平成24年鳴門市議会第4回定例会

■目 次 

(1) はじめに  

(2) うきうき 活力と魅力あふれるまちづくり 

(3) ずっと笑顔で 生きがい感じるまちづくり 

(4) しっかり安心・快適 住み良いまちづくり 

(5) おおきく躍動 みんなで創るまちづくり 

(1)はじめに

 本日、第4回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席をいただき、誠にありがとうございます。

 初めに、11月13日午後3時20分頃、瀬戸町北泊で竜巻が原因と見られる突風が発生いたしました。

 幸い、人的な被害はございませんでしたが、住宅のベランダの一部が破損し、車の窓ガラスが割れるなどの被害がございました。

 被災されました皆様に対し、心よりお見舞いを申し上げます。

 さて私は、平成21年10月に鳴門市長に就任して以来、「子どもたちの未来のために」、「笑顔とにぎわいあふれるまちづくり」を目指して、マニフェスト事業の推進や、様々な行政課題への対応に全力で取り組んでまいりました。日々、職務に邁進いたしておりますが、任期のうち3年を経過いたしました。

 依然として、本市を取り巻く社会経済情勢には、厳しいものがございますが、総合計画に掲げる「結び合う絆が創る 笑顔と魅力うずまく鳴門」の実現に向け、皆様のご意見に真摯に耳を傾けながら、更なる情熱と誠意をもって、残された任期を全うしてまいりたいと考えておりますので、議員各位並びに市民皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 今期定例会には、補正予算案などの議案を提出いたしておりますが、議案説明に先立ち、諸般の報告と当面する市政の課題についての所信を申し上げます。

 まずは、本市を取り巻く社会経済情勢への対応と平成25年度予算の編成についてであります。

 我が国の経済状況は、世界景気の減速等を背景として、このところ弱い動きとなっており、内閣府が発表した今年7月から9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、マイナス0.9%、年率換算でマイナス3.5%と、3四半期ぶりのマイナス成長となりました。

 また、来月16日には、衆議院議員選挙が予定されており、地方経済や財政にとりましても、何らかの影響が生じるものと認識いたしております。

 こうした中、平成25年度予算の編成にあたりましては、新たな取り組みとして、各部署において、歳入増や歳出削減につながる見直しを行った場合に、一定の予算要求枠を認める「インセンティブ予算要求制度」を導入するとともに、競艇事業繰入金を活用した「ボートレース鳴門プレゼンツ・成長戦略予算要求枠」を設定し、総合計画の成長戦略にかかる施策への、重点的な予算配分を推進することといたしました。

 今後とも、社会経済情勢の変化や国・県の動向などを敏感にキャッチし、市政の重要課題や行財政改革の推進に取り組んでまいります。

(2)うきうき 活力と魅力あふれるまちづくり

 第一点は、「うきうき 活力と魅力あふれる まちづくり」についてであります。

 まず、地域経済振興施策(エコノミックガーデニング)につきましては、市内企業への就業機会の拡大と、地元企業の人材確保を支援するため、「合同就職面接会」を10月24日に開催いたしました。

 面接会には、市内に事業所を置く22社にご参加いただき、大学・高校新卒者と一般求職者の計145人の皆様が来場され、人事担当者と熱心に面談をされました。

 昨今の厳しい雇用情勢の中で、人材を求める企業と求職者のマッチングに寄与できたものと考えております。

 また、今年度から実施しております、企業訪問調査につきましては、これまでに約80社を訪問し、経営者の皆様からは、様々な経営課題や商工行政に対する貴重なご意見をいただいております。引き続き、あらゆる機会を捉え、皆様と情報交換を密に行い、今後の施策に反映していくことが肝要であると認識をいたしております。

 また、現在、各種の支援制度など、経営者の皆様にとって有益な情報を整理して提供するとともに、経営者同士の情報交換の場となることを想定した、エコノミックガーデニングに関するホームページの開設を準備いたしております。市内企業の皆様のネットワークづくりに活かしてまいりたいと考えております。

