平成25年鳴門市議会第1回定例会

■目 次 

(1) はじめに  

(2) うきうき 活力と魅力あふれるまちづくり 

(3) ずっと笑顔で 生きがい感じるまちづくり 

(4) しっかり安心・快適 住み良いまちづくり 

(5) おおきく躍動 みんなで創るまちづくり 

(1)はじめに

 本日、第1回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席をいただき、誠にありがとうございます。

 初めに、新春を飾る第59回徳島駅伝におきまして、鳴門市チームが2年連続、通算31回目の優勝を果たすことができました。

 初日からトップに立ち、抜群の安定感で、堂々とした戦いぶりでありました。

 選手の皆様の健闘をたたえ、心よりお祝いを申し上げますとともに、関係者の皆様、並びに沿道で応援いただいた、議員各位を始め、多くの市民の皆様に感謝申し上げます。

 また、県立鳴門高等学校野球部が、第85回記念選抜高等学校野球大会に、2年連続8度目の出場となりました。心よりお喜びを申し上げます。

 高校生らしい、すがすがしい全力プレーで、甲子園に「鳴門高校」の旋風を巻き起こすことをご期待申し上げますとともに、市民の皆様とともに熱い声援を送りたいと存じます。

 さて、今期定例会には、平成25年度鳴門市一般会計予算案を始め、各種の議案を提出いたしておりますが、これらの議案説明に先立ち、諸般の報告と当面する市政の課題についての所信を申し上げ、議員各位を始め、市民皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 去る12月26日、自民、公明両党の連立による第2次安倍内閣が発足いたしました。

 「まず強い経済を取り戻す」として、財政、金融政策と成長戦略を総動員し、景気回復を目指す考えが表明されております。

 この方針の下、編成された国の平成24年度補正予算は、総額約13兆1,000億円となり、緊急課題である防災対策や農林水産業の基盤整備などが計上されております。

 今回の国の経済対策につきましては、本市3月補正予算で対応することとしておりますが、今後とも、アンテナを高くして情報収集に努め、こうした国の方向性に、積極的かつ機動的に対応してまいりたいと考えております。

 さて、私が平成21年10月の市長選挙において、多くの皆様の信任を得て市長となってから、早や3年と4か月が過ぎました。

 これまでの間、市民の皆様から託された希望や期待にお応えすべく、また、市民の皆様とのお約束の実現に向けて、ただ、がむしゃらに、日々走り続けてきた、あっという間の3年と4か月でありました。

 もう一度、愛する鳴門市を「笑顔一杯の賑わいあふれるまち」にしたいとの決意のもと、市政運営に全力で取り組んでまいりました。

 市民の皆様とお約束した「マニフェスト」の「3つの約束」と「7つの挑戦」における、73の関連事業につきましては、昨年度末の実績として、「達成、完了」が36事業、「予定どおり進捗」は、37事業であり、順調に推移しております。

 しかしながら、「人口減少」や「少子高齢化」、東日本大震災を契機とする「防災・減災対策」や「社会保障と税の一体改革」など、本市を取り巻く社会経済情勢は大きく変化しております。

 このため、あらゆる課題について、常に市民の皆様と「ともに考え、ともに学び行動する」との思いから、「まちづくり出前市長室」を始め、時間の許す限り、各界各層の皆様とお会いし、ご意見やご要望をお伺いしてまいりました。

 こうした貴重なご意見を施策に反映させながら、自治基本条例の制定、防災対策や子育て支援施策、介護予防事業を始めとする医療・福祉施策、観光・国際交流の推進や、更なる行財政改革に向けた「スーパー改革プラン」の実施など、各重点施策を推進してまいりました。

 また、昨年3月に策定した「第六次鳴門市総合計画」に基づき、「鳴門の未来を創る3つの成長戦略」に掲げる「魅力づくり」「まちづくり」「人づくり」の視点から、特に重点的、戦略的に取り組むべき施策をスタートさせたところであり、来年度は、この成長戦略をさらに具体化し、積極的に取り組んでまいります。

