令和3年鳴門市議会第3回定例会

◆ 目 次

(1)はじめに

(2)「新型コロナウイルス感染症の拡大状況」及び「新型コロナウイルスワクチン接種の状況」について

(3)スポーツを通じた地域振興について

(4)「鳴門の渦潮」を中心とした広域ブランディング事業の推進について

(5)「道の駅・ふるさと納税事業」について

(6)「メドケ リューネブルク市長の退任」について

(7)本市を取り巻く社会経済情勢への対応について

(8)緊急支援策「第13弾」について

 

(1)はじめに

 

 本日、第3回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。

 

 今期定例会におきましては、長引く新型コロナウイルス感染症の感染拡大により影響を受けている方々への支援として、本市における緊急支援策「第13弾」を盛り込んだ令和3年度一般会計補正予算案など、各種議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ちまして、まずは、諸般の報告と本市が当面している諸課題についての所信を申し上げ、議員の皆様をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

 はじめに、「西日本を中心とした大雨による浸水被害等」についてであります。

 7月から8月にかけて静岡県や西日本を中心とした各地で大雨により、住家等の浸水及び土砂災害が発生し、多くの死傷者等を出す大変痛ましい事態となりました。

 ここに、お亡くなりになられた方々とそのご遺族に心より哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 大雨がもたらす被害は毎年のように各地で発生しており、多くの被害を出しているところではありますが、徳島県においても8月の平均雨量を超える降水量を記録したことに加えまして、現在も台風のシーズンとなっていることや線状降水帯などによる豪雨がいつ発生してもおかしくない状況となっているところであります。

 本市といたしましては、被害を未然に防ぎ、被害の軽減に繋がるようハザードマップを活用した災害リスクの周知啓発等のソフト事業に加えて、ハード事業を併せて実施することとしており、今期定例会に提出をいたしております補正予算案におきましても、国、県等の管理河川を含め重要水防箇所となっている地区に所在する30の消防分団の機能強化として、救命ボートの再配備や福祉避難所の運営に当たり、機能の強化に繋がる備品を整備するとともに、浸水被害への対策として瀬戸町堂浦地区における排水機場の新設に関係する予算を計上いたしております。

 今後におきましても、浸水、土砂災害等の大雨災害については、市民の皆様による自助、共助に加えまして、国、県とも密に連携をしながら一体となって対応を行いたいと考えております。

 

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(2)「新型コロナウイルス感染症の拡大状況」及び「新型コロナウイルスワクチン接種の状況」について

 

 次に、「新型コロナウイルス感染症の拡大状況」についてであります。

 現在、非常に感染力の高い「デルタ株」が各地で猛威を振るう中、8月13日には全国で1日の感染者数が2万人を超えるなど、いわゆる感染の「第5波」により、8月27日から「緊急事態宣言」が21都道府県に、「まん延防止等重点措置」が12県まで拡大されたところであります。

 県内におきましても、「デルタ株」の出現により、新規感染者数、病床使用率などの各指標が高いレベルとなったことから、8月19日に「とくしまアラート」を初めて最高レベルの「特定警戒」に引き上げる事態に至り、8月27日から9月12日まで県内全域の飲食店を対象として営業時間短縮要請等が出されたところであります。

 市民の皆様には、今後も警戒を緩めることなく、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の対象区域への移動は原則中止、延期し、都道府県をまたぐ移動は慎重にお考えいただくとともに、人流抑制、マスクの適切な着用や手洗い・換気の徹底、1密、2密の回避など、より一層のご理解とご協力をお願いいたします。

 

 次に、「新型コロナウイルスワクチン接種の状況」についてであります。

 国の感染拡大防止対策の3本柱の一つであるワクチン接種についてですが、市民の皆様に安心・迅速・円滑に接種していただくとの方針のもと、市内の指定医療機関や医師会の先生方、看護師や薬剤師などの医療従事者の皆様のご協力をいただきながら接種を進めております。

 

 これまで国の定める接種順位に沿って、3月より順次、医療従事者や高齢者の方、基礎疾患を有する方などへの接種を行い、6月下旬以降は、保育関係者、幼稚園、小中学校の教職員の方など、市独自の先行接種対象の方への接種を進めてまいりました。

 8月16日からは、第3クールとして、主に25歳から58歳、受験や就職をひかえる18歳の方への接種を進めており、9月19日までにこれらの方への2回目の接種を終える予定です。

