有形文化財考古資料 極樂寺の線刻阿弥陀如来立像石仏
種別 | 有形文化財(考古資料) |
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名称 | 極樂寺の線刻阿弥陀如来立像石仏 |
件数 | 1件 |
所有者 | 極樂寺 |
年代 | 平安時代後期(11世紀から12世紀) |
指定の理由及び文化財的特徴 |
極樂寺の境内に緑色片岩(青石)製の石仏が祀られています。その石仏は、一部が地中に埋設されているため、正確な大きさは不詳ですが、地上高167.5㎝、幅60.0㎝、厚さ9.0㎝となっています。その形状は、頂部が山形に尖る縦に長い長方形状の板石に大きく仏画を線刻しています。仏画は、頭部や身体、身にまとう袈裟衣の線が一線ずつ丁寧に線刻された阿弥陀如来立像が描かれており、ふくよかで重量感に富み、豊かな表現力を示しつつ全体的に均斉のとれた穏やかで調和のとれた容姿をしています。その阿弥陀如来の頭部に描かれた鼻は、鼻梁を描かず鼻翼のみ描く、平安時代の特徴を踏まえています。また、阿弥陀如来立像が立つ蓮華座は、蓮肉に厚さをもたせ、蓮弁を1枚1枚丁寧に線刻し、蓮肉を包み込むことで立体感を表現した古い型式の蓮台です。阿弥陀如来は、単に絵画として描かれたものではなく、宗教画を意識した平安時代の特徴をよく踏まえています。 なお、徳島県内における仏画をもつ石造物は、概ね平安時代後期に出現します。 以上のことから、極樂寺の線刻阿弥陀如来立像石仏は、平安時代後期の造立と考えられ、学術上貴重な石造物です。 |
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所在地 | 鳴門市大麻町桧 |