 残された任期もあと8か月でございますが、「鳴門市に生まれて良かった、住んで良かった、訪れて良かった」と実感できるまちづくりに、市民の皆様とともに、全力で取り組んでまいりたいと考えておりますので、議員各位を始め、市民の皆様のご支援とご協力を賜りたいと存じます。

 次に、今期定例会においてご審議を賜ります、平成25年度予算案に係る重点施策と当面する市政の課題などについて、順次、申し述べます。

(2)うきうき 活力と魅力あふれるまちづくり

 第一点は、「うきうき 活力と魅力あふれる まちづくり」についてであります。

 本市では、地元中小企業が活躍できる環境を行政・経済団体・経営者など様々な機関や人が連携して創出する「エコノミックガーデニング」を推進しているところであります。

 これまでに実施した企業ニーズ調査や勉強会の成果を踏まえ、「専門家派遣制度」や「人材育成セミナー」等の利用料の一部を助成する制度を創設し、「がんばる地場企業」が成長できる環境を整備いたします。

 また、「がんばる商店街」や鳴門商工会議所と連携し、空き店舗活用事業を始め、中心市街地本来の「にぎわいづくり」に取り組んでまいります。

 さらに、国指定の伝統的工芸品である「大谷焼」の普及促進や販路拡大を図るため、飲食店や宿泊施設が大谷焼を購入する費用の一部を助成する制度を創設いたします。

 次に、雇用の確保についてであります。

 本年度実施した「合同就職面接会」では、参加企業は22社、また対象に「新卒者」を加えたことにより、145名の面接参加者を数え、10名の方が就職することとなりました。

 また、平成21年度から実施しております「緊急雇用対策事業」についても引き続き実施し、「観光」や「商工業」の分野など全14事業で、20人の雇用を予定しております。

 新たな雇用創出とともに、地域活性化や行政課題の解決につながるよう、取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、農業・漁業の振興についてであります。

 去る1月24日、大阪府内の飲食店において「なると海のブランド拡大PR事業」を実施し、私自身が、鳴門ブランドのPRを行うほか、京都市中央卸売市場のセリ台に立って「トップセールス」を行ってまいりました。

 また、来る2月24日には、生産者等が、農水産物を活用した商品のPRや即売を行う「農漁業6次産業化フェア」を、鳴門競艇場駐車場で開催いたします。

 来年度は、現在申請中の「果実酒特区」の普及に努めるとともに、特区を活用した6次産業化の推進にも取り組んでまいります。

 さらに、農業協同組合や漁業協同組合、県などと連携し、農水産物に加え、「阿波踊り」を始めとする観光をPRする、関西圏での「トップセールス」、「なると海のブランド拡大PR事業」や「市農水産物フェア」の年2回の開催など、関係者の皆様と連携し、本市農水産物のブランド化を推進してまいります。

 次に、観光振興の推進についてであります。

 この度、本市公用車に、鳴門の観光名所や阿波おどり等をプリントした「観光PRラッピングカー」を導入いたしました。「走る広告媒体」として、県内外での観光キャンペーンや農水産物セールスなどに活用し、本市のPRに役立ててまいりたいと考えております。

 また、市のマスコットキャラクター「うずしおくん」のパートナー投票には、4,538票もの多くの投票を頂き、投票された愛称の中から、「うずひめちゃん」と決定いたしました。

 市民の皆様のご協力に感謝いたしますとともに、これから「うずしおくん」と「うずひめちゃん」の2人で、鳴門の魅力を情報発信してまいりますので、応援をよろしくお願いいたします。

 さらに、来年度、「関西圏をターゲットにした鳴門のPR」と「市内の観光魅力向上策」を合わせて実施する、「橋を渡れば感動の国「鳴門」」事業を展開いたします。

 「関西圏への観光PR」としましては、「高速バス」に鳴門観光をラッピングする「走る広告塔事業」、関西圏の主要な「郵便局」を活用する「店舗広告事業」、テレビの「旅番組」などへの売り込みを行う「ロケ誘致事業」、「駅・バスターミナル」などで広告を行う「交通広告事業」の4つの柱でシティセールスを展開いたします。

