーツコミッション」の設立についてであります。
本市においては、これまでのスポーツ振興や市民の皆様の健康づくりへの取り組みのほか、平成30年度よりスポーツを産業として捉え、スポーツ大会や合宿を積極的に誘致、開催するなどスポーツを通じた地域活性化に取り組んでいるところであります。
こうした取り組みをさらに加速させるためには、地域のスポーツ団体、観光事業者等の民間事業者の方々が持つ知識や経験等が必要不可欠であることから、去る3月30日に、スポーツを通じた地域振興の中心を担う組織として、官民19団体による「NARUTOスポーツコミッション」を設立したところであります。
今後は、スポーツコミッションを通じて、官民連携のもと、これまで以上に積極的にスポーツ関連事業に取り組んでまいります。
次に、「さつき・ラン&ウォーク」についてであります。
5月1日から5月31日までの期間において、一般財団法人アールビーズスポーツ財団が主催する「さつき・ラン&ウォーク2021企業対抗戦」に鳴門市役所として参加をいたしました。
当該イベントは、スマートフォンアプリを用いて、ウォーキングの平均歩数又はランニングの平均走行距離を競う企業対抗型のオンラインスポーツイベントであり、県内からは9つの企業等が参加をいたしました。
鳴門市役所では、期間を通じて職員の参加があり、市職員が率先して健康増進に取り組む姿をお見せすることで、市民の皆様の健康意識の向上を図ることを目的として実施したところであります。
コロナ禍の現状においては、何かと自宅に閉じこもりがちになることも多いことと思いますが、適度な運動を行うことは健全な免疫力の維持につながり、感染症等の予防にも有効であると考えられますので、市民の皆様におかれましても、密にならず、感染予防対策を行っていただいた上で、ご自分の体力に応じて運動を行っていただきたいと思います。
次に、「東京2020オリンピック 聖火リレー」についてであります。
7月23日から開催が予定されている東京2020オリンピックの聖火リレーが県内において、4月15日から2日間の行程にて行われたところであります。
本市においては、初日となる15日の最終区間、鳴門中学校前から鳴門ウチノ海総合公園までの2.4kmを13人のランナーが聖火をつなぎ、アンカーとして、本市出身でシドニーオリンピックに出場しました市橋 有里さんにより、公園内のセレブレーション会場に設けられた聖火皿に聖火がともされ、無事ゴールを迎えたところであります。
そして、現在、6月1日から8日までの間、大道銀天街のひかりやギャラリーにおいて、新旧ふたつのオリンピック聖火リレーを振り返るパネル展を開催しております。
今回の聖火リレーで実際に使用されたトーチやユニフォームの展示、また、「1964年東京オリンピック」聖火リレーの様子も写真で紹介しております。
現地で見ることができなかった方も是非、パネル展をご覧いただければと思います。
(4)「おうちで第九」及び「NARUTOオンラインギャラリー」について
次に、「おうちで第九」についてであります。
本市では、これまで6月の第一日曜日にベートーヴェン「第九」交響曲演奏会を開催してまいりましたが、会場であった鳴門市文化会館を令和3年3月31日に休館したこと、また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、合唱を伴う演奏会の開催が難しい状況となっていることにより、今年については演奏会を開催しないことといたしました。
このことから、「なるとの第九」を絶やさないよう、また合唱活動の継続に資するよう、昨年に引き続き全国の皆様から「第九」を歌う動画を募集する「第九動画で『なるとの第九』を未来へつなごうキャンペーン」を実施することといたしました。
4月30日から5月20日までの期間に募集いたしましたところ、応募件数は86件、参加人数は115名となったところであります。
今回は、鳴門市出身でウィーン在住のピアニスト石井琢磨さんにも動画にご参加をいただきました。
応募いただいた動画につきましては、一本の動画に編集し、6月6日に動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開したところであります。
今後も、この動画などを通じまして、「第九」が築いてきた絆、第九の歌詞に歌われている人類友愛の精神を発信していきたいと考えております。
次に、「NARUTOオンラインギャラリー」についてであります。