 

 全国的なワクチン供給量の減少により、本市におきましても、現状、ワクチンの供給量に応じて接種枠の上限を設定して、接種予約を受け付けております。

 そうした中にあっても、10月上旬までに確実に供給されるワクチン量の把握はできておりますので、9月27日からの第4クールの接種予約の開始に合わせ、8月末までに、12歳から17歳まで、19歳から24歳までの方にも接種券をお送りいたしました。

 これにより、本市では12歳以上の全ての接種対象者の方に接種券をお届けしたことになります。

 

 全人口に対する接種率を徳島県や全国の平均と比較しますと、本市の接種率は、県や全国の接種状況をいずれも上回っており、市内での接種は、県や全国平均に比べて早く進捗しております。 

 引き続き、ワクチン供給量に応じた適切な接種予約とワクチン管理を進めることにより、供給されたワクチンを迅速に接種してまいります。

 

 なお、ワクチン供給に関しましては、国からの追加配分を受けられることが決まるなど、一時の調整局面を乗り越えたものと考えており、追加されるワクチン供給に合わせて、適宜、予約枠を増やしながら対応に努めております。

 直近の予約状況は比較的落ち着いた動きとなっており、9月下旬から10月末までを接種期間とする第4クールにつきましては、接種を希望される全ての接種対象者の方にご予約いただけます。

 接種をすべきかどうか判断に迷われている方におかれましては、ご自身の接種の意思について早急にご検討いただきますとともに、接種希望がある方で、接種予約をお済みでない方につきましても、ウェブサイト上、あるいはコールセンターで予約枠の空き状況等をご確認いただき、できるだけ早く接種予約を行っていただきますようお願いいたします。

 

次に、ワクチン接種等における人権侵害についてであります。

 感染の収束に向けて、その効果が期待されるワクチンではあ  りますが、体質や持病などの理由で接種できない方もいらっしゃいます。

 また、ワクチン接種を受けることは強制ではなく、感染症予防の効果と副反応のリスクの双方をご理解いただいたうえ、ご本人の意思に基づき接種を受けていただくものであります。

 こうした方やそのご家族等に対して、接種の強要、また接種を受けていないことを理由として職場等で不利益な扱いをすることなどは、人権を侵害する行為であり、決して許されるものではありません。

 本市といたしましても、これまで感染者や医療従事者等への誹謗中傷も含めた人権侵害に対する啓発として、ポスター等の広報物を作成し、市庁舎等での掲示やワクチン集団接種会場等での配布を行っているところであり、市民の皆様におかれましては、正確な情報に基づいて冷静な判断、行動をとっていただきますようお願いいたします。

 

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(3)スポーツを通じた地域振興について

 

 次に、スポーツを通じた地域振興についてであります。

 はじめに「東京2020オリンピック・パラリンピック」についてでありますが、「東京2020オリンピック」は、夏季五輪として実に57年ぶりに日本で開催されました。 

 東京都に「緊急事態宣言」が発令されている中での開催となり、史上初の無観客にて実施されたところです。

 7月23日から8月8日まで、17日間の開催となり、史上最多の日本人メダリストが誕生したことや「スポーツクライミング」や「サーフィン」など多様なスポーツが新競技として採用されるなど、これまでと違った魅力をもった大会であったと感じております。

 特に、体操女子団体5位入賞に大きく貢献されました畠田 瞳選手をはじめとして、陸上競技男子走り幅跳びに出場された津波響樹選手、さらに、ウズパークオープン時の開幕イベントに参加をいただいたスケートボードの堀米雄斗選手や本市で事前キャンプを実施したドイツ男子ハンドボール代表チームの皆さんなど本市ゆかりの選手が躍動している姿は、子どもたちをはじめ多くの市民の皆様に感動を与えてくれました。

 3年後のパリオリンピックに向けて、さらなる飛躍を期待しているところであります。

 また、8月24日から9月5日にかけて「東京2020パラリンピック」が開催されました。

 本市では、パラリンピック開幕に向け、8月13日に聖火に用いる火をおこす「採火式」を大麻町の障がい者支援施設「Bande桧」で行い、市民を代表して施設利用者の方に「鳴門市の火」を灯していただきました。