 次に、鳴門わかめ不適正表示の問題についてであります。

 去る11月9日、県は、塩蔵わかめの原料原産地表示に関し、鳴門産わかめを三陸産と偽って県外業者に販売し、また、原料原産地表示に関する根拠書類を整備・保存しなかったとして、市内業者1社を含む2社に対し、JAS法に基づく、指示・指導並びに公表を行いました。

 この問題は、過去3度発生し、本市を代表するブランド産品である鳴門わかめのイメージを大きく傷つけてまいりました。

 本市といたしましても、失われた信頼を取り戻すため、これまで、県や関係者の皆様とともに、啓発研修や、信頼回復のためのキャンペーンなど、再発防止やイメージ回復に向けた努力を積み重ねてまいりましただけに、再び、こうした事案が発生したことは大変残念であります。

 これまで以上に危機感を持ち、県や関係機関と連携を強化しながら、JAS法の改正を含めた、より抜本的な再発防止策を要望・検討してまいりたいと考えており、来週早々にも、農林水産省 中国四国農政局に要望活動を行う予定としております。

 議員各位・関係者の皆様のご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 次に、観光・交流のまちづくりについてであります。

 まず、本市の観光ポスターとパンフレットにつきましては、内容を一新し、観光大使である「浪速のカリスマ添乗員」平田進也氏、タレントの板東英二氏の写真を掲載したものを新たに作成しております。

 このうち、ポスターについては、板東さんの背景に、鳴門海峡の写真を配した斬新なデザインのものと、ポスター全面に観光スポットや地場産品などをちりばめたものとの2種類を作成し、2枚セットで掲示する予定としております。

 また、観光パンフレットは、これまでの折り込みタイプから、写真を多く掲載した冊子に変更し、観光地や自然、食材や特産品など、色々な情報をふんだんに盛り込んだ、アピール度の高い内容としております。ポスターと合わせ、鳴門の魅力を県内外に発信してまいります。

 次に、今月18日に開催いたしました「2012 自転車王国とくしまライドin NARUTO」についてであります。

 幸い、天候にも恵まれ、多くの県外からの参加者を含む677名の方が、鳴門路を快走され、美しい海や山の景色を存分にお楽しみいただきました。

 また、オリンピック選手を招いての「前夜祭」や、ご家族やサポーターの皆様に、観光スポットをバスで巡っていただく「応援&観光バスツアー」を企画いたしましたところ、多くの皆様にご参加をいただきました。本市の魅力発信と地域経済活性化に、かなりの効果があったものと考えております。

 今回のイベントは、コースでの立哨など、多くのボランティアスタッフの皆様に支えられ、事故もなく成功裏に終えることができました。ご協力を賜りました全ての皆様に、この場をお借りしまして、お礼を申し上げます。

 次に、「徳島ヴォルティス」についてであります。

 J1リーグ昇格にあと一歩と迫った昨シーズンの結果を受け、本市といたしましても、今シーズン、地域バスへの「徳島ヴォルティス」をイメージしたラッピングや、まちおこしグループと連携してのパブリックビューイングの開催、「鳴門市民デー」の実施など、多くの市民の皆様とともに応援の機運を盛り上げてまいりました。

 残念ながら、今期は15位という成績に終わりましたが、来期は本市出身の木下淑晶選手が新たに加入するなど、更なる飛躍が期待されるところであります。今後も市民の皆様とともにサポート・応援してまいりたいと考えております。

(3)ずっと笑顔で 生きがい感じるまちづくり

 第二点は、「ずっと笑顔で 生きがい感じる まちづくり」についてであります。

 まず、10月20日、文化会館におきまして、「地域の『ふれあい』、地域での『生きがい』」をテーマに、「幸福(しあわせ)なまちづくり考in なると」が開催されました。地域包括ケアのまちづくりや、地域での生きがいづくりなどについて、私もパネリストとして議論に参加してまいりました。

 年齢を重ねても、最後まで自分の望むところで心豊かに暮らせるまちづくり、仕組みづくりの大切さについて、改めてその思いを強くしたところであります。

 次に、男女共同参画社会の推進についてであります。

 本市では、県内の市町村で初めて「男女共同参画都市」を宣言するなど、女性と男性が互いを尊重し、その個性と能力を発揮できる社会づくりに向けた取り組みを進めております。

