令和3年鳴門市議会第2回臨時会
◆ 目 次
(4)新型コロナウイルス感染者等に対する人権尊重への取り組み
はじめに
本日、第2回臨時会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。
今回の臨時会におきましては、鳴門市道の駅新築工事に関する請負契約にかかる議案、長引く新型コロナウイルス感染症の感染拡大により影響を受けている方々への支援として、本市における緊急支援策「第10弾」となる令和3年度一般会計補正予算について専決処分を行いましたことの報告など、各種議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ちまして、まずは、本市を取り巻く新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況等の諸般の報告と本市の取り組みについての所信を申し上げ、議員の皆様をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
はじめに、嬉しいニュースをご報告したいと思います。
先週5月15日に長野県で開催されましたNHK杯 女子個人総合において、畠田 瞳選手が2位に入り、東京五輪体操女子団体の代表に決定されたところであります。
同選手の御父上で、本市出身であるバルセロナ五輪体操男子団体銅メダリストの畠田 好章氏に続いて親子2代での五輪出場を確実にされたところであり、新型コロナウイルス感染症の関係で思うように練習などができなかったこととは思いますが、同選手のこれまでのたゆまぬ努力に敬意を表します。
今回の五輪出場は、本市体操場などで練習をする子どもたちに大きな励みとなるとともに、本市といたしましても市消防本部庁舎に横断幕を設置するなど市民の応援機運の醸成に努めてまいります。
同選手の今後、ますますのご活躍を期待する次第であります。
次に、新型コロナウイルス感染症の感染状況についてであります。
本年1月8日に発令されました2回目の「緊急事態宣言」は、3月21日に解除されたところですが、それ以降も感染拡大に歯止めがかからず、4月23日に、東京都・京都府・大阪府・兵庫県を区域として、4月25日から5月11日までの期間で、3回目の「緊急事態宣言」が発令されました。
5月12日には、対象区域に愛知県・福岡県を、5月16日には、北海道・広島県・岡山県を加えるとともに、期間も5月31日までの延長が決定されております。
また、緊急事態宣言に準じた対策が可能な「まん延防止等重点措置」につきましても、愛媛県など10県に適用され、さらに、香川県など「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」の対象となっていない地域においても、新規感染者数が過去最多を更新するなど、全国的な感染拡大、いわゆる「第4波」の到来が指摘されているところであります。
県内においても、4月以降、飲食の場や部活動の場などにおいて、新たに12件ものクラスターが発生するなど感染拡大が進行し、4月16日には、国の基準の「ステージ スリー」に相当する「とくしまアラート 感染拡大注意 急増」が初めて発令されることとなりました。
これを受けて、徳島県では、県内飲食店等に対し、午前5時から午後9時までの営業時間短縮への協力要請を行い、去る4月23日には本市職員が、県職員とともに市内飲食店を巡回し、感染防止対策や協力要請に関する啓発活動を行ったところであります。
全国的な感染拡大の背景として、感染力が従来株より強いとされる「変異株」のまん延が指摘されているところであり、これまで感染や重症化することが比較的少ないといわれていた若年層にも感染の広がりが見られ、より一層の警戒が必要だと考えております。
市民の皆様には、ご家庭や職場に変異株を持ち込まないよう「マスク着用」、「うがいの励行」、「こまめな換気」、「3密回避」をもう一歩進めていただいて、2密、1密の回避も含め基本的な感染防止対策の徹底をお願いするとともに、県境をまたぐ移動は慎重に判断していただき、飲食店の午後9時以降の利用自粛や飲食店でのカラオケ設備の利用自粛などについても、一層のご理解とご協力をお願いいたします。
新型コロナウイルスワクチン接種について
次に、新型コロナウイルスワクチン接種についてであります。
新型コロナウイルスワクチンの接種は、生命や健康を損なうリスクの軽減に加え、医療への負荷の軽減、さらには社会経済の安定につながることが期待されることから、重症化リスクの高い高齢者をはじめとする市民の皆様への円滑な接種を実施するため、本市におきましても早い段階から検討を始め、ワクチン接種に重要な役割を担っていただく「鳴門市医師会」など関係機関との協議を重ね、準備を進めてまいりました。
今回のワクチン接種の対象は、市内に住民登録をしている16歳以上の方、約5万人が対象であり、国が示している接種順位に応じてワクチン接種を進めています。
具体的には、新型コロナウイルス感染症患者の方などに直接医療を提供される医療従事者などの方、次に今年度中に65歳以上に達する高齢者の方、次に基礎疾患を有する方や高齢者施設等において利用者に直に接する職員の方、60歳から64歳の方の接種となり、その後、16歳以上の一般の方に順次接種が行われることとなっています。
