Vol.5 米田壽夫さん

列伝第5回

 

◆現在、鳴門市スポーツ推進委員会の会長としてご活躍されていますが、子どもの時からスポーツは何かされていましたか。
小学生から高校生までの間で、これといった部活動には入部していなかったですね。今は、子どもの時からスポーツをしている人は多いですけど、私の時代では少なかったですよ。みんな好奇心旺盛で、いろいろなことをして過ごしていました。私自身、体を動かすことが好きだったので、山登りや川遊びをはじめ、北灘町の広場で小学生から中学生を交え、草野球を毎日のようにしていました。高校は香川県の三本松高校に進学し、勉学に励むとともに、実家の農業や家内工業の手伝いをする日々で、運動をする機会は中学生までと比較すれば、減りましたね。

◆高校卒業後は、どのような生活を送っていましたか。
卒業後は、鳴門市の手袋メーカーに就職しましたが、会社の倒産や先輩の誘いもあって、財団法人徳島県総合運動公園協会(現一般財団法人徳島県スポーツ振興財団)の職員に転職することとなりました。正直、スポーツとはこれまで縁がほとんどなかったこともあり不安でしたが、仕事内容は楽しかったです。任されていた業務は、グラウンド整備や公園内の芝の手入れがメインで、プロ野球日本ハムファイターズや、全日本サッカーチームのキャンプの手伝いも経験することができました。大会が開催された際に関係者から感謝の言葉をかけられた時は、裏方としてスポーツに携わっている嬉しさがありました。また、転職後に結婚し、子どもが生まれました。子どもが小学生になってからは、自分がスポーツに携わる仕事をしていることや、教育面や健康面を考え、当時の林崎サッカースポーツ少年団(現林崎・里浦サッカースポーツ少年団)に入部させました。練習時間が当時は17時30分から19時ぐらいまでだったのですが、監督が不在の時は私が子どもたちの世話をしていました。そして、そのうち何か指導できないかと考えるようになりました。練習時間も限られていますし、監督が来るまで練習をしないのでは時間がもったいないじゃないですか。ただ、私自身、サッカーは子どもの時に遊び感覚でしかしていませんでしたし、いざ指導といっても簡単なことではないですから、本を読んだり、指導者の講習会に参加するなど、サッカーについて一から学び始めました。そして、子どもたちと一緒に学ぶ日々を送り、家族の理解もあっていつの間にかコーチとして指導する立場になっていましたね。

◆コーチとしての指導はいかがでしたか。
先程もお話したとおり、私自身、サッカー経験がほとんどない状態だったので、本当に手探りの状態でした。間違った指導法では子どもたちも成長しませんので、指導者として初めて現場に立つ人を対象とした「公認C級コーチ養成講習会」や「日本サッカー協会公認3級審判員」の講習に参加し、少しずつ知識をつけることにしました。最初は興味本位でしたが、実際に講義が進むにつれて、サッカーの指導に必要な知識が分かりはじめ、次第に楽しくなってきました。そして、学んだことを早速練習に取り入れ、「こうすれば効率的だ」、「こんな指導はどうかな」と指導方法にもバリエーションが出てきました。コーチ経験が長くなるにつれて、選手のコンディションや特性も徐々に分かるようになり、大会参加の選出を監督に助言していましたね。思い出としては、私の指導期間中に、林崎サッカースポーツ少年団は全国大会にも出場したことがあるんですよ。私の指導についてきてくれた子どもたちや保護者、関係者のみなさんには本当に感謝しています。初めは、林崎サッカースポーツ少年団を指導していましたが、鳴門市内に女子のサッカーチーム「鳴門ポラリスFC」が誕生してからは、こちらをメインとして指導するようにもなりました。女子だからといって練習に手を抜くことはなく、林崎での指導と同様にパスやシュート練習等、効率的にメニューをこなしていました。また、同年代の男子との試合も積極的に行うことで、チームの強化を図るようにしていました。男子と女子の試合では力の差はありますが、女子も男子に負けないようしっかり走ることで、持久力がかなり向上しました。今は指導から離れていますが、子どもたちがサッカーを頑張っている姿を見ると嬉しいですね。

◆コーチをするにあたって大切にしていたことはありますか。
子どもたちにはサッカーを楽しんでもらうとともに、挨拶をしっかりすること、時間を厳守することを徹底していました。サッカーのみならず、スポーツをすることで心身の成長にも繋がりますから。練習メニューは基本的には毎日同じでしたが、子どもたちが飽きない練習メニューも必要だと思ったので、週に2回ぐらい、子どもたちにどんなことをしたいか確認し、提案のあった練習メニューを実施していました。せっかく、サッカーに興味を持って来てくれているわけですから、練習は楽しい雰囲気のもとさせてあげたいですよね。また、現在、私の孫はバドミントンをしていますが、幼少期は他にもいろいろなスポーツに挑戦したほうがいいですよね。