 現在、本市が取り組む施策の方向性に関する基本的事項を定める「男女共同参画推進条例」の策定に取り組んでおり、審議会や市民ワークショップにおきまして、市民の皆様に様々な角度から熱心にご検討をいただいております。

 また、男女参画社会づくりの気運を一層高めることを目的に、来年2月3日、文化会館におきまして、「男女参画社会づくりin NARUTO」を開催いたします。

 基調講演やパネルディスカッションには、本市にゆかりのある「瀬戸内寂聴さん」をお迎えいたします。

 入場は無料ですので、多くの皆様にご来場をいただき、男女共同参画社会の実現に向けて、共に考え、学ぶ機会としていただければと考えております。

 次に、去る10月12日から15日までの4日間にわたり行われました、第19回リューネブルク市親善使節団との交流についてであります。

 このたびの交流では、ドイツ・リューネブルク市のコレ副市長を団長とする、総勢18名の使節団が本市を訪れ、ドイツ村公園でのコスモス交流や、地域の皆様手作りの「うずしお鍋」などが振る舞われた昼食会、ホームビジットなど、各種行事により親交が深められたところでございます。

 悪天候により来日が遅れ、1日短い交流となりましたが、「日独絵画交流20周年記念式典」や、醤油と日本酒の醸造所見学、お茶の接待などについても、関係団体のご協力によって実現することができました。

 今後とも、こうした交流の歴史を絶やすことなく、友情の輪をさらに広げ、次世代に引き継ぐことができるよう努めてまいりたいと考えております。

 次に、「第27回 国民文化祭・とくしま2012」につきましては、今月7日に文化会館におきまして、市主催の「まちが奏でるクラシックin鳴門市」を開催いたしました。およそ800人の方にご来場をいただき、一流の音楽家による演奏と、地元で活躍される合唱団や、第一中学校吹奏楽部との共演をご鑑賞いただきました。

 また、今月24日に催しました、「世界の踊りフェスタin ドイツ館」では、本市にゆかりのあるドイツ・ニーダーザクセン州の舞踊団と、ヒップホップグループが、ドイツの伝統的な踊りと現代の歌を披露し、本市での国民文化祭に花を添えていただきました。

 これらのイベント開催にあたり、ご尽力を賜りました実行委員会の関係各位をはじめ、市民皆様のご支援とご協力に厚くお礼を申し上げます。

(4)しっかり安心・快適 住み良いまちづくり

 第三点は、「しっかり安心・快適 住み良い まちづくり」についてであります。

 まず、危機管理・防災体制の強化についてであります。

 10月31日、県が南海トラフの巨大地震による最終的な津波浸水想定を公表いたしました。

 8月に内閣府が公表した津波浸水予測と比較いたしますと、本市では最大津波高が7mから8.2mへ上昇するとともに、浸水域は2倍以上に広がり、その範囲は大麻町桧の一部にまで及ぶとの結果となりました。

 本市においては、里浦地区の避難場所として整備を進めておりました、里浦小学校屋上の転落防止柵設置工事が完了いたしましたが、さらなる避難場所や避難路等の整備が急務であると再認識をいたしたところであります。

 そこで、今回の想定を踏まえた津波避難計画の見直しを行うため、避難場所や避難路などについて、地域の皆様との協議に向けた準備を進めております。今後、準備が整った地域からフィールドワークを実施するなど、地域の実情に即した計画を策定していくこととしております。

 また、各地域における高台への避難路の整備や、「津波避難ビルの指定」についても、関係者のご理解とご協力をいただきながら、引き続き取り組んでまいります。

 今回の想定を受け、地震津波対策は、より具体的な対策が求められる「新たな段階」に入ったものと考えております。「人命を守ることを最優先とした 震災に負けないまちづくり」の推進に向け、さらに各種施策を推進してまいります。

 次に、新しい公共交通体系の確立についてであります。

 平成24年度末をもって、公営企業としての市営バス事業から撤退することを踏まえ、現在、将来的に持続可能な公共交通体系の構築に向けた取り組みを進めております。

 市営バス、引田線・大麻線・北泊線の3路線につきましては、既にお示ししたとおり、民間路線バス事業者に路線移譲する方針で再編に取り組んでおります。現在、選定委員会において候補事業者となった徳島バス株式会社と、早期の協定締結に向け、最終的な協議を行っているところであります。