 また、「鳴門市うずしお観光協会」と連携し、鳴門海峡や四国遍路を巡るツアーを新たに開発する事業者への助成を行い、本市への観光誘客を促進してまいります。

 「市内の観光魅力向上策」としましては、「阿波踊り」における「アニメとのタイアップ」や、毎週末や祝日に「淡路サービスエリア」で「鳴ちゅるうどん」の割引券付きチラシの配布等を行い、鳴門観光の魅力向上を図ってまいります。

 次に、「第25回全国みどりの愛護のつどい」についてであります。

 このほど、平成26年度の開催地が鳴門市に決定されたことが発表されました。

 日程は、来年4月中旬から5月中旬までの「みどりの月間」のうちの1日で、鳴門・大塚スポーツパークで開催されます。

 参加者は2,000人程度と想定され、本市の「自然環境」や「文化」を全国に発信できる絶好の機会であると考えております。

 今後、共催となる国土交通省や徳島県など関係機関と連携し、開催準備を進めてまいりますので、市民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

 次に、国際交流の推進についてであります。

 姉妹都市リューネブルク市との交流では、8月に、「第20回親善使節団」を派遣いたします。

 なお、この度は、40年の月日を重ねた「交流、絆の深さ」を「次世代」に継承するため、8名の「青少年派遣」を行うことといたしました。

 市内在住の「中学2年生」から「高校生」までを対象に募集し、市から費用の「半額程度の助成」を行うこととしております。

 現地での「ホームステイ」や「学校訪問・授業体験」などを通じて、次代を担う鳴門の青少年に「国際的な視野」を広げる機会を提供してまいりたいと考えております。

(3)ずっと笑顔で 生きがい感じるまちづくり

 第二点は、「ずっと笑顔で 生きがい感じる まちづくり」についてであります。

 まず、男女共同参画社会の実現についてであります。

 去る2月3日、瀬戸内寂聴さん、桂七福さん、ANNRIさんを迎え、「男女参画社会づくりin NARUTO」を開催いたしました。

 多くの市民の皆様にご参加いただき、男女共同参画について学ぶ、良い機会になったものと考えております。

 また、本市は県下初の「男女共同参画宣言都市」として、「男女共同参画推進条例」の策定に取り組んでおります。

 これまで5回開催した「審議会」では、条例に盛り込む内容について、市民参画による「ワークショップ」の意見を踏まえるとともに、分かりやすく、より良い条例とするため、精力的な議論が重ねられております。

 今後、審議会で条例案を取りまとめ、パブリックコメント等の手続を経て、議会へ提案すべく、鋭意取り組んでまいります。

 次に、地域医療の充実についてであります。

 まず、鳴門病院についてであります。

 鳴門病院は、本年4月から、徳島県が設立する「地方独立行政法人 徳島県鳴門病院」として「新たなスタート」を切ることとなり、現在、諸準備が進められております。

 移行に当たりましては、現在の各診療科や健康管理センター、看護専門学校などの施設とともに、現在の医療スタッフが、そのまま引き継がれるとお聞きしており、鳴門病院の公的医療機関としての存続が実現することにつきまして、改めて、徳島県を始め、市医師会等関係者の方々の多大なご尽力に対し、深く感謝申し上げるところであります。

 本市としましては、救急車両の円滑な通行確保等のため、進入路となる病院東側の「市道拡幅」を行いますとともに、去る2月17日には、地域医療に対する市民の理解を一層深めるため、「医療フォーラム」を開催するなど、様々な支援に努めているところであります。

 なお、この度、健全経営を確保しつつ、円滑に新たな経営体制へ移行できるよう、また、他の公的病院と同様の経営環境を整備し、救急医療などの政策医療にしっかり取り組んでいただくため、県と歩調を合わせ、鳴門病院に対する市税の課税免除措置を講じることとし、関係条例案を今議会に提出したところであります。

 今後とも、県、市医師会等関係団体の皆様と連携し、我々鳴門市民によって守り育てる病院として、私自身、先頭に立って取り組んでまいりますので、議員各位を始め、市民の皆様のご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

