有形文化財歴史資料 板東俘虜収容所関係資料

種別 有形文化財(歴史資料)
名称 板東俘虜収容所関係資料
員数 298点
所有者 鳴門市
年代 近代(大正)
指定の理由及び文化財的特徴

1920(大正9)年4月1日に閉鎖された「板東俘虜収容所」内では、積極的な文筆活動や創作活動が行われてきた。その成果として所内新聞である『バラッケ』や演奏会プログラム等、所内の印刷所での出版物や、工芸品・書画の制作があげられる。これらの多くは俘虜が帰国の際持ち帰られたが、1960(昭和35)年に「ドイツ兵の慰霊碑」の清掃活動が続けられている事を新聞報道で知ったドイツ大使のW.ハース夫妻と神戸総領事官ベルーガ夫婦が当時の大麻町を訪れたことにより、ドイツとの交流の再開と、大麻町(当時)への資料類の寄贈が始まった。この交流は活発化するとともに、寄贈された資料を保存活用する施設「ドイツ館」の建設機運も高まり、1964(昭和38)年に「ドイツ記念館建設期成会」が発足、1972(昭和47)年に「鳴門市ドイツ館」が完成する。開館後も元俘虜やその遺族、資料を所有している日本人関係者からの寄贈が続いている。また、海外のオークションに出品された資料についても積極的に収集し、新聞・書籍が97点・プログラム141点、その他60点、計298点が保存活用されている。

現在、寄贈資料は、1993(平成5)年10月に完成した現在のドイツ館で保存活用され、一部の資料が展示公開されるとともに、所内新聞である『バラッケ』の翻訳(日本語・現代ドイツ語)作業を進める等、資料のさらなる価値付けをするための作業を進めている。

写真

所在地 大麻町桧