○鳴門市男女共同参画推進条例
平成27年3月24日
条例第15号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 男女共同参画を推進するための責務・役割(第4条―第9条)
第3章 男女共同参画を阻害する行為の制限(第10条―第12条)
第4章 男女行動計画(第13条―第15条)
第5章 男女共同参画推進の取組に対する市の支援(第16条―第24条)
第6章 ドメスティック・バイオレンス及び児童虐待等に対する相談・支援拠点(第25条―第27条)
第7章 市が取り組むべき男女共同参画推進施策(第28条―第33条)
第8章 鳴門市男女共同参画推進審議会(第34条―第37条)
第9章 雑則(第38条)
附則
すべての人は、生まれついての性別やジェンダーに束縛されず、個人として平等であり、あらゆる差別を受けることなく、人権が尊重される権利を有しています。
このことは、日本国憲法でもうたわれていますが、男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号)が制定・施行されている今でも、経済的・社会的には男性が優位であり、育児や介護など家庭生活の多くを女性が担っている現状では、女性の参画が進んでいません。
鳴門市でも、男女共同参画社会の実現に向けて、「鳴門パートナーシッププランⅡ(セカンド)ステージ」を策定し、女性の救済や自立支援など、女性政策の推進に取り組んできました。
しかし、雇用環境の不安定化や少子高齢化の進展に伴う介護や子育て支援の課題は、性別役割を強制する意識や慣習に根差した社会では解決できなくなっています。
そして、これらの課題の影響は、新たに貧困や格差、ドメスティック・バイオレンスや様々なハラスメント等の問題を生じさせ、女性や子ども、高齢者といった社会的要支援者に集中しています。
私たちは一刻も早い課題や問題の解決を願い、「男女共同参画宣言都市なると」の誇りを持ち、協働し合って、すべての人が対等なパートナーとして助け合い、支え合い、幸せを分かち合うまちづくりを実現するため、この条例を制定します。
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この条例は、男女の人権が平等に尊重され、かつ、男女が責任を分かち合い、認め合いながら生きがいを持って共に自立し、支え合い、個性や能力を発揮できる社会を築いていくことの重要性にかんがみ、男女共同参画の推進に関する基本理念を定めるものです。
2 この条例は、男女共同参画の推進に関する基本理念を踏まえ、市、市民及び事業者等の責務を明らかにします。
3 この条例は、前2項のほか、男女共同参画社会の形成を総合的、計画的に推進することを目的に、市の施策の基本となる事項を定めます。
(1) 男女共同参画 男女が、性別にかかわりなく、自らの意志によって社会のあらゆる分野における活動に平等に参画する機会が確保され、それによって男女が等しく政治的、経済的、社会的及び文化的利益を受けることができるとともに責任を担うことをいいます。
(2) 積極的格差是正措置 社会のあらゆる分野における活動の男女間の格差を是正するため、必要に応じて、男女のいずれかに対し、積極的に参画するための機会を提供することをいいます。
(3) 市民 次のいずれかに該当する人をいいます。
ア 市内に住む人
イ 市内の事務所又は事業所に勤務する人
ウ 市内の学校に在学する人
(4) 事業者 市内において事業を行う個人及び法人その他の団体をいいます。
(5) 教育関係者 市内において就学前教育、学校教育、社会教育、家庭教育その他のあらゆる教育に携わる個人及び法人その他の団体をいいます。
(6) 市民団体 様々な分野において、より多くの人が豊かに生活できることを目的として継続的に活動を行う特定非営利活動法人その他の団体をいいます。
(7) 市民等 市民、事業者、教育関係者及び市民団体のことをいいます。
(8) セクシュアル・ハラスメント 性的な言動を受けた個人に不快感又は不利益を与え、職場などの生活環境を害する行為をいいます。
(9) ドメスティック・バイオレンス 夫婦(事実上、夫婦関係にある者を含みます。以下同じです。)、恋人等の間において身体的、性的、心理的、経済的又は社会的に苦痛を与える暴力的行為をいいます。なお、夫婦、恋人等が養育する子どもを巻き込んだ暴力的行為を含みます。
(10) ワーク・ライフ・バランス 仕事と生活の調和のことをいい、誰もが、仕事、家庭生活、地域生活、個人の自己啓発その他の活動について、自らの希望に沿って行える状態をいいます。
(11) 協働 共通の目標を達成するために、市民等及び市が互いの信頼関係のもと、対等な関係に立って協力することをいいます。
