平成28年鳴門市議会第1回定例会

■目 次 

(1) はじめに  

(2) 「うきうき 活力と魅力あふれる まちづくり」 

(3) 「ずっと笑顔で 生きがい感じる まちづくり」 

(4) 「しっかり安心・快適 住み良い まちづくり」 

(5) 「おおきく躍動 みんなで創る まちづくり」 

(1)はじめに 

 本日、第1回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。
 
 今期定例会におきましては、平成28年度鳴門市一般会計予算案を始め、各種議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ちまして、まずは、諸般の報告と現在本市が当面している諸課題についての所信を申し上げ、議員の皆様を始め、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 まず、初めに残念なご報告をしなければなりません。既に報道等にも大きく取り上げられておりますが、先月1月29日、市内のわかめ加工業者が、外国産「カットわかめ」の原料原産地を「鳴門産」と表示して販売し、徳島県から食品表示法による表示是正措置を受けるとともに、一昨日には刑事告発され、県警より家宅捜索を受けるという、本市にとって誠に残念な出来事がございました。
 産地偽装問題につきましては、昨年11月、市内のわかめ加工業者が徳島県から食品表示法による表示是正措置を受けたばかりであり、今回是正措置を受けた加工業者は、偽装発覚時に、市内加工業者19社でつくる「鳴門わかめブランド対策部会」の部会長を務めているという由々しき事態となりました。こうしたことを受け、「鳴門わかめブランド対策部会」で協議を重ね、去る2月10日に部会の解散を決定し、明日18日には、新たな組織である「鳴門わかめ認定業者連絡会議」を発足させる運びとなっております。
 これまで「鳴門わかめ」ブランドの信頼回復並びにブランド力の向上を目指し、生産者の皆様をはじめ関係者の方々が地道に努力を重ねてこられた最中に、こうした形で偽装事件が発覚したことに対しましては、憤りと共に非常に強い危機感を覚えております。
 この度重なる産地偽装問題により「鳴門わかめ」ブランドの失われた信頼を取り戻すことは容易ではありませんが、市といたしましては、昨年度から実施してまいりました科学的産地判別分析など市独自の取り組みに加え、徳島県が推し進める「鳴門わかめ認証制度」への協力、また鳴門商工会議所など関係機関ともさらなる連携強化等を図りながら、消費者の信頼を再び回復できるよう、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、去る1月4日から3日間に渡って行われた第62回徳島駅伝においては、鳴門市チームが5位となり、残念ながら5年連続の総合優勝とはなりませんでした。
 関係者の皆様や、沿道で応援いただいた多くの市民の皆様に改めて感謝を申し上げますとともに、選手の皆様には、今年の悔しさをバネに引き続き練習に励まれ、来年はぜひ優勝旗を、我が「チーム鳴門」に取り戻すことができますよう、期待しております。

 次に、去る2月7日、本市と鳴門教育大学の連携事業の一環として、鳴門教育大学キャンパスをコースとした、リレーマラソン形式による万人向けのランナーズイベント「第1回鳴門リレーマラソンin鳴門教育大学」を開催いたしました。
 開催に際しましては、多くの企業にご協賛を頂いたほか、当日は61チーム総勢611人の皆様に参加して頂き、会場には応援に駆け付けたご家族や関係者を含めますと約1,000人の方が詰めかけ、大いに盛り上がりを見せたところであります。
 本イベントの開催に多大なご協力を頂いた鳴門教育大学の教職員や学生の皆様及びご協賛をいただいた企業など、関係者の皆様にはこの場をお借りして厚くお礼を申し上げますとともに、これからも健康や運動への意識高揚、世代を超えた絆づくりに向けた機会の創出、そして本市における地域活性化に取り組んで参りたいと考えております。