◆いろいろなスポーツに挑戦ということで、本市ではマルチスポーツ(※幼少期から複数のスポーツを行うこと)の推進を図っておりますが、この点についてはどうお考えでしょうか。
私は大賛成です。特に小学生の間は、1つの競技にとらわれる必要はないと思うんですよ。小学4年生~6年生頃にかけては、自分にどの競技が適しているかをしっかりと考え、中学生以降でクラブ活動に入部する際に、その競技に集中すればいいかなと思います。鳴門市にはスポーツ少年団や体育協会、総合型地域スポーツクラブ等、スポーツをする設備や環境も整っていますので、積極的にいろいろなスポーツに挑戦してほしいですね。何しろ子どもには無限の可能性がありますから。ただ、残念なことに近年、指導者による体罰や指導方法等の問題が全国的にクローズアップされていますが、指導者には子どもたちの才能を活かすことのできる指導を、保護者の協力のもとお願いしたいです。

◆サッカーのコーチとして指導する傍ら、平成5年からは鳴門市スポーツ推進委員(以下「推進委員」)として活躍中ですが、推進委員としてはどのような取り組みをされましたか。
林崎小学校からの推薦もあって、平成5年4月から推進委員として活動していますが、推薦があった際には、スポーツに携わっていることもあるので快く承諾しました。サッカー以外にも、生まれ育った鳴門市への地域貢献やスポーツの普及等、 鳴門市でも何かニュースポーツ(子どもから高齢者の方まで幅広い年代の方が、気軽に楽しむことができるスポーツ)を広めようという話になったんですよ。その中でも高齢の方が参加しやすい競技を考え、まずはグラウンドゴルフに焦点をあてることとなりました。地域の活動の場や学校訪問など、地道な活動の成果が報われ、協会が立ち上がったときは本当に嬉しかったですね。また、その後はファミリーバトミントンも協会ができるまで普及し、現在、鳴門市内でも徐々にではありますが、ニュースポーツの競技人口が増えてきています。仕事を定年退職したら、家でのんびりしたい人も中にはいると思いますが、やっぱり運動は気持ちがいいですね。私も推進委員を務めてから、これまで以上に体を動かすことが好きになりました。今年で69歳ですが、まだまだ元気いっぱいです(笑)。会話をしながらコミュニケーションも図ることができますし、何より介護の予防にも繋がります。怪我をするぐらい激しい運動はしませんので、皆さんもニュースポーツに関心を持ってもらえればうれしいですね。

◆推進委員として心がけていることはありますか。
地域の人にスポーツを始めるきっかけづくりを提供したいですね。特にニュースポーツは、家族でいっしょに無理なく楽しむことができるので、休日に公園や広場に出かけて一緒に体を動かす日があってもいいかなと思います。スポーツを始めるきっかけづくりとして代表的なものが、毎年5月の最終水曜日に開催している「鳴門市チャレンジデー」ですよね。15分以上、体を動かした人の割合を対戦相手の自治体と競うというユニークな企画で、私もその日はいつも以上に体を動かしています。昨年は「コウノトリダービー」ということで、兵庫県豊岡市と対戦しましたが、今年は、兵庫県南あわじ市との対戦です。鳴門海峡に隣接する市同士の戦いであり、スポーツを通じての交流を図ることもできますので、是非多くの方に参加していただきたいですね。その上でやっぱり勝ちたいですよね。また、スポーツを推進するにあたり、全国各地で開催される講習会にも、積極的に参加するよう心がけています。スポーツ振興財団で仕事を始めた時から今まで、何十年と経過していますが、まだまだ勉強する必要がありますから。県外での研修には私以外の委員にも声をかけて一緒に学び、そして、地元でその知識を活かすことが大切です。また、グラウンドゴルフとファミリーバドミントン以外のニュースポーツについても、新たな協会が立ち上がるよう、普及活動をしていきたいと思います。

◆今後の目標や挑戦してみたいことはありますか。
まずは、元気に生活していくことです。元気である以上は、推進委員として活動していくつもりです。これまで鳴門市はもちろんのこと、多岐に渡り活動してきたことで、「四国体育指導委員功労者表彰」や「全国スポーツ推進委員功労者表彰」等、多くの賞を受賞することができました(※体育指導委員=現スポーツ推進委員)。この賞に恥じないよう、さらにスポーツを通じた地域活動に取り組んでいきたいと思います。また、大きな賞として文部科学大臣による功労者表彰がありますので、いつかこの賞も受賞できれば嬉しいですね。そのためにも、これからも地域の皆さんや同じ推進委員の皆さんと力を合わせて、鳴門市にスポーツを通じて貢献できるよう頑張ります。

 

Vol.5 米田壽夫さん

米田 壽夫(よねだ ひさお)
昭和25年2月24日生まれ。鳴門市出身。北灘東小学校、北灘中学校、香川県立三本松高等学校。高校卒業後は、地元の手袋メーカーに就職するが、財団法人徳島県総合運動公園協会(現一般財団法人徳島県スポーツ振興財団)の職員に転職する。仕事を通じてスポーツに関心が高まり、スポーツ少年団、鳴門ポラリスFCのコーチとしてサッカーの指導に携わる。平成5年から鳴門市スポーツ推進委員に就任し、平成20年4月からは会長として鳴門市のスポーツ推進や地域貢献にて活躍中。

 

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