(12) マイノリティ 同性愛者、両性愛者、性同一性障がい者、インターセックス等の性的少数者(以下「セクシュアル・マイノリティ」といいます。)や在日外国人、アイヌの人々、被差別部落の人々、障がい者等様々な差別に苦しんでいる人等、社会的少数者をいいます。
(13) ジェンダー 生まれついての生物学的性別に対し、社会通念や慣習の中にある「男らしさ」又は「女らしさ」のような、社会や文化によって作り上げられた社会的性別をいいます。
(14) 女性相談員 ドメスティック・バイオレンス及びセクシュアル・ハラスメント等の暴力的行為の被害者の早期発見に努め、必要な相談、調査、指導・援助、一時保護を行う相談員をいい、婦人保護事業と密接な関連のある各種制度について精通し、業務を実施するために必要な識見や資格を有している人をいいます。
(15) 家庭児童相談員 子どもの養育と養育に関連して発生する様々な問題の解決と家庭児童の福祉増進を図ることを目的に、子どもの安全と最善の利益を第一として、親や養育者、子どもに対する専門的な相談や指導、支援を行う相談員をいい、児童家庭相談援助事業の各種制度に精通した人をいいます。
(基本理念)
第3条 男女共同参画の基本理念は、次のとおりとします。
(1) 男女の人権の尊重 男女の人権が性別による差別的取扱いを受けることなく平等に尊重され、すべての人が個性や能力を最大限発揮できるとともに生きがいを感じ、個人としても尊重されることです。
(2) 社会における制度又は慣行についての配慮 性別による固定的な役割分担意識等に基づく社会における制度又は慣行をなくすよう努めるとともに、これらが男女の自由な活動の選択を妨げることがないよう配慮されることです。
(3) 政策等の立案及び決定への共同参画 男女が平等に、市における政策又は事業者、教育関係者及び市民団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されることです。
(4) ワーク・ライフ・バランスの確立 家庭の重要性を認識し、互いの協力と社会の支援のもとに、子育て、介護その他の家庭生活及び職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野における活動が両立できるよう配慮されることです。
(5) 教育の場における配慮 就学前教育、学校教育、社会教育、家庭教育その他のあらゆる教育の場において、男女共同参画の推進に配慮した教育が行われることです。
(6) 暴力的行為(セクシュアル・ハラスメント、ドメスティック・バイオレンスその他の男女共同参画を阻害する暴力的行為をいいます。以下同じです。)の根絶 あらゆる形態の暴力的行為を根絶することが、男女共同参画社会を実現するために不可欠であるという認識を持って行動しなければならないことです。
(7) 性と生殖に関する権利と健康の尊重 男女が互いの身体的特徴及び性について理解を深め、妊娠、出産その他の性と生殖に関し、それぞれの意思や権利が尊重され、生涯にわたり心身の健康を維持できるようにすることです。
(8) 性同一性障がい者等に対する配慮 性同一性障がいを有する人又は先天的に身体上の性別が不明瞭である人等の人権について配慮されることです。
(9) 国際的視野での協調 男女共同参画の推進に向けた取組は、国際社会が目指す理想の1つであり、国際社会における取組と密接に関係していることを考慮し、国際的な視野で協調して行われることです。
(10) 防災・減災分野での男女共同参画 男女双方の視点に配慮した災害に負けない安全・安心なまちづくりを進めることです。
(11) マイノリティの人々への配慮 マイノリティの人々の生き方や文化、歴史、風土を尊重するとともに、すべての人がこれらを理解することを通じて、マイノリティの人々に対する差別や偏見を無くし、人権に配慮することです。
(12) 貧困問題の解消 様々な格差や性差別から生じる貧困は、男女が共に人間らしく生きる権利や誰もが幸せになれる権利の保障を根底から崩壊させ、男女共同参画の推進を阻害する要因であると認識し、問題の解消に取り組むことです。
第2章 男女共同参画を推進するための責務・役割
(市の責務)
第4条 市は、この条例の基本理念(以下「基本理念」といいます。)に基づき、男女共同参画の推進に関する施策(積極的格差是正措置を含みます。以下同じです。)を総合的に策定し、実施しなければなりません。
2 市は、前項の施策以外の施策の策定若しくは変更又は実施にあたっては、基本理念に沿うよう配慮しなければなりません。
3 市は、男女共同参画の推進に関する施策を実施するため、必要な推進体制を整備するとともに、財政上の措置その他の必要な措置を講じなければなりません。
4 市は、男女共同参画の推進にあたっては、自らが率先し、市民等との協働により行うとともに、国、県及び他の地方公共団体と連携して取り組むよう努めなければなりません。
(議会及び議員の責務)
第5条 議会は、市民等の意思が市政に反映され、かつ、基本理念に基づいた市政が運営されているかを監視するとともに、基本理念に基づいた議会運営に努めるものとします。
