平成23年鳴門市議会第4回定例会

■目 次 

(1) はじめに  

(2) 防災・災害対策の推進 

(3) 第六次鳴門市総合計画の策定 

(4) 新たな公共交通体系の構築 

(5) 自治基本条例 

(6) 競艇事業 

(1)はじめに

 本日、第四回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様方には、公私何かとご多忙中にもかかわりませずご出席をいただき、誠にありがとうございます。

 私は、平成21年10月に鳴門市長に就任して以来、「子どもたちの未来のために」、「笑顔とにぎわいあふれるまちづくり」を目指して、マニフェスト事業の推進や様々な行政課題への対応に全力で取り組んでまいりましたが、早いもので2年を経過し、任期の折り返し点を過ぎました。

 依然として、本市をめぐる社会経済情勢の変化は激しく厳しいものがございますが、残された任期、皆様のお声に真摯に耳を傾けながら、更なる情熱と誠意をもって、市政に取り組んでまいりたいと意を新たにしておりますので、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 まず、健康保険鳴門病院の公的存続についてであります。

 先月、県知事に対し、鳴門病院の公的存続に向けた支援について、市議会議長を始め、本市関係者の皆様と要望を行ったところでありますが、このほど、県において、国に対し、同病院を譲り受けることを申し入れる旨の意思表明がなされました。

 鳴門病院の公的存続に向けて、県から最大限の支援が得られたものと考えており、我々鳴門市民の意を汲み取っていただいた徳島県に対し、深く感謝申し上げますとともに、市議会を始め関係者の皆様に、厚く御礼申し上げます。

 言うまでもなく、鳴門病院は、本市に暮らす市民の安全・安心の確保のため、無くてはならないものであり、今後とも、地域の中核的な公的医療機関として、救急医療、災害医療などの政策医療を安定的に担っていただく必要があり、また、こうした地域医療は、地域の実情や市民の意見などを反映し、地域に密着して展開されるべきであると考えております。

 また、鳴門病院については、10月26日付けで、「地域医療支援病院」の承認を受けられました。この「地域医療支援病院」は、地域の中核病院の持つ高い機能を、地域の開業医の皆様にも有効に利用していただき、地域全体で質の高い医療を進めていくことを目的に、一定の要件を満たす病院が承認されるもので、県内で6番目の承認となります。鳴門病院の経営の安定にも大きく寄与するものと期待されます。

 県による確かな経営基盤のもと、鳴門病院が、地域医療を支える公的病院としての役割を着実に果たせるよう、今後、徳島県、鳴門病院、市医師会等関係者の皆様と、さらに連携を密にしてまいりますとともに、「我々鳴門市民によって守り育てる病院」として、私自身先頭に立って、全力で取り組んでまいりたいと考えておりますので、議員各位を始め、市民の皆様のご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

 今年の秋は、比較的温暖な気候に恵まれ、市内でも、農水産業の振興・にぎわいづくりの推進に向けた様々な取り組みが行われました。

 まず、10月9日、鳴門町の亀浦漁港において、市内の漁協・農協、生産者を始め、「ASAトライアングル交流圏」で連携する「東かがわ市・南あわじ市」からも、出店協力をいただき、合わせて33店舗による「農水産物フェア・なるとうずトラ市」が開催されました。

 従来から行っている「農水産物フェア」と合わせ、今回、初めての取り組みとして、軽トラックの荷台を店舗に見立てるなどして、地元で生産された新鮮な野菜や魚介類などを販売する「なるとうずトラ市」を開催し、観光客を含め、前年を上回る約5,000人に及ぶ大勢の買い物客でにぎわいました。

 また、10月30日には、鳴門市公設地方卸売市場の施設を活用し、6年ぶりに「鳴門市市場祭」を開催し、こちらも5,000人もの方にご来場をいただきました。

 公設市場においては、今回の盛況を契機に、12月30日にも一般市民の方に施設を開放して食材を提供する企画が検討されているとお聞きしております。このように継続的に消費者と公設市場との交流を深める取り組みが行われることは、非常に意義深いことと考えております。これらイベントの開催に関して、ご理解ご協力を賜りました農水産・市場・飲食業関係者の方々に対し、厚くお礼を申し上げます。

 次に、「徳島ヴォルティス」についてであります。

 「徳島ヴォルティス」は、Jリーグに昇格して7年目となりますが、今シーズンは、残り1試合を残し、現在、勝ち点65で、リーグ4位となっており、今週土曜日に行われますリーグ最終戦の結果、3位以内に入りますと、待望のJ1への昇格を果たすことになります。