 4月1日の運行開始に向け、スムーズな移行が行えるよう必要な調整を図るとともに、広報なるとや沿線地域での説明会の開催などにより、利用者の皆様への周知に努めてまいりますので、ご理解を賜りますようよろしくお願いいたします。

 次に、環境保全の推進についてであります。

 本市では、「なると環境プラン推進計画2012」を策定し、自然を体感できる生活環境づくり、環境啓発活動などを進めております。

 今年度は、国のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されている「カワバタモロコ」をクリーンセンター周辺のビオトープ広場に放流する「じゃぶじゃぶ池づくり いきものいっぱいプロジェクト」を実施いたしました。

 3回にわたり、親子で自然を学びながら、自ら池の設計図を書き、手作りで生き物が暮らしやすい池を作ってまいりましたが、来月8日、いよいよ「カワバタモロコ」を池に放流する予定となっております。自然を体感でき多くの生物を観察できる環境学習の場となるよう、育ててまいりたいと考えております。

 また、今月25日、鳴門地域地場産業振興センターにおきまして、「環境にやさしいまちづくりフォーラム」を開催いたしました。「みんなで水環境について考えよう」とのテーマで、専門家による基調講演や、河川水質や水辺環境の改善に取り組まれている市民団体の皆様の活動報告、意見交換など、大変意義深いフォーラムとなりました。

 参加された皆様は、水環境の望ましいあり方や今後の取り組みについて、意を新たにされたようであり、本市といたしましても、市民や市民団体の皆様と互いに協働しながら、生活排水対策などの水環境改善に向けた取り組みを進めてまいります。

(5)おおきく躍動 みんなで創るまちづくり

 第四点は、「おおきく躍動 みんなで創る まちづくり」についてであります。

 まず、昨年度の「中学生・高校生による提案事業」の優秀提案の趣旨を実現するため、今回、初めて実施いたしました「We Love なると デー」についてであります。

 今月5日から18日までの期間中、公園での清掃活動など、本市を愛する皆様ご自身で考えられた、思い思いの「鳴門のためにできること」が行われました。

 自分たちの住むまちのために、何かをやってみたいと思われていた皆様にとりまして、今回の取り組みは、良いきっかけになったのではないかと考えております。

 今後も引き続き、市民の皆様に、ふるさとを愛する気持ちと社会貢献意識を高めていただけるよう、啓発活動を積極的に行ってまいります。

 次に、競艇事業についてであります。

 経営改革を進めている競艇事業につきましては、「ボートレース鳴門経営改革アクションプラン」に基づき、外向発売場「エディウィン鳴門」の開設をはじめ、特色のあるレースの導入や各種イベントの実施など、売上向上に向けた様々な施策を実施してまいりました。

 また、経営改善戦略として、臨時従事員賃金やボートピア土佐の運営形態などの見直しを行い、費用構造変革のため経常経費の削減を図ってきたところであります。

 こうした取り組みにより、平成23年度決算において、単年度黒字化を達成するなど、その成果は着実に現れておりますが、当年度末未処理欠損金は約4億7,300万円残っており、今後も累積赤字の解消に向けた取り組みを継続して進めていく必要があります。

 その一つの柱であります鳴門本場の施設改善につきましては、第3回定例会において、国の撫養港海岸保全施設整備事業と施設改善事業の概要等についてご説明をさせていただきました。

 現在は、詳細なスケジュール及び工法等について、国との調整を進めるとともに、本場施設改善に係る基本計画の発注に向けて、ボートレース関連団体のご協力をいただきながら、内部での調査研究を行っているところであります。

 また、休催中は外向発売所「エディウィン鳴門」のみの場間場外発売となるため、お客様に少しでも快適な環境でボートレースをお楽しみいただくため、休催する平成26年度までに施設の拡張を行うべく、ボートレース振興会との協議を進め、今年度中に設計を行いたいと考えております。

 今後におきましても、こうした取り組みを通じ、再び、本市の発展に貢献できるボートレース事業となるよう努めてまいりますので、議員各位、市民の皆様の御理解を賜りますようお願いを申し上げます。