5月8日から5月16日にかけて開催予定であった鳴門市文化展につきまして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、開催をやむなく中止とさせていだいたところであります。
しかしながら、市民の皆様の文化活動の発表の場を確保する観点から、市公式ウェブサイトに「NARUTOオンラインギャラリー」を開設いたしました。
文化展で発表する予定であった絵画、短歌、書道など、計138点もの作品を掲載いたしております。
6月30日まで掲載いたしておりますので、ぜひ出品していただいた皆様の心のこもった作品をご覧いただければと思います。
今後も、コロナ禍においても市民皆様の文化活動の振興が継続できるよう努めてまいります。
(5)市の鳥「コウノトリ」の近況について
次に、市の鳥「コウノトリ」の近況についてであります。
本年においても、4月に大麻町で3羽のコウノトリの雛が誕生いたしました。
5月17日に雛の性別が判明し、3羽とも雌であることが確認されました。
雛の愛称については、地元の堀江南小学校の児童の皆様からいただいた候補の中から選定した結果、「えがお」、「にじ」、「花(はな)」に決定いたしました。
愛称の理由といたしましては、雛が、元気いっぱいに育ってほしいこと、父親の「ゆうひ」と母親「あさひ」から連想した名前であること、命が大きく、立派になってほしいこと、であります。
現在本市は、今回誕生した雛も含め、コウノトリが引き続き安心して子育てができ、定着が図られるよう、コウノトリの生息環境整備等への取り組みを行っており、去る3月30日には、NPO法人とくしまコウノトリ基金と市有地を活用したビオトープの整備に係る協定書を締結いたしました。
また、こうした活動について地域からの後押しとして、市内の本家松浦酒造場からとくしまコウノトリ基金に対し、同社の製品である「コウノトリの酒 朝と夕」の売り上げの一部をビオトープの整備にご寄附をいただいたところであります。
今後におきましても、とくしまコウノトリ基金や地域の皆様等とともに「安定した生息及び繁殖地」としてビオトープの整備等を図りながら、コウノトリと地域が共生する環境の再生に取り組んでまいります。
(6)教育環境について
次に、「教育施設の完成」についてであります。
まず、旧堀江公民館は、老朽化し耐震性を満たしていなかったことから、昨年度より近隣で土砂災害等の被害を受けにくい旧大麻学校給食センター西側において新築移転工事を行っておりました。
4月5日には、地元関係者の皆様とともに落成式典を執り行ったところであります。
建物は誰もが利用しやすいバリアフリー設計で、館内の随所に大谷焼を取り入れるなど、地域の特色を生かしており、室内においては使い勝手を考慮した移動間仕切りの採用や地区の重要な防災拠点として備蓄倉庫を確保いたしました。
さらに、建物の庇を大きくし、平常時は屋外での活動の利便性を高め、非常時においても災害時の救援物資の整理等に活用できることや「LPガス非常用発電機」を備えるなど「フェーズフリー」の考え方を取り入れております。
また、公民館新築に伴い同所の発掘調査を行ったところ、古墳時代後期後半の石室が14基確認され、石室から多くの装飾品等が出土したため、新公民館内に展示室を設け、出土した遺物や石室のレプリカを今後制作し展示を行ってまいります。
今後は、集まり、学ぶ学習拠点、歴史と文化の発信拠点、防災拠点として、長く活用を図ってまいりたいと考えております。
次に、「鳴門市第一中学校」についてであります。
耐震化を目的とした第一中学校の改築工事については、教育活動への影響を最小限にとどめるため、老朽化した校舎を順次、取り壊しながら新校舎を建設するスクラップ・アンド・ビルド工法により、平成26年度より取り組んでまいりました。
令和元年7月末には全ての校舎が完成し、本年3月末の敷地北側の外構工事の完成をもって、全体で4期に渡る工事が全て完了いたしましたことから、4月7日に総合落成式を執り行ったところであります。
保護者の皆様並びに周辺にお住いの皆様には、長期間の工事となり、ご迷惑をお掛けいたしましたが、ご理解とご協力をいただきましたこと、この場をお借りしてお礼を申し上げます。
新校舎は、「交流する学校」をコンセプトとして整備いたしましたことから、多様な交流が可能となるよう、校舎中央の1階と3階に多目的スペースを配置するとともに、「防災機能の強化」を図るため、大地震の際には、地域の皆様が、屋内階段から屋上に避難できる仕組みにもなっており、屋上階には太陽光発電装置などを設置したほか、4階には備蓄倉庫と避難所としても活用できる教室を設けたところであります。