ワクチンの供給及び市内における接種の状況についてでありますが、接種順位最上位の医療従事者向けにつきましては、3月中旬から第1弾として、徳島県鳴門病院にワクチンが配送され、2回目を含め同病院従事者への接種が概ね完了しております。
4月中旬には、第2弾の供給があり、4月19日から市内の病院の医療従事者に向けた接種が開始され、その他の医院、診療所や歯科医院、薬局についても順次接種が進んでおり、このワクチンの接種には、1回目の接種から3週間後に2回目の接種を行うことを考えますと、医療従事者へのワクチン接種の完了時期は、6月初旬になる見込みであります。
次に、高齢者向けのワクチン接種についてでありますが、医療従事者の場合と同じく、ワクチンの供給量が限られた中でのスタートを余儀なくされております。
ワクチン供給につきましては、マイナス75度の超低温の状態で、箱単位で各自治体に配られております。
1つの箱には195のバイアルと呼ばれる小さな瓶が入っており、1つのバイアルで現状5回分の注射液を取ることができ、1つの箱で975回分ということになりますが、1人に2回の接種を行うことを考えますと、1箱で約500人分ということになります。
本市には、高齢者向けワクチンの第1弾として、4月17日に1箱が供給され、4月29日にもう1箱、合わせて約1,000人分が届きました。
本市といたしましては、こうした国からの供給状況に加えて、重症化リスクや集団生活によるクラスター発生のリスクを考慮し、市内の高齢者施設の入所者約1,000人の方からワクチン接種を始めさせていただくことといたしました。
具体的には、4月19日からワクチンを小分けにして各高齢者施設に配送し、各高齢者施設の受け入れ体制に合わせて、5月から6月にかけて接種が進むこととなっております。
次に、高齢者施設入所者以外の高齢者の皆様へのワクチン供給についてでありますが、5月5日に3箱を確保し、さらに本日18日には12箱が供給されることとなっており、これによりまして、75歳以上の後期高齢者の約9,000人分のワクチンが確保できるとの見通しに立ちまして先月から接種に向けた準備を進めてまいりました。
今回のワクチン接種には、市内37カ所の医療機関、医師会の先生方に接種のご協力をいただけるとの心強いご意向を頂戴しておりますが、通常の診療、新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者さんへの対応に加えてのワクチン接種ということになりますと、各医療機関や医師の先生方のご負担、そして混乱の発生をできる限り抑えながら接種を進める必要があることから、市民の皆様には、予めワクチン供給の状況や各医療機関での受け入れ体制に合わせて事前に予約をしていただき、順次、接種を始めていかなければなりません。
こうしたことから、本市では、施設入所者以外の高齢者のワクチン接種につきましては、今年度中に75歳以上の後期高齢者となる方と65歳から74歳までの前期高齢者の方の2段階に分けて進めさせていただくことといたしました。
具体的には、75歳以上の後期高齢者の方に対しましては、接種に必要な接種券を郵送させていただいており、本市のコールセンターによるワクチン接種の予約受付を12日から開始し、昨日、17日からは、かかりつけ医療機関でのワクチン接種を開始しております。
65歳から74歳までの前期高齢者の皆様への接種券の送付時期については、5月下旬以降のいずれかの時期に、多くの後期高齢者の皆様にご予約を頂いている現状や各医療機関での接種の状況をふまえ、慎重に決定してまいりたいと考えております。今しばらくお待ちいただければと思います。
具体的なワクチン接種までの流れですが、接種券がお手元に届いた時点から、市のコールセンターでの予約を始めていただき、接種券に記載してある10桁の番号と生年月日等での本人確認を行ったうえで予約を行い、後日、予約日に出向いていただいて接種を受けていただくことになります。
本市では、接種券をお送りした方に2回の接種が行えるワクチン量を確保してから予約の受付を開始することといたしております。
ワクチン接種が可能な指定医療機関につきましては、5月14日発行の広報なると「新型コロナウイルスワクチン接種特集号」をご参照いただくか、接種券の送付時に同封しております市内の指定医療機関の一覧でご確認いただければと思います。
本市のコールセンターに問合せ等が集中いたしますと繋がりにくい、あるいは接種希望日での予約が難しいということもあるかもしれませんが、ワクチンの必要量は確保できておりますので、市民の皆様には冷静な対応と円滑なワクチン接種にご協力いただきますようお願いいたします。
次に、ボートレース鳴門内のウズホールなど、会場を定めて行う集団接種につきましては、ワクチン接種にご協力いただく医療従事者のご負担などを考慮し、予約開始、接種開始時期をともに6月中旬以降とすることで準備を進めております。
本市におきましては、全ての対象者の皆さんが、ご自身の意思に応じて、いつもの「かかりつけ医」又は市が設ける集団接種会場で、国からのワクチン供給に応じて、できるだけ早く接種を受けられる「安心、迅速、円滑なワクチン接種」 を目指して、医師会の先生方をはじめとする関係者の皆様方にご協力をいただきながら、全力で取り組んでまいります。
どうか市民の皆様には、冷静な行動、そして、まずは身近な「かかりつけ医」での接種について、ご検討をいただきますよう、お願いいたします。
緊急支援策「第10弾」について
