広げよう!放課後子ども教室

 鳴門市教育委員会では文部科学省の補助を受け、平成19年度から放課後や週末などに子どもたちの安全・安心な活動拠点(居場所)を設け、保護者や地域住民の協力を得て、子どもたちとともに勉強やスポーツ・文化活動、地域住民との交流活動などを実施し、子どもたちが心豊かで健やかにはぐくまれる環境づくりを進めています。市内では8小学校区で教室が開かれ、学校や地域の特色を生かしたさまざまな活動が実施されています。ここでは、運営の中心になっているコーディネーターや小学校の先生などに、お聞きした教室の取り組みを紹介します。


大学生と学校の連携でスムーズな運営   瀬戸小学校放課後教室(徳本教頭)

瀬戸小放課後教室 瀬戸小学校放課後教室は毎週水曜日、鳴門教育大学の大学生10名が3〜7名ずつ交代で来校し、午後3時から5時まで小学校の施設を活用して開催しています。教室には全児童の大半が登録し、授業が終わった学年からプレイルームと呼ぶ教室に集まり、個別に宿題を始めています。宿題の分からない点は指導の大学生に尋ね、終わった子どもから運動場や校庭に出てサッカーをしたり、池でザリガニ釣りをしたりしています。雨の日には、あやとりや折り紙などの昔遊び、本の読み聞かせをしてもらったり、体育館でドッジボールなどをして遊んでもらったりしています。

 大学生が少なくとも3人は来てくれますので、運動場や中庭、プレイルームに分かれて一緒に遊んでくれたり、事故がないように見守ってくれたりしています。

 少子化などで全校児童数が33人の本校では、多くの子どもたちは下校しても近所に遊ぶ友達がいない状態の中で、この教室は子どもの有意義な居場所になってきています。子どもたちは学年を越えて遊ぶことも多く、上級生が下級生の世話をする関係も強くなってきて、いじめもないように思います。宿題など家庭学習が定着していなかった子どもたちにとっては、個別指導をしてくれるので、学習意欲の向上と基礎学力の向上に役立っています。

 指導してくれる大学生は、教員を目指しており、子どもとの接し方や学習指導の勉強になると、熱意を持ってかかわってくれています。子どもたちも一緒に遊んでくれるのを楽しみにしており、水曜日は大学生が来る前から自発的に宿題も早く取りかかるようになりました。

 教員も教室が終わるたびに大学生から子どもの状態について報告を受けたり、アドバイスをしたりして連携を図る中で、次第にスムーズな運営が行われてきました。今年度は夏休み期間中も、大学生の協力で毎週水曜日に実施しています。

自然の中での活動や世代間交流     ドイツ村冒険遊び場教室(民喜正文)

ドイツ村冒険遊び場教室 ドイツ村冒険遊び場教室は、賀川豊彦記念館裏の丘陵地で子どもたちが斜面を利用したそり遊びやロープと滑車を使った遊具などで遊べる拠点(冒険遊び場)づくりとしてスタートしました。

 ここでの活動は不定期ですが、休日に原始の火おこしをして、サツマイモやおにぎりを焼いたり、竹を切って箸や食器づくり、そうめん流しなどを行ったりする行事を取り入れています。子どもたちは、行事の合間に冒険遊び場で自由に遊び、自然の中で楽しめるように工夫しています。

 このほか板東俘虜収容所やドイツ橋、賀川豊彦記念館など、地域の歴史を教育委員会職員や地域のかたから学ぶことも取り入れています。

 平日の放課後は毎週3回、板東小学校近くの宅老所・コスモスはうすで、子どもの安全安心な居場所づくりと学習・パソコン指導のほか、世代間交流を目的に教室を開いています。

 登録児童は約40名ですが、平日は低学年を中心に20名ほどが参加する中、近所のかたや退職教員が宿題やパソコンの指導をしているほか、遊びの場として子どもの安全を見守っています。

 4月当初には1年生ははしゃぎまわっていましたが、遊びの時間でも安全確保のため教室内は走らない、道路に出ないことなどをしつけの基本にする中で、少し落ち着きが出てきました。最近は1年生でもパソコンでゲームやメールをしたり、データのダウンロードもできるようになったりしてきました。また、行事のときに訪れた高齢者と将棋をさしたり、折り紙を教えてもらったりして、世代間のふれあいも出てきています。