 次に、本市を取り巻く社会経済情勢についてであります。
 最近の社会経済情勢について概観いたしますと、1月の月例経済報告の基調判断では、昨年12月同様、「景気は、このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。」とのことであります。
 しかしながら、先行きについては、「原油価格の下落」や中国を始めとするアジア新興国等の景気が下振れし、金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるなど、我が国の景気が下押しされるリスクを抱える中、去る1月29日に日本銀行初となる「マイナス金利の導入」を決定するなど、デフレ脱却に向けた金融緩和策が今後、市場や地方経済へどう波及するのか先行きが不透明となっております。
 政府の財政目標は、2020年までの名目国内総生産600兆円の達成に向け、アベノミクスの第2ステージで掲げた「新3本の矢」である「希望を生み出す強い経済」、「夢をつむぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」を推進し、地方創生、国土強靭化、女性の活躍などの取り組みを展開することでさらなる好循環を生み出し、「経済再生」と「財政健全化」の両立を目指すというものであります。
 また、本市の平成28年度予算編成に当たり、こうした国等の動向を見極めながら、本市経済の活性化と行財政改革を軸に据え、財政負担に考慮した予算編成を心がけるとともに、「守り」だけではなく積極的な「攻め」を意識し、「鳴門市総合戦略」に定めた地方創生につながる各施策の展開には、可能な限り国等の補助金を活用し、本市まちづくりの活性化を目指して全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 特に、来年度におきましては、地方創生に資する各施策と分野別基本事業をブラッシュアップした「第六次鳴門市総合計画後期基本計画」を策定いたします。
 現在、3,000人を対象として実施しております市民意識調査の結果をもとに、「鳴門市自治基本条例」に基づく「市民協働の推進と市民の皆様とともに歩む市政の実現」を展開することにより、第六次鳴門市総合計画に掲げる将来都市像である「結びあう絆が創る 笑顔と魅力うずまく鳴門」の実現に取り組んでまいります。

 次に、政府関係機関の地方移転についてであります。
 「まち・ひと・しごと創生法」の趣旨に基づき、県が現在、誘致を進めております消費者庁とその関連施設の移転につきまして、本市では来年度から、国民生活センターの教育研修業務が徳島県鳴門合同庁舎で試験的に実施される見通しとなっております。
 研修実施に関する具体的な内容については、県において調整中とのことですが、本市で研修業務が試験実施されることになりますと、本市消費者行政の一層の推進につながるとともに、研修に伴う受講生の宿泊先として、市内の宿泊施設を利用することが想定されておりますことから、その経済波及効果等、様々なメリットをもたらすことを期待しております。
 この度の「国民生活センターの教育研修業務の試験移転」は、本市にとりましても「鳴門市総合戦略」を加速させる好機と捉え、県と連携しながら誘致に向け、できる限り協力してまいりたいと考えております。

 それでは、これから本市が実施してまいります重点施策について申し述べたいと存じます。

(2)「うきうき 活力と魅力あふれる まちづくり」

 第一点は、「うきうき 活力と魅力あふれる まちづくり」についてであります。

 まず、地域経済活性化についてであります。
 市外に在住または所在する個人事業者または法人事業者の誘致を促進するため、サテライトオフィスの誘致等、市内での事業所開設等に要する経費に対して新たな補助制度を創設いたします。
 また、新ビジネスを創出するため、昨年に引き続き、「なるとビジネスプランコンテスト」を開催し、優秀者への創業支援を行います。
 さらに、鳴門の地場産品や伝統工芸品の全国知名度向上、売上増加を目指し、インターネット販売手続きの支援や、食に関する情報ポータルサイト「ぐるなび」を活用した販売促進支援策を展開いたします。
 また、六次産業化・農商工連携の推進につきましては、加工・観光農漁業の分野における商品開発、販路開拓、事例調査などを行う一次産業者に対し、補助金を交付するとともに、農水産物フェアの開催など農商工連携を支援いたします。
 なお、本市農作物のより一層のブランド化を推進するため、本市独自のブランドとなる「コウノトリブランド」を立ち上げることといたしました。現在、ブランド名称とロゴマークを公募しており、選定に向けた手続きを進めるとともに、エコファーマーを対象とした農作物の認証制度を来年度中に創設いたします。
 これら地域経済活性化に資する取り組みを通じて、がんばる中小企業や一次産業者などを積極的に支援してまいりたいと考えております。

 次に、観光・交流のまちづくりについてであります。
 本市におけるにぎわいづくりの創出、並びに公共交通における安全性と利便性の向上を図るため、JR鳴門駅周辺の一体的整備を行います。
 線路を跨ぐ駅舎南側の老朽化した歩道橋を撤去するとともに、駅舎の北側へ東は国道、西は中心市街地をつなぐ連絡路を設け、スロープを設置するなどバリアフリーにも配慮した公共交通の発着点として、訪れる全ての方に優しい景観づくりを進めます。
 さらに、「鳴門市総合戦略」に基づき、今後の計画的なまちづくりを円滑に進めるための調査費として「総合戦略推進調査費」を当初予算に計上し、「道の駅」の設置を検討するなど、必要な調査を実施いたします。
 また、インバウンド事業として外国人観光客の受入れ環境整備を図るため、多言語パンフレットの作成や観光業者を対象とする研修会を開催いたします。
 さらに、外国人観光客がインターネットを利用しやすい環境整備を図るため、公共施設におけるWi-Fi整備を進めるとともに、利用が簡単になり民間事業者における整備促進につながる環境の構築を図ります。