 本市が世界に誇る「なると第九」にちなみ「歓喜の火」と名付けられたこの火には、パラリンピック成功への期待と明日への希望、そして平和への願いが込められており、県内24市町村の火と共に「徳島県の火」として開催地の東京へ届けられました。

 また、パラリンピックの開催、さらには、地域共生社会の実現に向けた機運醸成を図るため、採火されたばかりの「歓喜の火」は、市役所市民ギャラリーにおいて、市内障がい者支援施設・事業所の利用者の方々の作品、活動パネル、応援メッセージ等とともに展示を行ったところであります。

 

 次に、「プロスポーツの支援」についてであります。

 現在、J1リーグにて日々厳しい戦いを続けている徳島ヴォルティスのチーム力の強化や応援機運の醸成等を目的として、「若手選手育成支援のガバメントクラウドファンディング」を実施いたしました。

 7月15日から8月30日までを募集期間といたしまして、目標金額の300万円を上回る、343万円のご寄附を190名の方からいただくことができました。

 本取組に対しまして、ご賛同、ご支援をいただきました皆様に御礼を申し上げます。ありがとうございました。

 当該寄附金額のうち返礼品等の必要経費を除いた約210万円について、食事環境やトレーニング環境の整備などユース世代を含む若手選手育成環境の拡充にご活用をいただくこととしております。

 今後もJ1リーグ残留をかけた激戦が続くことが予想されますが、本市といたしましては応援機運の醸成をはじめ、「ホームスタジアムのあるまち」として、できる限りの支援を行ってまいりたいと考えておりますので、市民の皆様におかれましても、より一層の応援をお願いいたします。

 

 次に、「ナルトレタビ」についてであります。

 全国でも有数の足袋の生産地である本市において、健康づくりと地場産業振興の両面を目指して、屋内用トレーニング足袋「ナルトレタビ」を開発いたしました。

 7月6日に実施いたしました商品発表の記者会見では、多くのマスメディアの注目を集めたところです。

 開発に当たりましては、体幹トレーニングの第一人者で、本市まちづくりアドバイザーの木場克己氏の監修のもと、市内事業所のご協力をいただきながら製品化を行ったところであり、足袋のもつ「足指を鍛える力」と「足指の正しい働きを促すインソール」が特徴となっております。

 4週間のトレーニング後の検証結果からは、浮指や外反母趾などの改善、体の重心の安定性が増すなどの効果が確認できたところであります。

 現在NARUTOスポーツコミッションにてプロトタイプモデルを先行販売しておりますが、効果検証を継続し、小中学校や介護予防の現場にも導入できるよう検討を重ねてまいりたいと考えております。

 さらに、今後は全国販売も予定しており、自宅でのトレーニングなど、この「ナルトレタビ」を使ったコロナ禍での新しい屋内トレーニングを「鳴門モデル」として全国に発信してまいります。

 

 次に、「武道ツーリズム」についてであります。

 本市では、新たなスポーツツーリズムの創出に向けて、NARUTOスポーツコミッションが主体となり、市内の各武道団体や観光関連事業者等の皆様とともに「武道ツーリズム研究会」を発足いたしました。

 本研究会では、武道競技における大会・合宿誘致や日本発祥の柔道、空手などの武道体験と神社仏閣での体験など日本文化体験を組み合わせた旅行プランの造成に取り組むこととしております。

 地元の子どもたちに武道や地域の魅力を再発見してもらうマイクロツーリズムに加え、アフターコロナを見据え、インバウンドをはじめとした市外からの誘客に向け、まずはモニターツアーを実施してまいります。

 

 次に、「鳴門スポーツ月間」についてであります。

 現在、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、「新しい生活様式」を実践し、中長期にわたり感染症と向き合う中で、運動不足から身体的及び精神的な健康を脅かす健康二次被害が懸念されているところであります。

 そこで、本市では10月を「コロナに負けるな 鳴門スポーツ月間」といたしまして、市民の皆様に健康のために意識的に身体を動かしていただく1か月にするため、様々な企画を進めてまいります。

 

 まず、「オクトーバー・ラン&ウォーク2021」についてであります。

 本年5月には、「さつき・ラン&ウォーク2021企業対抗戦」に鳴門市役所として参加いたしましたが、今回は市民の皆様にご参加いただき、10月1日から10月31日までを期間として、スマートフォンの計測アプリを用い、10月の1か月間に走った距離や歩いた歩数を競うオンラインイベントとなっております。