 次に、「がん検診」の充実についてであります。

 来年度から、「大腸がん検診」において、より柔軟に受診できるよう、これまでの集団検診に加え、医療機関での個別検診を新たに追加するとともに、これまでX線バリウム検査のみであった「胃がん検診」に、県下初となる「内視鏡検査」を、50歳代を対象とするモデル事業として導入することとしました。

 こうした取り組みを通じ、がん検診の受診率の向上を図り、市民の皆様が健康的な生活を送ることができるよう、取り組んでまいります。

 次に、「スポーツ推進計画」についてであります。

 これまで、笹川スポーツ財団のご協力のもと、「意見交換会」の開催や市民のスポーツライフに関する実態調査を行うなど、計画策定に取り組んでまいりました。

 来年度から、新たに設置する「スポーツ推進審議会」において議論を重ね、本市のスポーツ施策の基本となる「鳴門市スポーツ推進計画」を策定してまいりたいと考えております。

 また、市民の皆様が継続的な運動やスポーツに取り組める「チャレンジデー」につきましては、次回が4回目となりますが、昨年よりも、さらに多くの皆様方にご参加いただき、身体を動かすことの楽しさや健康への意識を高めていただきたいと考えておりますので、関係各位のご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

 次に、「高齢者等無料バス優待制度」についてであります。

 現在、高齢者等無料バスは、「市営バス」と「地域バス」及び「徳島バスの高島線・鳴門公園線のみ」で利用できますが、4月1日以降、市営バス路線が徳島バス株式会社に引き継がれることに併せ、徳島バスが運行する「市内全ての路線バスの区間」で利用できるよう、範囲を拡大いたします。

 これまで徳島バスのみが運行していた地域にお住まいの皆様も、無料バス優待制度が利用できるようになり、高齢者や障がいのある方の一層の移動支援につながるものと考えております。

 次に子育て支援の充実についてであります。

 「安心して子どもを産み、育てることができるまち なると」を目指し、「早産」や「低体重児出産」の要因の一つと考えられている、「歯周疾患」の早期発見・治療のため、県下初の取り組みとして、「妊婦歯科検診」を実施いたします。

 また、「発達障がい児」に対する早期支援を目的に、本市がこれまでも先進的に取り組んできた保育所・幼稚園での「巡回発達相談事業」につきましては、回数を拡大して実施することといたしております。

 さらに、「子ども・子育て関連3法」の施行に向けて、需要見込みや提供体制等を盛り込んだ、「子ども・子育て支援事業計画」を策定することとし、学識経験者や福祉関係者、公募市民を委員とする「鳴門市児童福祉審議会」を立ち上げるとともに、地域における「ニーズ調査」を実施いたします。

 また、「放課後児童健全育成事業」におきましては、これまで「旧児童館」で実施してきた「撫養・木津」の両児童クラブについて、安全面等を勘案し、「撫養・第一各小学校」の空き教室を活用することとし、本年秋頃の移設を目指して、整備してまいります。

 次に、教育行政の充実であります。

 去る2月8日、「鳴門教育大学」及び「市教育委員会」と、教育分野における先進自治体を目指す「鳴門市学園都市化構想」の実現に向け、「協力協定」を締結したところであります。

 この協定書に基づき、「連携協力会議」を設置し、「幼児教育・保育」、「学力向上」、「生徒指導」、「課外活動」などの6項目について、取り組んでいくこととしております。

 また、鳴門町を「モデル地区」として、町内の保育園、幼稚園、小・中学校から課題を抽出し、現場教員等からなる、各「専門部会」において、具体的な解決策を探っていくこととしております。

 「大学のあるまち」としての強みを活かし、鳴門教育大学との連携を一層強固にして、本市の教育環境の一層の向上を図ってまいります。

 また、来年度から新たに、「世界にはばたく鳴門の子ども」の育成に取り組んでまいります。

 まず、中学校においては、英語力の把握や英語学習への意欲向上などを目的に、全生徒に「英語能力判定テスト」を導入するとともに、「英検受験への助成」を実施いたします。

 また、小学校における外国語活動をサポートする「外国語活動支援員」を新たに配置するとともに、児童・生徒に、異文化への理解を深め、英語を使ったコミュニケーションを体験させる「イングリッシュキャンプ」を、「島田小学校」を活用して実施いたします。

