無形民俗文化財 わんわん凧(鳴門大凧)の制作・飛翔技術

種別 無形民俗文化財
名称 わんわん凧(鳴門大凧)の制作・飛翔技術
員数 1件
所有者  
年代  
指定の理由及び文化財的特徴

地域的特色を示すもの

元禄5年(1692)6月に岡崎村(現鳴門市撫養町岡崎)蓮花寺再建の際、上棟式の余興に大工の棟梁又右衛門が丸凧を揚げたのが鳴門大凧の起源であると言われている。このときの凧の紋様が、その後の鳴門大凧の代名詞となる「わんわん」で、上棟式に集まった祝い客に白い餅を朱塗りの椀に盛って出されたのをヒントに、丸凧の周囲を赤く塗り中を白く抜いた模様である。その後、撫養とその周辺村落では、地域ごとに「組」を結成して、特徴ある紋様を描いた円い大凧を製作し、5~7月の南東風(通称まぜ)が吹く頃になると、里浦の海岸や野原に持ち寄って大凧を揚げた。
戦前までは、村や地域単位で「組」を結成し、5月~7月の「まぜ(南東風)」が吹く時期に里浦村(現鳴門市里浦町)の広戸海岸や原野で凧揚げに興じた。凧揚げは、当初大空高く揚げてその勇姿を誇るだけであったが、それではもの足らなくなり、凧と凧の糸目を互いに交差して相手の凧糸を切る「懸け合わせ」をして勝敗を競うようになった。しかし、鳴門大凧の特徴は、全国に類を見ない円い形状とその大きさで、明治39年に1500枚貼りの大凧が登場し勧進元より萬国唯一横綱級の称号を受けている。昭和10年前後の最盛期には凧揚げ大会が年に数回開かれ、大小90近くの凧が揚がり、大きなものは直径24㍍の記録が残されている。

写真

所在地