公開日 2025年08月07日
ウェブサイト上では低額な料金を表示しているが、実際には高額な料金を請求する水回りトラブル対応業者にご注意ください!
令和6年秋以降、水回りトラブル対応業者のウェブサイト上で、「水道つまり漏れ2,980円~」、「一般的な水道事業者 合計9,800~58,000 円 関東水のトラブル相談センター合計2,980~35,000 円」などの表示を見た消費者が、低額な料金で水回りのトラブルを解決できると認識して作業を依頼したところ、実際には高額な料金を請求されたといった相談が、各地の消費生活センターなどに数多く寄せられています。
消費者庁が調査を行ったところ、株式会社ベアーズホーム(以下「本件事業者」といいます。)が、消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがある行為(虚偽・誇大な広告・表示)を行っていたことを確認したため、消費者安全法(平成21 年法律第50 号)第38 条第1項の規定に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表し、消費者の皆様に注意を呼び掛けます。
1.本件事業者の概要
名 称 | 株式会社ベアーズホーム(法人番号 3140001120318) |
所在地 | 神戸市兵庫区駅前通五丁目1番4号 |
代表者 | 北村 光勧 |
ウエブサイトの名称 |
関東水のトラブル相談センター 関西水のトラブル相談センター |
URL |
http://water.bears-home.jp/kanto/ http://water.bears-home.jp/ |
(注)同名又は類似名の事業者・ウェブサイト名と間違えないよう御注意ください。
2.具体的な事例の内容
(1) 水回りのトラブルに遭った消費者がインターネット検索で水回りトラブル対応業者を探します。
自宅のトイレの詰まりやキッチン、洗面所又はお風呂の水漏れ等の水回りトラブルに遭った消費者が、インターネットの検索結果(広告として表示される場合を含みます。)で上位に表示された「関東水のトラブル相談センター」又は「関西水のトラブル相談センター」(以下、併せて「本件ウェブサイト」といいます。)を見つけます。
消費者は、インターネットの検索結果で上位に表示された本件ウェブサイトは、利用者が多く信頼できるウェブサイトであると考え、本件ウェブサイトにアクセスし、以下のような表示内容を見て、低額な料金で水回りのトラブルを解決できる印象を持ちます。
※サイト画像
(2) 消費者は本件事業者に連絡をします。
消費者が、本件ウェブサイトに表示された連絡先に連絡すると、コールセンターなどにつながり、消費者は水回りのトラブルの状況や消費者の所在地等を説明し、本件事業者に水回りのトラブル対応の依頼をします。その後、本件事業者の作業員から折り返し連絡があり、トラブル状況の確認と到着予定時間を伝えられます。なお、コールセンターや作業員から、料金に関する説明はなく、消費者が料金について尋ねると、「やってみないと分からない」、「状況を見ないと分からない」などと言い、具体的な料金説明はありません。
(3) 消費者宅に到着した作業員は、見積書を交付することなく作業を開始します。
消費者宅に到着した本件事業者の作業員は、消費者から水回りのトラブル状況や場所を確認後、作業内容や見積書を提示することなく、作業を開始します。
その後、作業員は、作業を行っている途中で、以下のような追加作業の承認を求めてきますが、ここでも具体的な料金の説明はされません。
【トイレ詰まりの事例】
・外さないと無理ですね。2メートルやっても無理でした。これ以上やれば、1メートル2万円プラスですが、よろしいですか?
・駄目なので、便器を外してワイヤーを入れます。
・排水管内の高圧洗浄をします。
(4) 最終的には、高額な料金が請求されます。
本件事業者の作業員は、作業終了後、「契約書兼請求書」といった請求書を消費者に渡し、料金を請求します。
消費者は、具体的な料金の説明はされず、ウェブサイトの表示には、「一般的な水道事業者 合計9,800~58,000 円、 合計2,980~35,000 円」といった表示もあったことから、最大でも、当該表示に記載された3万5000円程度の請求がされるものと認識していますが、当該表示料金を超える高額な料金が請求されます。
消費者の中には、トイレ詰まりの解消作業で数十万円の請求があった事例や、お風呂の水漏れ(水栓部分)解消作業でも数十万円の請求があり、別の事業者に相談したところ、1万円から2万円で作業できる旨の回答を得た、という事例もありました。また、消費者の中には、事前に説明がなかった作業項目の料金が計上されたり、書面を交付されず口頭のみで料金を請求されたりした消費者もいました。
3.消費者庁で確認した事実
本件事業者は、本件ウェブサイトにおいて、「水のトラブル即解決!」、「水道つまり漏れ2,980 円~」、「一般的な水道事業者 合計9,800~58,000 円関東水のトラブル相談センタ- 合計2,980~35,000 円」などと表示することにより、あたかも、最大でも3万5000円程度の料金で水回りのトラブルが解決できるかのように広告・表示していましたが、実際には、本件事業者の作業の実態は前記2のとおり、表示された範囲内の料金ではなく数十万円もの請求をされるなど、広告・表示の内容とは異なるものでした(虚偽・誇大な広告・表示)。
4.消費者庁から皆様へのアドバイス
○ 水回りトラブルが発生した場合も慌てずに、まずは冷静になりましょう。
水回りトラブルを含む暮らしのレスキューサービスに関し、消費者の不安や恐怖を煽って、不要な商品やサービスを高額で売りつける悪質な事案が発生しています。トイレが詰まるなどのトラブルが発生しても慌てずに、まずは冷静になり家族や周りの人に相談しましょう。
もしものために、地元の水道工事事業者なども把握しておきましょう。
○ 極端に安い料金表示には注意しましょう。
極端に安い料金表示の場合、事業者から追加作業が必要などと説明され、意図せず高額な請求をされる場合がありますので、注意しましょう。
○ インターネット検索結果で「上位」だからといって信用できるとは限りません。
検索結果が上位のサイトは、信頼性の高いサイトであるなどのイメージがありますが、「広告(スポンサー)」として上位に表示される場合もありますので、検索結果の上位に表示されているということだけで業者を信用するのではなく、サイトの内容や会社概要、所在地、水道局指定業者などの情報を確認して、信頼できる業者を選択しましょう。
○ 具体的な作業内容に基づく見積書を確認し、過大で高額な請求をされないようにしましょう。
作業内容や料金について十分な説明がされないまま作業され、高額請求をされることがないように、作業前に、具体的な作業内容を確認の上、必ず見積りを依頼しましょう。そして、見積内容に納得できない場合は、断固として断りましょう。また、作業内容を確認するためにも、作業には必ず立ち会いましょう。
○ 事業者とその場で契約した場合は、クーリング・オフができる可能性があります。
水回りトラブル対応を依頼した事業者とその場で契約した場合、訪問販売に関する特定商取引法の規定によるクーリング・オフ等が適用できる可能性があります。困ったときは、最寄りの消費生活センター等に相談しましょう。
【相談窓口】
費者ホットライン 188(いやや!)お住まいの地域の消費者センターにつながります
鳴門市消費生活センター うずしお会館4階(月~金曜日)9時30分~15時30分
TEL(088)686-3776
徳島県消費者情報センター (土・日にご相談されたい方)9時~16時
TEL(088)623-0110
警察相談専用電話 #9110