平成26年鳴門市議会第4回定例会

■目 次 

(1) はじめに  

(2) 姉妹都市交流40周年記念事業について 

(3) 市民協働のまちづくり事業について 

(4) 100円商店街・まちゼミについて 

(5) 持続可能なまちづくりについて 

(6) 市長広聴並びに子育て情報配信の充実について 

(7) 徳島ヴォルティスについて 

(8) 鳴門海峡の渦潮の世界遺産化について 

(9) ボートレース事業について 

(10) 最後に 

(1)はじめに

 本日、第4回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席をいただき、誠にありがとうございます。

 まず、初めに、市民の皆様にお詫び申し上げたいと存じます。

 既に新聞等で報道されているところでございますが、このたび、本市職員が、業務上関係のある外部団体の運営費等を着服していたことが判明いたしましたことから、今月21日、同職員を懲戒免職処分といたしました。

 市民の財産を守るべき立場にある市職員がこのような不祥事を起こしたことは誠に申し訳なく、関係者の方々をはじめ、市民の皆様に対しまして、心からお詫び申し上げます。

 組織としてのチェック体制等が徹底できていなかった管理監督責任として、直属の上司等を減給処分とするとともに、市政を預かる責任者として、私自身につきましても、給与を減額させていただきたいと考えております。

 こうした問題が再び起こることのないよう、今後、再発防止策を着実に実施し、一日も早く市民の皆様の信頼を回復できるように努めてまいります。それでは、今期定例会におきましては、補正予算案を始めとする各種議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ちまして、諸般の報告と諸課題への対応についての所信を申し上げます。

(2)姉妹都市交流40周年記念事業について

 まず、姉妹都市提携40周年記念事業として、先月実施いたしましたドイツ・リューネブルク市との交流事業についてであります。

 20回目を迎えた今回の訪問では、メドケ市長を始めとする過去最大規模となる60名を親善使節団としてお迎えし、記念式典や市民との交流行事にご参加いただきました。

 式典では、姉妹都市盟約締結40周年記念確認書に調印し、今後もさらに相互理解と友好親善を深めていくことを誓約したほか、鳴門日独友好協会会長やリューネブルク独日協会会長などこれまで交流推進にご尽力いただいた功労者の方々に賞状や感謝状を贈らせていただきました。

 また、10代で使節団にご参加いただいた12名の青少年の皆さんには、同年代の生徒のいるご家庭に2週間ホームステイしていただき、日本の学校生活体験などにより交流を深めていただきました。

 さらに、市全体で両市友好の機運を高めるため、多くの市民や事業所・団体の皆様にご協力いただき、音楽イベントや映画上映会など様々な記念事業も実施いたしたところであります。

 本市といたしましても、これまでの交流の成果をしっかりと受け継ぎながら歴史に新たな1ページを書き加え、友好の絆を更に確かなものとするため、引き続き努めてまいりたいと考えております。

 また、新聞等でも報道されましたとおり、先月初め、認定NPO法人「鳴門「第九」を歌う会」の理事長を務めておられる大塚道子様より、4年後に迫っております第九アジア初演100周年記念事業のPRのためにと、多額のご寄附を頂きました。

 現在、市民の皆様とともに進めております「アジア初演『なると第九』ブランド化プロジェクト」を充実させるため有効に使わせていただき、市内外のより多くの方々に、「なるとの第九」を認知いただけるよう積極的に取り組んでまいります。 

(3)市民協働のまちづくり事業について

 次に、市民協働のまちづくり事業についてであります。

 本市では、平成23年3月に「鳴門市自治基本条例」を制定して以来、市民が主役のまちづくりの実現に努めてまいりました。

 今年度も先月26日からの2週間を「WeLoveなるとデー」と定め、自分たちの住むまち「なると」のために、できることをできる範囲で取り組んでいただきますよう、市民の皆様に広く呼びかけたところであります。