 外国語教育の充実を図り、国際的視野を備えた児童・生徒の育成に一層積極的に努めてまいりたいと考えております。

(4)しっかり安心・快適 住み良いまちづくり

 第三点は、「しっかり安心・快適 住み良い まちづくり」についてであります。

 まず、防災対策の推進についてであります。

 「災害に負けないまちづくり」に向け、これまで、「災害時応援協定」の締結に取り組んでまいりました。

 他の自治体との協定としまして、去る1月30日に「鳴門市・板野郡5町」の間で、また2月14日には「鳥取県境港市」と、災害時相互応援協定を締結いたしました。

 「境港市」は、平成12年の「鳥取県西部地震」を経験され、防災対策に熱心に取り組まれるとともに、観光面や水産振興の面でも、本市にとって得るものが多くあり、この協定締結を機に、一層、交流を深めてまいりたいと考えております。

 また、民間団体等との協定では、去る1月21日、「大塚国際美術財団」との間で、美術館の施設の一部を、地域住民や観光客の「津波時の一時避難場所」に使用する協定を、1月29日には、社会貢献活動を行う民間企業で構成された「あきんどの会」と、「備蓄用飲料水」の無償提供等について、2月7日には、「鳴門建設業協会」と、大規模災害時の「応急復旧」等について、それぞれ協定を締結したところであります。

 さらに、大規模災害時の迅速かつ円滑な情報発信のため、県下初となる、日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」を運営する「ヤフー株式会社」との協定を締結いたしました。

 また、津波発生時における安全かつ迅速な避難を実現するための、「津波避難計画」の見直しにつきましては、地域住民の皆様のご意見をお聞きしながら、「避難場所」や「避難路」について検討を進めております。

 また、「津波避難ビル」につきましても、昨年10月末の県の「津波浸水想定」公表の後、4件の指定を新たに行ったところであります。

 今後とも、津波から市民の皆様を守る取り組みを、一層推進してまいります。

 また、長年の懸案でありました「新消防庁舎」が、車庫棟工事の完了により、このほど全体が完成の運びとなりました。

 新消防庁舎は、防災拠点として最高水準の「耐震性能」を持つとともに、屋上には、中四国の消防本部で初となる「太陽光発電・蓄電設備」を備え、大災害時でも一定の電力を確保できる施設であり、市民の生命・財産を守る体制強化が図れたものと考えております。

 来年度の、「南海トラフの巨大地震や津波・台風等の災害」への対応に向けた取り組みといたしましては、まず、市民への情報伝達手段として整備を進めております「デジタル防災行政無線」の本体工事に着手するとともに、浸水深や避難場所・避難経路などを表した「津波ハザードマップ」を作成し、市内全戸に配布いたします。

 また、この程発足した「市学校防災推進会議」において、「学校・幼稚園防災推進計画」を策定し、各小・中学校、幼稚園において防災教育や防災活動を推進するとともに、一時避難に必要な備蓄品などを整備いたします。

 さらに、自力避難の困難な高齢者や障がいのある方などが、地域で適切な支援を受けられるよう、「個別支援計画」の作成を進めるとともに、「災害ボランティアセンター」を設置する市社会福祉協議会に対し、初動体制に必要な資機材整備を支援いたします。

 また、「自主防災会」が取り組む避難訓練や防災研修などの活動活性化を図るため、新たな助成制度を設けます。

 「公共施設の耐震化」につきましては、小・中学校の「体育館」の耐震補強工事や非構造部材の耐震点検、「幼稚園」の耐震診断、「私立保育所」の耐震化への支援、文化会館や図書館、公民館、勤労者体育センター、市営住宅などの市有施設の耐震診断を行います。