引き続き、子どもたちが安全で快適な教育環境で学習できる学校施設の整備に努め、家庭や地域と連携しながら、学校防災や地域防災の充実を図ってまいります。
次に、市内小中学校へ配備した「タブレット端末」についてであります。
昨年度、国の「GIGA」スクール構想に伴い、タブレット端末を約4,100台購入し、市内小中学校に配備をしたところであります。
4月に本市が配備した製品と同一の機種において、県内の複数の学校で不具合が報告がされたところであり、こうした事態を受けまして、児童生徒の安全を最優先として、配備を行ったタブレット端末の使用を中止し、点検を実施いたしました。
その結果、市内中学校に配備した端末1台において「バッテリーが膨張し、本体画面と背面が分離し、変形している」といった不具合を確認いたしました。
本市といたしましては、全端末を回収し、安全性について点検を行うよう納入業者に指示を行うとともに、学習に影響が出ないよう電子黒板を活用するなどの対策を講じたところであります。
今後については、安全性が確認された端末から順次、再配備を行いたいと考えております。
(7)防災対策事業について
次に、防災対策事業についてであります。
例年7月からが一般的に出水期とされておりますが、今年は全国的に平年より大幅に早い梅雨入りとなっており、四国地方においては、5月15日に徳島地方気象台より四国地方が梅雨入りしたとみられるとの発表がされたところであります。
統計開始以降、最も早く県内が梅雨入りをしたことで、今年はいつもより長雨になる可能性があり、例年にもまして警戒を行う必要があると考えております。
近年では、大雨災害発生時には幾度となく尊い人命が失われており、平成30年度には、災害対策基本法による避難情報の変更がなされたところではありますが、避難情報発令時においても、なお迅速な避難に結びつかないことから、国は5月20日に、避難情報の名称変更を行ったところであります。
具体的には、警戒レベル3「避難準備・高齢者等避難開始」につきましては、「高齢者等避難」に、警戒レベル4「避難指示(緊急)」又は「避難勧告」につきましては、「避難指示」に一本化し、警戒レベル5「災害発生情報」につきましては、「緊急安全確保」へ、それぞれ明確な名称へと変更されたところであります。
本市の対応といたしましては、自主防災会などと連携をして各地域への情報の周知に努めたところであり、併せて令和元年8月に浸水想定区域が見直された新池川について、洪水ハザードマップを作成し、全戸に配布いたしました。
また、台風、大雨災害時において、警戒レベル3「高齢者等避難」以上の避難情報を発令した場合には、浸水想定区域にお住まいで、かつコロナ禍において特に配慮が必要となる、「要介護認定3から5までの認定を受けられている方」、「身体障害者手帳1級又は2級を所持する方」等が、災害時の避難場所として県内約120のホテル・旅館を利用した際、宿泊費の一部を補助する「WITHコロナ事前避難促進事業」を5月1日から11月30日までの期間において運用を開始いたしました。
警戒レベル4「避難指示」発令時には、危険な場所から全員避難することとされておりますことから、今後の大雨災害時の発生に備えて、平時からお手元にあるハザードマップなどでお住まいの状況や緊急避難場所等をあらかじめご確認いただくほか、安全な地区の親戚、知人宅への避難のための相談や安全な地区のホテル・旅館への避難もご検討いただくなど、今回の変更内容も踏まえた中で、皆様がとるべき避難行動についての確認をお願いいたします。
(8)本市を取り巻く社会情勢への対応について
次に、本市を取り巻く社会情勢への対応についてであります。
最近の社会経済情勢について概観いたしますと、内閣府の5月月例経済報告の基調判断では、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」とのことであります。
また、5月19日に発表された1月から3月期のGDP速報値では、前期比年率換算で5.1%減となり、3四半期ぶりのマイナス成長となり、さらに20年度の実質GDPは、前年度比で4.6%減と、リーマンショック時の3.6%減を超す戦後最悪の落ち込みを示したところであります。
GDP速報値の背景には、昨年末に「GoToトラベル」が一時停止をされたことや1月に緊急事態宣言が発令されたことで、外出自粛や飲食店の時短営業により個人消費が冷え込んだこと等が影響をしているものと考えております。
