南海トラフ巨大地震の被害想定等について 

1.これまでの経緯

内閣府は、「これまでの防災対策の進捗状況」や「最新の知見」等を踏まえ、令和7年3月31日に、平成24年度に公表した南海トラフ地震被害想定を13年ぶりに見直しました。この被害想定は国が広域的な防災対策を検討する目的で実施したものです。

 

2.被害想定の主な内容と津波浸水想定

新たに公表された被害想定(内閣府想定(R7))の主な内容は、下記のとおりである。

(1)主な内容

① 津波浸水面積

想定項目 想定項目 徳島県想定
津波浸水面積
(浸水深1cm)
H24 R7 H24 R7
徳島県 117.6km² 148.6 km² 201.4 km² 見直し中
鳴門市 16.2km² 25.3 km² 35.3 km² 見直し中

② 鳴門市の最大津波高

想定項目 想定項目 徳島県想定
最大津波高 H24 R7 H24 R7
鳴門市 7m 7m 7m 見直し中

③ 鳴門市の津波影響開始時間 ※1

想定項目 想定項目 徳島県想定
津波影響開始時間
初期水位±20cm
H24 R7 H24 R7
鳴門市 - - 19分 見直し中

※1 津波影響開始時間とは、代表地点における地震発生から初期水位±20cmの変化が生じるまでの時間

④ 鳴門市の津波到達時間 ※2

想定項目 想定項目 徳島県想定
津波到達時間
津波高+1m
H24 R7 H24 R7
鳴門市 49分 47分 - -

※2 津波影到達時間とは、代表地点における地震発生から初めて初期水位+1mの高さとなるまでの時間

④ 被害想定

  主な想定項目 内閣府想定 徳島県想定
H24 R7 H24 R7
徳島県 死者数(最大) 31千人 41千人 31.3千人 見直し中
  建物倒壊 5.2千人 4.9千人 3,9千人 見直し中
  津波 25千人 35千人 26.9千人 見直し中
  地震火災 0.5千人 0.4千人 0.47千人 見直し中
全壊焼失棟数 133千棟 136千棟 116.4千棟 見直し中
  揺れ 90千棟 89千棟 61.8千棟 見直し中
  津波 15千棟 19千棟 42.3千棟 見直し中
  地震火災 22千棟 24千棟 12.3千棟 見直し中
避難者数 (最大) 390千人 484千人 362.6千人 見直し中
災害関連死 - 1.2^2.4千人 - -
内閣府想定(H24)は、平成24年8月29日に内閣府が公表された被害想定
内閣府想定(R7)は、令和7年3月31日に内閣府が公表した被害想定
徳島県(H24)は、平成24年10月31日、平成25年7月31日及び平成25年11月25日に徳島県が公表した被害想定
数値は十の位または百の位で処理しており、合計が合わない場合がある。
市町村ごとの内訳は示されていない。

 

(2)津波浸水想定重ね合わせ図

鳴門市における内閣府想定(R7)の津波浸水面積(浸水深1cm以上)は、内閣府想定(H24)に比べ、1.56倍に拡張されました(図1)。


図1
図1:内閣府想定(H24)及び内閣府想定(R7)の津波浸水想定の重ね合わせ

 

ただし、徳島県想定(H24)の津波浸水想定と比べたときに、内閣府想定(R7)の浸水想定区域を概ね包含している結果となっており、鳴門市含め県内市町村も、この徳島県想定(H24)をもとに地震津波対策を推進しております(図2)。

 

図2
図2:内閣府想定(H24)、内閣府想定(R7)及び徳島県想定(H24)の津波浸水想定の重ね合わせ

 

以上より、今回の内閣府想定(R7)の被害想定における津波浸水想定区域の拡大は、これまでの「南海トラフ巨大地震対策」に大きな影響を与えるものではないと思料しております。

 

3.今後の対応 

現在、徳島県において地域特性を踏まえ、より精緻なデータをもとに「徳島県独自の被害想定」の見直しを早期に進めているところです。今後も切迫する「南海トラフ巨大地震」を見据え、現在の進捗状況を踏まえたうえで、徳島県、県内市町村及び自主防災会含む関係機関等と連携し、更なる対策を推進していきます。
 

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TEL:088-684-1711