○鳴門市情報公開条例
平成13年10月10日
条例第34号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 公文書の開示(第5条―第16条)
第3章 審査請求等(第16条の2―第19条)
第4章 雑則(第20条―第24条)
附則
新たな時代に向けて地方分権が進展する中で公正で透明な市政の推進と市民による市政への参画の促進により、開かれた市政を実現していくことが求められている。
情報公開制度は、このような開かれた行政を推進していく上でなくてはならない仕組みとして発展してきたものである。鳴門市と鳴門市民は、市民の「知る権利」が情報公開の制度化に大きな役割を果たしてきたことを十分に認識し、市民がその知ろうとする鳴門市の保有する情報の開示請求権を有することを共通認識するとともに個人のプライバシーの保護も考慮し、情報の公開を一層進めていかなければならない。
このような考え方に立って、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、地方自治の本旨に基づき、公文書の開示を求める権利を保障し、市民の市政への参画をより促進するとともに、情報公開の総合的な推進に関し必要な事項を定め、もって鳴門市(以下「市」という。)が市政の内容を市民に説明する責務を全うすることによって、市民の市政への信頼を深め、公正でより一層開かれた市政の推進に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「実施機関」とは、市長、議会、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会、企業局長及び消防長をいう。
2 この条例において「公文書」とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式、その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
(1) 一般に容易に知り得るもの又は一般に利用することができる施設において閲覧に供されているもの
(2) 歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別に管理しているもの
(3) 文書又は図画の作成の補助に用いるため一時的に作成した電磁的記録であって、規則で定めるもの
(解釈及び運用)
第3条 実施機関は、この条例の解釈及び運用に当たっては、公文書を開示請求する権利を十分に尊重するとともに、開示しないことが正当であると認められる個人に関する情報の保護について最大限の配慮をしなければならない。
(適正な請求及び使用)
第4条 この条例の定めるところにより公文書の開示を請求しようとするものは、この条例の前文の理念及び目的に即し、適正な請求に努めるとともに、公文書の開示を受けたときは、これによって得た情報を適正に使用しなければならない。
第2章 公文書の開示
(開示請求権)
第5条 何人も、この条例の定めるところにより、実施機関に対し、公文書の開示を請求することができる。
(開示請求の手続)
第6条 前条の規定による開示の請求(以下「開示請求」という。)は、次に掲げる事項を記載した書面(以下「開示請求書」という。)を実施機関に提出してしなければならない。
(1) 氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称及び代表者の氏名並びに事務所又は事業所の所在地)
(2) 公文書の件名その他の開示請求に係る公文書を特定するに足りる事項
(3) その他実施機関の定める事項
2 実施機関は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をしたもの(以下「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
(公文書の開示義務)
第7条 実施機関は、開示請求があったときは、開示請求に係る公文書に次の各号のいずれかに該当する情報(以下「不開示情報」という。)が記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該公文書を開示しなければならない。
(1) 法令又は条例(以下「法令等」という。)の定めるところにより公にすることができないと認められる情報
(2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項をいう。)により特定の個人が識別され、又は識別され得るもの(他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 法令等の規定により又は慣行として公にされ、又は公にされることが予定されている情報
イ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報
ウ 公務員等(地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員、地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員及び職員、国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第4項に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)並びに独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)の役員及び職員をいう。)の職務の遂行に係る情報に含まれる当該公務員等の職、氏名及び当該職務遂行の内容に係る部分(ただし、公にすることにより個人の正当な利益が損なわれるおそれがない場合に限る。)
(3) 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。
ア 公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの
イ 実施機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの
(4) 公にすることにより、人の生命、健康、生活又は財産の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生ずると認められる情報
(5) 市の機関、国の機関、独立行政法人等、他の地方公共団体の機関及び地方独立行政法人の内部又は相互間における、審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
(6) 市の機関、国の機関、独立行政法人等、他の地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあるもの
ア 監査、検査、取締り又は試験に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
イ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、市、国、独立行政法人等、他の地方公共団体又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
ウ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
エ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
オ 独立行政法人等、市若しくは他の地方公共団体が経営する企業又は地方独立行政法人に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ
カ 人権擁護に関する事務又は事業に関し、その目的が損なわれ又は人権侵害につながるおそれ
(公文書の部分開示)
第8条 実施機関は、開示請求に係る公文書に、不開示情報とそれ以外の情報とが併せて記録されている場合において、不開示情報を容易に、かつ、開示請求の趣旨を失わない程度に区分できるときは、開示請求者に対し、当該不開示情報に係る部分を除いて開示しなければならない。
(公文書の存否に関する情報)
第9条 開示請求に対し、当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。
(開示請求に対する決定等)
第10条 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部又は一部を開示するときは、その旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨及び開示する日時、場所その他実施機関が定める事項を書面により通知しなければならない。
2 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る公文書を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