景気の先行きにつきましては、現在においても「緊急事態宣言」及び「まん延防止等重点措置」が継続していることから、マイナス成長が続くとの見方もあり、極めて厳しい状況が続くものと想定されるところであります。
本市におきましては、5月の大型連休期間中において、主要な観光施設が休館となり、また連休中の大鳴門橋の通行台数においても、全国に緊急事態宣言が発令されていた昨年よりは持ち直してはいるものの、一昨年の通行台数とは大きな開きが見受けられるところであります。
さらに飲食店には、4月16日から5月31日までの間、時短営業要請が出されていたことに加えて、全国的な感染拡大の状況を勘案すると「納涼花火大会」や「阿波おどり」を昨年に続いて中止を決定せざるをえなかったことで、地域経済は引き続き厳しい状況が続くものと認識いたしております。
こうした厳しい状況が長引く中、市民、事業者の皆様への速やかな支援が必要であると判断し、緊急支援策の「第10弾」として、4月14日付で補正予算を専決処分したところであり、今期定例会においても緊急支援策「第11弾」を盛り込んだ補正予算案を提出いたしております。
(9)緊急支援策「第11弾」について
それでは、緊急支援策「第11弾」についてであります。
はじめに、「子育て世帯への支援」についてであります。
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しており、子育て世帯に対して様々な影響がでているところであります。
国においては、昨年度「特別定額給付金」が支給され、本市も独自の支援として、「特別定額給付金」の支給基準日以降に産まれた新生児に対して、「鳴門市新生児臨時特別給付金」として国の給付金と同額の支援を実施してまいりました。
本事業については、対象児童の出生日を令和3年4月1日までとしておりましたが、子育て世帯への支援の継続が必要と判断し、出生日を令和4年4月1日までに延長し、新生児1人当たり10万円の支給を行うものであります。
また、厳しい生活状況にある子どもたちへの支援として、対象児童1人当たり5万円の「子育て世帯生活支援特別給付金」を支給いたします。
給付対象といたしましては、令和3年4月に児童手当又は特別児童扶養手当の支給を受けている者で、令和3年度分の住民税均等割が非課税である者等の国の給付対象に加え、本市独自の施策として給付対象を拡充いたします。
具体的には、対象児童の養育者であって、令和3年度分の住民税均等割のみが課税されている者を対象に加えることといたします。
なお、国の給付対象者で、申請が不要となっている方については、7月下旬の支給に向け準備を進めており、申請が必要な対象者については、準備が整い次第受付を開始し、随時支給を行ってまいります。
また、先行実施している「ひとり親世帯」への給付につきましては、申請が不要となっている令和3年4月分の児童扶養手当の支給を受けている方については、5月11日に支給が完了しております。
申請が必要な方については、6月1日から受付を開始しており、随時支給を行ってまいります。
本特別給付金の申請期限は、令和4年2月末となっています。
さらに、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている子育て世帯の経済状況や生活実態に関する調査を実施し、得られた結果を基に効果的な施策実施につなげるべく、「子どもの生活実態把握等調査事業」を実施いたします。
具体的には、市内の小学校に在籍する1年生の保護者、小学5年生及び市内の中学校に在籍する2年生とその保護者並びに市内に居住する児童扶養手当受給世帯の保護者に対してアンケート調査を実施するものであります。
次に、「保育施設従事者応援給付事業」についてであります。
新型コロナウイルス感染症の感染リスクを抱えながら、保育を継続している保育施設に従事する方に対し、感謝と応援の気持ちを伝えるため昨年度に引き続き支援を実施いたします。
公私立の幼稚園、公私立の認可保育所、認定こども園、放課後児童クラブ及び市場・川崎児童館に、職種を問わず勤務している方を支援の対象とし、私立の施設においては、1人当たり1万円分の「うずとく商品券」を支給し、公立の施設においては消耗品購入に対して同額分の措置を行うものであります。
次に、「ふるさと鳴門便 第2弾 がんばる学生応援プロジェクト」についてであります。
昨年から続く新型コロナウイルス感染症の影響により、アルバイト先の営業時間短縮や休業などによる収入減など、学生が置かれている環境は引き続き厳しいものとなっているところであります。