 次に、公共交通対策についてであります。

 いよいよ4月から、最後の市バス路線の再編として、「引田線・大麻線・北泊線」を、「徳島バス株式会社」に移行することとなり、同社と協定書を締結し、現在、詳細についての最終的な協議を行っているところであります。

 また、市民の皆様から頂いたご意見を踏まえ、大麻町南部など、公共交通の「空白地域」における「新たな移動手段」について、来年度から、市民参加・協働により検討を始めたいと考えております。

 なお、3月末での市営バス事業からの撤退に際し、64年間という長きにわたり、市民の足を支えてきた「市営バス」を記念する、各種の催しを準備しております。

 3月27日から31日の5日間、キョーエイ駅前店4階で、「さようなら市バス写真展」を開催するとともに、「市バス無料感謝デー」として、同期間中、どなたでも市営バスに「無料」でご乗車できるようにしており、是非、多くの市民の皆様にご利用いただけたらと存じます。

 次に、生活排水対策の推進についてであります。

 河川等の水質を改善するためには、未処理生活雑排水を削減していく必要があり、「合併処理浄化槽」や「公共下水道」といった生活排水処理施設の整備を促進していく必要があります。

 このため、水環境の改善に向けたチラシ等の配布など、引き続き市民への啓発活動を推進してまいります。

 また、公共下水道の普及促進のため、本年度から導入した「グループ申請制度」については、助成制度利用者のうち8割以上が、グループ申請を利用しており、一定の効果が表れているものと考えております。

 今後とも、水環境の改善に向けて、市民の皆様のご理解とご協力をいただきますようお願いいたします。

(5)おおきく躍動 みんなで創るまちづくり

 第四点は、「おおきく躍動 みんなで創る まちづくり」についてであります。

 まず、市民参画・市民協働の推進についてであります。

 去る1月27日、市民活動交流研修会において、「葉っぱビジネス」として注目を集めている「株式会社いろどり」の横石氏をお招きし、「コミュニティビジネス講演会」を開催いたしました。

 約150人の皆様にご参加いただき、地域資源を活かして地域を元気にするヒントなどを学んでいただけたことと考えております。

 さらに来年度、「新たな公共」の担い手となる「NPO法人」や「ボランティア団体」なども含め、市民自らが企画実施する「まちづくり活動」を支援する「We Love なると まちづくり活動応援補助金」を創設いたします。

 設立後2年未満の団体や、活動をさらに発展させたり、新しい取り組みを展開しようとする団体から事業の提案を受け、公開プレゼンテーションなどを経て、対象団体を決定し、支援してまいりたいと考えております。

 また、「なるとワールドカフェ」を実施いたします。

 「ワールド・カフェ」とは、リラックスした雰囲気の中で意見交換を行う仕組みとして開発されたもので、若い世代を対象として実施することにより、まちづくりに対する意識の醸成と今後を担う人づくりを進めてまいります。

 次に、競艇事業についてであります。

 経営改善を進めている競艇事業につきましては、「ボートレース鳴門経営改革アクションプラン」に基づき、関係者の皆様のご協力をいただきながら、ボートレースのイメージアップ、新規顧客の獲得として、プーダパークの開催を始め、経営改善に向けた取り組みを進めてまいりました。

 また、1月17日から、本場特別観覧席と外向発売場「エディウィン鳴門」において、電子マネーで舟券を購入できるキャッシュレスカード「なるちゃんeCLUB」を導入いたしました。舟券の購入、払い戻しをカードで管理できるため、従来より、迅速、手軽に利用できることで、1,000人を超える方にご登録いただいているところであります。

 さらに、来年度は、全国発売の特別競走である「第27回女子王座決定戦競走」を8月に開催いたします。鳴門市の花火大会や阿波踊りの時期とも重なることから、相乗効果も期待でき、全国のお客様に対し、すばらしい開催となりますよう、関係機関のご協力をいただき、万全を期してまいりたいと考えております。

 今後におきましても、引き続きアクションプランの各取り組みを推進するとともに、平成26年度からの休催に向けた対応と施設改善に取り組んでまいりますので、議員各位、市民の皆様のご理解を賜りますようお願いを申し上げます。