国登録有形文化財(建造物) 大谷焼森窯登窯

種別 国登録有形文化財(建造物)
名称 大谷焼森窯登窯
員数 1基
登録年月日 平成15年1月31日
建設の年代または時代 大正期
登録の理由及び文化財的特徴

大谷焼の粘土は、水簸にかけ不純物を取り除くと、備前焼(岡山県)や益子焼(栃木県)の粘土と同じく、粘りがあり鉄分を含むため濃い赤茶色に焼き上げられる。特にこの地域では、藍甕や水甕のような大物陶器が大量に焼かれたため、登窯も当然、大規模なものが必要不可欠であった。森窯は、街道に面して南北に建ち、他の登窯が山の斜面を利用して築かれているのに対して、大谷地域では唯一、街中の平地に築かれた大窯である。百道勝太が長男平吉と協力して明治三〇年代の初めに築いたが、運営上の都合で矢野千弥に譲り、一九一二(明治四五)年に森伊勢吉が譲り受けた。平地に耐火土とレンガで築造し、周囲に陶器の破片などを用いて擁壁を築き、低階段式の周囲に作業用通路を設けている。規模は長さ四〇m、高さ一〇m、焼成室が八袋連なる八連房登窯である。一室は、奥行七・四m、幅二・八m、天井高二・六mで雄大な規模をもつ。大谷焼は二〇〇三(平成一五)年に、経済産業省の伝統的工芸品の指定を受けた。

参考文献
『徳島の文化財』 徳島県教育委員会 徳島新聞社 平成一九年三月三一日発行 P67

写真

所在地 大麻町大谷