 次に、「第九」アジア初演100周年に向けた第九ブランド化推進プロジェクトについてであります。
 具体的なプロジェクトを推進するため、策定作業を進めてまいりました実施計画につきましては、昨年の12月21日に「アジア初演「なると第九」ブランド化プロジェクト推進協議会」に諮り、策定したところであります。今後は実施計画に基づき、スピード感を持って具体的な内容を詰めてまいります。
 来年度におきましては、次世代の育成として、市内幼稚園・小学校・中学校における「なると第九」の歴史学習及び合唱指導、小学校現地学習活動を引き続き実施するほか、2018年にはジュニアによる「第九第4楽章」演奏会に向けてのレッスン事業を開始いたします。
 また、昨年初めて、本市の西部地区の観光拠点になっておりますドイツ館、道の駅「第九の里」周辺に、イルミネーションを設置し、ベートーヴェン像にスポットライトを当て、光の魅力による誘客を図るとともに本市が、ベートーヴェン「第九」交響曲アジア初演の地であることもPRできたと考えております。
 去る12月8日から1月31日までのイルミネーション点灯の期間中、およそ5千人の方に訪れていただき、大変好評をいただきましたので来年度も引き続き点灯を実施したいと考えております。

 さらに、関連事業として、板東俘虜収容所関係資料を、貴重な歴史資料として次世代に継承するとともに、史料のデジタル化など、保存活用を進めながら広く平和の尊さを情報発信していくため、「ユネスコ記憶遺産」登録に向けた取り組みを徳島県と共同で進めることといたしました。
 申請にあたりましては、ドイツとの連携を図りつつ、今後は、アジア初演「第九」100周年記念行事や東京オリンピック等も控えていることから、世界への情報発信により観光・経済等に波及効果を生み出すよう取り組んでまいります。

 次に、国際交流の推進についてでありますが、来年度におきましては、姉妹都市であるドイツ・リューネブルク市より「第21回親善使節団」を、10月にお迎えする予定です。様々な市民交流を通して友好の絆をさらに深めるとともに、前回に引き続き、青少年同士の交流も進め、次代を担うグローバル人材の育成につなげてまいりたいと考えております。
 今後、民間団体等の関係者と連携して親善交流を実施するなど、市民・民間団体・行政の協働による経済・文化等の交流活動をより一層展開してまいりたいと考えております。

 

(3)「ずっと笑顔で 生きがい感じる まちづくり」

 第二点は、「ずっと笑顔で 生きがい感じる まちづくり」についてであります。

 まず、保健事業についてであります。
 妊娠期から就学前まで切れ目なく、総合的な相談や支援をワンストップで行うことのできる支援体制を構築することを目的として、昨年10月から子育て世代包括支援センター「鳴門市版ネウボラ」を設置しております。
 新年度から「産後2週間目健診にかかる費用の一部助成」や「産後ショートステイ事業」のサービスを新たに開始するとともに、「母子保健コーディネーター」として専任の保健師と助産師に加え、臨床心理士を配置して相談業務も充実させるなど、妊娠や出産、子育てに対する母親等の不安や負担の軽減を図ってまいります。
 また、胃がん予防対策といたしましては、中学2年生の希望者を対象に、尿検査によるピロリ菌検査を新たに実施いたします。実施に際しては保護者への説明会を開催し、胃がん予防に関する情報提供や保護者へのABC検査等の受診勧奨を行うなど、十分な周知と啓発活動に努めてまいります。

 次に、介護予防・日常生活支援総合事業いわゆる「総合事業」についてであります。
 この総合事業は、現行の介護保険における予防給付のうちの訪問介護・通所介護サービスを、従前の介護予防事業及び新たに創設される生活支援サービスと合わせて市町村事業として一体的に実施するもので、現在と同等のサービスのほか、新たに訪問型の生活支援に絞ったサービスやリハビリテーション専門職との連携により短期集中的に運動機能の向上を目指すサービスなどを創設する予定としております。
 また、地域での高齢者の自立を支えるため、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」や「小規模多機能型居宅介護」といった地域密着型サービスの更なる充実を図るとともに、地域における高齢者サロンの創出支援や「公益社団法人 徳島県理学療法士会」との連携による「いきいき百歳体操」の普及啓発などにも新たに取り組むこととしており、高齢者が支え合いながら生きがいを持って暮らせる地域包括ケアシステムの構築を通じた地域づくりを推進してまいります。