 市民の間でも、「徳島ヴォルティス」を応援する気運が一段と高まり、去る10月30日には、市民会館において、パブリックビューイングが開催されたところです。

 当日は、雨天にもかかわらず約660人の方の来場を得て、大変な熱気に会場が包まれました。私も参加させていただき、市民の皆様の盛り上がりを、心強く感じたところであります。

 また、徳島県も、「ポカリスエットスタジアム」のバックスタンドの耐震改修に併せ、J1仕様とするための固定席の増設工事を行うとのことでございます。

 ホームタウンであります本市といたしましても、交流人口の増加を図る強力なパートナーとして、県を始め、関係機関と連携しながら、「徳島ヴォルティス」への支援を行い、地域のにぎわいの創出に努めてまいりたいと考えております。

 次に、中国 湖南省 張家界市との友好交流都市締結についてであります。

 張家界市とは、平成21年12月に鳴門市観光協会と張家界市人民対外友好協会が「友好交流意向書」を締結し、その後、本年1月に、鳴門市観光協会や市議会、経済界の皆様が、経済ミッションとして張家界市を訪問して、両市の経済や観光などについて意見交換を行うなど、交流を深めてまいりました。

 また、徳島県におきましても、今年の夏には、徳島・湖南省長沙間の定期チャーター便の就航計画が具体化し、10月の試験運航の実施などの経過を受けて、10月24日に、徳島県と湖南省政府との友好提携が締結されたところでございます。

 本市といたしましても、県と歩調を合わせ、去る10月25日に、私と三津市議会議長が張家界市を訪問し、飯泉徳島県知事を団長とする徳島県湖南省友好交流団一行の同席のもと、張家界市との友好都市提携を結ぶ協議書に調印をいたしました。

 今後は、観光、経済、文化など幅広い分野で、鳴門市、張家界市双方にとりまして、価値ある成果をもたらすことができる交流を図ってまいりたいと考えております。

 また、10月27日には、ドイツ連邦共和国のヴルフ大統領が本市を訪問されました。ドイツ館では、関係者の皆様や板東小学校の児童らがお出迎えし、地元保育園児が日本語とドイツ語で「第九」を合唱するなど、ヴルフ大統領を歓迎し、大変お喜びをいただきました。

 今回の訪問は、日本とドイツとの交流150周年を記念した大統領の日本訪問にあたり、これまでの本市とドイツとの友好交流を高く評価されているヴルフ大統領のたっての希望で実現したものと伺っております。

 板東俘虜収容所での、俘虜と住民との交流に端を発した、ドイツとの交流の歴史は、本市の貴重な財産であり、今後も、こうした国際交流の取り組みを進展させてまいりたいと考えております。

 さて、今期定例会には、平成23年度鳴門市一般会計補正予算案を始め、各種の議案を提出いたしておりますが、これら議案のご説明に先立ち、現在の市政への取り組みについてご説明を申し上げ、議員各位を始め市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます

(2)防災・災害対策の推進

 まず、東海、東南海、南海地震などに備えての防災・災害対策の推進についてであります。

 本市においては、地震・津波のための防災対策の基本となる考え方と取り組みの方向性を示すため、検討を進めておりました「鳴門市地震津波対策推進計画」を去る10月に策定いたしました。

 「人命を守ることを最優先とした、震災に負けないまちづくり」を計画の理念に、防災意識の醸成や、地震・津波に対する備えを始め、災害情報等の収集や伝達、救助や救急医療、ライフラインの確保などの取り組みを重点的に推進する内容となっており、市民の皆様や事業者の方々、地域と行政がともに協働し、連携しながら、対策を進めていくことを基本的な考え方としております。

 また、取り組み事項について、重要度・緊急度・着手時期の3つの視点から優先順位を定めるとともに、実施予定年度も記載するなど、取り組み事項の計画的な推進にも留意しております。

 この推進計画に定める施策や事業の着実な実施を通じ、「市民の皆様が安全で安心して暮らせるまち鳴門」の実現を目指してまいります。

 また、この計画にも位置づけております学校施設の耐震化事業については、今回、国の第三次補正予算の成立により、全国公立学校の耐震化予算が計上されましたことから、平成24年度以降に行うこととしておりました体育館の耐震診断のうち、小学校では黒崎小学校など11校、中学校では第一中学校など3校について、事業の前倒しを図るための所要の経費を今議会の補正予算に計上いたしております。