3 実施機関は、前2項の規定により開示請求に係る公文書の全部又は一部を開示しないときは、開示請求者に対し、当該各項に規定する書面によりその理由を明記しなければならない。
2 実施機関は、やむを得ない理由により、前項の期間内に開示決定等をすることができないときは、当該開示請求があった日から起算して60日を限度としてその期間を延長することができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、延長の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。
(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)
第13条 開示請求に係る公文書に国、独立行政法人等、地方公共団体、地方独立行政法人及び開示請求者以外の者(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されているときは、実施機関は、開示決定等をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、開示請求に係る公文書の表示その他実施機関が定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。
3 実施機関は、前2項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者が当該公文書の開示に反対の意思を表示した意見書(以下「反対意見書」という。)を提出した場合において、開示決定をするときは、開示決定の日と開示を実施する日との間に少なくとも14日を置かなければならない。この場合において、実施機関は、開示決定後直ちに、反対意見書を提出した第三者に対し、開示決定をした旨及びその理由並びに開示する日を書面により通知しなければならない。
(公文書の開示方法)
第14条 実施機関は、開示請求に係る公文書を開示する決定をしたときは、開示請求者に対し、速やかに当該公文書を開示しなければならない。
2 公文書の開示の方法は、文書、図画については閲覧又は写しの交付により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進展状況を勘案して実施機関が定める方法により行う。
(他の制度との調整)
第15条 この条例は、公文書の閲覧若しくは縦覧又は写しの交付の手続が法令等に定められている場合については、適用しない。
(費用の負担)
第16条 公文書の開示に係る手数料は、無料とする。
2 第14条第2項に規定する公文書の写しの交付を行う場合における当該公文書の写しの作成及び送付に要する費用は、開示請求者の負担とする。
第3章 審査請求等
(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)
第16条の2 開示決定等又は開示請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項の規定は、適用しない。
(審査会への諮問)
第17条 実施機関は、開示決定等又は開示請求に係る不作為について審査請求があったときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、鳴門市情報公開・個人情報保護審査会に諮問し、その答申を尊重して当該審査請求に対する裁決を行わなければならない。
(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合
(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る公文書の全部を開示することとする場合(当該公文書の開示について反対意見書が提出されている場合を除く。)
(諮問をした旨の通知)
第18条 前条の規定により諮問をした実施機関(以下「諮問庁」という。)は、次に掲げるものに対し、諮問をした旨の通知をしなければならない。
(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下同じ。)
(2) 開示請求者(開示請求者が審査請求人及び参加人である場合は除く。)
(3) 当該審査請求に係る公文書の開示について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(1) 開示決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決
(2) 審査請求に係る開示決定等(開示請求に係る公文書の全部を開示する旨の決定を除く。)を変更し、当該審査請求に係る公文書を開示する旨の裁決(第三者である参加人が当該公文書の開示に反対の意見を表示している場合に限る。)
第4章 雑則
(情報公開の総合的な推進)
第20条 実施機関は、第2章に規定する公文書の開示のほか、情報提供施策及び情報公表施策の拡充を図り、市政に関する正確でわかりやすい情報を市民が容易に得られるよう情報公開の総合的な推進に努めるものとする。
2 実施機関は、前項に定める施策を効果的に推進するため、情報の収集、整備及び提供機能の充実、強化に努めるものとする。
(出資法人の情報公開)
第21条 市が出資する法人のうち規則で定めるもの(以下「出資法人」という。)は、この条例の趣旨にのっとり、情報の公開に関し必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 市長は、出資法人に対し、前項に定める必要な措置を講ずるよう指導に努めるものとする。
(指定管理者の情報公開)
第21条の2 指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。以下同じ。)は、この条例の趣旨にのっとり、その管理する公の施設に関する業務に係る情報の公開に関し必要な措置を講じなければならない。
2 実施機関は、指定管理者に対し、前項に定める必要な措置を講ずるよう指導を行わなければならない。
(公文書の管理)
第22条 実施機関は、この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、公文書を適正に管理するとともに、公文書の検索に必要な資料を作成し、市民等の利用に供するものとする。
(実施状況の公表)
第23条 市長は、毎年1回、実施機関における公文書の開示の実施状況を取りまとめ、これを公表するものとする。
(委任)
第24条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が定める。
附則
1 この条例は、平成14年4月1日から施行する。
2 この条例は、平成14年4月1日以後に実施機関が作成し、又は取得した公文書について適用する。
附則(平成16年3月23日条例第3号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成16年4月1日から施行する。
附則(平成16年12月17日条例第38号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成17年4月1日から施行する。
附則(平成18年3月27日条例第6号)
1 この条例は、平成18年4月1日から施行する。
2 改正後の鳴門市情報公開条例(以下「新条例」という。)の規定は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前に鳴門市土地開発公社の役員及び職員が職務上作成し、又は取得した公文書については、適用しない。
3 新条例の規定は、施行日以後になされた開示請求について適用し、施行日前になされた開示請求については、なお従前の例による。
附則(平成19年9月28日条例第24号)
この条例は、平成19年10月1日から施行する。
附則(平成24年10月9日条例第33号)
この条例は、平成25年1月1日から施行する。
附則(平成25年3月27日条例第4号)
(施行期日)
1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 第1条の規定による改正後の鳴門市情報公開条例の規定及び第2条の規定による改正後の鳴門市個人情報保護条例の規定は、この条例の施行の日以後に請求された公文書及び保有個人情報の開示について適用し、同日前に請求された公文書及び保有個人情報の開示については、なお従前の例による。
附則(平成28年3月16日条例第2号)
(施行期日)
1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの条例の施行の日前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの条例の施行の日前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、なお従前の例による。
附則(平成30年3月16日条例第1号)抄
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和4年9月30日条例第20号)
この条例は、公布の日から施行する。