○鳴門市中小企業振興基本条例

平成28年6月24日

条例第26号

私たちのまち鳴門市は、「鳴門の渦潮」に代表される雄壮で風光明媚な自然環境に恵まれ、その恵みを生かした「なると金時」「れんこん」「鳴門わかめ」「鳴門鯛」など、全国的に有名な「鳴門ブランド」に代表される農水産業、また、製塩業や「足袋」「陶器」などの多様な伝統産業の発展により、古くから本州と四国を結ぶ交流拠点都市として栄えてきた。

その中にあって、市内企業の多数を占める中小企業は、地域の発展と共に育ち、地域経済と雇用を根幹から支えるとともに、その企業活動を通じて地域社会や市民生活の向上に貢献する役割を担ってきた。

そして現在、社会情勢がめまぐるしく変化していく中にあっても、中小企業の存在と持続的な繁栄は、今後も本市が持続的に発展をしていくにあたって欠くことのできないものである。

こうした認識のもと、中小企業が持続的に成長発展をしていくためには、まず、事業者が自ら地域社会の重要な役割を担っていることを理解し、常に自主的な努力を行っていくことが求められるとともに、地域社会に関わる人々が、中小企業の振興が本市の持続的発展に欠かせないものであるという認識を共有することによって、その成長を支えていくことが必要となる。

また、豊かな食文化や恵まれた立地と自然環境、さらには、お遍路さんへのお接待文化やドイツとの交流の歴史にみられる人情味あふれた市民性など、先人たちが育んできた本市の貴重な財産は、将来において、中小企業が成長発展するための大きな力となり得るものである。

ここに、本市の特性を活かした個性あふれる、強い経済基盤をもったまちづくりを実現するため、地域社会が一体となって中小企業の振興に取り組んでいくことを強く決意し、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、鳴門市における中小企業の振興に関し、基本理念及び施策の基本方針を定めるとともに、市の責務、中小企業者等の役割等を明らかにすることにより、中小企業の振興に関する施策を地域社会が一体となって推進し、もって地域経済の発展及び市民生活の向上に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるころによる。

(1) 中小企業者 中小企業基本法(昭和38年法律第154号。以下「法」という。)第2条第1項各号に掲げる者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(2) 小規模企業者 法第2条第5項に規定する者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(3) 小企業者 小規模企業振興基本法(平成26年法律第94号)第2条第2項に規定する者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(4) 中小企業者等 中小企業者、小規模企業者及び小企業者をいう。

(5) 中小企業団体 商工会議所、商工会、中小企業団体の組織に関する法律(昭和32年法律第185号)第3条第1項各号に掲げる中小企業団体、商店街振興組合法(昭和37年法律第141号)第2条第1項に規定する商店街振興組合その他の中小企業の振興を目的とする団体であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(6) 大企業者 中小企業者以外の事業者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(7) 学術研究機関等 学術研究機関、産業支援機関及び教育機関をいう。

(8) 金融機関 市内に本店又は支店を有する銀行、信用金庫その他の金融機関及び徳島県信用保証協会をいう。

(9) 市民 市内に在住、在勤又は在学する者をいう。

(10) 産学公民金 中小企業者等、中小企業団体、大企業者、学術研究機関等、行政、市民、金融機関、マスメディア等の中小企業の振興支援に関係する者をいう。

(基本理念)

第3条 中小企業の振興は、次に掲げる事項を基本として推進されなければならない。

(1) 中小企業者等の自らの創意工夫及び自主的な努力が尊重されること。

(2) 中小企業者等の経済的・社会的環境の変化への円滑な適応が図られること。

(3) 産学公民金が、協働の理念に基づき対等な立場で役割分担をすること。

(4) 持続的な経済循環を促進し、市民にとって豊かで暮らしやすいまちが実現されること。

2 小規模企業及び小企業の振興は、前項に規定する中小企業の振興に関する事項のほか、次に掲げる事項を基本として推進されなければならない。

(1) 中小企業の中でも多数を占める小規模企業及び小企業は、地域の経済及び雇用を支える極めて重要な存在であることに鑑み、小規模企業者及び小企業者の事業の持続的な発展が図られること。

(2) 経営資源の確保に苦慮することが多い小規模企業者及び小企業者の経営状況に応じ、必要な配慮が行われること。

(市の責務)

第4条 市は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、中小企業者等の将来的展望等を調査研究するとともに、中小企業振興施策を策定し、及び実施しなければならない。

2 市は、中小企業振興施策の策定及び実施に当たっては、当該施策に中小企業者等その他の関係者の意見を反映させるため、産学公民金での連携を図り、その協力関係を構築しなければならない。

3 市は、工事の発注並びに物品及び役務の調達等に当たっては、予算の適正な執行に留意しつつ、市内の中小企業者等の受注機会の増大に努めなければならない。

(中小企業者等の役割)