 今後も国の補助制度や県の支援策を活用しながら、より良い教育環境の整備充実に最大限努めてまいりたいと考えております。

(3)第六次鳴門市総合計画の策定

 次に、第六次鳴門市総合計画の策定についてであります。

 平成24年度を初年度とする新たなまちづくりの基本指針となる総合計画については、策定に向け市民団体の代表者、学識経験者などで構成する総合計画審議会において終始、熱心にご審議をいただいているところでございます。

 計画の策定にあたりましては、様々な角度からのご意見を伺う必要があると考え、これまで「まちづくり出前市長室」など、幅広く市民皆様のご意見をお伺いしてまいりました。また、新たな取り組みとして、鳴門市立工業高校、県立鳴門第一高校の生徒の皆さんとの「高校生まちづくりトーク」の開催や、鳴門青年会議所のメンバーと同世代の市職員による、今後の魅力あふれるまちづくりを進めるための意見交換会の実施など、工夫を凝らしてきたところです。

 明日、開催いたします第5回の総合計画審議会において、本市の10年後の姿を示す将来都市像、施策の基本的方向を示す基本目標や将来目標人口を含む基本構想といった計画の全体像について、再度ご審議をいただく予定としており、その結果を受けまして、今議会において議員の皆様に素案をお示しし、本年度中の計画策定を目指して、取り組んでいくこととしております。

(4)新たな公共交通体系の構築

 次に、新たな公共交通体系の構築についてであります。

 本市では、「運輸事業整理計画」に基づき、平成24年度末に公営企業としての市営バス事業から撤退することとしておりますが、「市民生活に必要な移動手段は基本的に確保する」との方針のもと、将来にわたり安定的に持続可能な新しい公共交通体系の構築に向けた取り組みを進めているところです。

 今年度末には、「スーパー改革プラン」にてお示ししておりますとおり、市営バスとしての「市内循環線」を廃止し、地域バスへ移行することとしております。

 今月16日に開催されました「鳴門市地域公共交通会議」におきまして、運行ルートや時刻表の変更等を示した最終的な運行計画について、ご承認をいただいたところであり、地域バス市内循環線の4月1日からの運行開始に向け、準備を進めてまいりたいと考えております。

(5)自治基本条例

 次に「自治基本条例」につきましては、「鳴門市自治基本条例の施行期日を定める規則」を定め、11月1日から同条例を施行するとともに、条例に規定する市民投票の実施請求手続きについて具体的に定めた「鳴門市市民投票の実施の請求に関する規則」を制定いたしました。

 また、庁内で組織する「鳴門市市民協働推進本部」において、「市民との協働のまちづくり行政行動指針」を策定しました。

 この指針は、協働のまちづくりを進めるにあたり、「まずは行政から変わろう、市職員から変わらなければならない」との思いから、職員の意識改革を始め、事務執行にあたる姿勢など、全職員が共有できるものとしてまとめております。

 今後は、職員一人ひとりが、この指針を正しく理解し、指針に基づく行動を実践していくとともに、自治基本条例の理念や内容を広く周知しながら、市民の皆様と行政とが力を合わせて、地域課題の解決を図り、「市民が主役のまちづくりの実現」を目指してまいりたいと考えております。

(6)競艇事業

 次に、競艇事業についてであります。

 経営改善を進めている競艇事業つきましては、「ボートレース鳴門経営改革アクションプラン」に基づき、現在、様々な施策に取り組んでおります。

 こうした中、ボートレース振興会の支援制度を活用し、整備を進めておりました外向発売場「エディウィン鳴門」につきましては、去る10月21日に施設が完成し、翌22日に市議会議長を始め議員の皆様にもご臨席を賜り、開所式を行い、オープンいたしました。本場発売の有無にかかわらず、朝7時から夜9時頃まで全国のグレードの高いレースやナイターレースを発売する施設として、開所以来、多くのお客様にご来場いただき、売上については順調に推移しております。また、他場においても同様の外向発売所が設置されてきていることから、本場開催のグレードレースの他場発売も伸びているところであります。

 しかしながら、本場の売上につきましては、本場開催、場外発売ともに減少しており、依然、売上げの動向については注視していく必要があると考えております。

 今後におきましても、引き続きアクションプランの各取り組みを推進し、経営改善に努めてまいりますので、議員各位、市民の皆様のご理解を賜りますようお願いを申し上げます。