史跡 えびす山

種別 史跡
名称 えびす山
員数 1件
所有者 鳴門市
年代 安土桃山
指定の理由及び文化財的特徴

鳴門市立図書館の北側に位置する標高約一〇メートルの小山である。「鍬島成立御判物並景図引帳」と言う古文書に、撫養塩田はえびす山にはじまるとあり、ここが撫養塩田発祥の地と考えられている。慶長四年(一五九九)年に播磨の国荒井村から(馬居)七郎兵衛と、(大谷)五郎右衛門が来て、撫養に入浜式塩田を開いたのが始まりと伝えられており、また、高島の庄屋(篠原)孫左衛門も同時期に竹島(高島)で塩田の築造を開始したとも伝えている。江戸時代の中期には撫養塩方一二か村と呼ばれ、立岩・弁財天・北浜・南浜・斎田・大桑島・小桑島・黒崎・三石・高島・明神・小島田村で塩を造っていた。

寛政六年(一七九四)年には二八八町九反六畝余りの塩田があり、徳島藩は塩の専売制(お手捌き)を敷き、脱税をきびしく取り締まった。また、文政三年(一八二〇)からしだいに石炭焚きになった。 鳴門は塩の町として栄えた。製薬業も製塩の副産物から発達したものである。市では、これを記念して蛭子山公園とし、南側に昭和五五年八月に図書館を建設、北側に記念碑を建設している。

参考文献
『鳴門市史』上巻 昭和五一年三月三一日発行四一八ページ

写真

所在地 撫養町大桑島