 「鳴門市友好コスモス祭り」におけるお接待や、市内各地での除草・清掃活動など、呼びかけにご賛同いただいた多くの団体の皆様が、それぞれ創意工夫をこらした様々な取り組みを実施してくださいました。

 この場をお借りしてお礼申し上げます。

 市民の皆様が、これらの活動を通して、改めて私たち自身が暮らす本市を見つめ直し、ふるさとを愛する気持ちや社会貢献への意識を高めるきっかけにしていただければと考えております。 

(4)100円商店街・まちゼミについて

 次に、今月8日に開催されました、今回で第4回目となる100円商店街についてであります。

 今回も、大道銀天街周辺において、各店が工夫をこらした様々な商品やサービスを提供され、大いに賑わいました。

 昨年に引き続き、今回も小学5・6年生を対象としたジュニアエコノミーカレッジが同時に開催されましたが、多くの子どもたちに起業体験をしていただき、次代を担う子どもたちにとっての貴重な学びの場にもなったものと考えております。

 また、現在、大道銀天街周辺では、各店舗の方が講師になって、プロの技や専門知識を伝える「まちゼミ」が開催されております。

 地元店舗の皆様によります、こうした取り組みには、地域活性化の原動力として強く期待すると同時に、関係者の方々の熱意に深く敬意を表するところであり、市として、引き続き支援してまいりたいと考えております。

「まちゼミ」は、来月10日まで毎日、いずれかの店舗において講座が開講されております。ぜひ一人でも多くの方にご参加いただければと思います。 

(5)持続可能なまちづくりについて

 今年5月に、増田寛也元総務相ら民間有識者による日本創成会議が、若年女性の減少によって将来消滅する可能性がある自治体を「消滅可能性都市」として発表して以来、全国の自治体において、持続可能なまちづくりについての議論が盛んになっております。

 全国的に進行しつつある少子高齢化と人口減少という現実は、本市においても差し迫った課題でございますが、文化活動や地場産業など、様々な分野において、地域に愛着を持ち、地域活性化のために、日々取り組んでおられる市民の皆様が存在する限り、魅力にあふれ、未来へ飛躍するまちづくりは、必ず実現できると私は考えております。

 「鳴門市自治基本条例」に掲げる、市民が主役のまちづくりを実現するため、本市では今後も、市民の皆様による地域活性化の取り組みに対して、できる限りの支援と協力を行ってまいりたいと考えております。 

(6)市長広聴並びに子育て情報発信の充実について

 次に、市長広聴並びに子育て情報発信の充実についてであります。

 私は、市政運営にあたっての基本的な考えや施策等について、できる限り多くの市民の皆様に丁寧にご説明すること、そして市民の皆様の声をお聞きし、共に考え、共に学び、行動させていただくことを市政推進の基本スタンスとしてまいりました。

 これまでも皆様にお集まりいただいたところに私がお伺いしてお話を伺う出前市長室を実施しておりましたが、今年度からは、市内で活動している団体やグループの方々が、実際に活動されているところに飛び込んで意見交換を行う「飛び込み型出前市長室」を、新たに実施しております。

 既に3回実施し、貴重な体験をさせていただき、施策推進につながるヒントもいただいており、今後も様々な現場に飛び込んでまいりたいと考えております。

 そして、この取り組みを通じていただいたご意見を元に、今回実現いたしましたのが、「LINE」を活用した子育て情報の発信であります。

 「LINE」は、スマートフォンやタブレット等を利用する20代、30代の若い世代を中心に急速な勢いで利用者が増加している、無料で通話やメールを行うことができるコミュニケーションツールです。

 今回の取り組みは、このツールを使って、子育て世代の保護者の皆様を対象に、子育てに関するイベントや講座の情報、保育所などの施設利用に関する情報などを、週に1回程度発信していくもので、県内市町村では初めての試みとなります。