 全国の自治体と競う「全国自治体対抗戦」のほか、全国や市内での個人ランキングなど毎日更新される4つのランキングにより、楽しみながら運動を継続していただきたいと思います。

 

 次に、「チャレンジデー2021」についてであります。

 例年5月に開催している当該イベントですが、本年度は、10月27日に延期し、実施いたします。

 内容につきましては、これまでと同様に人口規模がほぼ同じ自治体同士が、午前0時から午後9時までの間に15分以上継続して運動やスポーツを行った住民の参加率を競う「住民参加型のスポーツイベント」となっております。

 今回は新たな試みとして、当日、テレビ鳴門や市公式ウェブサイトなどで運動動画を配信し、自宅や職場などで見ていただきながら、ご参加いただくリモート開催といたしますが、ご参加をされた際にはこれまでと同様に鳴門市チャレンジデー実行委員会までご報告をお願いいたします。

 

 さらに、こうしたイベントに加えまして、10月3日のサガン鳥栖戦、10月23日の大分トリニータ戦の徳島ヴォルティスホームゲーム観戦には、徒歩やジョギング、自転車等、簡単な運動をしながらスタジアムにお越しいただき、J1残留に向けて熱い応援をお願いできたらと思います。

 

 10月を市民一丸となって健康づくりに取り組む1か月とし、幅広く周知を図りながら、心身のリフレッシュや健康増進のため、運動・スポーツを始める又は再開するきっかけづくりにつなげてまいります。

 

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(4)「鳴門の渦潮」を中心とした広域ブランディング事業の推進について

 

 次に、「鳴門の渦潮」を中心とした広域ブランディング事業の推進についてであります。

 本事業は、隣接する兵庫県南あわじ市と連携し、観光客の皆様に楽しんでいただけるグルメの開発やプロモーション事業を展開することなどにより、渦潮エリアとしてのブランド力の向上を通じた観光産業、さらには地域経済の活性化を図ることを目的としております。

 今年度においては、鳴門の渦潮が育んだ海の幸を用いた新たなご当地グルメの開発に取り組んでおり、今月15日には食材や調理方法、提供方法などを事業者の皆様と一緒に話し合う1回目のワークショップを開催する予定としております。

 是非とも多くの事業者の皆様にご参加いただき、鳴門の新たなグルメ開発にお力添えをいただければと考えております。

 

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(5)「道の駅・ふるさと納税事業」について

 

 次に、「道の駅・ふるさと納税事業」の推進についてであります。

 大津町備前島に建築中の「くるくる なると」については、去る7月20日、国土交通省徳島河川国道事務所から、本市に対して道の駅の「登録証」が伝達され、この度の道の駅への登録により、徳島県内はもちろん、四国でも一番新しい道の駅となりました。

 今後につきましては、建築工事の早期完了のほか、商談会の実施や地域特産物を活用した新商品開発、全国に向けた地場産品の販路拡大や地域活性化を図るための「道の駅事業」と「ふるさと納税事業」との連携体制の構築など、令和4年春の開駅に向けて引き続き、国や関係団体等と密接に連携しながら、鋭意、検討・準備を進めてまいります。

 

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(6)「メドケ リューネブルク市長の退任」について

 

 次に、「メドケ リューネブルク市長の退任」についてであります。

 本市の姉妹都市であるドイツ・リューネブルク市のウルリヒ・メドケ市長が本年10月31日をもってリューネブルク市長を退任される予定となっております。

 メドケ市長におかれましては、30年あまりの長きにわたり姉妹都市交流の活性化と発展向上にご尽力をいただき、平成30年には鳴門市特別名誉市民を授与させていただきました。

 今日の本市とリューネブルク市がこれほどまで友好な関係を築くことができたのは、ひとえにメドケ市長の存在なしでは語ることができません。

メドケ市長のこれまでのご功績に深く感謝の意を表します。誠にありがとうございました。

 本来であれば、訪問の上、直接感謝の気持ちをお伝えするところではございますが、コロナ禍の現在では残念ながらそれも難しい状況でありますため、お手紙にしてお届けしたいと考えており、市民の皆様にもメドケ市長への感謝のメッセージを募集したところであります。