2 議員は、男女共同参画の推進に関する知見を深め、自らも率先して、市民等と協働し、男女共同参画の推進に向けた啓発活動、情報の共有その他の必要な施策の実施に協力するよう努めなければなりません。
(市民の役割)
第6条 市民は、基本理念に基づき、男女共同参画に関する理解を深め、家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野において男女共同参画の推進に自らが積極的に取り組むよう努めなければなりません。
2 市民は、男女共同参画の推進にあたり、関係者及び市民団体の互いの信頼関係に基づき、協働により行うよう努めなければなりません。
(事業者の役割)
第7条 事業者は、その事業活動を行うにあたっては、基本理念に基づき、男女が職場における活動に対等に参画する機会が確保されるよう必要な体制の整備に努めなければなりません。
2 事業者は、男女が共にワーク・ライフ・バランスを確立できる職場環境の整備に努めなければなりません。
3 事業者は、男女共同参画の推進に関する市の施策又は市民、他の事業者若しくは市民団体が実施する活動に協力するよう努めなければなりません。
(教育関係者の役割)
第8条 教育関係者は、男女共同参画の推進に果たす教育の重要性を認識し、自ら男女共同参画の理念を理解するとともに、基本理念に配慮した教育を行うよう努めなければなりません。
2 教育関係者は、同関係者間で十分調整、連携を図りながら、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければなりません。
(市民団体の役割)
第9条 市民団体は、基本理念に基づき、男女共同参画に関する理解を深め、その運営又は活動に男女が平等に参画できる環境を整備するとともに、方針の立案及び決定にあたっては、男女が互いに能力を発揮できるよう努めなければなりません。
2 市民団体は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければなりません。
第3章 男女共同参画を阻害する行為の制限
(性別による人権侵害の禁止等)
第10条 すべての人は、家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野において、性別による差別的取扱いやジェンダーによる固定的性別役割分業を強制してはなりません。
2 すべての人は、セクシュアル・ハラスメント、ドメスティック・バイオレンスその他の性別に起因する心身に及ぶ暴力等の行為により人権を侵害してはなりません。
3 すべての人は、性別又はセクシュアル・マイノリティを理由とする人権侵害を受けたことに対する救済措置を受ける権利を有します。
(セクシュアル・マイノリティに対する人権尊重)
第11条 すべての人は、セクシュアル・マイノリティへの理解を深めるとともに、差別をしたり人権を侵害してはなりません。
2 すべての人は、生まれついての生物学的な性別やジェンダーにとらわれずに、自分が決定した性の自認や性的指向が尊重されなければなりません。
(情報の公開及び表現に関する配慮)
第12条 すべての人は、広く市民等に提供する情報並びに広告、ポスター、看板、映像及びインターネット等公衆に向けて表示する情報において、性別又はセクシュアル・マイノリティを理由とする人権侵害を助長若しくは連想させる表現又は過度な性的表現を行わないよう努めなければなりません。
第4章 男女行動計画
(男女行動計画の策定)
第13条 市長は、男女共同参画の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、鳴門市男女行動計画(以下「男女行動計画」といいます。)を策定します。
2 市長は、男女行動計画の策定又は変更にあたっては、第34条に規定する鳴門市男女共同参画推進審議会の意見を聴くとともに、市民等の意見を反映することができるよう必要な措置を講じます。
3 市長は、男女行動計画を策定又は変更したときは、速やかにこれを公表します。
(男女行動計画推進体制の整備等)
第14条 市は、男女行動計画を着実に推進するため、市長を本部長とする鳴門市男女行動計画推進本部を設置するとともに、必要な体制の整備、情報の収集、分析及び調査研究を行います。
2 市は、男女行動計画を策定し、実施するにあたっては、基本理念に沿って進めなければなりません。
(男女行動計画の実施状況等の公表)
第15条 市長は、毎年、男女行動計画の実施状況について報告書を作成し、これを公表するものとします。
2 市長は、男女行動計画を効果的に実施するため、必要に応じて前条第1項に規定する調査研究の結果を公表するものとします。
第5章 男女共同参画推進の取組に対する市の支援
(市民等の理解を深めるための措置)
