鳴門市には、市の南側を東流する旧吉野川や市街地の中心部を流れる撫養川など多くの河川や水路があります。主要な河川については、これまでも国・県・市で水質調査を行ってきましたが、市では、平成22年度、これらに加えて身近な河川や水路についても水質調査を実施しました。
調査地点については、次のとおりです。

市内水質調査地点

| 水質調査項目 | 説明 |
| pH(水素イオン濃度) | 水中の水素イオン濃度の逆数の対数をとったものをいいます。pH7は中性を示し、pH7より大きい場合はアルカリ性、pH7より小さい場合は酸性を示しています。pHは、流域の地質や工場排水等の人為的な汚染、植物プランクトンの光合成などによって変化します。 |
| BOD(生物化学的酸素要求量、 biochemical oxygen demand) |
水中の有機物質などが微生物によって分解される際に消費される酸素量のことで、数値が大きくなるほど汚濁していることを示します。河川の水質汚濁の一般的指標として多く用いられています。 |
| COD(化学的酸素要求量、 chemical oxygen demand) |
水質汚濁を示す代表的な指標のひとつで、湖沼や海域の水質汚濁の一般的指標として用いられています。試料に酸化剤を加えて、一定条件下で反応させ、そのときに消費した酸化剤の量を酸素の量に換算して表したものです。 |
| 浮遊物質(SS、suspended solids) | 水中に懸濁している直径2mm以下の粒子状物質のことをいいます。浮遊物質の量は、水の濁り、透明度等の外観に大きな影響を与えるほか、魚類のエラを塞ぎ、呼吸を妨げる危険性や、太陽光線の透過を妨げ、藻類の光合成を阻害させるなど、生態系にも影響を与えます。 |
| 溶存酸素(DO、dissolved oxygen) | 水中に溶けている酸素のことで、河川や海域の自浄作用や魚類等水生生物の生息には不可欠なものです。水中における酸素の飽和量は、気圧、水温、塩分等に左右されますが、溶存酸素と水質の関係は、水が清澄であればあるほどその温度における飽和量に近い量が含まれます。河川や海域で汚濁が進むと溶存酸素が大量に消費され、嫌気的になり悪臭が発生することがあります。 |
| 大腸菌群数 | 大腸菌及び大腸菌ときわめてよく似た性質をもつ菌の総称で、大腸菌群数は大腸菌群を数で表したもので、検水100mL中の大腸菌群の最確数(MPN、Most Probable Numberの略)で表されます。水中の糞便汚染の可能性を示す指標として使用されています。 |
| 全窒素(T−N、total nitorogen) | 水中に存在する無機性窒素化合物(アンモニア性窒素や亜硝酸性窒素、硝酸性窒素等)と有機性窒素化合物(たんぱく質やアミノ酸等)の窒素の総量を表します。 窒素化合物を多く含む河水が、湖沼や内湾等の閉鎖性水域に流入すると、その水域の富栄養化を促進する原因となります。 |
| 全燐(T−P、total phosphate) | 水中に存在する無機性燐化合物と有機性燐化合物の燐の総量を表しています。燐化合物を多く含む河水が、湖沼や内湾等の閉鎖性水域に流入すると、その水域の富栄養化を促進する原因となります。 |
(5)播磨灘に注ぐ河川水質調査データ (2地点)

旧吉野川水系の河川においては、上流域の陰ケ谷川、寺前谷川、板東谷川、鍛冶屋川の水質は概ね良好でしたが、下流域の河川や排水路では、水質汚濁が進んでいることが確認されました。

撫養川水系においては、上流域の原地川からある程度汚濁の進んだ状況を示しています。
特に下流域の排水路で水の流れが少なく停滞するような箇所において、BODの数値が高く、汚濁の進んだ状況が見られました。
本流域は全体的に平野部の住宅密集地、工場、畑地の混在する地区を通る水路と接続しており、水量の少ない水路の一部では流れが生じていないことや、水路が袋小路状で流量も少ないため、汚濁物が流されずに溜まりやすい構造であることが水質汚濁の一因であると考えられます。

小鳴門水道に注ぐ河川では、住宅が多く、人口が集中している撫養町や瀬戸町明神地区の市街地を流れる河川等において、生活排水によると思われる水質汚濁が進んでいます。
特に撫養町の桑島排水路、中水尾川、黒崎排水路では、BOD、大腸菌群数、全窒素(T−N)、全燐(T−P)とも数値が高く、生活排水の影響を強く受けています。
一方、採水日によってBOD等の数値に差があるのは、これらの河川や水路が潮の干満の影響を強く受ける典型的な感潮河川で、小鳴門水道との間で河水(海水)が往来しているためと思われます。

網干川はBOD、大腸菌群数の数値が非常に高いことがありました。さらに全窒素(T-N)、全燐(T-P)の数値も比較的高いことから生活排水の影響が大きいと考えられます。

折野川の採水地は民家の少ない上流部のため、水質は良好でした。
一方、粟田川のBODは低く、外観では清澄な河川ですが、大腸菌群数が高く、全燐(T-P)もやや高いことから、生活排水の影響を受けていると考えられます。
河川等のBOD検査結果

注:複数回調査した地点については、全データを値の小さいものから順に並べ、
(0.75×調査回数)番目の数値(75%値)を採用
この結果からも明らかなように、農地が広がって住宅の少ない地域の河川に比べ、住宅が密集して人口の多い地域の河川の方が水質汚濁は進んでいます。これらのことから本市の公共用水域における水質汚濁の最も大きな原因は、生活排水であると考えられます。
連絡先
環境政策課
〒771-0361 鳴門市瀬戸町堂浦字浦代105-17-2
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