 お寄せいただきましたメッセージについては、取りまとめをさせていただいた後、9月末頃に市からメドケ市長にお届けをする予定といたしております。

 今後も、メドケ氏に築き上げていただいた実績を基に、本市とリューネブルク市との交流を継続しながら、より親睦を深めることができるよう努めてまいります。

 

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(7)本市を取り巻く社会経済情勢への対応について

 

 次に、本市を取り巻く社会経済情勢への対応についてであります。

 最近の社会経済情勢について概観いたしますと、内閣府の8月月例経済報告の基調判断では、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にある中、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」とのことであります。

 また、8月16日に発表された4月から6月期のGDP速報値では、前期比で0.3%増、年率換算では1.3%増となり、2四半期ぶりのプラス成長となったところではありますが、背景には海外経済の改善などによるものがあり、柱となる個人消費は新型コロナウイルス感染症拡大の影響でいまだ伸び悩んだままとなっているところであります。

 景気の先行きにつきましては、ワクチン接種の進展とともに景気が上向くとの期待は依然あるものの、「デルタ株」の影響を受けて「緊急事態宣言」等の対象地域の増加、特に近隣県においても「まん延防止等重点措置」が出されるなど、外出自粛や飲食店の時短営業により個人消費はますます伸び悩み、より厳しい状況になるものと考えております。

 こうした厳しい状況が長引く中、影響を直接受けやすい市民、観光、飲食業等の事業者の皆様の生活をしっかりと支援していく必要があると判断いたしまして、今期定例会においても緊急支援策「第13弾」を盛り込んだ補正予算案を提出いたしております。

 加えまして、9月3日の報道によりますと管総理が自民党次期総裁選の不出馬を表明されたとのことであり、本市といたしましては、今後新総理のもと国により実施される緊急の経済対策等の動向にアンテナを高くし、情報収集に努め、適切に取り組んでまいりたいと考えております。

 

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(8)緊急支援策「第13弾」について

 

 それでは、緊急支援策「第13弾」についてであります。

 はじめに、「アフターコロナに向けた観光事業者向け経営相談事業」についてであります。

 新型コロナウイルス感染症は変異株等の流行により収束に至らない中、緊急事態宣言等に伴う外出自粛等の影響により、宿泊業や飲食業をはじめ、様々な観光事業者が大きな影響を受けているところであります。

 今後、徐々に需要が戻ってきたとしても、観光客をはじめ、多くの人々の生活スタイルが変わる中で、事業者においても新たな視点での商品造成やビジネス展開が求められるものと考えております。

 そこで、これらの事業者が抱える課題を個別に解消することで、事業者への支援に繋げるため、観光事業者を対象に専門家によるセミナーを開催するとともに、新事業・新商品の開発支援やプロモーションなどについて個別に相談できる経営相談会を実施してまいります。

 

 次に、「鳴門市水産事業継続給付金」についてであります。

 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、本市水産業の基幹である「わかめ養殖」及び「ブランド魚種」の販売に影響が出ており、加えてかねてからの気候変動等により、わかめの収穫が減少しているとのお声を漁業者の皆様より頂戴しているところであります。

 市内各漁業協同組合は、水産事業者の中核的組織として販売事業や指導事業のほか、漁場の利用調整、資源管理などの公益的かつ多様な役割を担っております。

 しかし、漁業者の減少が続く中、新型コロナウイルス感染症等の影響により販売手数料をはじめとした収入が減少しており、漁業協同組合の経営が厳しい状況にあります。

 こうしたことから、長期化するコロナ禍における市内漁業協同組合の経営安定を図るため、市内の8つの漁業協同組合に対して、事業継続のための給付金を給付し、ひいては生産者である漁業者の支援につなげてまいります。

 

 以上が、今回の補正予算で対応を行う事業であります。

 緊急支援策「第13弾」では、令和2年度からの繰越予算や令和3年度の予備費を活用した事業についても予定しております。

 

 まず、「経済対策」についてであります。

 本市は、緊急支援策第11弾といたしまして、「コロナ規制による影響の軽減支援事業」を8月末まで実施し、事業者の皆様の支援に取り組んでまいりました。

 しかしながら、8月以降、新型コロナウイルスの感染再拡大によって、とくしまアラート「特定警戒」の発動や県内2度目の飲食店等への「営業時間短縮要請」など、コロナ規制による影響がこれまで以上に大きくなってきており、特に影響を受けていると考えられる事業者の皆様を再度支援いたします。