第16条 市は、市民等が男女共同参画に関する理解を深め、男女共同参画の推進に向けた取組を積極的に行えるよう啓発活動、情報の提供その他の必要な措置を講じます。
2 市は、男女共同参画推進のための人材育成を行い、研修の実施、活動の場の提供その他の必要な措置を講じます。
(教育の分野における措置)
第17条 市は、基本理念を尊重し、就学前教育、学校教育、社会教育、家庭教育その他のあらゆる教育の分野において、人権意識の向上とともに、男女平等の意識づくり、個性の尊重及び能力の育成並びに男女共同参画を推進するための教育の充実等に必要な措置を講じるよう努めます。
(男女共同参画推進活動に対する支援)
第18条 市は、市民等が自主的に行う男女共同参画の推進に関する活動を促すため、市民等との連携及び協働に努めるとともに、情報提供その他の必要な支援を行います。
(男女共同参画の雇用・労働環境改善のための支援)
第19条 市は、雇用の分野における男女共同参画の推進を図るため、あらゆる雇用の形態において男女平等の労働環境が実現されるよう必要な情報の提供、相談その他の支援を行います。
2 市長は、男女共同参画の推進に関し必要があると認めるときは、事業者に対し、男女共同参画の状況その他の必要な事項について報告を求めることができます。
(個人で営む事業における男女共同参画の支援)
第20条 市は、家族経営的な農林水産業、商工業等の分野において、男女が個人として能力を十分に発揮し、その能力が正当に評価され、経営活動及び地域活動に平等に参画する機会が確保されるよう努めます。
(ワーク・ライフ・バランスの確立への支援)
第21条 市は、家庭を構成する男女が相互の協力と社会の支援のもとに、子育て、介護その他の家庭生活における活動について、家庭の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、職場、学校、地域の活動ができるよう必要な支援を行うよう努めます。
(生涯を通じた健康支援)
第22条 市は、男女が対等な関係のもとに、互いの性についての理解を深め、尊重し合い、生涯を通じて心身ともに健康な生活を営むことができるよう、情報及び健診機会の提供その他の必要な支援を行うよう努めます。
2 市は、性についての理解を深めるための講座及び啓発を実施するとともに、広報紙、市公式ウェブサイト等によりその内容を広く市民等へ周知します。
(ひとり親家庭等に対する支援)
第23条 市は、ひとり親家庭の親又は子どもの養育者がその個性及び能力を十分に発揮できるよう必要な支援を行うよう努めます。
(暴力的行為の防止及び被害者に対する支援)
第24条 市は、暴力的行為を防止するため必要な施策を講じるよう努めます。
2 市は、暴力的行為の被害を受けた者(以下「被害者」といいます。)等が心身ともに健全かつ社会的に自立するために必要な情報の提供、相談及び関係機関等との連携による適切な支援を行うよう努めます。
第6章 ドメスティック・バイオレンス及び児童虐待等に対する相談・支援拠点
(拠点施設)
第25条 市は、前条に規定する施策や支援等を実施し、被害者を早期発見するとともに人権侵害の予防に努め、安全・安心な社会生活が営める環境づくりのため、次に掲げる相談・支援拠点を設置します。
(1) 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号。以下「DV法」といいます。)第3条第2項の規定に基づく、配偶者暴力相談支援センターとしての役割を有する相談・支援拠点。
(2) 児童虐待の防止等に関する相談・支援拠点。
2 市は、前項に規定する事項の達成及び機能の保持のために必要な人的・財政的措置を講じるよう努めます。
(所掌事務)
第26条 相談・支援拠点は、次に掲げる業務を行います。
(1) DV法第3条第3項各号に掲げる業務
(2) ドメスティック・バイオレンスについての周知・啓発・防止事業
(3) 児童虐待を受けた児童の早期発見、自立の支援及び児童虐待の防止等に関する法律(平成12年法律第82号)で市町村が行うとされている業務
(4) その他被害者等の救済及び自立に必要と市長が認める事業
(相談員)
第27条 相談・支援拠点の相談員(以下「相談員」といいます。)は、市職員、女性相談員、家庭児童相談員等をもって充てます。
2 相談員は、相談・支援拠点へ相談等を行った市民等の人権に配慮するとともに、二次的な被害が及ばないように留意しなければなりません。
3 相談員は、前3条に規定する事項を達成するために、見識を広げるとともに、研修等に参加し、その資質の向上に努めるものとします。
4 相談員は、相談等により知り得た秘密を他に漏らしてはなりません。その職を退いた後も同様とします。
第7章 市が取り組むべき男女共同参画推進施策
(政策の立案及び決定への男女共同参画)
第28条 市は、市民等による政策の立案及び方針の決定の過程において、男女共同参画の推進を図るため、次に掲げる事項に取り組みます。