 子育て世代の保護者の方々に、タイムリーで役立つ情報をお届けする手段として、活用してまいりたいと考えております。 

(7)徳島ヴォルティスについて

 次に、徳島ヴォルティスについてであります。

 今年度は、徳島ヴォルティスのJ1リーグ昇格により、全国各地から多くの方々に、ホームスタジアムである鳴門・大塚スポーツパークまでお越しいただきました。

 また、本市からも対戦相手のホームスタジアムに調理機能を備えた多機能車輌「行きたくなるとGO!!」を出張させるなど、本市の豊かな農水産物や文化・観光資源といった本市の魅力を大いにアピールする絶好の機会となりました。

 チームは残念ながらJ1リーグへの定着がかなわず、来季はJ2リーグでの再出発となりましたが、交流人口の増加のみならず、プロスポーツを身近な存在としてくれた徳島ヴォルティスを、これからも市民の皆様とともに引き続き応援してまいりたいと考えております。 

(8)鳴門海峡の渦潮の世界遺産化について

 次に、鳴門海峡の渦潮の世界遺産化についてであります。

 新聞報道にもございましたが、先月23日、徳島県と兵庫県の両知事が、年内にも渦潮の世界遺産登録に向けた協議会を設置することで合意いたしました。

 これまで、本市と南あわじ市の様々な立場の方々が協力して、世界遺産化に向けた気運を盛り上げる活動を推進してきましたが、この活動に鳴門海峡を隔てた両県に加わっていただけることは、大変心強い限りであります。

 今後は県とも密接に連携しながら、世界遺産化に向けた取り組みを加速してまいりたいと考えております。

 折しも、来年度は大鳴門橋開通30周年を迎える記念すべき年であり、本市においても記念式典が開催されるなど、改めて鳴門海峡がクローズアップされることとなります。

 本市ではこの機会を捉えて、渦潮の世界遺産化に向けた活動を積極的に展開してまいりたいと考えております。 

(9)ボートレース事業について

 次に、ボートレース事業についてでありますが、今月4日から9日まで、「G?-大渦大賞IN宮島-鳴門開設61周年記念競走」がボートレース宮島にて開催されました。

 宮島競艇施行組合をはじめ、中央団体や各施行者等のご協力もあり、当初の予想を約6億円超える売上を確保することができました。

 その結果、これまでにボートレース宮島で行われた代替開催レース4節24日間の売上額は、当初の予想よりも、約24億5000万円上回る状況であります。

 このほか、外向発売所「エディウィン鳴門」での売上額についても、当初の予想を上回る水準を保っており、代替開催とともに好調に推移しているところであり、今後も収益確保に向けた取り組みを継続してまいります。

 なお、年度当初は、施設解体に伴う多額の除却費により一時的に累積赤字を抱える状況になると予想しておりましたが、これらの要因により、単年度収支の黒字は難しいものの、累積赤字を抱える状況は回避できるものと考えております。

 また、新施設関連工事についてでありますが、これまで進めてまいりました旧施設本体の解体工事は、今月完了し、今後は、国土交通省による敷地内の地盤改良工事の完了を待って、新施設の建設工事に着手する予定であります。

 新施設は、低コスト・省エネ・防災機能の充実など、これからの新しい時代に求められるコンセプトを盛り込み、全国24ヵ所のボートレース場の中で最小規模となるコンパクトな施設として生まれ変わります。

 平成28年4月からのリニューアルオープンに向けて、今後も計画的に建設工事を進めてまいりたいと考えております。 

(10)最後に

 最後に、今月18日、安倍晋三首相が衆議院解散とともに、来年10月に予定されておりました消費税率の10%への引き上げを、1年半延期して実施することを表明いたしました。

 今年4月に実施された消費税率の8%への引き上げから半年余りが経過し、景気回復の足取りが当初の想定よりも思わしくないことから判断したとのことでありますが、今回の決定が市民生活や地域経済の先行きに与える影響に注視しつつ、今後起こりうる様々な状況に機動的に対応できるよう、本市といたしましても、引き続き適切な財政運営に努めてまいりたいと考えております。