こうした状況を踏まえ、昨年度実施の食糧支援に続くふるさと鳴門便の第2弾といたしまして、本市出身で県外の大学等に通う学生及び一人暮らしの鳴門教育大学生に、1人当たり5,000円分の「うずとく商品券」を送付いたします。
県外在住の方には、希望により保護者等の住所地に「うずとく商品券」を送付することもできますので、保護者等から学生への支援にご活用いただければと考えております。
事業の実施により、本市の将来を担う学生たちを応援するとともに、ふるさと鳴門への郷土愛の醸成や地域経済の活性化にもつなげてまいります。
次に、「新型コロナウイルス対策地域活動推進補助金」についてであります。
市民団体などが自主的かつ主体的に実施する国の示す「新しい生活様式」に則した地域活性化に資する活動を応援するため、昨年度に引き続き「新型コロナウイルス対策地域活動推進補助金」を交付します。
昨年度においては、多くの団体に本補助金をご活用いただき、アウトドアプログラムを組み合わせた海岸の清掃や通行する方を元気にする花壇の整備、リモートで行う子育て世帯向けの講座の実施など多岐にわたる新型コロナウイルス感染症に負けない地域活動を企画・実施していただきました。
今年度におきましても、是非とも多くの団体に活用いただき、地域のにぎわい創出につなげていただければと考えております。
なお、補助額につきましては、昨年度と同様に1事業当たり20万円を上限としておりますが、昨年度に補助金の交付を受けた団体が同内容の事業を実施する場合は、10万円を上限に補助をいたします。
次に、「経済対策」についてであります。
このたび、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため「緊急事態宣言」や「とくしまアラート」の発令、さらに「飲食店の営業時間の短縮要請」などの規制が実施されたことにより、観光客の減少や冠婚葬祭、会合・パーティー等の自粛・縮小などが広がっております。
これにより特に影響を受けている事業者及び時短営業要請に協力している飲食店等と取引関係のある事業者への支援として、「コロナ規制による影響の軽減支援事業」を実施いたします。
主な対象者として、「お土産品等の製造販売・製造卸」、「理容所・美容所」、「印刷業者」など、さらに、時短要請に協力した飲食店と取引のある「食料品製造業や卸売業」、「サービス提供者」といった事業者に、一律2万円を支給するものであります。
また、宴会場などの利用が激減していることを踏まえ、飲食送迎用のマイクロバス・大型バスの維持などに必要な固定経費を助成するため、マイクロバス等1台当たりに5万円、大型バス1台当たりに10万円を支給いたします。
アフターコロナを見据えて事業継続への支援として実施するものであり、補助上限額は、1事業者当たり30万円といたします。
以上が、今回の補正予算で対応を行う事業でありますが、緊急支援策「第11弾」では、令和2年度からの繰越明許予算や令和3年度の既決予算での対応を行う事業についても予定しております。
まず、「生活・経済支援策」として、コロナ禍における経済的理由で生理用品等の入手が困難になっている方へ、災害用備蓄用品を活用し、生理用品等を無料配布いたします。
次に、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売上高が減少した地元中小企業者等が事業継続をしていくため、各種助成金等の申請手続きや売上拡大の方策について、社会保険労務士や中小企業診断士などの専門家に相談できる場を設ける「中小企業等事業者向け専門家会」を開催いたします。
また、新型コロナウイルス感染症の影響により、賦課された下水道事業受益者負担金の納付が一時的に困難となった場合は、1年間納付猶予を行い、支援をいたします。
次に、「感染防止対策」として、公民館等の社会教育施設や幼稚園、小中学校の教室等に、ボートレース事業の支援を得て、CO2モニターを配備し、「密」の見える化により換気を促し、各施設での感染防止につなげてまいります。
また、集会所等での感染防止を図るとともに、各地区自治振興会におけるウィズコロナでの安全安心な地域活動への支援として、消毒液などの消耗品を配布いたします。
次に、「公立保育所再編事業」についてであります。
平成31年4月に策定した「鳴門市公立保育所再編計画」に基づき、鳴門市健康福祉交流センター北側を建設予定地として、令和4年秋の完成を目指し、整備を進めております。
現在、建物の実施設計及び予定地の造成設計を進めており、まもなく造成設計が完了することから、造成工事に要する費用を計上することとしております。