(1) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第202条の3の規定に基づく附属機関及びこれに類する審議会(以下これらを「審議会等」といいます。)の委員を委嘱し、又は任命するときは、審議会等における男女の数がいずれかの性に偏らないように努めます。
(2) 市民等が行う方針の立案及び決定の過程において、女性の参画を積極的に促進するため、市民等に対し、必要な情報の提供、助言その他の支援を行います。
(模範となる環境づくり)
第29条 市は、就業の場における男女共同参画の推進の模範を示すため、次の内容を旨とする施策を講じるよう努めなければなりません。
(1) 男女職員双方の職域を拡大する環境づくり
(2) 職員の男女比率に応じた管理職等への女性の登用を推進するために必要な人材を育成し、能力を開発できる環境づくり
(3) 性別にかかわりなくすべての職員が育児、介護等に関する支援制度を利用できる環境づくり
(4) 男女共同参画についての積極的な職員研修
(積極的格差是正措置)
第30条 市は、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる場での活動等へ参画する機会において、男女の間に格差が生じている場合は、市民等と協力し、積極的格差是正措置を講じるよう努めます。
(表彰)
第31条 市長は、男女共同参画の推進に関する取組を積極的に行っていると認められる市民等に対し、第34条に規定する鳴門市男女共同参画推進審議会の意見を聴いて、これを表彰することができます。
(市の施策等に関する意見又は苦情への対応)
第32条 市長は、市民等から、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策に関し、意見又は苦情の申出を受けたときは、関係機関と連携を図り、適切かつ迅速に対応するものとします。
(相談への対応)
第33条 市民等は、市長に対し、セクシュアル・ハラスメントその他の男女共同参画の推進を阻害する事案について相談することができます。
2 市長は、前項の規定による相談を受けたときは、関係機関と連携し、必要な措置を講じるよう努めます。
第8章 鳴門市男女共同参画推進審議会
(鳴門市男女共同参画推進審議会の設置等)
第34条 市長は、男女共同参画の推進に関する事項について調査審議する鳴門市男女共同参画推進審議会(以下「審議会」といいます。)を設置します。
2 審議会は、次に掲げる事項について調査審議します。
(1) 第13条第2項に規定する事項
(2) 第31条に規定する事項
(3) 第32条第2項に規定する事項
3 審議会は、前項の規定による調査審議を行うほか、男女共同参画の推進に関する重要な事項について、市長に意見を述べることができます。
(審議会の組織)
第35条 審議会は、委員10人以内で組織します。
2 委員は、次に掲げる人のうちから、市長が委嘱します。
(1) 男女共同参画に関し識見を有する人
(2) 関係団体の推薦を受けた人
(3) 公募による市民
3 審議会を構成する委員の10分の3以上は、前項第3号に規定する委員とします。
4 委員の任期は2年とし、再任を妨げません。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とします。
5 委員の報酬及び費用弁償については、鳴門市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(平成20年鳴門市条例第22号)の定めるところによります。
(会長及び副会長)
第36条 審議会に会長及び副会長を置き、委員の互選により定めます。
2 会長は、会務を総理し、審議会を代表します。
3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理します。
(会議)
第37条 審議会の会議は、会長が招集し、会長がその議長となります。
2 審議会の会議は、委員の過半数の出席がなければ開くことができません。
3 審議会の議事は、出席委員の過半数で決め、可否が同数のときは、議長が決定します。
4 会長は、必要があると認めたときは、審議会の会議に関係者の出席を求め、説明又は意見を聴くことができます。
第9章 雑則
(委任)
第38条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定めます。
附則 抄
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において規則で定める日から施行します。
(平成27年規則第31号で平成28年1月1日から施行)
附則(令和6年3月31日条例第22号)
この条例は、令和6年4月1日から施行する。