 昨年度で小学校の先生による天文教室が終了しましたので、今後は小学校での活動をどのように実施していくかが課題になっています。

鳴門西地域・学校・保護者が一体の運営  げんきっ子教室(小林夕貴)

げんきっこ教室 げんきっ子教室は平成16年度に地域子ども教室を開いたときから、地域と鳴門西小学校、保護者が一体になって取り組んできました。教室には児童クラブの子どもたちも多数参加し、活動が終わったら児童クラブに帰っています。関係者の努力で学校施設と公民館施設も活動に応じて、使い分けできるなど、放課後子ども教室と児童クラブの両事業がスムーズに連携しています。

 今年度は低学年を中心に70名の子どもたちが参加しています。このため、当初予定していた第一木曜日の学校図書室での学習活動は全員が入りきれなくなり、体育館でのゲームやドッジボールなど「遊びの日」に変更しました。それでも、保護者からは不満もなく、交代で指導や安全管理に携わってくれています。学校も気持ちよく学校施設を利用させてくれています。

 第3・4木曜日は地域の婦人会や老人会がお手玉、折り紙、カルタ取りなどの伝承遊び、グランドゴルフやビーンボウリングなどのスポーツを教えてくれています。土曜日や長期休業中にはクッキングや映画会、左義長など、普段できない行事や地域の行事に参加しています。

 鳴門西地域も核家族が多くなりましたが、継続して教室を開設するうちに地域で子どもたちを見守っていこうという雰囲気になってきました。子どもたちは家で一人で居るよりは、友達や地域の人と遊んだり交流したりするのが楽しいようです。高齢者も子どもたちと接することを楽しみにしてくれているようで、世代を越えた交流やふれあいが進んできました。

地域が多彩な活動支援 大津西放課後子ども教室(矢金 満)

大津西放課後子ども教室 ここの教室は小学校の余裕教室や大津中央公民館を拠点に活動しています。クラブ活動や塾に通う子どもも多く、教室への参加人数はあまり多くありませんが、きめ細かな取り組みができています。

 今年度は学年初めの落ち着かない時期をはずし、子どもたちに余裕ができた夏休みから活動を始めました。

 活動内容は、毎週1回の学びの場を設けて、小学校の学力向上プログラムであるステップアップ学習や宿題にみずから取りかかり、自己学習力向上を図っています。このほか、地域のかたがたの協力を得て、女子児童に人気の折り紙教室、低学年や幼稚園児に親しまれている読み聞かせ教室やマジック教室・将棋教室など多くの活動に取り組んでいます。スポーツ振興会のかたからはソフトバレーやファミリーバドミントンなどの指導も受けています。また、地域の歴史遺産である県指定史跡・大代古墳の清掃や一般公開にも参加し、ふるさと再発見に努めています。

 子ども教室の活動をする中で、子どもたちは納涼祭や福祉施設の慰問などで、マジックを披露したり、折り紙教室の作品を学校の玄関に飾ったりして、活動の発表を通じて自信が出てきたように思います。また、指導者たちとのあいさつはもちろん、学年を越えた交流も図られ、核家族や少子化世帯には得られない世代間や異年齢のふれあいも見られるようになりました。

大学生の指導で宿題や遊び 明神放課後子ども教室(山根 巌)

明神放課後子ども教室 明神小学校区には、児童クラブがないので、昨年11月、PTAが中心となって、週1回ですが毎週木曜日の放課後に子どもたちが楽しく過ごす居場所として、教室を開設しました。

 子どもたちは、授業が終わると学校から提供された図工室に集まり、自主的に宿題にとりかかり、分からないところを鳴門教育大学の学生3人に教えてもらっています。宿題が終わった子どもから運動場か体育館でフットベースボールや鬼ごっこ、卓球をしたり、図工室に残り鍵盤ハーモニカを数人で演奏したりして思い思いに遊んでいます。指導の学生たちもケガのないように目配りしてくれたり、一緒に遊んでくれたりするので、子どもたちは、年の離れたお兄さんお姉さんのように安心して接しています。

 その他の行事としては、四国電力の協力で科学実験の体験教室の開催や、地域のかたによる本の読み聞かせや折り紙教室を開催しています。

 おかげで教室は好評で、保護者からは「週1日でも学校で放課後を過ごしてくれたら安心です」と喜ばれています。児童も低学年を中心に少しずつ増えてきて、現在は35人が参加しています。今後は学校行事では得られないような体験をさせてやりたいと考えています。