 次に、障がい者福祉および「貧困の連鎖」防止対策についてであります。
 本年4月1日から「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」いわゆる「障害者差別解消法」が施行されることに伴い、新規事業として高度難聴者の方を対象とした「人工内耳用音声信号処理装置」の買い替え費用を助成するほか、視覚障害者など文字等の読み書きが困難な方を対象として、日常生活を営むために必要とする情報の享受や意思疎通のための支援として、「代読・代筆者派遣事業」を実施いたします。
 また、「貧困の連鎖」防止対策として、新たに生活保護受給世帯の中学生を主な対象として、中学校卒業時に高等学校進学など希望の進路につけるよう個々のレベルに応じた無料の学習支援を行います。

 次に、子育て支援についてであります。
 働きながら仕事をしやすい環境を整えるため、来年度から、本市の公立保育所において新たに休日保育事業を開始いたします。場所は林崎保育所を予定しており、年末年始を除く日曜日や祝日に、5名まで保護者の就労等により家庭で保育を受けることが困難となったお子さまを受け入れいたします。
 また、次世代育成支援対策施設整備事業(認定こども園整備事業)といたしまして、平成29年度から認定こども園に移行を希望する2園に対して、施設整備に関する補助金を交付し、地域の子育て支援拠点整備を促進いたします。

 そして、現在、「病児・病後児保育事業」として病気等で保育所などが利用できないお子さまの保育を実施しているところでありますが、これまでは2部屋で定員は3人としながら、病気の種類が異なる場合は、2人までしか預かることができておりませんでした。来年度からは実施施設の整備により、3部屋に増床することで、病気の種類が異なっても定員どおり3人を預かることができるようになりました。
 この受け入れ環境の改善から、さらに、これまで小学3年生までとしていた児童の対象年齢を小学6年生までに引き上げるとともに、従来実施していなかった土曜日の預かりについても、実施いたします。
 このように子育て支援につきましては、子ども・子育て支援新制度の趣旨に基づき、安心して子育てのできるまちを目指して、各施策を展開してまいりたいと考えております。

 次に、教育行政についてであります。
 「教育は人づくり、人づくりはまちづくりの原点である」という認識に立ち、今年度設置の「鳴門市総合教育会議」において、教育委員会と教育の諸課題について意見交換を行いながら、教育行政の大綱である「鳴門市教育大綱」の今年度末での策定作業を進めてまいりました。
 この大綱の策定にあたっては、教育委員会で策定予定の「第二期鳴門市教育振興計画」と基本理念をともにするなど、教育政策の方向性を共有しながら、「ともに学び、育ちあう、教育(共育)のまち鳴門」の実現を目指すものであります。
 また、来年度は「第二期鳴門市教育振興計画」の実施計画であります、新たな「鳴門の学校づくり計画」の策定に着手いたします。
 現在の「鳴門の学校づくり計画」の策定から7年以上が経過し、人口減少をはじめとする社会情勢の変化やこれまでの各地域での話し合い等の結果を踏まえ、地域の実情に応じた新たな再編計画が必要であると考えております。本市教育の現状に即し、子どもたちにより良い教育環境を整えるため、望ましい学校(園)のあり方について検討してまいりたいと考えております。

 次に、施設整備についてであります。
 まず、第一中学校改築事業につきましては、第1期工事の年度内竣工に向けた工事を進めているところであります。昨年6月に発生した鉄骨の倒壊事故の影響により若干遅れておりますが、学校運営に支障をきたさぬよう、安全かつ着実な工事監理に万全を尽くしてまいります。
 また、新学校給食センター整備事業につきましては、国の補正予算計上に伴い、事業計画を予定しており、来年度から本格的な整備に着手したいと考えております。
 新たに設置される予定の調理室等は、作業工程や導線ごとに区画分けされており、衛生上配慮の行き届いた設備となっているほか、アレルギー対応が必要な子どものための調理を行う特別調理室を設けることとしております。
 子どもたちの未来のため、将来にわたって安全・安心な学校給食を提供できるよう、平成29年秋の稼働を目指して取り組んでまいります。