次に、緊急支援策「第10弾」についてであります。
県においては、4月12日に「とくしまアラート」を2段階引き上げ、国の基準の「ステージ ツー」に相当する「感染拡大注意漸増」を発動するとともに、4月16日より県内全域の飲食店に、営業時間の短縮を要請いたしました。
そこで本市では、飲食店等が行う感染症予防対策を促進することを目的に、市内飲食事業者が実施する対策に対して一律2万円を支援しております。
また、速やかに感染拡大防止対策を講じていただくためにも、6月末までの申請としており、事業者の皆様には、感染症検査キットや消耗品の購入などの必要な予防対策に是非、ご活用いただきたいと思います。
次に、「子育て世帯生活支援特別給付金」についてであります。
長期化する新型コロナウイルス感染症による影響を特に受けやすい低所得の子育て世帯のうち、ひとり親世帯への支援として、対象児童一人当たり一律5万円の「子育て世帯生活支援特別給付金」を支給いたします。
給付対象といたしましては、令和3年4月分の児童扶養手当の支給を受けている方等の国の給付対象者に加え、本市独自の施策により、給付対象者を拡充することとしております。
具体的には、「令和3年4月から令和4年2月末までに児童扶養手当の支給対象となった方」、「ひとり親世帯で本人が低所得であるが同居親族に所得があるため児童扶養手当の支給対象から除外されている方」であります。
なお、申請が不要となっている令和3年4月分の児童扶養手当の支給を受けている方については、5月11日に支給が完了しております。
その他のひとり親世帯の対象となる方については、6月1日から受付を開始し、随時支給を行ってまいります。
次に、「市民生活応援うずとく商品券配布事業」についてであります。
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、市民生活を応援することを目的に、また、市内事業者への支援にも繋がることから、令和3年4月1日時点の住民基本台帳に登録がある全市民を対象に「うずとく商品券」を一人当たり5千円分配布いたします。
「うずとく商品券」は、200店以上の市内加盟店において食料品等の物品の購入に限らず、飲食店やタクシーなどのサービスにも利用することができ、加盟店は現在も増えつつあります。
なお、うずとく商品券の配布は、地域により到着時期は異なりますが、6月末までに個人宛に、ゆうパックで順次お届けしておりますので、今しばらくお待ちいただきますようお願いいたします。
新型コロナウイルス感染者等に対する人権尊重への取り組みについて
次に、新型コロナウイルス感染者等に対する人権尊重への取り組みについてであります。
全国的に新型コロナウイルス感染症が広がりを見せる中で、感染への不安や恐れから、患者やその家族、医療従事者の方々等に対する不当な差別、偏見に基づく誹謗中傷、いわゆる「コロナ差別」が問題となっております。
新型コロナウイルス感染症を理由とした偏見や差別は重大な人権侵害であり、決して許されるものではありません。
本市では、市民の皆様に、確かな情報に基づき、人権に配慮した冷静な行動をしていただけるよう、人権啓発チラシを作成し、市庁舎等の施設での掲示や関係団体への配布を行うなどコロナ差別の防止に取り組んでいるところであります。
また、患者やその家族、医療従事者の方々等への差別をなくそうと、その思いを共有する人が同じリボンを身につける運動「シトラスリボンプロジェクト」が愛媛県から全国に広がりを見せています。
本市でもボーイスカウト鳴門第9団の皆様が、コロナ差別防止のシンボルとして、スダチをイメージした深緑色や黄緑色の「シトラスリボン」を作製され、「ただいま、おかえりって言いあえるまちに」と記したメッセージカードを添えて、先日市庁舎で来庁者の方にリボンを配布いただいたところであります。
過去を振り返ると我が国では、ハンセン病患者に対する誤った隔離政策が取られていました。
らい予防法が廃止され、隔離政策が終わったものの、差別と偏見が根強く残り、今もなお患者やその家族を苦しめています。
私たちは、ハンセン病に対する誤った知識や見解が偏見や差別につながった過去を教訓として生かしていかなければなりません。
同じ過ちを繰り返さないために、市民の皆様とともに、新型コロナウイルス感染症への正しい知識と理解の輪を広げ、支え合いと思いやりのまちを実現してまいりたいと存じますので、一層のご理解を賜りますようお願いいたします。
「今年度の鳴門市納涼花火大会及び鳴門市阿波踊り」について
次に、「今年度の鳴門市納涼花火大会及び鳴門市阿波踊り」についてであります。
現在、全国的に新型コロナウイルス感染症の感染者数が増加しており、また、徳島県においても、「とくしまアラート」が「感染拡大注意急増」に引き上げられるなど、予断を許さない状況が続いております。
このような状況を受け、鳴門阿波おどり実行委員会を構成する鳴門商工会議所、一般社団法人鳴門市うずしお観光協会、鳴門市の三者で協議を行い、市民の皆様、ご来場者の皆様の安全を考慮し、苦渋の決断ではありますが、今年度においても中止を決定いたしました。
2年連続の中止となりますことから、阿波踊りという伝統文化の火が途絶えることのないよう継承につながる事業の実施について、関係機関と検討してまいりたいと考えております。
また、コロナ終息時には、観光誘客につながるよう、阿波踊りの魅力発信にも努めてまいります。