第5条 中小企業者等は、経済的・社会的環境の変化に対応して事業の成長発展を図るため、経営の革新及び経営基盤の強化について自主的に取り組むよう努めるものとする。

2 中小企業者等は、自らが地域経済の基盤を形成していることを認識し、雇用環境の整備、雇用の維持及び創出並びに人材の育成に努めるものとする。

3 中小企業者等は、地域社会を構成する一員としての社会的責任を認識し、地域社会と協働して、地域の発展に積極的に取り組むよう努めるものとする。

(中小企業団体の役割)

第6条 中小企業団体は、事業活動を行うに当たっては、中小企業者等とともに基本理念の実現に主体的に取り組むよう努めるものとする。

2 中小企業団体は、中小企業者等の地域の中小企業団体への加入並びに各種事業者間の連携及び交流の推進に努めるものとする。

3 中小企業団体は、市が行う中小企業振興施策に積極的に連携するとともに、中小企業振興事業を積極的に推進するものとする。

(大企業者の役割)

第7条 大企業者は、地域社会を構成する一員としての社会的責任を認識し、暮らしやすい地域社会の実現に貢献するよう努めるものとする。

2 大企業者は、事業活動を行うに当たっては、中小企業者等が自らの事業活動の維持及び発展に欠くことのできない重要な存在であることを認識し、中小企業者等との連携に努めるものとする。

3 大企業者は、中小企業の振興が市の経済活動の発展に重要な役割を果たすことを認識し、市が実施する中小企業振興施策との連携を図るよう努めるものとする。

(金融機関の役割)

第8条 金融機関は、中小企業者等が経営の革新及び経営基盤の強化に取り組むことができるよう、円滑な資金の供給をはじめ経営相談等を通じて支援を行うことにより、中小企業者等の成長発展に協力するよう努めるものとする。

2 金融機関は、中小企業の振興が市の経済活動の発展に重要な役割を果たすことを認識し、市が実施する中小企業振興施策との連携を図るよう努めるものとする。

(学術研究機関等の役割)

第9条 学術研究機関等は、中小企業者等が基本理念の実現に向け取り組む事業活動に協力するよう努めるものとする。

2 学術研究機関等は、中小企業及び小規模企業の振興が市の経済活動の発展に重要な役割を果たすことを認識し、市が実施する中小企業振興施策との連携を図るよう努めるものとする。

(市民の理解及び協力)

第10条 市民は、中小企業の振興が市民生活の維持及び向上並びに地域貢献活動の継続及び発展に重要な役割を果たしており、今後の地域づくりの推進においても不可欠の存在であることを理解し、中小企業者等の成長発展に協力するよう努めるものとする。

2 市民は、地域経済の循環を担う消費者として、市内で生産、製造又は加工される物品を消費し、及び市内で提供されるサービスを利用するよう努めるものとする。

(施策の基本方針)

第11条 市は、次に掲げる事項を基本方針とし、中小企業振興施策を策定し、及び実施するものとする。

(1) 中小企業者等相互間の交流又は連携の促進を図ること。

(2) 中小企業者等及び産学公民金の交流又は連携の促進を図ること。

(3) 中小企業者等の創業及び新たな事業活動の促進を図ること。

(4) 中小企業者等の経営の革新及び経営基盤の強化の促進を図ること。

(5) 中小企業者等の人材の確保及び育成の促進を図ること。

(6) 中小企業者等の販路及び受注機会の拡大の促進を図ること。

(7) 中小企業者等の情報の発信及び収集並びに産学公民金相互間での情報共有機能の強化の促進を図ること。

(8) 地域資源の活用による産業の発展及び創出の促進を図ること。

(9) 産学公民金が行う地域経済の活性化に資する事業に対して協力及び支援を図ること。

(10) 中小企業の振興に関する市民の理解及び協力の促進を図ること。

(11) 前各号に掲げるもののほか、中小企業の振興のために必要な施策の推進を図ること。

(財政上の措置)

第12条 市は、中小企業の振興に関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(児童及び生徒の勤労観等の醸成)

第13条 市及び中小企業者等は、次世代を担う児童及び生徒が、将来、社会人及び職業人として自立できるよう、職業に関する理解及び体験の機会等を提供し、勤労観及び職業観の醸成に努めるとともに、将来の地域を担う人材の育成に努めるものとする。

(会議の開催)

第14条 市は、この条例の目的を達成するため、産学公民金による会議を定期的に開催するものとする。

(実施状況の公表)

第15条 市は、毎年度、中小企業の振興に関する施策の実施状況を公表するものとする。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成28年9月1日から施行する。

(鳴門市商工業振興条例の廃止)

2 鳴門市商工業振興条例(昭和26年鳴門市条例第71号)は、廃止する。

鳴門市中小企業振興基本条例

平成28年6月24日 条例第26号

(平成28年9月1日施行)