 次に、子どもたちの学力向上に関する取り組みについてであります。
 来年度から、多くの事業を展開したいと考えております。
 まず、すべての小中学校に図書館サポーターが配置できるよう体制を整えてまいります。「読む力」は最も基本的な学力のひとつであり、論理的な思考力や豊かな感性を養うために必要な読書活動の環境を整えることにより、自主的な読書活動を通じて主体的に学ぶ力や知的活動の基礎を育んでまいります。

 次に、「電子黒板の整備」につきましては、現在、小学校6年生と中学校1年生の各学級に配備しておりますが、新たに小学校5年生および中学校2年生の各学級にも配備することといたしました。全国的に教育効果が高いと報告されている電子黒板やデジタル教科書の活用により、より効果的な「わかる授業」を展開し、学力の向上を目指してまいります。
 また、「外国語教育の推進」につきましては、平成32年度の小学校新学習指導要領完全実施を見据え、現在配置しておりますALTを1名増員するとともに、中学生を対象とした英検受検奨励補助金の対象を現在の3級以上から全級に拡充いたします。
 ALTを通して外国語や異文化に触れ、豊かな国際感覚や確かな英語力の醸成に向けた機会を増やすとともに、英検受検の対象者を拡大することにより、学習意欲の向上を図ります。

 次に、教育活動における支援対策についてであります。
 まず、特別な支援を必要とする児童・生徒に対し、教育活動を支援する特別支援教育支援員を増員いたします。一人ひとりがその持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行ってまいります。
 また、いじめ対策など学級経営に関する支援といたしまして、平成26年度から学級や学校生活の状況などを把握するため、小学校3年生と中学校1年生に年1回実施しておりますQUアンケートを年2回に拡充いたします。子どもたちが、安心して学習に専念できる環境づくりを支援してまいります。
 このように計画的かつ総合的に学習環境の整備等に取り組むことにより、子どもたちの学力向上を図り、本市で教育を受けた子どもたちが将来、希望とする様々な分野で活躍し、「鳴門に生まれて良かった、住んで良かった」と思えるようなまちづくりを目指してまいりたいと考えております。

 

(4)「しっかり安全・快適 住み良い まちづくり」

 第三点は、「しっかり安心・快適 住み良い まちづくり」についてであります。

 まず、災害対策についてであります。
 津波避難困難地域を解消するため、里浦町南部地区で整備を進めております里浦町南部地区津波避難複合施設につきましては、現在、施設本体工事に着手しており、本年8月末頃に500名が避難可能な避難場所と、集会所、消防分団詰所の機能を併せ持つ複合施設が完成する予定であります。集会所や消防分団詰所などの複合施設機能を移転した後、外構工事等を行い、平成28年度末には全ての工事が終了する見込みとなっております。
 その他、消防分団詰所の耐震化などを年次的に推進するとともに、特殊水槽付消防ポンプ車を更新するなど、災害対応能力の強化・充実を図ります。
 また、災害廃棄物対策としましては、国の指針に基づき、県と市町村の役割を明確化し、市民の皆様の生活基盤を早期に復旧・復興させるため、「鳴門市災害廃棄物処理計画」を策定いたします。

 次に、老人福祉センター及び勤労青少年ホームの施設耐震化についてであります。
 このうち、老人福祉センターは、高齢者の健康増進やレクリエーション、交流による生きがいづくり等を総合的に提供することを目的に昭和52年に整備されました。また、勤労青少年ホームは、働く青少年が仕事の余暇を健康で有意義に過ごすための憩いの場、仲間作りの場として、昭和50年に整備されました。
 両施設とも、市の中心部に近い、交通至便な場所に立地し、高齢者のクラブ活動や各種の健診・介護予防事業の会場など、様々な用途に活用されておりますが、施設の老朽化が進み、必要な強度を下回る耐震診断の結果であったことから、耐震補強工事を実施しようとするものであります。
 なお、両施設とも設置後約40年近くを経過し、利用用途の多目的化も進んでいることから、より柔軟な利用につながるよう、現在、施設の位置付けや利用形態につきまして、検討を進めているところであります。
 その他の公共施設については、人口減少等の社会情勢の変化を見極めながら財政状況も考慮し、長期的な視点から公共施設全体の総合的かつ計画的な管理を進めるため、現在、来年度末を目途として「公共施設等総合管理計画」の策定を進めているところであります。