多彩な活動で成長する 子どもたち  撫養クラブ子ども教室(増田恭子)


撫養クラブ子ども教室  撫養クラブ子ども教室は月2回の火曜日と毎週木曜日の放課後および毎週土曜日の午前中、小学校の体育館や図書室などの学校施設を活用したり、近くの公民館を活用したりして開催しています。退職教員や鳴門教育大学の留学生・大学院生、保護者、スポーツ少年団のコーチ、地域のかたなど大勢のかたが、卓球や体操、バスケットボール、英語、科学実験、折り紙、読み聞かせ、お菓子教室などさまざまな活動を指導してくれています。

 参加は全学年のだれもがいつでも参加できるようにしています。学年が進むにつれて、塾やスポーツ少年団活動、けいこごとなどに通う児童も増え、参加者は低学年が多いのですが、5・6年生も月初めに渡している予定表を見て、自分の興味や関心の深い活動の中から時間に合わせて参加するようになってきました。平日は教室が始まるまで自主的に宿題をして待つようにもなりました。児童クラブの子どもたちの中には教室での活動に参加し、そのあと児童クラブに行って保護者の迎えを待つようにもなってきました。

 参加者が多い季節の行事の流しそうめんやクリスマス会、みこしかつぎは百名を超えます。包丁を持ったり火を使ったりしますので、参加人数に応じて、現役はもちろんOBのPTAの皆さんにも安全管理員としてお手伝いをしてもらっています。子どもたちの参加が増えるにつれて、保護者や先生がたも協力してくれるようになりました。こうした活発な活動が認められ、今年の2月、県代表として文部科学省から表彰されました。表彰は長期にわたりPTAの皆さんと一緒にやってきたおかげです。

 活動により子どもたちが安心して集まれる居場所づくりができてきました。マット運動やバスケットなどスポーツは子どもたちの力が向上してきているのがわかります。包丁を持つ手もしっかりしてきました。また、つくったおやつを食べてしまわずに家族に持って帰るというやさしい気持ちが出てきたり、関係者と何気ない会話もできるようになるなど、心のふれあいが持てるようになったこと

学習指導と茶道教室 里浦のびっ子ルーム (小野瀬優理子)

里浦のびっ子ルーム 里浦小学校では、この事業が始まる半年前の平成18年秋ごろから「共働きの家庭も多く、留守番をする子どもたちも多い。放課後、子どもたちが過ごす場所があれば」との学校の配慮から、空き教室を使い、放課後の学習指導を始めました。

 19年度からはそれを引き継ぎ、毎週水曜日と金曜日の放課後、学習教室として午後3時から4時30分までを低学年と高学年に分けて開いています。木曜日は茶道教室として午後2時から4時まで開いています。参加の対象は全学年で、登録者数は、学習教室が48名、茶道教室が10名となっています。参加者の中心は低学年で、大半は児童クラブに在籍している状況です。

 児童クラブも空き教室を使用していますが、子どもが多く手狭であるという問題があります。放課後子ども教室を活用することで、それらが緩和されるという効果もあげています。

 学習教室では教職員と鳴門教育大学の大学生が指導にあたっています。最初は何をしていいのか分からなかった子どもたちも、宿題をするだけではなく、次第に学習ドリルを持ってきたり、学校の漢字や計算プリントを自主的に学習したりするようになりました。主体的に学び、理解し、答えを導く楽しさや、できることの喜びを感じながら学習に取り組んでいます。

 茶道教室は、地域のかたが仲間を大切にし、礼儀や思いやりのある心を育むことをモットーに開催しています。回を重ねるごとに礼儀が身につき和を大切にする心も浸透してきました。参加希望者は多いのですが、道具などの数にも限りがあるため、高学年を中心に人数を制限しています。このため、年度末に茶道教室を受講した子どもたちが、受講できなかった子どもたちにお茶を振る舞いました。寄り添いながら、習ったお作法を優しく教えている姿は、微笑ましく感じます。

 約2年半の活動を振り返り、放課後の子どもの居場所を求める声が多いことに気付きました。地域のかたや保護者、学校と支え合いながら、教室を継続し、良いものにしていきたいと考えています。

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 このほか、しまだアイランド子どもクラブも少人数ですが、地域や島田小学校の協力を得て教室を開いています。

【問い合わせ】教室の開設などについて相談に応じています。

市教育委員会生涯学習人権課(電話686・8807)



問い合わせ:秘書広報課
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