開票
開票に関わる人々
開票所で開票を管理する責任を負うのは「開票管理者」です。開票の公正を期すため「開票立会人」の制度があり、私たち選挙人も参観することができます。
開票管理者
【選出方法】
その選挙の選挙権を持つ有権者の中から市区町村の選挙管理委員会が選任します。
【具体的な職務】
仮投票の受理不受理の決定、投票の点検、投票の効力の決定、開票結果の報告、開票録の作成、開票所の取り締まりなど。
開票立会人
【選出方法】
その選挙の候補者や名簿届出政党等が各開票区の選挙人名簿の中から本人の承諾を得て1人を定め、市区町村の選挙管理委員会に届け出ます。届出人が10人を超えた時はくじで10人にします。
【具体的な職務】
開票手続きの立ち会い、開票管理者が行う投票の効力の決定に際しての意見陳述など。
開票所の場所
開票所の場所は市区町村の選挙管理委員会が決め、告示することになります。鳴門市では、ボートレース鳴門 UZUHALL(ウズホール)を開票所とする予定です。
開票の日時
開票の開始日時は市区町村の選挙管理委員会が定めて告示します。
投票日の投票終了後に始めるのが「即日開票」で、翌日に始めるのが「翌日開票」です。
選挙結果は、有権者に少しでも早く知らせることが必要ですが、即日開票か翌日開票かは、開票所要時間の見込み、必要な職員数、その帰宅の便、市区町村の他の業務との調整など、多くのことを考慮して決定されます。
なお、翌日開票の場合は、投票箱は開票管理者のもとに集められ、一晩厳重に保管されます。
開票の参観
その選挙の有権者は開票を参観できます。
有権者は、選挙の公正が害された場合、訴訟できる立場ですから、参観はただの見物以上の意義があります。
ただし、開票管理者には開票所の秩序を維持する責任がありますから、参観者の数や行為について必要な制限をすることができます。
開票の手続き
投票が終了し投票所が閉鎖されると、各投票所の投票管理者は、投票立会人と一緒に投票箱、その鍵・記録などが開票管理者に届けられます。
開票管理者は、開票所でこれらが間違いなく送致されたかを点検した後に受領し、開票開始時刻まで保管、以下の手順で開票が開始されます。
- 開票開始の宣言
開票開始時刻になると開票管理者は、開票立会人が3人以上集会していることと、すべての投票箱を受領していることを確認し、開票開始を宣言して、投票箱を開きます。 - 投票の受理・不受理の調査
仮投票(コラム6)不受理または拒否の決定を受けた不在者投票を調査し、その投票の受理不受理を決定します。
受理と決定した仮投票等は封筒から取り出し、一般投票と混ぜ合わせます。 - 投票の点検
各投票所箱の投票を一緒に混ぜあわせた上で、それぞれの投票の効力(有効・無効)を決定し、各候補者(または政党等)別に得票を計算します。
ここでは正確を期すために、開票事務に従事する者二人にそれぞれ同じ候補者等の得票数を計算させます。 - 投票数の確認、開票録の作成等
投票の点検が終わると、開票管理者は(1)各候補者(または政党等)の得票数を確認し(2)開票録を作り(3)開票結果を選挙長に報告し、(4)投票を梱包して、開票立会人とともに封印して市区町村の選挙管理委員会に送付します。
コラム・ザ・選挙!(6)
「本人確認と仮投票」 投票のとき、投票管理者は、選挙人が本人であるかどうかを確認できない場合や、選挙権を持っていないと認めた時は、投票を拒否します。 この拒否に対してその選挙人が不服を申し立てた場合や、拒否または拒否しないことに投票立会人が異議のある時などには、投票管理者は選挙人に仮に投票を行わせます。これを「仮投票」といいます。 仮投票では、選挙人に通常の投票用紙に記載させたうえで仮投票用封筒に封印して、投票箱に入れます。 代理投票の場合にも、代理投票を申し出て断られた選挙人に不服がある時や、代理投票を認めたことに対して投票立会人に異議がある場合は、代理記載によって、仮投票を行います。 複雑ですが、どちらも選挙に公平と公正を期すための大切な制度です。 |
投票の効力
「投票の効力」とは、その投票が有効か無効か、ということです。
その決定は、開票立会人の意見を聴いた後、開票管理者が行いますが、投票が「無効となる場合」に該当せず、かつ選挙人の意思が明白であれば、その投票は有効としなければなりません。
無効となるのは以下のような場合です。
投票が無効となる場合
- 衆議院小選挙区および参議院選挙区選挙、 地方公共団体の議会の議員や長の選挙
・所定の投票用紙を使用していないもの。投票用紙を取り違えたもの。
・立候補していない者、立候補を禁止されている者、被選挙権のない候補者、資格のない政党等が届け出た候補者など、適格な候補者でない者の氏名を書いた投票。
・2名以上の候補者の氏名を書いた投票。
・候補者の氏名のほか、他事を記載した投票(候補者の職業、身分、住所、敬称の類は、ここでの他事には当たりません)。
・自書していない投票(代理投票は自書ではありませんが有効です)。
・どの候補者の氏名を書いたのか確認できない投票。
・単なる雑事、記号等を記載した投票。
・白紙、つまり記載がない投票。
注)これらは「自書式投票」の場合です。「記号式投票」では大筋は同じですが、ここでは省略します。 - 衆議院比例代表選挙または参議院比例代表選挙で政党名で投票する場合
1と同じです。
ただしこれらの選挙では政党等の名称か略称を書いて投票するので、1の候補者に関する部分は「政党等」と、候補者の氏名に関する部分は「政党等の名称または略称」に読み替えることになります。 - 参議院比例代表選挙で候補者名で投票する場合
・候補者の氏名と、他の政党等*の名称・略称を記載した投票。
・候補者の氏名を記載して投票した場合については1と同じです。
・政党等の名称または略称を記載して投票した場合については2と同じです。
*「他の政党等」とは、その候補者名が載っている候補者名簿を提出した政党等以外の政党等のことです。
コラム・ザ・選挙!(7)
「小数点以下の得票があるのはなぜ?」 たとえば、鈴木一郎と鈴木二郎という候補者があった場合、「鈴木」とだけ書いた投票は、どちらの候補者を書いたのかわかりませんから、基準に照らすと無効になるはずです。 しかし公職選挙法では例外的にこのような投票を有効としています。いま仮に、その開票区において、間違いなく鈴木一郎の有効投票である票数と、鈴木二郎のそれとの比率が7対3であったとすれば、この「鈴木」とだけ書いた投票は0.7票を鈴木一郎の、0.3票を鈴木二郎の得票とします。 これを「得票の按分」といいます。 按分は、候補者に対する投票では、同一の氏名、姓、または、名の候補者が複数ある場合に起こります。政党等に対する投票でも、同一の名称または略称がある場合に起こります。政党等に対する投票でも、同一の名称または略式がある場合に起こります。投票はきちんと書くように心がけたいものですね。 |