 次に、救急業務についてであります。
 救急業務の高度化に伴い、平成26年度から救急救命士による救急救命措置が拡大された一方、救急救命士をはじめ、救急業務に携わる救急隊員が担う役割と責任がより一層大きくなる中で、一定の質が担保された救急業務が求められております。
 本市におきましても、若手救急隊員の教育や救急業務高度化に伴う救急救命士の再教育、また、医師と連携して病院実習や事後検証への参画など、救急業務におけるPDCAサイクルに基づく計画的な教育指導体制の構築が喫緊の課題となっておりますことから、救急隊員への適切な指示・指導・助言、教育の要となる人材として、救急救命業務に一定の経験を持つ者を新たに研修機関へ派遣し、「指導救命士」として育成してまいりたいと考えております。

 次に、環境対策についてであります。
 本市の望ましい環境像や実現すべき環境づくりの方向性、個別目標ごとの取り組み方針などを示した「なると環境プラン」の着実な推進を図る「なると環境プラン推進計画2012」については、来年度をもって計画期間が満了になることから、「なると環境プラン推進計画2017」を新たに策定いたします。
 また、ごみ減量対策につきましては、環境への配慮と年々増加しているごみ処理費用軽減のため、自治振興会などに、ごみ減量に関する啓発活動を行うとともに、雑がみ回収に関して地域の資源ごみ回収団体と協議を行うなど、地域の実態に応じた対応を検討してまいります。
 さらに、クリーンセンターに出される収集ごみの分析を行い、効果的なごみ減量対策を検討してまいります。一人が一日10グラムのごみを減らすことで、年間約220トンのごみ減量が図られることとなりますので、市民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

 

(5)「おおきく躍動 みんなで創る まちづくり」

 第四点は、「おおきく躍動 みんなで創る まちづくり」についてであります。

 まず、市民参画・市民協働についてであります。
 本市では平成25年度から、市民の皆様の主体的なまちづくり活動を支援するため、公募提案型の「WeLoveなるとまちづくり活動応援補助金」制度を創設し、これまで多くの市民団体にご提案いただいた各種事業への助成を行ってまいりました。
 来年度は、従来の市民提案制度に加え、地域課題の解決に向けた行政提案型の取り組みを実施したいと考えております。
 なお、この事業実施に要する財源としましては、全額を「ボートレース事業の社会貢献広報事業」として、ボートレース事業収益の一部を活用する予定としております。

 次に、水道事業についてであります。
 本市の水道事業における様々な課題に対応するため、今年度末に策定予定の「鳴門市水道事業ビジョン」では、50年後、100年後の目指すべき理想像とその実現のために「水道サービスの持続性は確保されているかという『持続』」、「安全な水の供給は保証されているかという『安全』」、「危機管理への対応は徹底されているかという『強靱』」の3つの観点から事業の現状分析と課題抽出を行い、今後10年間で達成しておくべき目標を定めております。
 このビジョンに基づき、具体的に取り組む主な施策としましては、3つの観点から、『持続』では経営基盤の強化を図るため、中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」の推進、『安全』では、「原水水質の監視強化や鉛製給水管の解消」、『強靭』では「水道施設耐震化計画の策定及び推進」といった事業を展開し、安全な水の供給に努めてまいります。
 また、本市の水道事業を中長期的に考えた場合、現在の枠組みの中では水道事業を維持していくことは困難であるとの認識に基づき、既成概念にとらわれない新たな取り組みを『挑戦』という4つ目の観点と位置づけ、総合的に事業展開を図りたいと考えております。

 最後に、ボートレース事業についてであります。
 ボートレース事業につきましては、平成26年3月から2年間休催し、新スタンド建設工事を行っております。工事は順調に進捗しており、来る4月28日にはリニューアルオープンを予定しております。
 このリニューアルオープンに先立ち、4月23日、24日の両日、プレオープニングイベントを開催し、市民の皆様へのお披露目の機会も設けたいと考えております。広く市民の皆様に利用していただけるよう、生まれ変わった施設をご覧いただき、オープン以降、積極的に利用していただきたいと考えております。
 また、7月にはボートレース鳴門初のSGレース開催となるオーシャンカップも控えております。収益の確保はもちろんですが、これをボートレース鳴門の知名度アップの絶好の機会と捉えた広報活動等を行うことで、鳴門本場周辺だけでなく広域発売での収益を上げられるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 今後におきましても、こうした取り組みを通じまして、本市の発展に貢献できるボートレース事業となるよう努めてまいります。