 また、不特定多数の人が利用することのない事業所等の事務所内でも、感染症のクラスターが発生していることから、支援対象を拡充し、市内オフィスにおける感染拡大防止対策についても支援をいたします。

 対象は、冠婚葬祭業などとくしまアラートの影響を特に受けている事業者や時短要請に応じた飲食店と取引のある事業者、市内にオフィスを構える事業者とし、一律で2万円を給付いたします。

 

 次に、「鳴門市観光関連事業者支援給付金」についてであります。

 これまで、宿泊施設や観光施設をはじめとする観光事業者へ、「鳴門市観光持続化給付金」を支給するなど、様々な支援を行ってまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響が長引くことにより、より幅広い業種にも影響が広がっております。   

 このような状況を鑑み、新たに対象事業者を広げ、支援を行ってまいります。

 具体的には、「体験型観光施設を営む事業者」や「宿泊施設や観光施設、土産物店などの観光事業者と取引のある事業者」へ、一律5万円を給付いたします。

 

 次に、「感染症防止対策」についてであります。

 地域で活動いただく皆様の安全・安心を確保するため、自治振興会の拠点となる施設等に体温スクリーニングと自動手指消毒の機能を持った機器を配備するとともに、市民団体が行う事業の支援といたしまして、机上で使用する間仕切り板や自動で体温測定と手指消毒を行う機能を持った機器の貸し出しを行います。

 現在は、コロナ禍の影響もあり、集会やイベント等の開催など地域での活動が制限されている状況となっておりますが、今後のウィズコロナ・アフターコロナを見据え、地域活動の支援を行ってまいります。

 

 次に、子育て支援についてであります。

 新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中で、低所得の子育て世帯に対し、児童1人につき、1万円のうずとく商品券を配布する「子育て世帯商品券給付事業」を実施いたします。

 対象は、今年度実施しております国の「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」及び当該給付金に係る市が独自に設定した要件を満たす受給対象者に加え、要保護・準要保護児童生徒のいる世帯も対象といたします。

 また、生活への追加支援として、同事業の対象者には商品券の配布に併せて「市指定ゴミ袋無償交付引換券」を同封いたします。

 

 次に、「地域バスの購入」についてであります。

 里浦粟津運動公園線・高島線を運行しております地域バス車両が故障により走行不能となったため、新たな車両を購入いたします。

 この度の車両購入にあたっては、現行の利用者数の状況に鑑み、車両の小型化を図るとともに、鳴門市にお住まいのキャラクターデザイナーの川久保貴美子さんが考案され、全国的な人気を誇る「ししゃもねこ」を車体にラッピングするなど、これまで以上に利用者の皆様に愛され、親しまれる地域バスにしてまいりたいと考えております。

 

 次に、「ドイツ村公園」のトイレ整備についてであります。

 大麻町桧にあるドイツ村公園においては、平成28年に既設トイレを撤去いたしまして、それ以来トイレがない状態でありました。

 現在、ドイツ村公園に学習に来る児童や板東俘虜収容所跡地を訪れてくださった皆様においては、トイレを使用する際は道の駅第九の里まで、あるいは坂の上にある、鳴門西PAまで移動をしていただくことになり、大変ご不便をおかけしている状況であります。

 こうしたことからドイツ村公園隣接地にトイレを設置し、公園の利便性を高めるとともに、観光バス及び一般車両等の駐車場のほか、板東俘虜収容所跡地及びその周辺の案内看板等を設置することで、板東地域の情報発信の拠点となるよう、ユネスコ「世界の記憶」への登録も見据えて整備を進めてまいります。

 

 次に、「鳴門市文化協会創立50周年記念事業」についてであります。

 今年は、鳴門市文化協会が創立されて50周年となるところであります。

 そこで、鳴門市文化協会創立50周年記念事業といたしまして、令和4年1月に鳴門・大塚スポーツパークアミノバリューホールにて、鳴門市芸能祭及び徳島県文化研修会を同時開催いたします。

 鳴門市芸能祭では、2年ぶりに文化協会の各団体の皆様による発表を行っていただき、徳島県文化研修会では、テレビでおなじみの俳人夏井いつきさんをお招きして、句会ライブを開催いたします。

