鳴門の渦潮

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(1)なぜ潮流が発生するのか

潮流の原因となる潮の満ち引きは、月と太陽の引力によってできます。この満ち引きは、東から西へと進みます。従って干潮・満潮の時刻は一般的に西へ行くほど遅くなります。
鳴門海峡は、徳島県の東北部(大毛島・孫崎)と兵庫県の淡路島南西部(南淡町・門崎)との間にあり、南は紀伊水道、北は播磨灘に面しています。
この鳴門海峡への潮の流れは、紀伊水道から高知県へ、そこから豊後水道〜瀬戸内海〜播磨灘へと四国を1周するのに約5時間かかります。満潮から干潮へと変わるのにかかる時間が約6時間ですので、鳴門海峡を挟んで、北側(播磨灘)と南側(紀伊水道)で干満の時刻が、ちょうど正反対になります。
このため水面に約2mの段差ができ水位の高いところ(満潮側)から低いところ(干潮側)へと流れ込み潮流ができます。さらに、鳴門海峡は幅が1.3km程しかなく、狭い海峡に勢いよく水が流れ込み、渦潮の巻く原因となる速い潮流が発生します。

(2)潮流の速さ

鳴門の潮流は日本中で最強の速力があり、平常は13〜15km/時間ぐらいですが、春秋の大潮時には18kmに達し、風向きによっては20kmにも及ぶときがあります。

(3)渦潮の発生原因

渦潮のできる理由としては、一般的に次のような点が原因であるといわれています。
  • 流れが狭いところから急に広いところへ出た場合。
  • 浅いところから急に深くなった場合。
  • 速さの違う流れがすれ違った場合。

鳴門の渦潮のできる理由は、「なぜ潮流が発生するのか」で説明したように速い潮流が1番の条件ですが、そのほかにも鳴門海峡の変化に富んだ地形が大きく影響しています。
その特徴は、
  • 海峡の幅が約1.3kmと狭く、くびれた形をしている。
  • 1.3kmの幅の中でも、
    • 裸島と中瀬の間の主水路(『大鳴門』:幅800m・水深85m)
    • 中瀬と門崎の間(『小鳴門』:水深10m)
    • 大毛島と裸島の間の浅瀬
    の3つの部分に分けられます。
  • 海峡の両側の海底には、深い海釜(すり鉢状のくぼみ)があり、北側には最深160m・200mの2つ、南側には160mの海釜が確認されています。
  • 中瀬と門崎間の『小鳴門』・大毛島と裸島間の浅瀬の部分には流れの遅いよどみ水域があります。

このような状態の鳴門海峡に、速い潮流が流れ込み渦潮が発生します。

(4)渦潮を観察すると

写真 鳴門の渦潮 『大鳴門』の下流で、ここを通過すると流れは急に速さを増し、下流へと流れていきます。渦はこの『大鳴門』を流れる激しい潮流の外側と静かな水面(よどみ水域)との境目にできます。潮流に沿って右側には右巻き、左側には左巻きの渦が巻きます。
できた渦は、互いに合併しながら、大きくなり、回りながら紀伊水道・播磨灘へ流れ消えていきます。
渦潮で最も大きいものは、南流(北側から南側)の時に裸島の東側にできるもので、直径15m以上に達します。また北流(南側から北側)の場合は、中瀬の南西にできるものが大きく、直径12mに達します。
渦の寿命は、詳しくはわかりませんが、回転する渦を見られるのは、時間にして数十秒、距離にして数百メートルぐらいの間です。