 皆様是非ご来場いただけますようお願い申し上げます。

 

 次に、「地域支援事業」についてであります。

 まず、「高齢者スマートフォン教室開催事業」についてであります。

 スマートフォンは、情報入手や相互交流の面等から大変利便性の高いものであり、今後のデジタル社会への対応においてもスマートフォンの利用が必要になってきておりますが、高齢者の皆様にとっては、スマートフォンの使用にあたり画面の見方など操作の面で大変ご苦労をされる場合もあるかと思います。

 そこで、本市では、高齢者の皆様がスマートフォンの基本的な操作方法を学ぶための教室を開催するとともに、デジタル社会の基盤でもあるマイナンバーカードの取得に向けた周知啓発も併せて行うなど、高齢者のデジタル活用や社会参加を支援いたします。

 

 次に、「GOTOサロン推進事業」についてであります。

 アフターコロナを見据え、高齢者の外出機会の創出や介護予防の普及啓発を図るため、地域の通いの場である「いきいきサロン」で行われている「いきいき百歳体操」に参加した高齢者に、「ナルトレタビ」を配布し、フレイル予防に役立てていただく、いきいきサロン参加促進事業「GOTOサロンキャンペーン」を行ってまいります。

 これは、コロナ禍の影響により生じている、高齢者の閉じこもりや運動機会の減少への対応が急務であると考えており、要介護認定に陥る方が増大する前に、「いきいきサロン」活動に参加していただく高齢者を、コロナ禍以前の参加者数である1,000人程度まで増やしていこうという取組であります。

 この「GOTOサロンキャンペーン」を1つの機会として、高齢者の皆様に「いきいきサロン」に参加していただくことで、高齢者の外出機会の創出や運動機能の維持・向上、さらには「フレイル予防」に取り組んでまいります。

 

 次に、「市民向けインフォーマルサービスガイド配布事業」についてであります。

 本市では少子高齢化が進む中、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らすことができる体制づくりとして生活支援体制の整備を進めており、市に配置している生活支援コーディネーターにより、地域資源の調査・発掘に取り組んでまいりました。

 本年3月には調査結果等を基に、介護保険以外のサービスである「インフォーマルサービス」の情報を集めたガイドブックを発行し、民生委員の皆様や高齢者支援を行う地域包括支援センター、居宅介護支援事業者に配布し、ご活用をいただいております。

 今回、高齢者の在宅生活の支援を一歩進めるため、当該ガイドブックに掲載されている配食や移動販売、その他生活支援サービスなどの情報を市民向けに分かりやすく整理を行い、全世帯に配布をいたします。

 

 次に、「第2期鳴門市地域福祉計画策定」についてであります。

 現在、平成30年3月に策定をいたしました鳴門市地域福祉計画及び同活動計画に基づき、社会福祉協議会とともに地域での活動を推進しているところであります。

 令和5年度スタートの次期計画の策定にあたっては、市民の皆様の意見を頂戴するため、まずアンケート調査を実施する予定としており、令和5年3月の計画策定に向けて取り組んでまいります。

 

 次に、公立保育所再編事業についてであります。

 健康福祉交流センター北側に令和4年秋に完成予定の新公立保育所施設については、今月末に実施設計が完了する見込みとなっているほか、先月28日には造成工事の受託事業者の選定を行い、現在、当該受託事業者との協議を進めております。

 今期定例会においては、建設工事に要する予算案を計上いたしており、引き続き、利用児童等の安全・安心の確保及び地域の子育て拠点としての保育環境の確保のため、着実な事業の推進を図ってまいります。

 

 次に、「経営継承・発展支援事業」についてであります。

 農業者の減少と高齢化が進行する中、農業の持続的発展を図るためには、農地をはじめとした経営資源を次世代の担い手に継承していくことが重要な課題となっております。

 こうしたことから、地域農業の担い手から経営を継承した後継者が行う経営発展に向けた取組を国等とともに一体で支援をいたします。

 具体的には、認定農業者等の中心経営体である先代事業者からその経営を引き継ぐ後継者が経営発展計画を策定するなどの要件を満たした場合に、100万円を上限として、計画の実現に向け必要となる取組に要する事業費に対して国とともに補助をいたします。

 こうした支援を通じて将来にわたり地域の農地利用等を担う経営体を支援してまいります。

 

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